2009/10/13
遺産分割協議後の分筆と相続登記
(問) 甲が死亡後、その遺産である土地Aについて、共同相続人乙と丙が、遺産分割協議により、 乙の持分3分の2、丙の持分3分の1としました。そして、その旨の遺産分割協議書を作成しました。 その後、乙、丙は共有を避ける意図で、土地Aのうち3分の1を分筆し (Aから分筆された土地をB、分筆後のAをA´とします。A´はBの2倍の面積となります)、 A´を乙が、Bを丙が所有することを合意しました。ただし、遺産分割協議書を作成しておりません。 分筆登記完了後、上記のとおりの分筆前の遺産分割協議で、 A´、Bにつき乙丙それぞれの単独所有の相続登記ができるでしょうか。 (答) できません。上記単独所有登記を行うには、分筆後、新たにA´を乙が、Bを丙が所有する旨の 遺産分割協議書が必要となります。 なぜなら、分筆前の遺産分割協議書の内容(乙の持分3分の2、丙の持分3分の1)からすると、 分筆後の土地A´およびB双方が乙の持分3分の2、丙の持分3分の1というかたちで共有されることになるからです。 (同様の例で、例えば、株式30000株をCが3分の2、Dが3分の1で取得する旨の遺言の場合、 Cが20000株、Dが10000株取得するのではなく、30000株のうちの個々の株式すべてをCが3分の2、Dが3分の1で 共有することになってしまいます。それが避けたいならば、株式30000株のうちCが20000株、Dが10000株取得する旨 を明記しなければなりません)。 但し、分筆前にあらかじめ、分筆後の土地のどれを誰が所有するか合意し、地積測量図をつづった遺産分割協議書を作成した場合は、 分筆登記後に再度分割協議書を作成しなくても、上記のとおりの単独所有の登記ができると考えられます。 なお、以上の点で注意していただけなければならないのは、分筆登記完了後でなければ、上記の単独相続登記はできません (つまり、連件申請はできません)。なぜなら、相続登記等権利の登記の登記日が登記受付日であるのに対し、 分筆登記等の表示登記の登記日が登記完了日(登記受付日ではない)であり、異なるからです。 登記受付日の方が登記完了日の前でありますので、連件を認めると、分筆登記完了前に分筆後の相続登記がなされたことになるのです。 言い換えると、土地登記簿ができていないのに、その登記簿についての権利の登記がされたという矛盾する結果になるのです。


