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社会人大学院(日本版 MBA)に通った経験から,生涯教育の意義について議論します.また,連載1年を超えましたので,広義な教育問題全般についても取り上げたいと思います.

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2008/11/13

<メルマガ配信 都の西北/山梨甲府から> 第55話 社会人大学院修了という学歴の意味

愛読者各位

 引き続きのご愛読,ありがとうございます.

都の西北/山梨甲府からです.

 急に寒くなりましたが,
  風邪などひいてはおられませんでしょうか?

 年賀状を購入すると,今年も終わりだなぁー
  と思いますよね.

 今年もあと1か月チョイ,
  それにしてもすごい一年だったとつくづく思います...

*****<以下,本文>********

第55話 社会人大学院修了という学歴の意味

「超・学歴社会」 (溝上憲文著 / 光文社 / 2005年)

書かれていることは至極もっともな話ばかりではあるが,
本書から社会人大学院での修学が,
基本的には出世や転職に有利に働かないことを再認識できるので取り上げてみたい.

ちょっと以前に注目された「学歴不問採用」に端を発して(SONYが提唱した),
本書では学歴と新卒採用(大手に就職できたか),
学歴と出世の関係を取り上げているが,
書かれていることは至極もっともな話が多い.

新卒採用に学歴不問,実力本位が採用されたとは言え,
結果としては大学ランキング別に厳選されている事実.

更に,会社では学歴だけでは出世できない事実は残るものの,
学歴依存の優位差があるとの主張で,これも当たり前の話ではある.

本書では

 一流校をAグループ:東大,一橋,東工大,早稲田,慶応,京大,阪大,神大, 

 中位をBグループ:明大,立大,上智大,青学,中央大,東京理科大,
          東京電機大,芝浦工業大学, 

 下位をCグループ:日大,東洋大,駒大,専修大  に分類

 疑問,関西の私学は(Bグループとしているが)は蚊帳の外?
 名大,九大,北大は何故取り上げられていない?
 首都圏中心の記述は間違ってはいないが,偏っているとの見方にもなるかも?

国内大手企業のトップはAグループの大学出身者がほとんどであることを力説,
これもある程度は常識といえる話をまとめているだけではある.

ただ,別の視点で考えると,
高学歴な人はやはり努力をしている人が多いようで,
(少なくとも一生懸命勉強はしているはず)
結果として高学歴者に優秀な人が集まる事実を
単に学歴と就職,学歴と昇進と関連させて考えるのは
安直なように感じるところがなくはない.

目指す企業に就職して,昇進していく人はやはり努力しており,
その努力を惜しまない人は学業でも努力して,
いわゆる名の通った大学に行っている.

つまり学歴社会ではなく,
努力を積み重ねている人が高い学歴を得て,
理想の就職をして,会社でも昇進するのではないか,
これも当然と言える結果であろう. 

結論として,

 学歴(第一ステップ),

  就職(第二ステップ),

   昇進(第三ステップ)の

    すべてが努力する人の成果となっているだけではないだろうか?

本書でちょっと注目できる点は,入社後の学歴の意味の記述,
採用時ほどの学歴差は昇進時には生じないもののやはり実際は存在する.

その格差を作っている根源は入社直後の配属であったり,
就職直後のモチベーションの与え方であったり,役員の学閥であったりである.

ただ,やはり入社後の昇進は実力本位であるところが大きいということ.
ここから昨今の社会人大学院での学歴がどう認識されるかであるが,
特にMBAについては国内企業には扱いが難しいようで,結局は評価されていない.

こんなコメントもある,

 「MBAを持っていても...(中略)... 下手に知識をひけらかして,
  欧米では経営がどうのこうのと言われても,他の社員との関係もおかしく
  ならないとも限らないという思いもあります.あくまでも組織中心の職場ですし,
  MBA 取得者をどう扱っていいかもわからない.本当はもっと彼らの活かし方を
  考えなくてはいけないと思うのですが,外資系と違ってなかなか日本企業では
  難しい.」

そもそも日本企業には MBA 取得者を処遇する仕組みがないのである.
MBA で学んだことを活かす場が日本企業にはないということで,
中途採用でも MBA を持っているだけでは採用の対象にはならないとされている.

社内での昇進が学歴よりも仕事の成果,業績によるところが大きいことを考えると,
上記の話に矛盾しないように感じるのである.

昇進は入社後の仕事の業績によるところが大きく,
社会人での後付けの学歴は社内での昇進に役立たないのに加えて,
転職にも本当の意味での学歴とは認識されない現状が残り,
加えて,後付けの学歴を正当に評価できるシステムすらないのが
日本企業の現状と言えるのである.

職の待遇改善や給与アップに対しては,
社会人大学院程度の後付けの学歴,学習履歴はあまり有利には働かないようである.

本書を読んで再認識した次第です.


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