2007/11/30
年齢層別最適範囲、65って?
毎度お決まりの挨拶ですが、2週間ぶりです。 お元気でしょうか? やっと具体的な年齢層別最適範囲探求の旅に戻って、前回、前々回と20歳以下の年齢層を見てみました。 覚えていますか? 今回からは、読者の年齢層に当てはまるかどうか分かりませんが、非常に面白い年齢層に挑んでみたいと思います。 まあ、私が年齢層別のBMI最適範囲(死亡率が最も低くなるBMIの範囲でしたね)を探ってみるきっかけとなった年齢層です。 いわゆる、初老〜老年とでもいう年齢層ですが、御当人達からは年寄り扱いするな、といわれる年齢層ですね。 65歳以上という年齢層です。 一応、定年年齢に引っかかりますが、まだまだお元気な現役選手がたくさんいらっしゃる年齢層年齢層です。 この年齢層がなぜ面白いかというとですね。 まず、この65という数字が特殊ですよね。 よく考えると、他の年齢層は大体10歳きざみなのにこの年齢層だけが65以上となってるんですよ。 いろんな研究でも。 まあ、65歳以上を高齢者ということでくぎっているということです。 要は、研究者の多くがこういう年齢層の分類をして研究しているということなんですね。 そして、65歳以下の年齢層から65歳以上年齢層に移行する場合、その最適範囲に大きな変化があるのです。 実は、この年齢層における最適範囲に関する論文を読んだ(正確には学会発表の抄録を読んだ)ことがこういう探求を始めたきっかけだったんですね。 それは、Kazuo Inoue等による研究論文です。 Body mass index as a predictor of mortality in community-dwelling seniors、という論文ですね。 これは、日本の在宅のお年寄り集団を対象にしてBMIと死亡率についての関係を見た研究です。 この論文では、65歳以上の人ではBMIが25以上の方が死亡率が低かったということが報告されています。 つまり、65歳以上になれば、むしろ今までの分類上は肥満になってしまう人の方が死亡率が低かったんですね。 正直驚きましたね。 実を言うと、僕が知らなかっただけで、65歳以上ではBMIが25以上の方が死亡率が低いという報告は他にもあるんですね。 Andres等の論文でも、60〜69歳では最適値は26.6と27.3(女性)となっていましたね。 でも、対象が日本人の集団であるという点ではより身近なインパクトがあるといえますかね。 僕としては、例のWHOによるBMI正常範囲が絶対だと思っていましたから、なおさら衝撃的でした。 まあ、これがきっかけで年齢層別のBMI最適範囲を求めてみようと思ったわけです。 で、65歳以上の年齢層における最適範囲に戻りますと、今まででこういうことが分かりましたね。 つまり、65歳以上の年齢層における最適範囲は、BMI25以上であると。 しかし、何か足りませんよね。 そうです、上限が示されていません。 つまり、BMI25以上とはいっても、30,40,50となって行けば明らかに健康には良くないのではないか? と思いますよね。 実は、上で言ったようにInoue等の論文では対象となった集団が65歳以上の日本人です。 つまり、もともと欧米の集団よりも肥満の割合が少ない集団であるらしい。 具体的に言えば、20歳以上の日本人ではBMI25以上の割合が28.4%です(平成16年国民健康・栄養調査)。 まあ、3人に1人というところですか。 多そうに見えますが、実は、全人口の65%が肥満などという北アメリカに比べるとかなり少ないんですね。 BMI30とか40のそれこそ超肥満ともなると、日本人を対象にした場合、かなり少なくなってしまうのですね。 だからこの範囲の情報も少なかった。 つまり、BMI25以上とはいってもBMI25〜30くらいの範囲になってしまうわけです。 それで、最適範囲の上限値が示されていないということですね。 上限をみるには情報が足りないわけです。 というわけで、次回からは、65歳以上の年齢層における最適範囲の上限値を探ることになります。 お楽しみに! Dr. T.S 編集後記 この間、内科医の小内先生が書かれた文を読んでいたら、メディアリテラシーという言葉(概念)があるのを知りました。 要は、メディアの出す情報(まあ、本とか新聞とかに書かれている内容や、テレビなんかの放送内容ですね)を鵜呑みにするなということです。 なぜなら、情報発信者は何らかの意図を持って情報発信をしているからです。 例えば、商品を売り込むのが目的だったり、ある考えを読者や視聴者に信じ込ませることが目的だったりしますよね。 勿論、そう簡単にはばれないようにやっているでしょうが、情報の受け取り手である我々は、いつもそのことを頭に置いておきましょうということです。 つまり、与えられた情報には何らかの裏があるんじゃないかといつも用心しながら受け取りましょうという心構えです。 このメルマガではそんなあやしい意図は全くありませ、ん、いや、多少はあります、多々、かな? でも、内容は、できるだけ科学的にゆがまないように気をつけていくつもりです。 脱線はするかもしれませんが。 暖かい右目と疑り深い左目の両方の目で読んでくださいませ。 できれば、片目は閉じて。 健脳書房主人 拝 *完全版に興味のある方は、下記のHPものぞいてみてください。 *無料版(お試し)もダウンロードできるようになりました。 http://www.asahi-net.or.jp/~cb4t-syun/index.html これもあきらかな意図ですね・・・。


