2009/10/24
<メルマガ配信 都の西北/山梨甲府から> 第72話 大学院の質の充実
愛読者各位 引き続きのご愛読,ありがとうございます. 都の西北/山梨甲府からです. 先日,自転車でこけてしまい, 右肩亜脱臼(筋肉3本中の2本が切れているそうで,骨が肩からせり出している), 加えて,右肩肩胛骨(けんこうこつ)にひびが入ってしまいした( PCは何とかたたける). つまり,不健康寿命を現在,実体験しているわけです. 怪我直後の朝,ベットから起きるのに1時間もかかってしまいました. 家内のアシスト無しでは何もできない状況でした. 情けないやら,悲しいやらです. 服の脱ぎ着だけでなく,寝起きも自身だけではできない状況でした. トイレは何とかできていますが,お尻を拭くのも大変な状態です. ウォシュレットがこれほどありがたく感じたことはありません. 肩胛骨にひびが入るとこれほど痛いとは,実体験により初めて分かりました. できれば経験したくなかった.... 肩の筋肉をくっつけるのにしばらく安静が必要とのこと, 体が動かなくなって初めて分かる(と言うか,痛くて動かせない), 体の不自由さ故の自由さのありがたさですね,ほんと. 寝たきりの方の苦労がこうなって初めて分かるというモノです. 動けるのが当たり前から,動けなることがこれほど辛いとは. やはり,何事も経験してみて初めて分かるんですよね.... *****<以下,本文>******** 第72話 大学院の質の充実 2009/10/23 の日経 『雇用・教育一体改革 今こそ』 から, 雇用と教育の関係を考えてみたいと思います. この論説記事は,質・量ともに貧弱な高等教育システム(主に大学院教育)が, 世界に比較して稀な非流動的(専門知識で転職できない), 閉鎖的な知識労働市場の維持の原因だと言っています. 簡単に言うと,学位(修士,博士)が転職の武器にならない日本の労働市場に 何らかのてこ入れが必要との主張です. 典型的な問題が 『高学歴ワーキングプア』, つまり,博士号は採ったけれども就職できない, (文部科学省が学位取得後の事までは考えてくれていないという結果生じた問題) 高学歴になればなるほど一般企業は採用したがらない傾向が如実にあります. これは,企業側に学位の価値を認めない悪しき慣習があるわけです. 端的に言うと,企業は大学の教育を信頼していないわけで, であれば,学士(4大卒)を給料の高くならないうちに採用して, 社内の教育制度で社内の考え方に即した会社人に変えていく方が賢いわけです. 大学と企業に,『教育の視点』に限ると信頼関係が成り立っていないと言うことになります. 昔は企業内で人材教育して,会社で使えるようにしましたが(1990年前半まで), この不況下,企業にもそんな体力が衰退した結果,採用に消極的になるわけです. 雇用状況に負のループが回り出しているような感触すら感じるのです. 社会人大学院に目を向けると,ここにも限界の目が見えてきています. 大学院総数における社会人の割合は2割程度(2009年度)までに 増えてきているそうですが,国際的に見ると極めて小規模だそうです. 大学院の規模が世界的に小さいことに加えて,大学院での成果や学位は 多くの企業で価値を見いださない,評価されないと言う事実があります. MBAなんて採ろうとすると,転職希望者だと負のレッテルを貼られてしまいます. 人口1000人あたりの大学院学生数 日本 2.04 人 (小生が大学院を出た1980年代後半は 1/10000 人程度) 米国 8.53 人 英国 9.36 人 仏国 8.40 人 韓国 5.98 人 ここから分かることは,日本は学歴社会ではないと言うこと. 日本は東大を核とする一部の大学が強いと言うことで, これは学歴社会とは言わないそうです. 大学院が認められない日本の雇用環境が大学院学生の数の少なさに繋がり, それを無理文部科学省が矢理大学院学生数定員を増した結果, 『高学歴ワーキングプア』に繋がったわけです. その結末は今年6月の博士課程定員削減に繋がる, つまり文部科学省は自身の失策の方向転換に舵を切り直したわけです. 大学院修了後の就職を考えずに単に学位を乱発した結果は, 学位の価値すら凋落させた2重の失敗施策になってしまったわけです. ある方から小生のブログにご意見を頂いたことがあります. 