実例と医師のコメント
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親子と法〜ARTと親子関係
No. 13 実例と医師のコメント
June 7 , 2008
Yasunao Kondo.Ph.D
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まぐまぐメールマガジンご愛読お皆さん、こんにちは
この度『親子と法〜ARTと親子関係』という題でメールマガジンを創刊し
ました。このメールマガジンでは、ARTの発達に伴いこれまで考えられなか
った親子関係も生まれていますが、その法制度の提案をしていきます。
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「当院の代理出産から考えること」ー当院における代理出産のご報告ー
諏訪マタニティークリニック
院長 根津八紘
今月中旬までに、日本学術会議の総会によって代理出産に関する最終
報告書が出されます。
現時点では日本学術会議「生殖補助医療の在り方検討委員会」におい
て主として代理出産に関する検討を17回にわたって行い「代理出産
全面禁止」の方向で報告書案は出されています。これが総会で覆され
ることはおそらくないでしょう。
その報告書は、法務省/厚生労働省に渡され、この後は国(立法府)
の判断に任せられることになります。
このままでは、日本における代理出産は全面禁止になってしまいます。
全面禁止になったとしても海外で代理出産を希望する方はなくならない
でしょうし、何より自国で禁止し、責任を海外にゆだねる姿勢はいか
がなものかと思います。
少しでも多くの方に代理出産の現状、当事者の思いをわかって頂きた
く何度も記者会見などで発表させて頂きましたが、日本学術会議の検
討委員会の委員長の鴨下重彦先生や、日本学術会議会長の金澤一郎先
生が、「国内において勝手に代理出産をしている」「公式なデータが
無い」と私に関し言っておられるようですので、このたびホームペー
ジ上で当事者のプライバシーを守ったうえ、今までの代理出産のご報
告、データの公表をさせて頂くことに致しました。
今まで学術的な場で代理出産に関する発表をしてこなかったと非難さ
れますが理由と致しましては2つの理由があります。
1つは、学術的な場で発表できるすべを奪われていたということです。
日本産科婦人科学会は体外受精に関する会告の中で、私が代理出産に
関わる以前から間接的に代理出産を禁止しており、3年前に公な形で禁
止を表明しました。それゆえ当然、学会誌への投稿/掲載は不可能で
あります。また、産婦人科に関する医学雑誌は学会の中核的な先生方
が論文の選考委員になっておられますから、投稿してもエントリーさ
れないことは明白です。残念ながら私が今まで問題提起して来たよう
な内容の事柄を発表するところは、マスコミ上でしかあり得ませんで
した。
2つ目としましては、常にオープンに論議をすることをモットーとし
て来た私にしてみれば、代理出産に関する全てが患者さんのプライバ
シーに関与することばかりでした。そのため、代理出産をした事実の
みを報告するにとどめて来ました。その事が、鴨下重彦先生や金澤一
郎先生から公式なデータが無いと指摘される結果を招きました。しか
し現在の代理出産を取り巻く日本の医療環境があまりに劣悪の中、患
者さんを守ること第一で医療行為を行っている私としては発表できる
ぎりぎりのところで常に公表し続けてきたつもりです。
この度ホームページを全面リニューアルし、新たにこのような発表の
場を設けることに致しました。日本の学会では依然発表の場がありま
せんので、今後はこのホームページ上で患者さんのプライバシーを十
分配慮した上でなるべく詳細に全文発表させて頂きます。また今後、
日本における代理出産に関し英語論文にまとめ海外の医学雑誌に投稿
する予定となっています。その際にはこの場でご報告させて頂きます。
1. 関与した症例
当病院においては1996年の体外受精施設開設以来、子宮の無い方達
のために代理出産への窓口を開き、不妊相談に応じて来ました。その
後、100組近くの様々な方から相談を頂きましたが、最終的には現在
のところ15組の方に代理出産に向けて実際面で関わらせて頂くこと
となりました。
