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米国シリコンバレー、熊本へ単身赴任した時に感じた文化の差、エピソード、日常生活で感じた身近なこと等を面白おかしくレポートします。ほのぼの、癒し系マガジンです。「わくわく単身赴任日記」なる本も出版しています。本マガジンは、その続編、番外編です。

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2009/09/27

わくわく単身赴任日記 No.98新風舎の倒産

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           by 住田正彦

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'88-'90の米国、'00-'06の熊本の単身赴任時代に感じた文化の差、
身近なできごとを中心に綴ったショートエッセイです。

No.98新風舎の倒産  2009/09/27

私が本を出した新風舎が2008年の1月に倒産しました。複雑な心境です。マスコミで、
素人から出版費用を巻き上げる悪徳商法と叩かれたうえでの倒産ですから、私も被害者と
見られてしまいます。堂々と新風舎から本を出しましたと言えない雰囲気になるのと、
倒産により私の本が、アマゾン等のネットで買えなくなるのが辛いですね。

そういう意味では、新風舎さん、何してくれるんや、とは言いたいところです。今まで、
「本を出したしゃれた人」だったのが、「悪徳商法に騙されたかわいそうな人」に一夜にして
変わってしまいました。ただ、マスコミに言われているように一方的な悪徳商法とは思いません。
素人にも出版と流通のチャンスを与えてくれる、存在意義のある会社だったと思います。
それでなければ、創業以来20年以上も続く筈がありません。ただ、ここ数年の拡大指向と、
そのための無茶な詐欺ともとられかねない勧誘活動が問題だったと思います。

ここで、本を出したいと思っている人のために、彼等のビジネスモデルを解説します。

素人が本を出そうとすると、まず考えられるのが「自費出版」です。これは、本を作る費用を
本人が全て出し、本も全部自分のものになります。流通させるのも自分で行う必要があります。
通常、本の流通に必要なISBN番号は取られません。従って、殆どの場合、自分の趣味で作り、
知り合いに売る程度のものです。

これに対し、新風舎等が進めたのは、「共同出版」です。これは、本の制作費用は著者が持ち、
本の流通、営業は出版社がするものです。ISBN番号も取られますので、本屋での流通や、アマゾン等
のネット書店での扱いも可能になります。

私の場合、本は500部刷ったのですが、費用は小型車が買えるくらいでした。これは何社か見積もり
とったのですが、ばらつきがあり、新風舎は良心的な方でした。著者は50冊がもらえ、残り450冊は
新風舎の所有になり、本が売れた時の売上も新風舎に入ります。増刷になると、その分から印税が
著者に入り始めます。印税は10%程度ですので、最初の費用を著者が回収するには1万部が売れないと
いけません。1万部も売れたら出版界ではそれは大ヒットです。万の一の可能性もありません。従って、
殆どは著者の持ち出しになります。

まあ、自費出版にちょっぴり夢を与える程度のものです。増刷になるのは20冊に1冊程度ですので、
殆んどの人は、印税も1円も受け取っていません。私も残念ながらそうです。新風舎を初めとする
共同出版の会社は、著者からお金をもらうことで成り立っている会社で、本を売って成り立っている
会社ではないのです。

新風舎の場合、毎月200冊ほど出していましたので、著者から入るお金は月数億円、年間では数十億円
にもなります。200人程度の会社で、設備も何もありませんから、これで充分経営できます。これに、
時々売れる本が出たらそれが加わります。私の場合は、このあたりを充分理解したうえで契約しました。
私の趣味、夢(道楽)の相手を手伝ってもらったという構図です。

しかし、社会問題になったのは、この辺りを充分に説明せず、ひょっとして一発あたれば人生の道が
開ける、と思う若者から甘い言葉でお金を集めた点だと思います。もっと地道に経営して欲しかったと
思います。私を担当してくれた編集の人も親切で、本の作りも満足できるものでした。今は、絶版に
なってしまったと思うと残念でなりません。例え、売れていなくても、流通には乗っているという誇り
が消えてしまいました。

最後に倒産による絶版とはなりましたが、本を出版するという夢のあるいい経験をさせてもらったと
思っています。




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