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社会人大学院(日本版 MBA)に通った経験から,生涯教育の意義について議論します.また,連載1年を超えましたので,広義な教育問題全般についても取り上げたいと思います.

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2009/02/06

<メルマガ配信 都の西北/山梨甲府から> 番外編9 学位論文審査の謝礼金問題

愛読者各位

 引き続きのご愛読,ありがとうございます.

 都の西北/山梨甲府からです.

 2009年に入って,大変な状況です.
  なかなかメルマガを書く心の余裕がなくなるというか,
   結局言訳なんですが...

 今日(2/6),顧客訪問でした. そこでの話.
  米国スタイルの国内ベンチャーでは,社員の能力にかかわらず,
   凍結したプロジェクトの社員は問答無用,
    即日解雇らしいです.解雇(正社員)した人数も
     10名や20名ではないとのことでした.

 お話を伺ったお客さんも,

  「いつクビを切られるか,落ち着いて仕事ができません.」
 
    とのことでした.

 本当に,厳しい時期を迎えたものです.

 小生も2月から給与5%カットになりましたが,
  働けせてもらえるだけ,ありがたいと感じる今日この頃です.
 

*****<以下,本文>********

番外編9 学位論文審査の謝礼金問題


 2009/02/05 の山梨地方紙,山梨日日新聞に以下のような記事があった.

 「東京医科大 教授33人が謝礼金受領 (博士号取得 学長も総額500万円)」

東京医科大で2005〜2007年度に医学博士の学位論文審査を
担当した現職教授33人が, 士号を取得した大学院生らから謝礼として現金を
受け取っていたとのこと.

 論文審査は院生ら1人について3人の教授が担当することが一般的で,
 教授1人につき10万円ずつ,計30万円を渡していたということ.
 金の授受は審査通過後に行われていたといい,
 大学は1月に学内調査結果を文科省に報告している.

果たしてこれが悪なのかである.

 一つ注意しなければならないのは,記事にも記載があるが,
 医学博士の学位取得を巡っては07年,名古屋市立大大学院の
 元教授が試験内容を漏らした見返りに現金を受け取った事件がある.
 これは明らかに犯罪である.

  今回の話はこの次元とは別だと考えている.

 報道陣の取材に応じた臼井正彦学長は

 「現金提供は審査に対する自発的なお礼として行われていたが,
  学位の公共性に照らし、あしき慣例になっていた.
  昨年10月以降は懲戒処分の対象にしている.」   とのこと.

「自発的なお礼」をどのようにとらえるかである.
ここに公務員としての立場の難しさがある.

実は小生,2年間だけ国家公務員の教育職に携わっていたことがある.
その時の話,教え子の親が松茸山を持っていて,
旬の頃に立派な松茸を届けてくれたのである(一度だけですが).
 それはそれは立派な香り高き国産でした.
  あまりのおいしさに感動モノでした.

これが贈収賄に当たるかである.

小生もこれで教えていた学生(小生の研究室に所属)の成績をよくするとか,
親の方も成績をよくしてもらおうとか,お互いにそんな下心はなく,

 「いつも息子がお世話になっております.山で取れたのですが...」

  「ありがとうございます.それではお言葉に甘えて...」

一種の季節のごあいさつ,
善意とはこういったお互いの気持ちではなかろうか?
 あげる方も,もらう方も...
  もらう方も感謝の気持ち,受け取ってもらう方が
   突き返されるより気持ちがいいように思うのだが.

東京医科大の件も,お金(この形態がまずいのかもしれないが)を出した
学生側のクレームはなく(皆無),おまけに学位指導のお礼の気持ちとして,
審査完了後に渡しているので,
(審査前ではないということ,前だと贈収賄と言われても仕方ないかも?)
  基本的に見返りを期待していないことは明らかではないか?

何でもかんでも,規制をかけると,国家公務員なるもの,
窮屈でやる気が出なくなる面も否めない.

こう言っては失礼であるが,
大学の先生方の給料は,民間に比べて決して高いとは言えない.

実は小生も,サラリーマン → 国家公務員(教員) → サラリーマン
と転職したが,一番給料が下がったのは公務員になったときで

     サラリーマン → 国家公務員(教員): 年収200万円以上ダウン

     国家公務員(教員) → サラリーマン: 年収200万円以上アップ

土日もなく,残業が原則付かない大学の先生方は,
平日も夜遅くまで学生につきあい,エンドレスで働いている.

特に学位審査は,審査の主査にでもなると,それは大変で,
それにもかかわらず,学位審査の業務はあくまでもエクストラ,
業務としての見返り(国からの給与として)はないのである.

 少なくとも,この学位審査業務には別途手当を出すべきと思う!

それこそ,家族サービスを捨てて,夜遅くまで一生懸命学生を指導している先生方に
学生が何らかのお礼をしたくならない方が普通ではなく,
その感謝の気持ちが謝礼金となるのは,
人間がもつ「返報性の法則」に従ったのみである.

  返報性の法則:人は他人から報酬・メリットを受けると,何とかしてその人に
  お返しをしたい,しないと済まない感情に支配される.
  要は,人間はおごられっぱなしでは生きられない,おごることも感謝の気持ちを
  表し,これによって日本古来の礼節をわきまえるお付き合いができるように
  なるのである.

確かに,公務員でありながら,お金をやり取りするのはけしからん!
ひとくくりにこの視点で物事を考えるから,
古き良き日本の習慣が欧米化され,趣がなくなるのである.

お金を出した学生側から具体的にクレームもなく,
お互いに見返りを期待していないような場合は
「返報性の法則」として考えてあげることはできないのであろうか?

ということで,
何もかも古き悪しき習慣として片づけてしまうことには,
少々抵抗感を感じるのである.

ただ,これを逆手にとって悪いことをしている人がいるのも事実であり.
これを考えると,対応策として,
いくら気持ちだからといってもおカネの授受を行わない,
その点の明確化だけは行っておくべきかもしれない,
程度のルールは徹底しておくべきであろう.

 小生個人的な意見としては,

  お世話になった先生にお礼をしたいという気持ちが自主的に生まれる,
  それを肯定的にとらえる心の余裕くらいはあっても良いと思うのだが....

 人間の心がどんどん廃れていく,
  そんな寂しさを感じる事件である.

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