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社会人大学院(日本版 MBA)に通った経験から,生涯教育の意義について議論します.また,連載1年を超えましたので,広義な教育問題全般についても取り上げたいと思います.

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2009/04/16

<メルマガ配信 都の西北/山梨甲府から> 第65話 自己投資としての資格取得は効率的か?

愛読者各位

 引き続きのご愛読,ありがとうございます.

都の西北/山梨甲府からです.

 さえない不況の中での一年が始まりました.

 車も売れない,デジタル家電も売れない,
 そんな中でも 「ユニクロ」,「ニトリ」等の価格戦略企業は
 過去最高益を記録しているようです.

 一方,低迷している企業は伝統があるといわれる名門企業,
 こういった会社は一般的に学歴重視の採用をしている場合が
 少なくありませんが,その就職における学歴格差が必ずしも
 会社業績,あるいは社員の給与に影響しにくい状況に
 なりつつあるように思われます.

 そんな昨今の状況も加味して,社会人大学院での
 自己投資効率はどうかを考えてみました.

*****<以下,本文>********

第65話 自己投資としての資格取得は効率的か?  

今回も,岡田斗司夫氏の 「いつまでもデブと思うなよ(新潮新書)」から,
自己投資の効率における資格取得の位置付け,
このメルマガで端的に言うと,社会人大学院での学歴を資格の一つと考え,
どの程度効率的かを考えてみたい.

 岡田氏の主張によると,

 「見た目主義社会の現状において,
  仕事に直結する資格であってもメリットは少なく,
  投資効率はミドルリスク・ローリターン」

まずはお金がかかることがリスクである.
次に,学歴社会はすでに崩壊しているのでノーリターンということ.
加えるなら,学歴社会は入学大学歴であって,就職時に有利ではあろうが,
社会人になってからはあまり加味されないのが入学大学歴である.
 (大学在籍時の成績,学部,浪人/留年歴は加味されなかった)
現状の会社人生では入学大学で昇進決まるほど生易しい世界ではないのである.

と考えると,社会人になってから大学院を出ても
学歴を上げることにはならないし,メリットがないとの結論になる.

 その通りなのだ.

 もしかしたら転職に少しくらいはメリットが出る場合もあるかもしれないが,
 これはあまり期待しない方が良いと思う.しょせん餅屋は餅屋,
 ちょっとくらいの勉強で自身の経歴なんて書き換えられないのである.
 そもそも,企業はそんなこと評価する方が稀である.
 大学に研究者の職を求めるにしても,博士があふれかえる現状,
 修士号なんて学歴のうちに入らないのである.
 まずは,学位よりも実力,知名度,地頭の良さの方が大事である.

対して,対費用効果から考えなければならないキャッシュアウトはどうか?
小生の場合,かかった学費は具体的に下記のようになった.

 2003年度(1年目)
  学費合計:¥1,140,600(入学金:¥260,000,内学費:¥464,100,)

 2004年度(2年目)
  学費合計:¥728,600(内学費:¥471,100,)  

                         総額:¥1,869,200

 ここには教材費(2年で¥100,000程度)は含まれない.
 加えて,通学定期代(小生の場合は¥250,000/2年,戸塚-高田馬場-早稲田),
 交際費:??, 研修費用(フィールドワーク含む)

 総額:¥2,250,000/2年 程度と予想している.

これが高いか,安いかであるが,
少なくともクルマ(今注目のホンダ/インサイト)が買えてしまう額である.
実利主義の人であれば,車の方が良いと言うかもしれないが....

小生は,この金額を高いとは思わない.
ただし,今の仕事,収入に対しての見返りは零であることを主張した上での話,
つまり,実利的なリターンは零ということを前提にしての話である.

ではなぜ高いと感じないのか,それは自身が十分に満足できたからである.
大学院に通う2年間は,試験前は寝る時間もなく,
結構つらかったが,それはそれで楽しくてしょうがないし,
自分が20歳代に若返った如く,「青春カムバック」を実感できた.
これは,経験した人でしか分からない快感なのである.

結局のところ,お金を払うことはそれに代わるサービスや商品を受け取る代償であり,
それがその人にとって価値があるかないでしか判断基準はない.
どのような商品であっても,サービスであっても,
価値を決めるのはおカネを出す人自身の満足感でしかない.
その人が満足すれば高くない,満足できなければ高い買い物となる.

小生は,給料が上がることや,転職できることは期待していなかったので
(少しは期待しないでもなかったが,現実は厳しく全くなしと考えるべし)
大学院での学習のリターンは知識向上,これを達したのでそれでいいか〜 と
小生は満足の域に達したのである.


話は変わりますが,
 最新号のプレジデント(2009.05.04号),
  特集は 「給料の格差,税金の不平等」,それによると

 大卒平均年収:¥624万円 (就職した時の学歴でしかない)
 高卒平均年収:¥428万円
 中卒平均年収:¥384万円

 男性平均年収:¥550万円
 女性平均年収:¥349万円

この様な種々の金銭的な格差を埋めるだけの投資効果が
社会人大学院の学歴にあるかといえば,
どう考えてもあるとは思えない.

 われわれが生きていかなければならない社会における
 今も埋められない要因も根が深いわけで,


 結局のところ,

 実利ベースでのリターンは社会人大学院では考えてはいけないように思う.


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