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キャリア15年の産業機械部品現役バイヤーが、中国調達とものづくりの現場でで経験したこと、感じたことを綴ります。

  • 発行周期 週刊
  • 最新号 2009/11/24
  • 部数 803部
  • メルマガID 0000241825
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2009/10/13

中国調達とものづくりの現場から第116号

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        中国調達とものづくりの現場から
                        発行者 Zhen
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<<<発行者プロフィール>>>
大学卒業後、重工メーカへ就職。本社管理部門に4年半在籍の後、
産業機械部門の工場バイヤーとなり、現在キャリア15年の現役バイヤー。

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 第116号 中国サプライヤーの調達力
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一昨年の材料が高騰しはじめた頃から、
本格的に中国サプライヤーのコスト分析をやるようになった。
厳密にはやらざるを負えなくなったということ。
それまでは、材料費、加工費、輸送費、管理費・・・・・トータルで、
メリットがあるか、無いかの二者択一で、
中国サプライヤーへ切り換えるか、否かを判断すればよかった。
しかし、中国調達が拡大し、
今さら後戻り(日本サプライヤーへの回帰) できないほどになっていた。
だから中国サプライヤーの見積価格そのものを見て、
価格の妥当性の検証、つまりはコスト分析へと到ったのだ。

そんな作業の中で気がついたことが、中国サプライヤーの調達力の弱さだ。
日本の製造業の調達力、
もっとひらたく言ってバイヤーの力量だって、
多分、欧米に比較したら弱いのかもしれない。
正直なところ、欧米のバイヤーを僕は知らない。
にもかかわらず、こんなことを書く根拠は、
欧米では「調達」というビジネスジャンルを学術的に捉えている。
一方、日本ではそのような試みがやっとはじまったばかりである。
そんな単純かつ短絡的な理由からだ。
その日本よりさらに調達力不在なのが中国ではないだろうか。

見積明細を貰い、材料費にスポットをあてて、
調達価格の妥当性を質していくと、最後に行き着くのは、
「この価格でしか買えないんです。」という答えだ。
当然に、そこには理屈もなにもない現実だけが横たわっている。
日本だって鋼材価格の値上げに納得できるロジックの存在は怪しい。
鋼材メーカの都合にあわせて取ってつけた理屈かもしれない。
そんな事情を割り引いても、
中国サプライヤーの外部調達品の価格妥当性は脆弱だと思う。

これには色々理由がある。
多分、真っ先にバイヤーへの賄賂を指摘する人は多いだろう。
賄賂があるから価格の妥当性が開示できないのではなく、
価格の妥当性を示すロジックがないから、
贈賄行為が入り込む余地があるのだと僕は考える。

また、 (国営企業を源流とする) 古くからの中国企業は、
徹底した自前主義を貫いてきた。
機械メーカであれば、鋳鍛造の素形材製造から
梱包、出荷、輸送までの部門を自社内に擁していた。
外部調達といったら、
鋼材や鋼魂、銑鉄・・・といった配給物資が中心だった。
そのような歴史的経緯も見逃せない。

日系企業であっても、
生産技術や品質管理のプロフェッショナルを
中国に駐在させているところは多いが、
調達のプロまでをも駐在させているとなると稀だ。
理由はいろいろある。
調達のプロ、そのものが日本でも豊富でないし、
日本以上に中国での調達なら誰が買っても安いと思われている。
調達スキル=話術と勘違いしている経営者も少なくない。

結局、何が言いたいのか?
中国サプライヤーの生産技術や品質は日進月歩で向上している。
しかし、外部調達に関するマネージメントは低レベルのまま停滞している。
だから、調達力の差が、
サプライヤーのコスト競争力に大きく影響するってことだ。


★★★Zhenのひとりごと★★★
 「バイヤーは自分の財布からカネを出すつもりで価格を決めろ?」
タイトルの「バイヤーは・・・・・・」の文末は、「!」ではなく「?」だ。
このことばを上司が発したとき、
僕は「何をバカなこと言ってるんだ!」と思ったからだ。
会社のカネだからといって、
ろくすっぽ見積価格の妥当性も検証することなしに応諾している
レベルの低いバイヤーなどまったく問題外だと思っている。
そんなレベルの人間を調達部門に配属しているとしたら、
もぉ、それは当人の問題ではなく、人事の問題だろう。
僕が言いたいのは、そんなことではない。
会社のカネで買う買い物であるからこそ、
誰にでもきっちり説明できる妥当な価格で発注しなくてはならないと思う。
これは、なかなかどうして楽なことではない。(あたりまえだ!)
自分のカネで買うのなら、自分自身が納得すればよいのだ。
いたって、簡単な話だ。
例えばの話、
あんまり美味くない上に、高い弁当を
販売員の女性の笑顔が素敵だという理由だけで買っても、
自分の分を自分のカネで買っているなら、何も問題ない。
しかし、この弁当が会議の出席者用で、会社のカネで買うものであったら大問題だ。
これ以上は説明不要だろう。
会社のカネでものを買うとは、こう言うことなんだ。
資材部門を統括するなら、それ位のことは理解して欲しい。


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