2009/06/16
◆[都会育ち] 644:腐る野菜と、腐らない野菜
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Daily Mail Magazine ―――都会育ちの田舎暮らし――― Written by N.Kato
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∧∧ 『腐る野菜と、腐らない野菜』
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第644号 平成21年6月16日(火)発行 発行部数4122部
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このあいだ、土曜日の書評で『野菜が壊れる』という本を紹介しました。
⇒ http://archive.mag2.com/0000246354/20090613114500000.html
そこで「肥料を与えずに育てた作物は、腐らずに、枯れる」
ということを書いたのですが。
今日は、そこをちょっと掘り下げてみようと思います。
本題に入る前に、言葉の定義を、改めてしておきますね。
今日の話に関わってくるのは「慣行農法」「有機農法」「自然農法」の3つ。
この違いを、キチンとさせておきましょう。
ちなみに、それぞれの語句に、普遍的な定義は無いため、
これは『都会育ちの田舎暮らし』内でだけの定義ですので、あしからず。
【慣行農法】というのは、ま、普通の農業。
農薬と化学肥料を使って育てる方法です。
よく、慣行農法というと、有機肥料は一切使っていないかのように
思っている人もいますけれども、そんなことは、ありません。
ほとんどの慣行農法でも、有機肥料は使います。
100%化学肥料だけの野菜というのは、水耕栽培くらいです。
慣行農法というのは「有機肥料不使用」ではなく、
「化学肥料使用」という意味のほうが、正しいですね。
あ、今日の話に必要なのは「肥料」の定義のため、
「農薬」うんぬんの話は、ここでは省かせてもらいます。
次。
【有機農法】というのは、「有機肥料使用」ではなく、
「化学肥料不使用」ということです。
有機肥料というのは、植物や、家畜の糞からつくった堆肥が主ですね。
あと、残飯からつくった堆肥や、貝殻だとか、魚粉だとか、
そんなものも有機肥料です。
それらの肥料から作物をつくるのが、有機農法です。
最後。
【自然農法】というのは、肥料を使いません。もちろん農薬も使いません。
よく例えに出されるのは、山に生えている草や木々。
あいつら、誰にも肥料を与えられていないのに、すくすく元気に育ちますね。
あれと同じところを目指しているのが自然農法。
化学肥料はもちろん、有機肥料も一切使わない農法を、
ここでの「自然農法」の定義とさせてもらいます。
さて。ここで、以下のような「事実」があります。
自然農法(肥料を与えない農法)で育てた野菜は、腐りません。
慣行農法・有機農法(肥料を与えた)で育てた野菜は、腐ります。
以前に書評で紹介した『奇跡のリンゴ』という本。
⇒ http://www.amazon.co.jp/dp/4344015444/ref=nosim/?tag=katonodoka-22
肥料を与えない「自然農法」でリンゴを育てる農家さんの話なんですが、
自然農法のリンゴというのは、何年たっても腐らないといいます。
腐らないならば、どうなるかというと、リンゴがだんだん萎びてゆき、
半年くらい経つとアップルパイの中のリンゴみたいになって、
2年くらい経つとドライフルーツのようになるんだそうです。
また、自然農法の米と水を、ビンに入れて放置しておくと「酢」になるけれど、
普通の米と水を、同じようにしておいたら、「腐敗」するといいます。
同様に、自然農法の柿を放っておけば「柿酢」になるけれども、
普通の柿を放っておけば、ドロドロに「腐敗」してしまいます。
また、先週土曜日のコメントボードに、
自然農法を実践されている読者のchinryuuさんが
『自然農歴4年目になるが、
根拠は不明だが無肥料栽培で出来た物は確かに腐りません。
馬鈴薯のあの腐敗臭も消え、トマトもネットリと熟して芳香が漂いますね』
と、体験談を書いてくださいました。
⇒ http://clickenquete.com/a/cb.php?Q0029532P00Cf880
