2009/03/15
わくわく単身赴任日記 No.71 国語と教育と市場
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ メルマガ 「わくわく単身赴任日記」 by 住田正彦 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ '88-'90の米国、'00-'06の熊本の単身赴任時代に感じた文化の差、 身近なできごとを中心に綴ったショートエッセイです。 No.71 国語と教育と市場 2009.03.15 ずっと昔に日本語に関する本を読んでいた時、あるエピソードが載っていました。 日本の教育関係者がある新興国の人としゃべっていた時、「日本では教育は何語で しているのですか?」と聞かれて面食らったそうです。そんなの日本語に決まって いるだろうと思うのですが、世界には教育は自国語でできない国が一杯あるのです。 理由の一つは、学術用語が自国語にはないことです。日本では明治時代に欧米の学術 用語を漢字で表す工夫がされました。科学、化学、原子、哲学、概念などです。この お陰で日本では自国語での教育が可能になりました。漢字と先人の工夫のお陰です。 多くの新興国では特に高等教育は英語でするしか手がない状態のようです。 先日、台湾へ出張した時、「台湾では大学の教科書は英語なのだ。」と聞いて驚き ました。台湾は漢字の国で英語もちゃんと漢字で表記しています。自国語での教育は できる筈です。実は、これには別の理由がありました。台湾の人口は2000万人です。 海外へ留学する人も多く、大学の数はしれています。このため、大学の教科書を台湾語 で作っても、商売としては成り立たないというのが理由です。中国本土へ教科書を輸出 する訳にもいきません。なるほどと思いました。経済学的理由だったのです。 日本では1億3000万人の人口があり、どんな分野でも一応国内でマーケットが成立 します。このため、考え方が内向きになりがちです。台湾、韓国の人は自国市場だけ では事業が成り立たず、どんな分野でも最初から世界を対象に考えざるを得ない立場 です。この差が結果に現れている業界も出ているように思えます。


