せっかく建てた家なのに、、、
よくこんなお話を耳にすることがあります。
Yさん御夫婦は長年の夢がかなって郊外に所有していた土地に家を建て
ました。M大工さんはとても立派な家を建ててくれたと思いました。早速
引っ越して住んでみるとなんとなく住み心地がおかしい。どうも床が傾
いていているようで、ボールを床に置くと必ず転がり始めます。住んで
住めないことはないにしても、何かと不便です。また、たんす一つ取っ
てみてもちょっとした地震で倒れてくるのではないかと心配です。Yさん
御夫婦は、こんな家であるならば初めから建てなければよかったと思い
始めています。
そこでM大工さんにこの事を話しました。「家を建てる契約は初めから
なかったことにしてくれ。家は取り払って、代金も全額返してくれ。」と。
このように契約を初めからなかったことにすることを、民法上「解除」と
いいます。建物を建てるという契約の場合、「解除」ができるでしょうか?
民法によると、この場合原則としてできないことになっています。せっ
かく建てた家なので取り壊すのはもったいないから、というのがその理由
のようです。民法はYさん後夫婦よりもM大工さんのほうを保護しているのです。
Yさん御夫婦を救う方法としては、傾いているのを直してもらうか、不
便な分をお金でもらう(損害賠償する)ことが考えられます。
もっとも、初めから欠陥のある家を建てるM大工さんですから、直して
もらうにしても益々ひどくなるのではないかと不安でしょうがありません。
そこで結局損害賠償でお金を請求していくことになるでしょう。
しかしM大工さんとYさんご夫婦との間で金額が一致すればいいのですが、
一致しないと困ります。そうなると弁護士さんに依頼して裁判を起こさなけ
ればなりません。普通裁判には長い日数がかかります。弁護士費用もかか
ります。家がこれからどのようになっていくのかも心配です。ましてロー
ンを組んでいるとすればその心配もあります。Aさんご夫婦は精神的にま
いってしまうでしょう。
その結果、妥協してM大工さんの言う金額でもかまわないから早く裁判を
終えてしまおう考え始めるかもしれません。せっかく夢にまで見て建てた
家なのにさんざんな目に会ったことになります。お気の毒という他ありま
せん。
このような結果になる前にYさん御夫婦にできることはなかったでしょう
か?
ありました。それは、M大工さんと家を建てる契約をする時に、家に欠陥
があった場合に備えて解決策を明記しておくことでした。その時もしM大工
さんが「私はそんな家なんか建てませんよ」などといって拒否したら、他
の業者さんに依頼するのが無難でしょう。また、契約書を事前に弁護士さ
ん、行政書士さんなどの専門家に見てもらうのもよいでしょう。
家を建てるには慎重の上にも慎重でなければなりません。


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