1) 依頼母の原因疾患(表1)
先天的な原因疾患としては、痕跡程度しか子宮の存在しない1例以
外は、5例のロキタンスキー症候群の方でした。子宮と腟上部2/3
が欠損して生まれて来たロキタンスキー症候群の女性への、特に医
療者側の心無い発言や態度、また、造腟術への配慮の無さを聞くに
つけ、患者さんに対する医療というものを全く考慮していない日本
における医学教育の貧困さを痛感致しました。
後天的に子宮摘出術を受けた中に、子宮筋腫の4例と、早剥(胎
盤早期剥離)・DIC(播種性血管内凝固症候群)の2例が含まれて
おり、これ等のいずれもが、配慮、医療者の対応によっては子宮摘
出術を受けなくて済んでいた可能性が考えられました。前者の子宮
筋腫のケースですが、重度の子宮内膜症や子宮腺筋症が合併してい
る場合以外、筋腫部分だけを核出し100%子宮を残すことが可能で
あると私は考えています。後者の早剥・DICの2例は、いずれも開
業医のクリニックで早剥が発症、その場で帝王切開が出来ず病院へ
転送中に子宮内胎児死亡、DICとなり、結局移送先の病院にて子宮
摘出術を受けざるを得なかったケースでした。産科の開業医や産科
医自体が減っている時に、追い討ちを掛けるような意見になるかも
知れませんが、産科施設は緊急の帝王切開を24時間、いつでもし
得る体制の下になければならないと思います。この2例は、そのよ
うな施設での出産であったなら、子供も助かり、子宮も摘出せずに
済んだものと考えられました。そのようなサポートが出来る医療体
制の改革が緊急に必要だと思います。
このような立場の患者さんに関わる中で、次のような現実も知りまし
た。子宮癌で子宮摘出術をしなければならないことは仕方無いかも知
れません。しかし、安易に「代理出産という方法があるから」と、患
者さんに手術を納得させておきながら、いざ患者さんが代理出産を希
望するようになったら、「私は代理出産に反対だから」とさらりと言
い退ける産婦人科医の居ること、それも、大学の医師の中に居ること
を聞くにつれ、疑問を感ぜずにはおられません。
いずれにしても先天的に子宮の欠損している状態を診断するのも、ま
た妊孕性(子供を作る能力)を残す努力と、例え残せなかったとして
も、全てこのような患者さんに産婦人科医が関わっているわけです。
このような患者さんの立場を一番配慮しなければならない立場にあっ
て、更にはそのような患者さんを海外へ紹介するだけでなく、国内で
も代理出産が出来るように産婦人科界を改革しながらサポートしてい
くのも、私達産婦人科医の務めではないかと思います。
2)代理母8人の年齢(表3)
8例の内6例が高齢出産となる35歳以上の方で、その内の4例は55
歳以上の方でした。その4例は実母であり、表5,表6をも含め考え
る時、総合的に高齢ではあるものの、代理母は実母にお願いするのが
ベターであると私は考えています。このことに関しては現在カナダ在
住の京都大学名誉教授星野一正先生より米国における実母に関する実
例を御報告頂き、大いに参考とさせて頂いておりました。当然、高齢
になれば妊娠中毒症(妊娠高血圧症候群)となり易く、それに伴う様
々な重篤な疾患が発症することに関しては、今更言うまでも無いこと
かと思います。また、心臓・循環器系、脳血管系、腎臓や肝臓を含む
全ての臓器は年齢と共に老化しているわけで、妊娠や出産に際し、何
が起きても不思議ではないわけです。4例の実母の方は、事前に人間
ドックに入り、全身的に問題無いことを確認の上でのスタートでした。
一例に軽い妊娠中毒症状態が発現したものの、ほとんど通常の妊娠と
変わらず問題無く経過しました。だから高齢出産でも大丈夫だなどと
は申しませんが、デメリットばかりを強調するのではなく、逆に高齢
の人、特に閉経後の女性が妊娠した場合の身体的メリットについても
考えるべきではないかと思います。
2. 代理出産挑戦15例における妊娠率・生産率(表2、表5、表6)
代理出産に挑戦した15例に37回のET(戻し)をして、11例に妊娠、
即ち体外受精(IVF・ET)妊娠率29.7%、8例に生児を、即ち、体外
受精出産立21.6%(体外受精妊娠率30.4%、分娩率19.2%、日本
産科婦人科学会調べ)でした。又、実母での挑戦は5例で、11回ET
をして4例に妊娠、そして生児を得、即ち、実母での体外受精妊娠率
