中国調達とものづくりの現場から  RSSを登録する

キャリア15年の産業機械部品現役バイヤーが、中国調達とものづくりの現場でで経験したこと、感じたことを綴ります。

  • 発行周期 週刊
  • 最新号 2009/12/08
  • 部数 812部
  • メルマガID 0000241825
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2009/11/10

中国調達とものづくりの現場から第120号

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        中国調達とものづくりの現場から
                         発行者 Zhen
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<<<発行者プロフィール>>>
大学卒業後、重工メーカへ就職。本社管理部門に4年半在籍の後、
産業機械部門の工場バイヤーとなり、現在キャリア15年の現役バイヤー。

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 第120号 全力でぶつかることで見えてくる世界
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正直に告白しよう。
僕はバイヤーになったときから、
サプライヤーとのWin-Winを目指していたのか?
答えはNo!だ。

僕がバイヤーになりたてのころ、
サプライヤーの利益を剥ぎ取ることに全力だった。
そもそも、サプライヤーの営業マンだってプロ、
僕のような青二才のバイヤーに素っ裸にされるわけないと思っていた。
どんなに僕が追い詰めたって、
ちゃんと利益は確保している、そう思っていた。

その日も僕はキリキリとサプライヤーの営業マンを締め上げていた。
利益をたっぷり含んだ見積から利益を搾り取る、
それは二つに切ったレモンから滴る果汁を
グラスの中に注ぐような心地よい作業だった。
ところが、突然に、堰を切ったように営業マンが口を開いた。
「要するに、こうやって我々サプライヤーを締め上げ、
ここまで利益を搾り取りました、と、上司に報告することが、
あなたのポイントになり、評価になるんですか!」
その言葉が、厳しすぎるネゴから苦し紛れに発せられたものか、
Win-Winとか、利益の創出とかといったことを
まったく理解しないバイヤーへの絶望から発せられたのか、
そのいずれなのか、僕にはわかるはずもなかった。
しかし、当時の僕にはVA提案をしてくるサプライヤーに対し、
「お渡しした図面、仕様の見積が欲しいんですよ。」
と、冷徹に突っ返すバイヤーだったのではないだろうか。
そして、僕は営業マンを締めて、締めて締め上げても、
届かぬ予算や進まぬコストダウンという壁にぶち当たった。

それから更に時間が経過して、僕は中国の国営企業に、
あるプロジェクトの現地責任者として駐在していた。
その合作パートナーの国営企業は巨大すぎた。
どうしようもなく巨大かつ強力で、何を言っても動じなかった。
連日、厳しいネゴシエーションが続いた。
とことん自分の無力さを感じた。
そんな中で見えてきたことは、
巨大な国営企業は僕の力では動かせない、
国営企業が望む方向、つまり自らの力で動こうとしている方向と、
僕の目指す方向と重なる線を見いだすことが、唯一僕にできることだ。
それには相手が何を考え、何を望んでいるのかを徹底的に知ることである。
僕にとってのWin-Winの原型だった。

どんなに体当たりしてもびくともしない壁、
それでも、その壁の向こう側に行かなくてはならない、
どうしても行きたい。
体当たりに疲れ、壁の前でへたり込んでしまったときに、
幻覚のように姿を現したのが、Win-Winだ。

僕にとって、それまでのプロセスはムダではなかった。
全力でぶつかっていなかったら見えてこなかっただろう。
また、巨大で強固な壁がなかったら、やはり見えなかっただろう。
だからと言って、若いバイヤーに同じ道を辿れ、などと野暮は言わない。
しかし、Win-Winは書物では学べない、実体験の中で学ぶものだ。

今回は、すっかり精神論になってしまった。
次回はリアルな現場考を目指します!


★★★Zhenのひとりごと★★★
 「みんな我慢してきたんだ、お前も我慢しろ!」
最近は、こんな言い方をされることはなくなった。
むしろ、後輩にこんな言い方をしないように気をつけている。

もお、ずっとむかし、僕が会社に入ったばかりのころ、
5時の終業時間になっても僕は帰れなかった。
掛かってくるか、来ないかわからない電話番のためだ。
当時は携帯電話なんて便利なものはなかったから、
5時過ぎたからといって、
役員に掛かってくる大切なお客様の電話に
無機質な留守番電話で応対するのは失礼だ、
そんな僕にとってはくだらない理由からの電話番だった。
どのみち役員はいない、いれば秘書課長が残っているのだ。

「仕事があるなら残りますよ、何時までだって!」
僕は先輩社員に不満をぶつけた。
当時のことだから、当然残業手当なんて支払われない。
別に手当てが欲しかった訳ではない。
当時、僕は実業団の陸上選手だったから、
早くグランドに出たかったのだ。
(と、言っても、実は早く練習して、早く帰宅したかったのだけど。)

「みんないろんなことで、我慢しながら頑張っているんだよ。
だからお前だって、我慢しなくちゃ、ダメなんだよ。」
そう、先輩社員に諭されると、納得するしかなかった。
でも、今、考えてみても、先輩はやっぱり間違っている。
我慢するようなことは、改善しなくちゃいけない。
自分が改善できないことを棚に上げて、後輩に我慢させるだけでなく、
改善のきっかけも摘んでしまっているのだ。

この年になると後輩や部下から、不満を聞くことは多い。
その不満が真っ当なものでも、解決策を示せないとき、
僕は、この一言を飲み込んで、
ただ、ただ、しどろもどろになってしまう。
それでも、この一言を飲みこむ自分にほっとしている。


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調達・購買部門マネジメントのプロ集団、株式会社 戦略調達が、
最新トピックスから、部門マネジメント、コスト削減のヒントを紹介しています。
http://www.mag2.com/m/0000288812.html

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