人的役務提供事業・・・三号該当〜インド企業へ
さて、前回までしばしば人的役務提供事業の所得税法施行令282条1項三号に関連してインド企業が登場してきました。
今回は、ちょっと予定外ですがインド企業、特にシステム企業(IT企業)の日本における税務について、横道にややそれるのを承知の上で解説したいと思います。
まず、最初は、インド企業が、日本に子会社を設立した場合について取り上げます。
この場合、いわゆる米国系外資系企業などと外形的には同じになりますね。
親会社として株を持っているのは海外の親会社(外国法人)ですが、日本で事業活動をするのは、日本の会社法に則って設立した日本企業、ということになります。
この場合、そのインド企業の日本子会社が、日本国内の顧客との契約に従って、SE(システム・エンジニア)の役務を提供したとします。
日本企業は、その人的役務提供の提供の対価を、そのインド系日本企業に支払うわけですが、その際には、日本企業同士の取引になります。
したがって、ことさら源泉徴収の問題は発生しません。
インド系日本企業は、売り上げを収益に計上し、通常の日本法人と同様に法人税の申告納税を行うことになります。
では、税務上何の問題もないか、といいますと、ここで前回簡単に言及したODCが出てまいります。
インド企業のビジネスモデルは、当然ながら優秀なシステム人材をコアとし、また、英語によるサービスができる点ももちろん競争力のある部分です。
しかし、圧倒的な競争力は、その費用の安さ、であるというのが一般的な認識でしょう。
それを可能にしているのがODC(オフショア・ディベロプメント・センター)なのです。
ODCは通常インド国内のバンガロールをはじめとするいろいろな地域に存在しています。
ビジネスモデルとしては、在日拠点には営業担当SEを中心として、日本でなければ提供できない部分のみを行い、プログラミングやテストなどは、ODCで行います。
そのほうが、インド国内は人件費が安いため、圧倒的に安くできるわけです。
税務の問題としては、先ほどの日本企業である顧客との取引はいいのですが、インド系日本企業とODCを抱えるインド親会社との取引に関連して発生します。
大きくは、
1 源泉徴収課税の問題(所得税法) と
2 移転価格税制(法人税法の特例である租税特別措置法)
3 インド親会社の法人税
が挙げられます。
それらの問題については、次号以降で引き続き解説していきたいと思います。


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