中国調達とものづくりの現場から  RSSを登録する

キャリア15年の産業機械部品現役バイヤーが、中国調達とものづくりの現場でで経験したこと、感じたことを綴ります。

  • 発行周期 週刊
  • 最新号 2009/12/01
  • 部数 808部
  • メルマガID 0000241825
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2009/11/03

中国調達とものづくりの現場から第119号

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         中国調達とものづくりの現場から
                         発行者 Zhen
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<<<発行者プロフィール>>>
大学卒業後、重工メーカへ就職。本社管理部門に4年半在籍の後、
産業機械部門の工場バイヤーとなり、現在キャリア15年の現役バイヤー。

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 第119号 正しい恫喝の方法、留まることを許すな!
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前回は「バイヤーは剛腕を振るえ!」と言う題で、
バイヤーの意地でリスクを取ってコストを下げた話をした。
原稿を書き終え、投稿したあとで読み返してみた。
バイヤーの意地=コストダウンへの強烈な執着、
そのようなものの大切さを伝えたくて書いたのだが、
新規サプライヤー開拓のネットワークや、
海外のサプライヤー良否を見極める眼力、
社内を納得させるだけの信望、そう言ったものがあってはじめて成しえたこと。
(自ら書くのは気恥ずかしいが、)
10年以上のバイヤー経験や恵まれた環境、ちょっとばかりの努力と情熱、
そういったものが、そのまた大前提になっている。
そこまでのネットワーク、スキル、信望のまだない若手バイヤーにとって、
前回の話は、単なる精神論の域を脱せず、
日々の業務の参考にもならないばかりか、僕の自慢話にしか聞こえない。
素直に反省した、しかし、それでは終わらない。
じゃぁ、経験も浅く、情熱だけが頼りの若いバイヤーに
指針を示さなくてはならない。
ただし、必ず文末の「使用上の注意」まで読んで欲しい。

市場収縮による販売量の減少や、価格競争の激化、
為替変動による実質販売額の低下、
そういったサプライヤーには直接責任のない理由でも
コストは下げなくてはならない。
そうしなければ、バイヤー企業が潰れるか、
その製品、部門の撤退を余儀なくされ、
何らかの形で淘汰の対象になる。

多くのVA・VEは、検討に時間も掛るので即効性は低い、
(場合によってはモデルチェンジまで見送りになったりする。)
だから今までと同じ図面、仕様でコストだけ下げる。
そんな短絡的で、夢のようなことをしなくてはならない。
何のことはない、転注するか、
恫喝してサプライヤーの利益を奪い取るしかないのだ。
当然、こんな反論が間髪入れずに来るだろう。
「今のサプライヤー、どこよりも安いんですよ。
転注したって、高くなることはあっても安くなりませんよ。」
「恫喝して現在のサプライヤーに逃げられたら、
もっと高いものを買うことになるんですよ。」
こんな反論しか出てこない。かつての僕もこんな反論していたと思う。

そもそも真面目に調達活動を続けていれば、
サプライヤー変更なんてやり尽くされているだろうし、
もっともコスト優位性のあるサプライヤーに発注されている。
そのことをサプライヤー自身が何よりも知っているはずだ。
だから利益を減らしてまで、価格を下げなくても取引は継続される、
そう考えるはずだ。バイヤーはそれを変えなくてはならない。

転注にはリスクを伴う、だからリスクを超えるメリット、
つまりコストダウンがなければ転注しない。
「同じ価格、条件なら転注はしない。」
バイヤー自身、この思考を変えなくてはならない。
「同じ価格、条件なら転注する。」
この転換の裏には、きちんとしたロジックがある。
今まで継続取引(継続生産)してきて、
これ以上価格(製造原価や仕入価格)を下げられないサプライヤーは、
今後も価格を下げられない。
新規に取引を開始して、同じ価格からスタートできるサプライヤーには、
今後さらに価格(製造原価や仕入価格)を下げられる可能性がある。
バイヤーはリスクを可能性に変換させなくてはならない。

これはサプライヤーにとっては、強烈なインパクトだ。
競合サプライヤーが同じ価格を提示することがあっても、
(理論上十分にあり得るし、競合サプライヤーも
現在と同じ価格でも発注すると言われれば、結構頑張るはずだ。)
いままでは、これっぽっちも脅威ではなかった。
ところが同額なら仕事を失う。これは驚愕だ。
サプライヤーは日々、製造原価や仕入価格の低減に努め、
それをバイヤー企業に差し出す。
差し出すものがなければ、
自社の利益を削っても差し出さなくてはならない。
これは最高の恫喝だ!
前回並み、前年並みを許さない。変化しないことは罪悪だ!

多くのサプライヤーは恫喝に怯え、
自社の利益を削り、価格を下げてくるだろう。
それでも、価格を下げないなら、
競合サプライヤーに転注して、身をもって思い知らせるしかない。
バイヤーがどれほど真剣かを。

使用上の注意!!
本文で紹介した手法は短期的には有効なはずだ。
リスクを受容する度胸があれば、新人バイヤーでも使える。
しかし、これは真のコストダウンでもなければ、バイヤースキルでもない。
これが続けられるのは短期間だけだ。
例えるなら解熱剤で熱を下げ、
風邪が回復したような状態にしているだけだ。
根本的には、栄養のある食事と休養を摂り、
体力をつけなくては、風邪は治らない。
だからサプライヤーの利益を奪うのではなく、
バイヤー企業、サプライヤー双方の利益を創出する活動を
地道にも併行して続けなくては、
バイヤー企業はサプライヤーから相手にされなくなり、
いずれ薬漬けの廃人のように破綻することになる。


★★★Zhenのひとりごと★★★
 「普通感覚を失うプロフェッショナル」
プロフェッショナルでしか見えてこないものがある。
一方、それと引き換えに失ってしまうものがある。
それが普通感覚ではないだろうか。

死に直面している患者、
医者は患者の家族同様親身になっていられるだろうか。
僕は「ノー」だと思う。
医者は毎日のように患者の死に直面している。
本当に親身になっていたら、精神の異常をきたすだろう。
毎日、家族の死を受け容れることなどできるか?
結局、患者に、死に対する普通感覚を失っているのではないだろうか。

バイヤーとして僕は、何を身につけ、何を失ったのだろうか。


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株式会社サーチナの運営する日本最大の中国情報ポータル「中国情報局」に
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★僕の読んでいるメルマガ、ブログです。みなさんも読んでみてください。

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「機械部品調達バイヤーの書くブログ」の筆者が、ブログを再開。
バイヤーの日常を描いた必見のブログです。
http://d.hatena.ne.jp/suttakata/

『設計魂と購買魂』
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『週刊 戦略調達』
調達・購買部門マネジメントのプロ集団、株式会社 戦略調達が、
最新トピックスから、部門マネジメント、コスト削減のヒントを紹介しています。
http://www.mag2.com/m/0000288812.html

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