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社会人大学院(日本版 MBA)に通った経験から,生涯教育の意義について議論します.また,連載1年を超えましたので,広義な教育問題全般についても取り上げたいと思います.

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2009/01/01

<メルマガ配信 都の西北/山梨甲府から> 第59話 私の社会人大学院体験記

愛読者各位

 引き続きのご愛読,ありがとうございます.

都の西北/山梨甲府からです.

 新年おめでとうございます.

 元旦朝一でイトーヨーカ堂の 「千本引き」に参加してきました.

  ⇒ 正月の福引で,10,000円出すと液晶テレビやブルーレイレコーダーが
     当たるかもしれないという客寄せ行事です.
     はずれはヨーカ堂の商品券10,000分,つまり損はしない仕組みで,
     朝から1000人の人が並んでいたわけです.
     待ち時間は1時間半,かなり忍耐のいる作業でした.

 残念ながら,
 はずれを引いたのちこのメルマガ作成となりました.

  当たっていれば,気分よく新年を迎えられたのですが,
   2009年もなかなか思うようにいかない一年になりそうです.

  本年もよろしくお願いします!

*****<以下,本文>********

第59話 私の社会人大学院体験記 

埼玉の西川口に出張で出向いた際,
お客さんとの約束の時間まで1時間弱ほど時間があり,
時間つぶしでブックオフに入ったとき見つけた本が

加茂英司編著(中央経済社) 「私の社会人大学院体験記」

この書籍は平成8年(1996年)に出版されており,
併せて 「社会人大学院サクセスガイド」 なるものも出版されている.

 2000年以前にこの手の本が出版されていたというのは驚きで,
 何故かというと,このころは社会人大学院ブームの少し前だからである.
  ⇒ ただ,小生が知らなかっただけかもしれないが(反省)...
    本書には加茂氏の大学院就学時が社会人大学院の走りとはあるので,
    2000年以降の社会人大学院ブームの走りはその5年ほど前に始まった?

小生の不勉強ということもあり,本書をあまり詳細には存じ上げなかった.
今回はこの書籍の紹介と,小生の経験を合せて筆を進めたく思う.

編著者の加茂氏は1990〜92年の2年間,神戸大学の社会人大学院に通われており,
本書から読み取るに,質の高い教育を受けられたようである.
神戸大学は国内では一橋大学と並ぶ国内経営学の老舗で,
充実した教授陣によるたかいい教育水準を誇る.
 ⇒ 国内では断トツの水準といわれる(らしい).

何といっても,神戸大学の加護野忠男教授と一橋大学の野中郁次郎教授は
日本の経営学で唯二の世界的知名度を誇るとのことで,
この門下生も国内外で活躍している.

小生が早稲田大学でお世話になった指導教官殿も加護野門下,
基本的には加護野ゼミ流の教育といえるのではないか?
 ⇒ 実際に神戸大学での教育は受けていないので,本当のところはわかりません.

現在にいたってはあまた存在する社会人大学院ではあるが,
ここに紹介されている社会人大学院は2000年以前に実働している,
国内で言うと社会人大学院の走りといえる大学と考えられる.
つまり,この時期に人を集められたということは,
それなりの水準で学生に評価されていたことを裏付けているように思う.

本書籍に紹介されている大学(基本的に平日夜間と土日コース)は下記の如く,
現在においてもそれなりの知名度で知られているのではないだろうか?

 <関東編>

 ・青山学院大学大学院国際政治経済学研究科
 ・慶応大学大学院経営管理研究科 → KBS(昼間)
 ・埼玉大学大学院経済科学研究科
 ・多摩大学大学院経営情報学研究科
 ・筑波大学大学院経営・政策科学研究科
 ・東京大学大学院法学政治学研究科専修コース(昼間)
 ・東洋英和女学院大学大学院社会科学研究科,人間科学研究科
 ・テンプル大学ジャパン・大学院経済学研究科
 ・法政大学大学院社会科学研究科経営学専攻
 ・早稲田大学大学院社会科学研究科

 <関西編>

 ・関西大学大学院商学研究科
 ・神戸大学大学院経営学研究科
 ・同志社大学大学院総合政策科学研究科
 ・龍谷大学大学院経営学研究科

どうしても首都圏中心で,譲って関西まで,
地域的な偏りは今の日本には致し方なしですが,
ここに自身が目指す大学院があれば結構参考になる情報があるかもしれません.

大学によって特徴があるわけで,自身が何の勉強がしたく,どこを目指すか,
例えば,後期課程まで進んで研究者の道を歩むのか(ただしこれはかなり大変),
仕事にどう生かしたいかを漠然とではなくかなり具体化したうえで
大学院の選択をすべきと考えます.

この書籍と意見が異なるところは,「いくつも併願しろ」との意見.
大学院に行ければどこでもよいというのではなく,
目的意識は重要と考えます.

それともう一点,どこの大学院でも質的には変わりないとのことですが,
小生のオープンスクール(体験授業)の感想ではかなり違いがあったように感じる.
それは本書の執筆時期が社会人大学院の創設期だったためだと考えるが,
法科大学院の乱立した如く,質は数が増えると下がってくることを考えると,
現状の社会人大学院の質がどこに入っても高いとは言い難い状況にはある.
大学院の選択は慎重にしたいところである.

本書を読んでいて思うに,過去も現在も共通するのは,
仕事と勉強の両立が容易ではないということ,
仕事をしながらの修士号取得はそう簡単な話ではない.
やはり残業を削って,寝る時間を削って,家庭サービスを削って,
時間のやりくりを実践することは一番難しいのではないだろうか?

小生のクラスには小生を含め離婚の危機にさらされる面子は少なからずいたわけで,
この点,サービス低下が予想される家族,大切な人には十分な説明が必要と言える.
何かを得るには何かを犠牲にする必要があるということ.

社会人大学院に対する認識はこの10年ほどで大きく変化しており,
以前に比べると特別視されなくなってきており,
それは裏返すとその価値が下がってきていることにもなる.

社会人大学院に何を見出すのか,時の経過に伴いその価値,教育としての位置づけ,
世間の受け入れ方,いろいろな見方が変化している中での自身の選択であることを
忘れてはならないと思う.

何事も変化の激しい昨今,
これから社会人大学院を目指す人達に時代の変化を感じていただきつつ,
その有意義な体験を感じていただきたいものである.

小生な個人的な考えでは(これは以前の主張と変わりません),
学問を純粋に楽しむ高尚な知的好奇心を満たす場が社会人大学院と考えます.

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