2010/02/09
中国調達とものづくりの現場から第133号
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中国調達とものづくりの現場から
発行者 Zhen
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<<<発行者プロフィール>>>
大学卒業後、重工メーカへ就職。本社管理部門に4年半在籍の後、
産業機械部門の工場バイヤーとなり、現在キャリア15年の現役バイヤー。
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第133号 端数を切り続けると高い買い物をすることになる?
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前回に引き続き、初歩的なロジックで申し訳ない。
それなりのバイヤーならバカバカしくて読んでいられないだろう。
でも、こんなことさえわからず、価格を決定しているバイヤーがいる。
徹底的に見積を査定し、あるいは徹底的に競合させる。
その結果提示された金額から端数切りする、
まぁ、1円でもコストを圧縮したい気持ちは理解できるが、
圧縮した費用とその効果の関係に疑問を感じてしまう。
端数というのがどの程度の金額かに関わらず、
端数は所詮端数でしかない。
「端数切り」そのものが気持ちの問題なのである。
逆に言うと、だからこそ大切なのだ。
つまり
徹底的に見積を解析して理屈でネゴしてきたのに、
最後の最後でロジックのない値引き要求、これが端数切りだ。
サプライヤーの営業マンは、
「このバイヤーはきちんとした理屈をもって話せば、
値上げの話にも耳を傾けてくれる。
逆に理屈のない値上げには絶対に応じてもらえないだろう。
理屈を持って接すれば、良い関係が築けるかもしれない。」
こんな気持ちになっていた営業マンを失望させてしまうかもしれない。
競合の結果、最安値を提示しても、なお且つ端数を切られる。
徹底的にコストダウンに執着する姿勢を見せる効果もあるが、
逆に徹底的にむしり取られた、買い叩かれたと思われたら、
そのサプライヤーと良好な関係構築は難しくなる。
まさに逆効果になってしまう。
こんな場合に「端数、切って下さいよ。」と言うなとは言わない。
しかし、相手の心内をよんでから発すべきだと思うし、
逆に端数を切らないことで、
プラスのイメージを焼き付けることを考えるべきだ。
そして端数切りが、もっともよくないのはこんなケースだ。
ある特定の1社からしか見積を取っていない、取れないときだ。
他社の追随を許さないほど、競争力のあるサプライヤーであるとか、
時間的な制約や仕様、スペックの制約から競合させられないとか、
それでいて、見積の査定、分析ができない。
そんなことは実際のビジネスシーンでは意外に多い。
少しでもコストは圧縮したいが、ロジックもなにもない。
ともかく「端数、切ってくださいよ。」といったセリフを口にするバイヤー。
そんな取引を繰り返すと、サプライヤーの営業マンだってバカじゃない。
ほんとうは、156円が妥当な価格なのに、
そのまま見積を提示すれば、「端数、切ってくださいよ。」だ。
163円で見積を出して、
「う~ん、わかりました。」って言って、160円で売る。
そんな予定調和のような価格交渉。
無駄な電話代を払って、無駄なネゴに時間を割いて、さらに高いものを買う。
そこから得られるのは、バイヤーの「最安値購買幻想」という自己満足。
実際、昔はもっと滑稽なことがたくさんあった。
「このサプライヤーへは、
見積価格の10%OFFで発注することになっているから。」
そんな引継ぎを受けたことがある。
見積書が送られてきたら、黙って赤ペンで10%OFFの価格に訂正する。
なにくわぬ顔で、上司に「ネゴして10%協力させました。」と報告する。
何のことはない、元々10%上乗せしてあるだけなのだ。
もっと滑稽なのは、サプライヤーに見積引き合いを出すと、
「今回の物件は、何回目の見積で決めてくれますか?」と聞かれたのだ。
「そりゃ、僕の査定を下回り、会社の予算より下回って競合に勝てれば、
一発で決めるよ。」と僕が答えると、
初老の営業マンは、それじゃぁ、「部長さんの決裁がもらえませんよ。」
と、ご親切なアドバイスをしてくれた。
そう言えば、当時の直属の上司は
「仕事をしているふり」をしていることにいつも忙しそうだったな。
★★★Zhenのひとりごと★★★
「結局、頑なに、ひた向きに・・・、それしかないんです。」
最近になってわかってきたことだ。
風見鶏、KY、時流を読む、表現は様々だけど、
周囲を見回して自分を変えようとしたって、
本当の意味で変わることはできない。
それは表面を取り繕っているだけだ。
おおいに偏見をもって言えば、
我々の重工業のものづくりは、機敏に方向転換できるほど軽くない。
船の操縦をしたことのあるひとならわかるだろうが、
右に舵をきっても簡単に右方向に船は進まない。
それでも慌てて舵を右にきり続けると、
今度は右方向に大きく曲がりだしてとまらなくなる。
慌てて舵を左にきる、これを繰り返すと船は蛇行し、
ひとつ間違えば転覆する。
自分の信ずる方向に、頑なに、ひた向きに進み続けること。
結局、それしかないんです。
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