・出産率共36.3%でした。代理出産挑戦15例に関しては一般的な妊
娠・出産率共に、差異は見られていませんが、実母に関しては、良好
な結果が見られました(表6)。だからと言って15例へのチャレンジ、
8例の出産例だけで代理出産について結論付けるつもりはありません。
しかし、このような国内における代理出産のデータも踏まえ、「代理
出産条件付き容認、悪用する者への刑事罰を」という基本の下、更に
例数を増やしながら日本における代理出産を論じてゆくということが、
今後の本来あるべき姿ではないかと考えます。
3. 当事者の声
2月29日に行いました記者会見「8例目の代理出産の報告」では8例
目の代理出産をされた山田さん親子(仮名)さんが「同じ境遇の方々
の道が閉ざされてしまわないように」と自ら記者会見に音声で臨んで
くださいました。その時のムービー「当事者の声」はこちらからどうぞ
今回は文書で別の当事者の方からの声をお届け致します。
ー実母による代理出産をされた方の声ー
「私は小さい頃から運動好きで、中学、高校とも運動部に所属し、高校
生の時にはキャプテンをしていました。部活の帰りには友達と好きな男
の子について話をしたり、休みの日にはおしゃれやショッピングを楽し
む皆さんと同じ普通の女の子でした。その私がいつも一緒に楽しんでい
る友達とは違うのだと思い知らされたのは19歳のときでした。前々か
ら初潮がまだ来ていなかったことを不思議に思っていたのですが、相談
した私の母親も少し遅かったことから、私の場合もただ遅れているだけ
だろうと考えていたのでした。しかし、意を決して病院を受診したとこ
ろ、医師から告げられた診断はロキタンスキー症候群でした。先天的に
子宮の欠損があるこの診断に両親は驚愕し、ただ泣いていました。ロキ
タンスキー症候群は、遺伝病ではないのですが、4,000〜5,000人に1
人の割合で認められる先天的に子宮が形成されない疾患です。私といえ
ば、両親とは対照的に、自分に子宮がないと告げられたとき不思議に冷静
でいられました。もちろん子供が産めないということはすぐ理解できま
した。もともと子供が好きで、私も子供に囲まれた明るい家庭を作りた
いと考えていましたから、それが叶わないものになってしまったことを
知り、大きな衝撃を受けていました。しかし、その時の私は、告げられ
た病気が、自身の命に関わるような病気ではなかったこと。そしてなに
より私の悲しむ姿が、更に両親を苦しめてしまうだろうと思い、泣き叫
びたい気持ちを抑えて冷静な態度でいなければならなかったからです。
しかし、今にして思えば、子供が産めないという苦しみは、その頃の私
には、まだ十分には理解できていなかったように思います。私の場合、
子供が産めない苦しみは、好きな人ができて、その人の子供が欲しいと
思ったときに初めてその本当の苦しみを知ったのでした。そしてそれは
私だけでなく、その相手にも感じさせてしまうものだったのです。
その後、私の体では性交渉が不充分だということで、今後結婚を考えた
ときのためにと腟形成術を受けるように医師に勧められました。しかし、
この手術は簡単なものではありませんでした。手術は10時間にも及び、
手術後は全身の倦怠感と身の置き所のない痛み、そして、その痛みも治
まらないうちからのリハビリ開始ととても辛いものでした。しかし、こ
ういった肉体的苦痛以上に私を苦しめたのが、止め処なく湧いてくるど
うしようもない悲しい気持ちでした。『私の体は普通の女性とは少し違
う。だから簡単に異性に体を許す仲にはなれない。自分を本当に好きに
なってくれて、結婚を強く望んでくれる人でないと、本当のことも言っ
てはいけない。でも、もし、その人に体のことを告白したら、結婚は考
えてくれなくなるのではないだろうか。子供ができないために、離婚さ
せられていた一昔前の時代のように、私も捨てられてしまうのではない
か。いや、それ以前に、こんな子供を産めない体の自分では好きになっ
た相手を十分に幸せにできないし、いずれ自分も傷ついてしまう。それ
ならばいっそのこと、人を好きになることなく、一生一人で生きていく
ほうがいいのではないのだろうか。』そんな悲しいことばかり考えてい
ました。その後の私は、人を本気で好きになることを自制して生きてき
ました。しかし、そんな私にも、この人ならと思う相手ができました。