昨今は法学部の大学院生が就職試験に臨んでくる場合が多くなっているそうで, そのほとんどが新司法試験制度で落ちこぼれた人 (受験意欲がなくなった学生を含む)のようです. 法科大学院制度も多くの問題を呈しているのはご存じの通りです. 大学院修了者の初任給は学士卒より高いので,将来への会社への貢献性が 同じであれば,給料の安い学士卒を採用したいとのことでした. 追記すると,高学歴者は企業には使いづらい場合が少なくなく, 2年程度の高等教育は逆に邪魔になるとのことでした. これは,採用する企業側の正直な声だと思います. 実に厳しいご指摘で, 小生も企業に所属する立場からすると教官するところはあります. 小生の会社は製造業であり,理工系の学生を多く採用します. 技術者は大学院修士修了者の採用が一般的ですが, 博士課程修了者の採用には慎重です.博士採用には仕事のマッチングが実に重要です. 企業で仕事をする場合,研究職であっても博士課程での研究を役立てられない場合が 多いので,あえて給料の高い博士課程修了者を採用したくない, これが企業の本音だからです. では,日本の教育システムをどのように変えていけば良いのかですが, それは種々議論されていますが,改革の可能性はほとんど無いように思います. 要は,既得権を失う人たちが猛烈に反対して,教育現場がその方向に向かわないこと, これを危惧して政府側も英断を下せない問題が永遠に残るからです. 日本の大学は基本的には永年雇用,期限付きはまだまだ少ないので, その雇用契約の元では教育制度を大胆に変えられない組織的問題が内在しており, 大学であっても雇用が流動的な欧米各国のような 大胆な教育改革はそもそもできないわけです. 企業の教育参加については, 過去に比較すると,インターンシップなどが教育現場にも浸透しているので, 雇用環境を巻き込んだ教育も成されるようにはなってきていますが, 企業は大学の講義スケジュールを無視した採用試験の実施を続けており, 大学の教育の質を上げるような貢献をしているとは言い難い面を持っています. 大学,企業ともに教育の質向上を目指した取り組みが必要であることは 誰が考えても明らかだとは思いますが,実現は難しいわけです. 2009/10/24 の山梨日々新聞に 『県立大 全学部に大学院設置』 2010年に公立大学法人化を控え 国際政策,人間福祉両学部に大学院を開設し,教育研究組織を見直すとのこと. 学生集まるんですかね? ニーズも考えずに,どうなんでしょうか? 山梨ではそれでなくても就職先が無く,文系大学院修了者は更に就職が不利になる! 県立大の大学院を出たとしても研究者として大学に残ることはほとんど不可能, それで集まってくる学生がいるのかどうか,そんなモノ好きな学生がたくさんいて, 定員だけ来ると思って大学院を増設するのであれば,考え方を修正すべきでしょう. これも税金の無駄使いだと思います.何故今まで県立大に大学院を置かなかったか, その理由(課題)を考えてからの施策実施をお願いしたいところです. 根本的に,大学院を修了することに社会的価値が向上するような施策が必要との 日経社説の指摘には説得力があり, 何らかの教育に対する施策無しにお金を出してまで進学しようと思う人は なかなか増えないと思います. 繰り返しますが, 現状は,特に文系の場合は大学院を出ると就職は明らかに不利になります. それでも今後の日本の事を考えた場合, 大学院に進んで勉強したいと思わせる何らかの施策は必要でしょう. 若い人たちに希望を与えること無しに単に大学院の枠だけ増やしても 定員割れ大学院が増えるだけで,何年か後に報告転換しなければならなくなる. もはや教育現場だけで日本の教育を改善することは難しい, 産学協同の教育改革は確かに必要だと感じています. ━PR━━━ ビジネス向けに,下記メルマガを配信しています. 是非,この機会に一緒に配信登録下さい! 技術者に必要なマネージメント 100 のポイント ↓ 今すぐクリック! http://www.mag2.com/m/0000253798.html ━PR━━━ もっと知りたい場合は ↓ 今すぐ クリック! http://www1.dnet.gr.jp/~izumi-sg/


