中国調達とものづくりの現場から  RSSを登録する

キャリア15年の産業機械部品現役バイヤーが、中国調達とものづくりの現場でで経験したこと、感じたことを綴ります。

  • 発行周期 週刊
  • 最新号 2009/11/24
  • 部数 801部
  • メルマガID 0000241825
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2009/10/27

中国調達とものづくりの現場から第118号

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                  中国調達とものづくりの現場から
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<<<発行者プロフィール>>>
大学卒業後、重工メーカへ就職。本社管理部門に4年半在籍の後、
産業機械部門の工場バイヤーとなり、現在キャリア15年の現役バイヤー。

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 第118号 時には剛腕を振るえ!
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バイヤーをやっていると、どうしてもコストを下げなくてはならない時や、
どうしてもコストを下げたい時がある。
「バイヤーならコストダウンするのは、あたりまえだろ!」と言わないで欲しい。
理屈じゃなく、いや、理屈を超えてコストダウンしなくちゃならない時がある。
数年前の造船業界が異常景気に沸いたときのことだ。
僕の担当していた1個10トンほどの鋳鋼部品のサプライヤーの
主要顧客は造船業界だった。
永く取引のあったサプライヤーから出された見積は異常に高かった。
どお原価を積み上げたってそんな価格にならない。
つまり需給関係が作った価格だった。
担当の営業マンと交渉したって、まったく埒があかない。
「そんな(僕の提示した)価格で受注できる訳ないでしょ。」と、
実際、取引のある他のサプライヤーからは、
それに輪を掛けた高値か、見積辞退の連絡しかない。
今まで取引のないサプライヤーにコンタクトすれば、
「新規のお客様はお断りしているんです。」と丁重に見積以前の門前払い。
(自社の生産能力と既存の顧客への安定供給から導き出される正しい選択だ。)

一方、僕の与えられた予算は、見積価格をはるかに下回る。
産業機械のプラント機器と言うものは、見積から受注までの期間が長い、
ゆえに現在の異常な状況など予算に織り込まれていない。
はっきり言って誰も責められない。
僕にしたって、「予算は予算ですよ。現実的にこの価格でしか買えないんです。
他のどのサプライヤーより安いんですよ。」
そんな言い訳だって、通じるかもしれない。

でも、僕はそんな言い訳をしたくなかった。
会社が許したって僕自身が許さない、そんな気持ちだ。
価格が原価積み上げで決められないなら、
競合環境を作るしかない。
前述のように日本国内では、競合環境は作れない。
ならば、やるしかないじゃないか、中国調達!

実際、インターネットやら独自の情報網でサプライヤーを探した。
中国なら一応できるところはある。
問題は納期や品質が本当に守れるのか?ってことだ。
ここならいけるかもしれない、ってとこは2社だ。
価格も何とか予算に収まっている。
すぐにでも行って工場を確認したい。
しかし、その前に大きな関門がある。社内の説得だ。
一発勝負の受注品、頑張ったけどダメでしたでは済まされない。
いや、そのもっと前に僕自身が腹を決められているのか?ってことだ。
散々悩んだ末に、
工場を見て、客観的にいけると思ったら、そのまま突っ走る。
これしかなかった。

まずは、当該の機器の権威の技術者に話を持っていった。
「えっ、中国?やめてくれよ。」から話は始まった。
結論的には「工場見て来てくれよ。それからだな。」ってことになった。
彼に猛反対されていたら工場を見に行くことすらできなかっただろう。
それでも出張は他の案件に上手く紛れ込ましていくことにした。

工場を見て来て、これならいけるかもしれないと思った。
本当に突っ走った。
自分自身の不安をかき消すためにも突っ走った。
件の技術者からも、「Zhenがいけると言うなら良いよ、応援するよ。」
と言ってもらった。

競合が現れたため、国内のサプライヤーも値段を下げてきた。
しかし、僕はすでに突っ走っていたから、後戻りする気はなかった。
中国調達で予想以上に良いQCDを実現した。
しかし、冷静に考えると、国内のサプライヤーが最初にあれほど、
強硬に突っ張らなかったら、こんな発想はなかっただろう。
カスカスでも予算内に収まっていたら、この選択はしていなかった。
良くも悪くもリスクをとれなかったと思う。

ちょっと、格好をつけさせてもらう。
バイヤーの意地がコストを下げた、ってことだ。


★★★Zhenのひとりごと★★★
 「恩返し」
人は多くの人の「やさしさ」の中で生きていると思う。
今まで本当にお世話になった人がたくさんいる。
でも、その人たちの多くは何らかの見返りを期待して世話してくれたのではないと思う。
実際、恩返しをしたくたってできない相手だっていっぱいいる。
僕のように、単身で中国をフラフラしていると尚更だ。
だから僕は感謝の気持ちを、すべての人に向けるようにしている。
だから成田空港で途方に暮れている外国人がいたら声を掛ける。
「どうしました?」
それが中国の雑踏で不安に怯えていた僕にやさしくしてくれた人への恩返しだ。
きっと、世界はどこかで繋がっている。

★コラム連載中!!
株式会社サーチナの運営する日本最大の中国情報ポータル「中国情報局」に
コラム「誰も知らない中国調達の現実」の連載中です。
毎週火曜日15時30分頃更新です。ぜひ、ご覧になってください。
http://news.searchina.ne.jp/topic/408.html

★僕の読んでいるメルマガ、ブログです。みなさんも読んでみてください。

『世界の工場・中国の実状から学ぶ工場改善手法』
中国で工場改善・品質改善指導を行なっている
改善コンサルタント根本隆吉さんが、
中国の実状とそれへの対応の考え方、方法をレポートしています。
http://www.mag2.com/m/0000150862.htm

『街角で見た!プチ中華思想』
中国にとけ込もうと努力した結果、
中国人と結婚してとけ込みすぎたDunさんの中国生活を紹介!
日本ではあり得ない「中国の普通」を独自の視点で紹介しています。
http://www.mag2.com/m/0000147549.htm

『広州の路上から』(ブログ)
広州で生活する元ぶんやruruchanさんが日常を鋭く描くブログです。
http://d.hatena.ne.jp/ruruchan/

『世界一のバイヤーになってみろ!!坂口孝則の本棚と雑文』(ブログ)
ちょっと挑戦的で過激な
現役バイヤー兼調達・購買研究家の坂口孝則さんのブログです。
http://buyer.blogzine.jp/blog/

『「買う」を楽しむバイヤーのブログ』
伝説の資材調達ブログ(ちょっと大袈裟か?)
「機械部品調達バイヤーの書くブログ」の筆者が、ブログを再開。
バイヤーの日常を描いた必見のブログです。
http://d.hatena.ne.jp/suttakata/

『設計魂と購買魂』
日経ものづくりTech-On!に、
購買界の重鎮 野町直弘さんが寄稿するコラムです。
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20090706/172641/

『週刊 戦略調達』
調達・購買部門マネジメントのプロ集団、株式会社 戦略調達が、
最新トピックスから、部門マネジメント、コスト削減のヒントを紹介しています。
http://www.mag2.com/m/0000288812.html

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