そして、相手の人も私との結婚を強く望んでくれたのです。私は悩みま
した。体のことを告白しなければならない。でも、告白することで相手
が去ってしまうかもしれない。このことはリハビリの時を含め散々悩ん
でいたことでした。意を決して、私が子供を産めない体であることを告
白すると、彼はショックを隠しきれない様子でした。ですが、彼は、こ
んな私とともに生きていきたいと言ってくれたのです。私は予想外の彼
の言葉に驚きながらもその言葉に喜び、甘え、そして、結婚を決意しま
した。そして、この人を必ず幸せにしたいと心の底から思いました。し
かし、問題はまだまだありました。二人の結婚を周りの人達は許してく
れるだろうか。子供が産めない私との結婚を相手の家族が許してくれる
のだろうか。そう考えると私は自分が傷つくのが怖くなり、体のことを
言わないので済むのであればとさえ考えたりもしました。
でも言わないわけにはいけません。私が体のことを告白すると、相手の
ご両親も二人の結婚を悩まれたようでした。当然のことです。子供を産
んで育てる。このことは、人間の基本的な営みのひとつだからです。そ
して、子供が産めないとはどういうことか。子を育てたご両親は良く知っ
ていたからです。しかし、最後には、彼の意志を尊重するということで、
結婚を許してもらえました。
私はそんな彼のために子供が欲しい、彼の子供を抱きたいと強く願いま
した。そんな時、向井亜紀さんのニュースが報道され、彼女もまた、愛
する人との子供を望むも自らは子供が産めない体であるがゆえに苦しみ、
そして渡米までしていたことを知りました。この向井さんの行動に私は
とても勇気づけられました。しかし残念なことに、そこまでして子供を
欲しがる向井さんへ、一部の人からは心無い非難や中傷、そして好奇の
目がそそがれていました。
女性に生まれ、愛する人と一緒になれたら、その人の子供が欲しいと望
むのは当たり前のことではないでしょうか。『聖域に足を踏み入れてい
く不妊治療は、神への冒瀆』と非難する人をみかけると非常に悲しくな
ります。女性は子供を産む機械としか考えていない、命の大切さを全く
理解していない相手に言うのであれば理解できますが、自分ではどうし
ようもできない事情で子供が産めない体になってしまった女性は、決し
て命の重さを軽んじたりしていません。命への強い畏敬の念があるから
です。私は向井さんと同様、代理母出産を望みました。夫と話し合い、
当初はアメリカでの代理母出産を考えていました。そのような時にイン
ターネットで諏訪マタニティークリニックを知り、根津先生が近親者を
代理母とするならば、代理母出産を行っていることを知ったのです。す
がる思いで、すぐにお電話させて頂きました。先生の、「あなたのお母
さんに手伝ってもらいなさい。」との一言で、私は電話口で声を出して
泣いてしまいました。これまでの子供が産めないという苦しみや夫や夫
のご両親への引け目が先生の一言で少し救われた気持ちになったからで
す。この先生の言葉を母に伝えると、母は快く引き受けてくれました。
そこで、クリニックへは私と夫、そして私の両親の4人で受診しました。
そこで、根津先生からの提案について、私たちはもう一度よく話し合い、
私と主人の受精卵を母の子宮に戻すことを決めました。そして、数回目
の試みで、母の体に新しい命が宿りました。それを聞き私たち家族は泣
いて喜びました。それから出産に至るまでの間、私は母とともに生活し
ながらその日を待ちました。そして待望の出産、私は涙が止まらず我が
子をまともに見ることができませんでした。ただただ先生をはじめ、温
かく見守り続けてくれた諏訪マタニティークリニックのスタッフの方に
対する感謝の気持ちと、何より頑張ってくれた母に対して感謝の気持ち
で胸がいっぱいになり、涙が止まりませんでした。
今、私は主人と子供の3人で幸せに暮らしています。子供を見た人に「ご
主人にそっくりね」と言われると嬉しくて仕方なくなります。私のために
命を懸けて頑張ってくれた母も、今では以前と変わらず元気に働いていま
す。他人から見ればごく自然にみえる幸せな3人家族なのですが、数年前
の私には本当に奇跡のように思えます。
日本のみならず多くの国で代理母は、法律上認められていません。しかし、
現実に私と同じ病気の方は4,000〜5,000人に1人は生まれていて、同じ