さて。これらの事実を踏まえた上で。
そして、腐る野菜と、腐らない野菜の違いとは、何なのでしょうか。
ググっても明確な答えが無かったので、勝手に考えてみました。
そもそも「腐る」とは、どういうことでしょうか。
「腐る」というのは、微生物の活動の結果です。
缶詰は何年も腐りませんけれど、
それは、微生物に触れない環境で保存されているからです。
「普通の米」と水を入れたビンを、常温に置いておけば、
空気中の雑菌が繁殖してしまいます。これが「腐る」ということ。
しかし、「自然農法の米」と水を入れたビンを置いておけば、
「酢」になるというじゃないですか。
これは「発酵」ですね。「腐敗」ではありません。
腐敗と、発酵。実は、どちらも同じことです。
「微生物が繁殖している」という意味では、全く同じです。
繁殖している菌の種類が違うだけなんです。
酢酸菌が活発に活動したら、酢が出来た。これは「発酵」。
大腸菌が活発に活動したら、臭い液体が出来た。これは「腐敗」。
腐るか、腐らないかの違いは「繁殖する微生物の種類の違い」です。
自然農法の作物が「腐らない」といっても、
それは、微生物が繁殖しないということでは、ありません。
微生物は、腐敗する作物と同じように、繁殖しているんです。
種類が違うというだけのことです。
「腐敗」か「発酵」か。
それを決めるのは、人間の勝手です。
人間の役に立つのであれば「発酵」、
人間の役に立たないのであれば「腐敗」、それだけの違いです。
人間の価値観を抜きにしたら、発酵と腐敗の間には、何の違いもありません。
『ザ・フライ』に登場するようなハエ人間であれば、
どろどろに腐敗したものこそが「発酵(美味しいもの)」であり、
酢になってしまったものは「腐敗(食べられないもの)」と感じるはず。
人間だって、文化によって「腐敗」か「発酵」かは違ってきます。
納豆や鮒寿司も、日本人が見れば「発酵」ですが、
アメリカ人が見れば「腐敗」ですよ。
イヌイットの皆さんは、海ツバメを何十匹もアザラシの体内に埋め込み、
土に埋めて数ヶ月放置、その後、掘り出したアザラシの腹を切り開き、
海ツバメを取り出すと、その肛門から、液状になった内蔵をすするという、
日本人から見たら狂気のサタとしか思えないような「キャビック」という
食物を、好んで食べるとのこと。
こんなもの、僕からすれば腐敗も腐敗、ド腐敗なんですが、
イヌイットの皆さんにすれば「発酵」なんでしょうね。
「腐敗」か「発酵」かは、文化によっても、かくも違ってくるものです。
そして、繰り返しになりますが、腐敗と発酵というのは、
「どの微生物が繁殖したか」という違いでしか、ないわけです。
微生物を大きく「善玉菌」「悪玉菌」に分ける見方があります。
(それに加え「どっちでもない」という意味の「日和見菌」もある)
人間の健康を促進する微生物が、善玉菌。
人間の健康を阻害する微生物が、悪玉菌です。
例えば、ビフィズス菌なんていうのは、
「腸内環境をととのえる」と名高き、善玉菌の代表格。
一方、大腸菌なんていうのは、O−157に典型的ですが、
人間の健康を害してしまう悪玉菌です。
「腐らない野菜」というのは、「善玉菌の活動が盛んになる野菜」です。
「腐る野菜」というのは、「悪玉菌の活動が盛んになる野菜」です。
人間の腸内には、100種類、個体数では100兆個もの
最近が棲み付いているそうです。重量にすれば、1.5キロ。
1.5キロの細菌が、我々のお腹の中にはいるんですよ。
食事中の方には申し訳ないですが、うんこ。
うんこが何かと問われたら「消化できなかった食べ物」と答える人が
大半でしょうけれども、実際は、それが正解ではありません。
うんこの半分以上は、「食物のカス」ではなく「細菌の死骸」です。
我々のうんこの、半分が「細菌の死骸」なんですよ。
で、当然のことながら、腸内細菌に「悪玉菌が多い」か、
「善玉菌が多いか」ということは、健康に大きく影響するわけです。
赤ちゃんの腸内細菌の半分以上は、ビフィズス菌だといいます。
赤ちゃんの腸は、善玉菌がほとんどなんです。
それが大人になると、善玉菌の割合がグンと減ってしまいます。
※参考グラフ⇒ http://tinyurl.com/mbn2ea
だから、赤ちゃんのうんちは、大人に比べたら、臭くないんです。
善玉菌は、人間にとって良い働きをするものだから、
我々の感覚は「いい匂い」と感じるんです。
