野球小説アンドロメダ  RSSを登録する

野球マンガみたいな野球小説です。ホームドラマのような野球小説です。流し読みでOKの野球小説です。年齢、性別関係なく読めます。魅力あふれる若者たちの未来を想像していただければ幸いです。20XX年、新プロ野球伝説・アンドロメダ、プレーボールです。

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2009/06/26

野球小説アンドロメダ・Jと小次郎4

☆☆☆☆☆




 20XX年、未知なる魅力あふれる野球戦士たちが、それぞれの夢達成のゴー
ルに向かって、走り出した。それは理想の世界だろうか、それとも…。





☆☆☆☆☆





 球界の危機的状況を感じ取った選手会リーダー・高杉明太郎はある日、東京グ
レート総務課長の村澤三四郎、マネジメント会社アンドロメダのリーダー・大田
原健太郎と出会い、未知の魅力にあふれた選手の発掘を誓う。そして舞台は全国
の高校へ。アンドロメダ球児たちの夏が始まった。






☆☆☆☆☆Jと小次郎4





 目が訴えていた。世の女性をとりこにする目が…。もしも、このシーンにJフ
ァンの女性がでくわしていたら、昇天してしまうのではないか…。それはともか
く、その目は真剣だった。邪心がなかった。純粋に感じた。ただ野球で進化した
い。それだけだった…。







 アンドロメダ調査員(九州地区担当)の神威小次郎は人気モデルであり、高校
球児でもある速水拳(桜福坂3年)の必死さを感じ取った。速水は野球センスが
ないわけではない。昨年夏の甲子園には「3番・ピッチャー」で出場している。
球速は137、8キロ。185センチの投げおろす直球は威力があった。バッテ
ィングもシュアだ。足もけっこう速い。




 ☆走攻守に渡ってバランスが取れた好選手。将来が楽しみ…。




 神威の寸評にもこう記されていた。ただし…





 ☆男性モデルとして人気絶大。高校卒業後は芸能界入り濃厚…。




 こうも記されていた。







 小顔、甘いマスク、長身、軽く筋肉質…。確かに速水はかっこよかった。女性
ファンたちが集まってくるのも、まぁ、無理はないか…。神威もそれは認めてい
た。どうしても野球よりも、そっち方面に目は、いった。








 昨夏の甲子園での速水フィーバーはすさまじかった。2回戦で敗退したものの、
大変な騒ぎだった。マンモスにつめかけた女性ファンの数は異常なものでもあっ
た。






 昨秋、桜福坂は長崎予選決勝で敗れて、九州大会にも進めなかった。センバツ
はもちろん、その時点でアウトだ。速水の調子も今ひとつだった。それでも球場
には女性ファンが大挙して駆けつけるなど、人気だけは絶大だった。モデルとし
ての仕事も増えていた。野球の練習に全く影響がなかったわけではない。速水は
そんなこんなで悩んでいた。モデルとしての人気が高まるほどに苦しんでいた。






 「おいは野球で注目されたかとに…。プロ野球選手になりたかとに…」

 





 今年に入って、速水はモデル活動を控えることを決意した。もとより芸能プロ
ダクションに所属せずに、ある雑誌の専属モデルとして、やっていただけ。当然、
その雑誌社は引き止めたが、速水の決意は変わらず、とりあえず「休業」という
ことで落ち着いた。







 しかし、桜福坂の練習グラウンドにはこれまた毎日、女性ファンがやってくる。
うれしくなくはないが、速水はチームメイトに迷惑をかけているのがまた、つら
かった。








 速水は同級生捕手の盛川修市に、その気持ちを打ち明けた。野球部の練習から
も離れた。とりあえず、1人で考えようと思った。変装して、山に行った。まず、
走る。とにかく走ろうと思った。山頂までの最後の直線を、ひたすら走った。ダ
ッシュを繰り返した。だから、どうなるものではない、とは思っていた。でも、
まず走ろうと思った。走っているうちに何かを思いつこうと…。体をいじめ抜い
て、自らにハッパをかけようと…。


 





 神威に出会ったのはまさに偶然だった。だって、普段、あまり人が来ないと思
って選んだ場所でもあったのだから…。なのに会った。最初は嫌だった。いきな
り見つかってしまった、とガックリだった。でも、話を聞くと、そうでもないか
と…。しかも、プロ野球関係の仕事をしている人というではないか。モデル・速
水拳には興味がない、ともいうではないか…。






 気がつけば、速水の方がお願いしていた。






 「もっと野球がうまくなりたかとです…」

 






 小さい子供が言っているみたいだった。あまりにもストレート、かつ単純な要
求だった。でも目はキラキラ輝いていた。本気だった。

 






 神威もちょっとびっくりした。正直、こんな展開になるとは思ってもみなかっ
た。ただし、速水の真剣さはよくわかった。単純な言葉にも熱意を感じた。必死
さを感じた。そして…





 「てつどうたるけん(手伝ってあげるよ)」

 




 神威はアンドロメダ流のバックアップを決めたのだった…。



                            つづく

☆☆☆☆☆


 アンドロメダの物語はフィクションです。実在の人物、地名、組織には一切関
係ありません。
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