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2008/01/25

["あーすを変える" ] vol.026 核燃料のリサイクルは「いいこと」ですか?

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∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ vol.026─2008.01.25∞∞∞

     "あーす"を変える 〜エコな暮らしのススメ

     vol.026 核燃料のリサイクル

                    http://www.eco4u.jp/
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

こんにちわ。

先週、電力消費が過去最高とお伝えしましたが、この1週間でさらに
記録を更新したようです。

いかにして寒い冬を省エネで乗り越えられるか、取り組んでいかねば
いけませんね。

何かいいアイデアをお持ちでしたら教えてくださいね。

さて、前回に引き続き原子力発電のお話です。



●● あーすのために・・その26:核燃料のリサイクル
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ○ 再処理とは?
 -------------------------------------------------

 原子力発電の課題の一つに「再処理」があります。

 原子力発電では原料にウランを使いますが、ウランには、
 原発で核分裂を起こすウラン235と、分裂しないウラン238を混合
 して使います。(ウラン235 が4%、ウラン238が96%)

 ウラン235 だけだと核爆発を起こしてしまうため、ウラン238 を
 まぜて反応を抑制しているのです。
 (正確には天然ウランには少量のウラン235しか含まれず安定的なので、
 ウラン235を濃縮して反応を起こしています)

 原発でウランが燃焼されて残る使用済燃料には、ウラン235が1%と
 プルトニウム1%が含まれます。このウラン235とプルトニウムあわせて
 2%分は、分裂性で核燃料として再利用できます。

 もともとの核燃料の核分裂性割合が4%分で、使用済燃料にも2%分
 使えるものが残っているのですから、実質半分をリサイクルできる
 わけです。

 そこで、使用済核燃料を再処理して、もう一度燃料として使える形に
 しようというのが、「再処理」と呼ばれるものです。

 核燃料
 ┌―─────────∬────────────┐
 |■■■■■■■■■■∬■■■■□□□□□□□□| 
 └―――──────―∬―────―──――――┘
   ■ウラン238 96%         □ウラン235 4%

 使用済核燃料
 ┌―─────────∬────────────┐
 |■■■■■■■■■■∬********◆◆□□| 
 └―――──────―∬―────―──――――┘
   ■ウラン238 94%   □ウラン235   1%
                ◆プルトニウム 1%
                *廃棄物    3%

 この「再処理」を行う工場が再処理工場とよばれるもので、青森県の
 六ヶ所村に建設され、まもなく操業を開始する予定です。



 ○ リサイクルする危険性
 -------------------------------------------------
 ウラン鉱山を持たない日本では、できる限りリサイクルして資源消費を
 減らそうとする核燃料サイクルを推進しています。

 ただしこのリサイクルにはかなり危険な部分があります。

 (1) 再処理で発生する放射線漏洩リスク

   再処理工場でも放射線漏洩リスクが生まれます。
   使用済み燃料のまま廃棄していれば、漏洩リスクは低くなりますが
   再処理作業をすることで、わざわざ高レベルの放射能と向き合う
   ことになります。

   また再処理後に高レベル放射性廃棄物が生まれます。
   高レベル放射線廃棄物は300度くらいの高熱でさらに高放射能を
   もつので、30-50年間自然冷却させた後に埋設することになります。

   
 (2) サイクルの実現性リスク

   核燃料サイクルというのは、次の手順で進みます。
   ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
   ┃原子力発電所                     ┃
   ┃   ↓                       ┃
   ┃ 中間貯蔵 (*)                    ┃
   ┃   ↓                       ┃
   ┃ 再処理 ――――――→  高レベル放射性廃棄物貯蔵  ┃
   ┃   ↓               ↓       ┃
   ┃ MOX燃料加工 (*)       最終処分(地層処分) (*) ┃
   ┃   ↓                       ┃
   ┃ プルサーマル運用原発                ┃
   ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
   しかし、 (*)の印をつけた処理については、工場や施設がまだできて
   いません。

   建設中でもなく、まだ計画中というところもあります。
   遅れているのは、立地の問題が一番のようです。

   原発は稼動し続けていますから、使用済核燃料が出続けます。

   これらが廃棄物と認められれば、最終処分に向かうのですが、
   すべて再利用前提となっているので、再利用対象の使用済核燃料は
   原発や再処理工場に貯められつづけています。

   核燃料サイクルされることが前提で、見切り発車しているため、
   今後どんな問題が起こるかわかりません。

   

 (3) 核保有のリスク

   再処理工場はプルトニウムの濃縮が可能で、これにより核保有の
   危険が高まります。

   現在世界各国で原子力発電が推進され始めています。

   しかし、すべての国で再処理工場を作ることはできないため、
   各国が再処理工場のある国に処理済燃料を送り、再処理を委託
   する可能性がでてきます。

   万が一、日本が世界の再処理工場機能を担い、生成されたプル
   トニウムが平和利用以外のものに使われたとしたら、
   いったいどうなるのでしょうか?

   また、核不拡散条約にて「余剰プルトニウムは持たない」と宣言
   している日本では、国内にすでに30トンのプルトニウムが存在
   します。海外に再処理を委託して手に入れたものです。

   すでに危険な状態なのかもしれません。


 (4) 核燃料の輸送リスク

   サイクル処理が無ければ、原発から出た放射性物質はそのまま
   処分場へ運ばれます。
   しかし、サイクル処理があると、放射性物質は、いくつもの施設
   を経由することになります。

   (再処理が無いとき)
   原発 ―→ 高レベル放射性廃棄物貯蔵施設 ―→ 最終処分場


   (再処理があるとき)
   原発 ―→ 中間貯蔵施設 ―→ 再処理工場 ―┬→ 原発
                                            ↓ 
                高レベル放射性廃棄物貯蔵施設
                               ↓
                      最終処分場

   すべての施設が同じ場所にあれば輸送リスクは小さいでしょうが、
   このような施設は地方の僻地にあることが多いでしょう。

   今は青森県にこれらの施設が集中していますが、青森県は最終処分
   は行わないと決めています。

   こういった施設が離れれば離れるほど、輸送距離が長くなり、
   危険が増します。




 ○ 危険性を克服できる価値があるのか?
 -------------------------------------------------
 以上のような危険性が核燃料サイクルにはあります。

 人間が快適に生きていくには何かを犠牲にしなければなりません。

 ですから、一つの課題があったなら、
 危険性を把握し、他の代替手段との優位性比較を行い、
 それでもやる価値があるのならば、
 危険性を克服するだけの技術や体制をつくり、
 現在や未来への責任を持つ決意を持って、挑戦していくべきでしょう。

 
 原子力発電の運用や放射性廃棄物だけでも危険性や課題が多いのに、
 核燃料サイクルはもっと危険性や課題が増します。

 そこまでの価値があるのでしょうか?
 危険性を克服するだけの技術や体制があるのでしょうか?
 未来への責任を感じているでしょうか?


 核燃料サイクルを行う前に、私たちはやるべきことがあるのでは
 ないか、と思います。

 
 次回につづきます。





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では、またお会いしましょう。

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発行者:  ステップチェンジ株式会社
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