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社会人大学院(日本版 MBA)に通った経験から,生涯教育の意義について議論します.また,連載1年を超えましたので,広義な教育問題全般についても取り上げたいと思います.

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2009/06/25

<メルマガ配信 都の西北/山梨甲府から> 第68話 就職できない博士

愛読者各位

 引き続きのご愛読,ありがとうございます.

都の西北/山梨甲府からです.


6/19,ありがたいことにボーナスが支給されました.
金額は支給されるまで分からないので,
その日はちょうど出張だったこともあり,
銀行で金額を確認(生活費補,家内の切なる要求があってですが),
ダウン率は手取りベースで31.4%でした(額面は30%ダウン).

思っていた以上にダウン率大きいかな? なんて思いはするものの,
ボーナスが出るだけ幸せか? と自身を慰めるしかありません.

管理職になると年俸制なので,
年俸のダウン率は11.5%,給与のダウン率は5%,
ちょっと我慢すれば生活は維持できるに十分な状況ではあります.

 ただ,今年はボーナスだからと言って大きな買い物はできない心境です.


*****<以下,本文>********

第68話 就職できない博士  

2009/06/23 の日経からです.

 『景気悪化で就職難,博士課程「定員削減を」』

驚いたことに,昨年10月時点での博士号取得者で定職に就けない人が
年間の定員を上回る 16,000人,なぁ,なぁ,なぁんと...
 (国立大学大学院の博士課程定員は14,000人だそうです)

何のためのお金をかけて,苦労をして勉強してきたのか,
全く報われていない実態が今更ながら明らかになったわけです.

この背景にはいろいろな問題があり,
その一つが定員割れの博士課程,人が集まらないのです.
この理由が就職難とありますが,ちょっと責任回避の推論,
就職ができる,できないの問題で自身の方針を考える可能性はあるものの,
それは違う(と思います),それが主因ではない,
博士課程の質を下げすぎたことに問題があるように思えるわけです.

 端的に言うと,
 行く価値が無い大学院が多すぎるのではないでしょうか?

 こう言っては険がありますが,やはりどこの大学の学位も同等とは言えない,
 その点は万人が認めるところですよね?

極端な話,学位を出せる大学を絞らず乱発していることが問題であって,
誰が三流地方大学の博士課程に進学するかです.
学位を出せる大学を旧帝大(東京,京都,大阪,名古屋,北海道,東北,九州),
これに加えて一橋と東工大,譲って広島,筑波,横浜国大,神戸くらいまでに,
私立は早稲田,慶応くらいに絞る程度でよいのではないか?

 実は,学位の認定基準も一律ではなく,この点にも問題はあります.
 例えば,海外の雑誌に論文が何件採用されるかで決められればよいのですが,
 雑誌の採用基準もピンキリであり,インパクトファクターでの基準合わせも
  なされてはいますが,それも完璧とは言えない.

そもそも,素粒子物理の研究をしている研究者が書く論文の一本の重さは
そのほかの論文に比較すると,やはり重いのではないか?
勿論,素粒子関連以外の論文が軽いと言っているのではなく,
論文の質の重さは容易に基準が作れるほど簡単ではないと言うこと.
書く内容によってお金やヒトのかけ方も違うし,データをとる期間も長いだろうし,
その苦労の成果が論文であって,これを審査する教授陣の質はかなり重要といえます.
つまり,どこの大学にもこの優秀な教授陣がそろっているとは考えられないのだから,
その基準を上回る特定大学に学位審査機能を絞る方が良いのではないか?
という考え方なのです.

もう一つ,教育主体の大学(米国でのカレッジの位置づけ)と
研究主体である大学院重視の大学,ここをはっきり分けるべきではないのか?

 研究重視とはいえ,教育をきっちりやってくれる大学の存在は重要であり,
 高等教育の最終段階と言える大学での教養教育は軽視してはいけないと思います.

 やはり,研究の前にはしっかりした教育が施されるべきだと思います.

誰でも行ける博士課程ではなく,最低基準をクリアした人が博士課程に学び,
苦労の末に学位を取るべきだと思うのです.
研究室に所属して,そこのゼミの教授の小間使いになったことの見返りに
学位をもらう,これはやはりおかしいのではないでしょうか?
そんな博士号取得者を企業が採用したいと思うかです.
小生が人事担当者であれば,工学系であれば修士の学生を採るだろうし,
文系学生であれば学部卒で十分であり,その方が人件費は明らかに抑えられる,
長く働いてもらえる,いろんな意味で博士号取得者を採ることにメリットが
無くなっていることは事実だと思います.

 『末は博士が大臣か』 なんてフレーズも過去の話,

大臣も博士も希少性がある故の価値なのですが,
既に博士は希少性もなく,価値もなくなっているわけです.
博士号を持っていると言うだけでは就職できなくなっているわけですから,
何故価値が無くなったか,どうすれば価値が復活するのか,
この点を再考する必要があるわけです.

子供も減っているし,教員も余っているし,
それでも大学は増えるばかり,本来減らさなければならないにもかかわらず,
文部科学省は大学や学部の定員を増やすばかり,何故?

 謎ですよね......


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