野球小説アンドロメダ  RSSを登録する

野球マンガみたいな野球小説です。ホームドラマのような野球小説です。流し読みでOKの野球小説です。年齢、性別関係なく読めます。魅力あふれる若者たちの未来を想像していただければ幸いです。20XX年、新プロ野球伝説・アンドロメダ、プレーボールです。

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2009/03/06

野球小説アンドロメダ・魔法エース16

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 20XX年、未知なる魅力あふれる野球戦士たちが、それぞれの夢達成の
ゴールに向かって、走り出した。それは理想の世界だろうか、それとも…。





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 球界の危機的状況を感じ取った選手会リーダー・高杉明太郎はある日、東
京グレート総務課長の村澤三四郎、マネジメント会社アンドロメダのリーダ
ー・大田原健太郎と出会い、未知の魅力にあふれた選手の発掘を誓う。そし
て舞台は全国の高校へ。アンドロメダ球児たちの夏が始まった。





☆☆☆☆☆魔法エース16




 9回裏二死走者なし。1点リードの場面で出番がやってきた。まるで計算さ
れているかのように、できすぎのシチュエーションだった。コーチから全力で
投げることを禁じられていたのも、その瞬間は忘れていた。景気付けに拳を鳴
らした。やったるでぇー。勇んだ。





 昨年夏のある日だった。由元綱シニア対絵山シニアの練習試合は両チームの
父兄、並び関係者が見守るなかで始まった。この時期に昔から行われている定
期戦みたいなものだという。どうやら両チームはライバル関係にもあるようで、
詰め掛けた父兄たちも力が入っていた。ちょっと大げさにいえば、伝統の一戦
的な雰囲気だった。






 絵山シニアの先発は納谷辰夫だった。野球センスがある子で右腕から繰り出
す速球は中学生のなかでは並よりは上だった。難点は制球力。四球で自滅する
ケースが多いようで、この日の初回は何といきなりオール四球で無死満塁のピ
ンチを自ら招いた。いつも以上に力んでいる様子で、結局3点を献上している。

 





 立ち上がりの乱調の理由は納谷がスピードにこだわったことにあったl。試
合前に小学生時代からのライバル・由元綱シニアの流鏑馬義に「どちらが速い
球を投げられるか」対決を申し込まれ、快諾していたからだ。

 





 納谷と義は、かつて繁華街にあるゲームセンターのスピガンで何度も対戦し
た仲でもある。当初は納谷がいつも圧勝で、その差は歴然としていたものの、
小6頃には立場が逆転し始めた。






 その後、義は由元綱シニアに入り、なぜか「スピガン対決はやめる」と言い
出した。負けず嫌いの納谷は何度もリベンジ戦を申し込んだが、頑なに断られ
ている。それなら本物の野球で対決だ、って意気込んでもダメ。義は試合にさ
え出してもらえないレベルという。「お前ってその程度だったのか」。何度、
挑発しても義は乗ってもこない。会うたびに「いつ、お前とやれるんだ!」っ
て言い続けるのがむなしくなるくらいだった。





 しかし納谷は「アイツ(義)はこのまま終わるようなヤツじゃない」と思っ
ていた。義の運動神経のよさをよく知っていた。小学生の時から、ただの悪ガ
キではないと感じていた。由元綱シニアでレギュラーにもなれないというのが
どうしても信じられなかった。納谷が絵山シニアでエースになれただけに余計、
そう思った。試合に出てこなくても、義のことを最大のライバルと意識してい
た。






 そんな義とのスピード対決がついに実現する。しかも、義の方から申し込ま
れた。「オレはお前にだけ投げる。お前は先発だろうけど、それでもいいから
やろうやないか! どっちが速い球を投げるかや!」。ここまで言われて納谷
が燃えないわけがなかった。それが立ち上がりの力みにまでつながったのだっ
た。


 



 納谷は初回に3点を失ったものの、そこから立ち直った。打っても納谷が2
打点だ。義の専属コーチらしき人物がスピードガンを持って測定したところ、
納谷は3回裏に144キロを記録していた。ちなみにこれは納谷のMAXだ。
140キロ台だってほとんど投げたことがなかった。それがここへきて、14
4キロとは…。やはり宿命のライバルとの対決が納谷にさらなる力を発揮させ
たのだろうか…。事前の打ち合わせもあって、この記録的な数字は試合中に納
谷の耳にも届いていた。「勝った!」と納谷は思った。





 試合は由元綱シニア1点リードのまま、9回に突入した。





「義! 約束通りいくぞ! 準備はいいか! このままうまくいけば、二死走
者なしで納谷の打順になる。その前に誰かを塁に出しても納谷のところで行く
からな!」





 道空監督は義にこう声をかけた。義ももちろん、そのつもりだ。




「わかってます。やります!」




 元気よく声を出した。

 




 9回表、由元綱シニアは納谷を攻略できず、無得点に終わった。さすがに
納谷の球には力がなくなっていたが、気力で封じられた感じだった。




 そして9回裏。絵山シニア打線は1人目、2人目と簡単に倒れた。由元綱
シニアの勝利まであと1人。父兄たちの応援に熱が入る。そこで、ついに義
がマウンドに向かった。バッターは納谷。久しぶりのガチンコ対決だった…。


                              つづく


☆☆☆☆☆


 アンドロメダの物語はフィクションです。実在の人物、地名、組織には一切
関係ありません。
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