苦しみを味わっています。医療技術は日々進歩してます。一昔前であれば、
落としていた命が、いまでは救えるようになってきています。それは、医
療技術の進歩がもたらした新しい薬の開発、治療技術や機械の開発のお陰
でしょう。しかし、今の医療技術の進歩だけではどうにもできないものも
あります。それは、人の善意が根底を支える輸血を含めた移植医療です。
移植を必要としている人がいて、すべてを知ったうえでドナーとなろうと
する人がいる。そして、その移植を支える技術を持った先生がいた場合、
その移植を行うことは神への冒瀆でしょうか。日本でも移植医療が創世の
時代には、そのような議論が活発にされました。ですが、今では毎日のよ
うにその技術が用いられ、その技術により人が救われています。確かに問
題が起こることはあります。しかし、その全てが問題ではないのです。あ
くまで問題はごく一部にすぎないのです。ようは、そういった技術を持つ
人、あるいは、それを利用する人々のモラルなのではないでしょうか。話
を不妊治療にまで伸ばせば、「聖域に足を踏み入れていく不妊治療は、神
への冒瀆」と非難する人もいますが、はたしてそうでしょうか?体外受精
は、今では多くの施設で毎日のように行われています。これも、通常の性
生活では妊娠できない人々に行われている医療です。一昔前まででは、子
供を授かることができないケースでした。これは神への冒瀆でしょうか?
この問題と代理母の問題を一緒にするには、抵抗を感じる人もいるかもし
れません。しかし、全てを知って善意で体を提供してくれる人がいた場合、
(私の場合は母親でしたが、)その善意を受けることは許される行為であっ
て欲しい。いま、社会でいろいろ問題になっている代理母ですが、是非、
自らは子を産むことはできないながらも、我が子を抱きたいという切ない
思いをもつ女性に道を閉ざしてしまうようなことはしないで下さい。そし
て、是非、皆さんにも代理母について考えて欲しいのです。なぜなら、皆
さんの恋人、姉妹、お子さん、そして親戚の方にも、子供を産む事ができ
ないことで、人知れず苦しんでいる女性がいるかもしれないのです。
そして、最後にこの場をお借りして、根津先生、吉川先生、そして、ス
タッフの皆様、御礼申し上げます。今後も子供の成長をお知らせに参りた
いと思います。このご恩は一生忘れません。本当に有り難うございました。」
4. まとめ
今回はホームページ上での発表ということで、一般の方にも読んで頂ける
よう、医学論文的にはまとめませんでしたが当院における代理出産の実例
報告をさせて頂きました。
ボランティアによる代理出産も今後の課題であると考えております。これ
に関しては、代理出産禁止の条件となっている、妊娠・出産における危険
性を無視して考えることは出来ません。すなわち、いつ何時代理母が死亡
したり後遺症を残すような重篤な疾患に陥るかも分かりません。例え危険
を承知でのボランティアとは言え、その場合の保障制度、トラブル化した
場合の対応策を考えてからでなければ、ボランティアにより代理出産は簡
単にスタートすべきではないと考えます。
今回はそのような場合にも当事者間だけで問題解決が可能な身内での代
理出産、すなわち兄弟姉妹間、親子間のケースに関する実例報告をさせて
頂きました。代理母の方も、10人のお子さんたちも順調に経過しておられ
ます。
これらの日本における、日本人的な捉え方の代理出産のケースを参考にし
ていただき、代理出産を最初から悪とし、差別・排除するのではなく、こ
の方法でしか子供を手にすることの出来ない人々のために、日本国内でな
んとか代理出産を認めて頂けるよう、これからも力を尽くす所存です。
当事者無視の日本学術会議の報告書により、日本における代理出産への道が
決して閉ざされてしまうことのないよう、そして、誰にでも起こりうる体
の問題により、我が子を抱く機会を奪われてしまった方々に明るい道が開
かれることを願っています。
どうかこのページをご覧になってくださった皆さんも、他人事とは思わず
に、この問題について考えて頂けますよう何卒宜しくお願い申し上げます。
今回は記者会見のかわりにこのような形で発表させて頂きました。
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