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知は力です。転ばぬ先の杖です。労働法の問題、争点を「なんだ・かんだ長屋」の 大家さん、熊さん、八っあん と一緒に考えて、労働紛争の予防に役立てませんか? 問題解決の糸口が見つかるかも。

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2009/07/21

日本型ワークシェアリングって何 ?の 巻 (第3話)

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    労働問題 なんだ・かんだ          Vol.024 
    ~ なんだ・かんだ と言っても "知は力です" ~      
    発行者 ひろ事務所 社会保険労務士 渡辺博正
☆  ──────────────────────────────  ☆
* なんだ・かんだ長屋の大家さん、熊さん、八っあん と一緒に
労働法、労働問題を考えてみましょう。 そして、
労働紛争の解決策を探り、トラブル予防 につなげましょう。
* 労働トラブルは千差万別で、画一的に解決できるものではありません。
ここに書いた事は、一般論ですので、個別・具体的事件を想定しておりません。
実際のトラブルの解決に当たっては、ご自身の判断・責任でお願いいたします。
私には、いかなる責任もなく、一切の損害賠償をする義務はない、と考えます。
* ホームページ  http//www.hirojimusyo.com/
  メールアドレス hirojimusyo@yahoo.co.jp
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日本型ワークシェアリングって何 ?の 巻 (第3話)
第3話 「古くて新しい問題」-新しい話

記憶に新しいことですが、
昨・平成20年9月にリーマン・ブラザーズが経営破綻。
10月頃から、非正規従業員(派遣従業員と期間従業員)との契約を中途解約する
会社のことが新聞に出る様になりました。
正月を挟んで、「年越し派遣村」騒動が話題となりました。
そして、
平成21年1月6日の日本経団連の御手洗冨士夫会長が今年の年頭会見で
「ワークシェアリングみたいな考え方も1つの選択肢になる」
と発言して、今回の幕が開きました。

◇ 雇用安定・創出に向けた労使共同宣言:2009年1月15日(抜粋)
1. 米国の金融危機に端を発した世界同時不況の中で、雇用失業情勢は一層深刻化
    することが懸念され、国民の間には雇用不安が広がっている。
   しかし、雇用の安定は社会の安定の基盤である。先行き不透明感が強まる中で、
   実効性ある景気回復策と併せて、雇用の安定・雇用の創出策を速やかに講ずるこ
   とが、我が国の喫緊の課題である。
2. 日本経団連と連合は、このような認識を共有し、いまこそ労使が真摯に向き合
    い、雇用の安定と新たな雇用創出に向けた政策を展開すべきであることを確認
    した。そのため、今後、雇用にかかわる様々な問題について、必要に応じて
    協議や研究等を行っていく。
3. 政府は、別紙のとおり、緊急対策として、雇用調整助成金の要件緩和など企業
    の雇用維持に対する支援や、失業者の雇用・住宅確保対策、雇用保険の適用拡
    大・給付改善、職業訓練の抜本拡充など、すべての労働者のための雇用のセー
    フティネットの整備を早急に行うべきである。
    また、新たな雇用の創出も不可欠である。とくに、医療・介護・保育等の分野
    でのマンパワーの前倒し配置、環境・農業・教育分野での雇用創出、社会資本
    の復元・整備等、社会が必要としている分野における雇用創出策を、公的支出
    も拡大しつつ、早急に実施すべきである。
4. 我が国は、これまでも大きな経済危機を労使の努力で乗り越えてきた経験があ
    る。長期雇用システムが、人材の育成および労使関係の安定をはかり、企業・
    経済の成長・発展を支えてきたことを再認識し、労使は雇用の安定、景気回復
    に向けて最大限の努力を行う。 以上

(別紙)政府に求められる雇用対策
1.雇用のセーフティネットの拡充
2.雇用の創出


◇ 雇用安定・創出に向けた共同提言:2009年3月 3日(抜粋)
・日本経団連と連合は、厳しい雇用失業情勢に鑑み、2009年1月15日に発表
 した「雇用安定・創出に向けた労使共同宣言」により、雇用の安定こそが社会安
 定の基盤であることを確認し、政府に対し雇用のセーフティネットの整備や、
 新たな雇用創出策を求めた。しかし、雇用失業情勢が好転する展望は開けていない。
 (略)
・わが国が直面している未曾有の難局を乗り越えていくためには、国民の雇用不安
 を早期に解消していくことが不可欠であるが、そのためには、わが国全体でいか
 に雇用を維持・創出するのかという視点に立ち、以下の通り、個別労使の努力と、
 政労使一体となった有期雇用者を含めた雇用の安定・維持の取組みを組み合わせ
 つつ、関係者が持てる力を尽くしていくことが求められる。

