2009/11/15
■理系教材編集者のメルマガ第34号■
みなさん,こんにちは。 大阪市天王寺区を拠点に活動する(有)中村編集デスク発行の『理系教材編 集者のメルマガ』第34号です。今回もよろしくお願いします。 ----▲▽今回の内容▲▽----------------------------------------------- ★教育ニュース スクラップブック★ ★間違いだらけの小論文指導★ ★弊社からのお知らせ★ ★編集室便り★ ★理系教材編集者のための用語解説★ *配信停止はこちらから行えます。 http://www.mag2.com/m/0000248250.html ◆New!◆*当メルマガのRSSリーダー登録用ページです(最新号のみ)。 http://homepage3.nifty.com/naka-mura/rikei.html --------------------------------------------------------------------- ====★教育ニュース スクラップブック★================================ ■中学校の理科実験中に発生させた硫化水素で生徒が体調不良になる 11/6に東京都内の公立中学校で理科の実験後,吐き気を訴える生徒が複数 出たため,中学校から119番通報があったとのことです。 実験は通報の約1時間前に行われ,グループに分かれて気体のにおいをか いだり,色を見たりしていたそうですが,硫黄と鉄粉を混ぜて加熱したも のに希塩酸を加えたとき発生した硫化水素を必要以上に吸って,生徒が体 調不良になったようです。 適量の硫黄と鉄粉の混合物は,加熱すると化合して硫化鉄(II)になります が,混合しただけでは硫黄と鉄のままです。加熱したものと混合しただけ のものにそれぞれ希塩酸を加えると発生する気体が異なることから,加熱 すると異なる物質になることを検証しますが,硫化鉄(II)に希塩酸を加え たときに発生する気体は硫化水素のため,実験時には注意が必要です。 参考: http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2009110600451 http://mainichi.jp/photo/news/20091106k0000e040051000c.html http://rikanet2.jst.go.jp/contents/cp0100a/contents/5250/5250.html ■教科書会社数社が学校向けにプリント作成ソフトを販売中 教科書会社数社では,学校向けに理数などのプリントやテストが作成でき るソフトを販売しています。 数研出版は,1996年から『Studyaid D.B.』シリーズとして,問題データ ベースと数式・図版作成ソフトがセットになったパッケージを販売してい ます。東京書籍も『問プリマイスター』シリーズとして同様のパッケージ を販売しており,パッケージに含まれる『Tosho 関数・図形エディタ』の 単体販売も行っています。また,第一学習社からは『テストナビ』シリー ズが販売されています。こちらも数式・図版作成機能があります。 執筆者が高校の先生の場合,原稿のデータがWordや一太郎でなく,上記の ソフトで作成されたものがまれにあるようです。上記のソフトで作成され ていると,編集側でデータが開けない可能性があります。原稿はデータだ けでなく,出力紙かPDFデータも送ってもらう必要があります。 参考: http://www.chart.co.jp/stdb/index.htm http://shop.tokyo-shoseki.co.jp/shopap/feature/monpuri/ http://www.daiichi-g.co.jp/osusume/essay/1101.html ====★間違いだらけの小論文指導★===================================== ■第7回【理系として重要な問題 その4 ~事実と意見~】 [事実と意見は白と黒ほど違う] 今回は理系独特の第四の問題点「事実と意見」についてお話しいたしま す。木下是雄著『理科系の作文技術』によりますと,事実とは,それが正 しいかどうかを客観的に判断できるものです。一方,意見とは,推論や判 断・仮説など,それが正しいかどうかを客観的に判断できないものです。 事実と意見の違いは日常生活においては意識されませんが,理系の小論文 においては,この二つは白と黒ほど違うのです。もしも意見(推測や仮説) を検証せずに事実として扱うと,誤った結論を導くことになるからです。 これだけではわかりにくいと思いますので,実例を挙げましょう。「地 球温暖化」に関する某社の問題作成会議中のできごとです。 「問い:ハワイのマウナロアで観測された二酸化炭素濃度の推移グラフ を見て,何がわかるか?」 一年周期で上下しながら,次第に上昇していくという有名なグラフです。 「某先生の解答例:二酸化炭素濃度は,化石燃料の大量使用のため次第に 上昇している。また,冬には暖房のため上昇し,夏には植物の光合成のた め下降するので,一年周期で上下している。」 ※↑これらはすべて“事実”であるというのが,その先生のお考えでした。 これを見ても,ふつうの人には,どこがおかしいかわからないと思いま す。しかし,よく分析してみるとこうなるはずです。 「グラフから客観的に読み取れるデータ(事実):(1)二酸化炭素濃度が 次第に上昇している。