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社会人大学院(日本版 MBA)に通った経験から,生涯教育の意義について議論します.また,連載1年を超えましたので,広義な教育問題全般についても取り上げたいと思います.

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2008/10/16

<メルマガ配信 都の西北/山梨甲府から> 第53話 大学の現状から考える社会人大学院の存在意義

愛読者各位

 引き続きのご愛読,ありがとうございます.

都の西北/山梨甲府からです.

この3連休は京都に行ってきました.
付き合いとあって,二条城,清水,円山公園,金閣寺,
修学旅行のような京都観光でしたが,
結構楽しい休日を過ごすことができました.

 ⇒ 金閣寺の写真

   http://blogs.yahoo.co.jp/bwbtx230/56272138.html

*****<以下,本文>********

第53話 大学の現状から考える社会人大学院の存在意義

2008年度の日本の大学は 752 校,短大は 385 校,
これに対する学生数は総数で295万人
大学,短大への進学率は 55.3% ,過去最高ではあるものの定員割れの大学が
私立大学では驚くことに 47.1% にもおよぶのである.

この状況でもまだ大学は増え続けており,先々破綻する大学が出てくることは
おおよそ間違いないと考えられる.

この状況においても二極化が著しくなっている.
まずは地域間格差,関東圏とそれ以外で,志願倍率は明らかに異なる.

東京の大学志願倍率:      9.96倍, 充足率: 115.6%
京都・大阪の大学志願倍率:   8.52倍, 充足率: 108.89%
京都・大阪以外の大学志願倍率: 8.09倍, 充足率: 103.08%
東京以外の南関東:       5.64倍, 充足率: 108.89%
北関東:            2.98倍, 充足率:  92.00%

中国:             2.75倍, 充足率:  89.11%
四国:             2.39倍, 充足率:  82.76%

人が集まる所にないと大学は人が集められないのである.
当然と言えば当然の話ではあるものの,地方はどうすればよいのか? である...

次に,マンモス大学とそれ以外の大学,
当然マンモス大学は人が集まる都会に位置するので,
ある面地域格差に通ずるところはある.
これは大学のブランド力にも通じるところがあり,
要は学生の来る大学はどんどん学生が集まり,
そうでない大学は定員割れが毎年増加する,
この傾向に歯止めをかけることは,
今の株価コントロールと同じで,そう簡単な話ではない.

こんな環境下,
中央教育審議会の大学分科会では大学の中長期的なあり方について議論を開始した.
そこでの議論に,少子化が進む中での大学経営の問題を取り上げている.
18歳人口だけでは大学が成り立たないことは明らかであり,
ここで 
 「社会や学生からの多様なニーズに対応する大学制度及びその教育の在り方」が
重要となる.社会人大学院のミッションはこの点にも貢献する.

社会人大学院はほとんどが首都圏に集中しており,
地方の大学院は,たとえ関西であっても学生集めに苦慮しており,
特に MBA に限定すると,関東以外で健闘しているのは神戸大学くらいだと聞く.

社会人大学院は,大学経営で欠かすことのできないミッションを背負いつつあり,
学生を集めるには教育の質を常に高めておく必要がある.
これは,大きくは教員に依存するが,それ以外にも集まる学生の質にも引っ張られる.

何故か,それは大学で講義を受けてみるとわかるが,
社会人大学院での講義が演習形式の討論や研究発表の機会が非常に多く,
学生の質も講義の質に直結するのである.
その際,教官はコーディネーターでしかないのである.

では,社会人大学院で学ぶ場合に,どのような視点から大学を選べばよいのか?
下記にポイントをまとめてみる.

 ・自分のやりたいことは何か,そのやりたいことを学ぶのに適した大学学部を選ぶ.
 (大学のブランドやネームバリューよりもこちらの方が重要)

 ・必ず大学の模擬授業を受ける,大学のレベルはおおむねここで把握できる.

 ・教えをいただきたい教官をピンポイントで見つけておく.
 (その先生と事前にコミュニケーションをとれればベスト)

 ・集まる学生の質に加え,定員も多すぎないかを熟慮.
  (個人指導が受けられるか?)

雑誌での記述はあまり鵜呑みにしない方が良い.
どちらかというと宣伝的な記述が多いからだ.

入学後の学生を裏切らない大学こそ,真の存在意義を有する大学といえる.

最後に,こんなことがありました.
もしかしたら皆さんのところにもダイレクトメールが来ているかもしれませんが,
金沢工業大学/東京キャンパスでのサテライト授業の案内(工学系社会人向け),
個人の専門性をどのように調べたのかはわかりませんが,
非常に的確な,職務に即した講義案内でした.

小生は現在半導体レーザの開発にかかわっているのですが,
金沢工大からの御誘いは,
半導体物理,および光デバイスの物性の講義を受けませんか? とのお話.
なかなか内容も充実しているような,教える先生も結構有名どころでもあり,
これこそが顧客ニーズを見据えた大学経営の一つの在り方かなぁー,と思いました.

ちなみに,金沢工大は,直近注目度が上がっている大学の一つで,
金沢だけに閉じこもることなく,首都圏での活動も目立っています.
大学経営の一つの在り方を示している,そんな大学でもあるわけです.


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