自分の身体に悪いものであれば「嫌な匂い」になるんです。
余談ですが、大食いタレントのギャル曽根さん。
彼女の腸内細菌は、赤ちゃんとほとんど変わらない状態、
細菌の半分以上がビフィズス菌などの善玉菌だそうです。
彼女は、よく「スッピンが温水洋一さんに似ている」などと言われ、
不細工というイジラレ方をしていますが、
腸内環境に限っていえば、日本トップレベルの美人です。
「腐る野菜と、腐らない野菜の違い」
それは、繁殖する微生物の種類の違いです。
「腐らない野菜(自然農法の野菜)」というのは、言い換えれば、
ビフィズス菌(などの善玉菌)配合の野菜ということです。
なぜ肥料を与えると、悪玉菌が繁殖しやすいのかは、
僕にはよく分かりませんが。
これは、考えてみれば当たり前のことかもしれません。
実は、化学肥料を使用した野菜よりも、
有機肥料を使用した野菜のほうが「腐りやすい」野菜なんです。
(ま、有機農法といってもいろいろあるのだけれど、
そこまで言うと面倒くさいから、一緒くたにしちゃいますよ)
なぜ、有機農法の野菜は、腐りやすいのか。
有機農法の代表的な肥料といえば「家畜糞」です。
その家畜の糞が、ギャル曽根さんのうんこのように、
善玉菌が多く含まれているものならば、いいですけれど。
現代の家畜は、ほとんどが、酷い環境下で飼育されているでしょう。
そこから出た糞なんですから、どのような糞かは、おのずと知れています。
それを原料にして野菜をつくれば、
悪玉菌(家畜糞に多く含まれる)が繁殖しやすい野菜になるのは、
当たり前の話じゃないでしょうかね。
勝手な予想ですけれども、自然農法の野菜だけを食べている人は、
腸内細菌の「善玉菌」が、普通の人よりも多いのではないでしょうか。
また、普通の人が、自然農法の「腐らない作物」だけを食べていったら、
腸内細菌は、どんどん善玉菌のほうに偏ってくるんじゃないでしょうか。
なんとなく、そんな気がします。
もし、卒論のテーマにでも困っている、
どこぞの大学の農学部の方でもいましたら、調べてみませんか?
僕は、うんこを調べるのなんて嫌だから、絶対にやりませんけれど。
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【集団訴訟のお知らせ】
僕が読んでいるメルマガの一つに
『JOG wing 国際派日本人のための情報ファイル』
というのがあるんですが。
そのメルマガで、NHKに対する集団訴訟の呼びかけをしていたので、
ここで紹介いたします。
※詳しくは、リンク先を読んでください。
http://archive.mag2.com/0000013290/20090615000000000.html
http://www.melma.com/backnumber_256_4453789/
http://www.ch-sakura.jp/topix/1054.html
インタビューに答えた人の意図とは、かけ離れた内容の番組を
報道したということに対する、訴訟のようです。
内容を読んでみて、僕も「なるほどこりゃNHK良くないよ」と
思ったので、ここで紹介いたします。
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【いろいろ】
◆『都会育ちの田舎暮らし』へのご意見・ご感想をお待ちしております。
発行者の加藤までメールしてください⇒ katonodoka@highknowledge.net
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【ひとりごと】
ニコニコ動画にNODA・MAPの「THE BEE」が落ちてるのを発見。
これ幸いと、早朝からじっくり観てしまいました。
⇒ http://www.nicovideo.jp/watch/sm5722070
1時間ちょっとの短い芝居ですが、すんごい面白い。
お暇なときに、ぜひごらんあれ(内容は、暗く、重い話です)。
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まぐまぐID 0000246354 「都会育ちの田舎暮らし」第644号
2009年06月16日発行(創刊2007年9月10日) 発行者 加藤のどか
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