(2)二酸化炭素濃度が一年周期で上下している。」 「解答者の推測(意見):(1)二酸化炭素濃度が次第に上昇している原因は, おそらく化石燃料の大量使用だろう。(2)二酸化炭素濃度が一年周期で上 下している原因は,おそらく冬の暖房と夏の光合成だろう。」 おわかりでしょうか? 某先生の解答には事実と意見(推測や仮説)の区 別がなく,その結果,読み手を混乱させているのです。 以上で,理系の小論文における大きな問題点の指摘は終わります。次回 からは,“問題解決&質疑応答編”として,これまでに挙げてきた問題点 を克服する練習方法について,お話ししたいと思います。 ○玉田 慎一(たまだ しんいち) 通信教育教材出版社にて高校物理・化学の教材編集を担当した後,フリー の教材編集者として独立。現在,赤本,桐原書店,進研模試,進研ゼミ等 の教材で理系小論文の執筆や編集を行っている。岡山市在住。 仕事の依頼は,お問い合わせフォームからご連絡を。 http://form.mag2.com/riasoustat 次回の『間違いだらけの小論文指導』は,12月15日配信分に掲載予定です。 ====★弊社からのお知らせ★=========================================== ■教材に関する仕事の依頼をお待ちしています 弊社では,高校生向け教材と大学生向けリメディアル教材(数学・物理・ 化学・理科総合Aほか)に関する執筆・編集・校正の仕事を行っています。 http://homepage3.nifty.com/naka-mura/ 仕事の依頼をお考えになっている教育出版社・予備校等の編集担当の方は, お問い合わせフォームからご連絡下さい。 http://form.mag2.com/riasoustat ■おたよりをお待ちしています 『理系教材編集者のメルマガ』では,読者のみなさんからのおたよりをお 待ちしています。おたよりはお問い合わせフォームからお送り下さい。 http://form.mag2.com/riasoustat なお,いただいたおたよりはメルマガ上で紹介させていただく場合があり ますので,あらかじめご了解下さい。 ====★編集室便り★=================================================== 弊社は小さいながらも法人形態ですので,取引の際には消費税をいただい ています。逆に,玉田さん(有限会社玉田クリエイト)のように法人形態の フリー編集者の方に仕事を依頼したときは,消費税を上乗せしてお支払い しています。 今月,ある会社から校正の依頼が来ました。提示された金額は消費税込で, どうも個人の方に依頼する場合と同額のようでした。この金額だと,消費 税の分だけ個人の方に比べて弊社は取り分が少なくなるため,「消費税別 にして下さい」と消費税の上乗せをお願いしました。すると,「今回は依 頼を見送ります」との返答をいただきました。弊社でさえ払っている消費 税を出し惜しむ会社とは,今後の取引は考えたほうがいいかもしれません。 現在は取引がないものの,2年前まで大学入試の過去問集の執筆を受注し ていた版元も,当方が個人から法人に変わっても消費税を上乗せしてもら えませんでした。また,この会社は原稿の納品後にしか原稿料の金額を教 えてもらえませんでした。ちなみに,下請法では発注時に金額などの条件 を書面で交わすように義務づけています。 ここも現在は取引がありませんが,5年ほど前に通信教育教材の編集部か ら編集の仕事を受注していたとき,担当者とうまくいかないことがありま した。あるとき,担当者から電話があり,「今後は内部で制作することに しました」と仕事を引き上げるとの連絡を受けました。私はやめたくて仕 方なかったので大喜びでしたが,これは下請法が禁止している給付の内容 の変更にあたります。後日,担当者の上司に会ったときに,この件に関し て謝罪されました。 各版元は,著作権法や個人情報保護法の研修には力を入れているようです が,消費税のしくみや下請法も知っておく必要があります。(中村) 次回のメルマガは,12月1日に配信予定です。 ====★理系教材編集者のための用語解説★=============================== ●つ●『つき合わせ(つきあわせ)』 校正紙が出たとき,印刷会社や組版会社に渡した原稿・赤入れ済の校正紙 の指示どおりになっているかを1文字ずつ確認する作業。『引き合わせ』, 『文字照合』ともいう。原稿データを支給しても,数式ソフトを使った数 式,上付・下付文字,イタリック体,symbolによるギリシャ文字はtxt形 式に変換すると再現できないため,つき合わせ時には注意する必要がある。 +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ 理系教材編集者のメルマガ(第34号) 2009年11月15日発行 発行者 有限会社中村編集デスク 発行人 中村 嘉洋 http://homepage3.nifty.com/naka-mura/ *RSSリーダーをお使いの方向けのフィードです(最新号のみ)。 http://archive.mag2.com/0000248250/rss10.xml +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
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