1.政労使一体となった雇用維持の促進
2.雇用のセーフティネットの強化
3.政労使一体となった雇用創出に向けた取組み

◇ 雇用安定・創出の実現に向けた政労使合意:平成21年3月23日
・米国の金融危機に端を発した世界同時不況の中で、景気は急速な悪化を続け、
 大幅な減産などにより、雇用失業情勢は深刻の度を増し、国民の雇用不安は拡大し
 ている。雇用失業情勢については、今後さらに厳しい局面を迎える懸念がある。
 ・・・・現下の雇用不安を払拭するためには、政労使の三者が一体となってこの
 難局に立ち向かうことが不可欠との共通認識に立って、別紙のとおり、
 雇用安定・創出の実現に向けて、一致協力して取り組むことに合意した。

(別紙)雇用安定・創出の実現に向けた5つの取組み
1.雇用維持の一層の推進
2.職業訓練、職業紹介等の雇用のセーフティネットの拡充・強化
3.就職困難者の訓練期間中の生活の安定確保、長期失業者等の就職の実現
4.雇用創出の実現
5.政労使合意の周知徹底等

前回の宣言等と今回とを並べてみます

◇ 日経連・連合「雇用に関する社会合意」推進宣言(平成13年10月)
 不良債権処理など構造改革が今後具体化するに加え、米国における多発テロにより
 雇用安定と雇用創出に向けて、それぞれが社会的役割を果たしていくことを確認した。

(2)雇用の維持・創出を実現するため、日経連・連合は多様な働き方やワークシェ
 アリングに向けた合意形成に取り組み、労使は雇用・賃金・労働時間の適切な配分
 に向けた取り組みを進めること。

◇ ワークシェアリングに関する政労使合意(平成14年03月)
ワークシェアリングの実施のための環境整備の具体化に向けて、更に検討を深めて
いく

◇ 多様な働き方とワークシェアリングに関する政労使合意(平成14年12月)
 多様な働き方とワークシェアリングの重要性について労使関係者に広く周知すると
 ともに、整理された課題について着実に具体化を進めていく

二つを比較して、直ぐ判る事は
どちらも、不況の原因の一つに米国がからんでいること。
ま~ そんなのは別として、先ず、テーマですが、
前回は、「ワークシェアリング」で、今回は、「雇用安定・創出」です。

平成13年~14年の3つの合意と宣言の文章の字数は合計で約9千字で、
「ワークシェアリング」の語が約60回でてきました。
 "多様就業型ワークシェアリング"が、16回、
 "緊急対応型ワークシェアリング"が、14回、
 "日本型ワークシェアリング"はなし。
 (30回は、ワークシェアリング単独で使われています) そして、
 "多様な働き方"が、30回
 "雇用の維持"が8回、"セーフティネット"が2回

平成21年の3つの文章の合計の文字数も合計で約9千字ですが、
 "ワークシェアリング"の語は、
 "日本型ワークシェアリング"として、3回でてきましたが、
 "多様な働き方"はなし。
 "雇用維持"が15回、"雇用安定"が15回
 "セーフティネット"が9回

「金」の字の使われ方からも、二つの性格の差が判ると思います。
 前回「金」は15回使われましたが、
 「賃金」9、「年金」4、「退職金」と「助成金」とが1回。
 「雇用・賃金・労働時間」のセットで、3回使われている通り、
 ワークシェアリングの説明・あるべき姿の説明の中で「金」が使われました。

しかるに、今回は、「金」が19回使われましたが、
 「助成金」7回、「交付金」6回、交付金をファンドにする「基金」2回、
 「金融(危機・政策)」3回他1回と、
 その使われ方は、前回と趣を異にしています。

これらの事から、今回(21年)の一連の流れのテーマは、
「緊急対策として、
 雇用調整助成金の要件緩和など 企業の雇用維持に対する支援や、
 失業者の雇用・住宅確保対策、雇用保険の適用拡大・給付改善、職業訓練の抜本拡充など、
 すべての労働者のための雇用のセーフティネットの整備
 を早急に行うべきである。」
 (「雇用安定・創出に向けた労使共同宣言」1月15日)
 に圧縮されている、と思われます。

 厚生労働省が「ワークシェアリングに関する調査研究報告書」において、
「ワークシェアリングとは、雇用機会、労働時間、賃金という
 3つの要素の組み合わせを変化させることを通じて、
 一定の雇用量を、より多くの労働者の間で分かち合うことを意味する。」
 の定義を持ち出すまでもなく、
 「ワークシェアリング」=「ワーク」+「シェアリング」
            =「仕事」の「分かち合い」とすると、
 助成金等による「企業の雇用維持に対する支援」、
 「すべての労働者のための雇用のセーフティネットの整備」を掲げる一連の流れは、
 「ワークシェアリング」なのでしょうか ?
 
 
・雇用安定・創出に向けた労使共同宣言
  http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2009/004.html

・雇用安定・創出に向けた共同提言
  http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2009/018.html

・雇用安定・創出の実現に向けた政労使合意
  http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2009/027.html

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