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キャリア15年の産業機械部品現役バイヤーが、中国調達とものづくりの現場でで経験したこと、感じたことを綴ります。

  • 発行周期 週刊
  • 最新号 2009/11/24
  • 部数 801部
  • メルマガID 0000241825
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2009/09/15

中国調達とものづくりの現場から第112号

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          中国調達とものづくりの現場から
                         発行者 Zhen
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<<<発行者プロフィール>>>
大学卒業後、重工メーカへ就職。本社管理部門に4年半在籍の後、
産業機械部門の工場バイヤーとなり、現在キャリア15年の現役バイヤー。

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 第112号 TPSの功罪、1人工未満の省力化は無意味なのか?
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TPSとは「カイゼン」に代表されるトヨタ生産システムのことだ。
はじめに断っておくが、TPSを否定する積りはない。
TPSは、ある意味で日本のものづくりの集大成でもある。
しかし、キリスト、釈迦、マホメットの教えから、
カルト教団が生れるように誤った理解が生れるのも事実だ。

ちょっと、大それた話になってしまった。
そんな難しい話ではない。
部品の共通化について議論していたときのことだ。
部品は共通化すれば、発注ロットが大きくなり、
量産効果でコストダウンできる、といった話になった。

しかし、現実はそうでもない。
共通化すると、だいたいにおいてコストアップする。

例えば、
AとB、2種類の部品を共通化する。
Aとして使うときの穴、Bとして使うときの穴を開ける。
結果として穴の数が増え、コストアップ要因となる。
あるいは、ワンランク大きいAに小さいBをあわせる。
Aに対しては不変でも、小さかったBは、
材料費アップ要因が発生する。
元々50個ロットだったものが100個になっても、
そんなに量産効果は発生しないことが多い。

では、部品の共通化の価値ってなんだろう。
それは、部品の管理手間の削減が一番大きいと思う。
だから僕は、部品の管理員の1ヶ月間ののべ人件費を
部品アイテム数で割って、部品1アイテムの管理コストとして、
共通化のコストダウン効果に繰り入れることを提案した。

設計者を巻き込み知恵を絞って共通化しても、
部品の購入価格が変わらない、場合によってはアップする。
表面に出るカネしか見えない経営層の理解は得られない。
強引にでもメリットをカネ換算したかった。

ところが、こんなことを言う人が出てきた。
部品1アイテムの管理コストなんて算出したって、
実際、部品の管理員がひとり減らなきゃ、意味がない。
コストダウンしたことになんてならない。
管理員がのんびり仕事するだけだよ。

確かに一理ある。
でも、一気に1人分の仕事を減らさなきゃダメだと言われたら、
「カイゼン」なんて進まない。

誤解を恐れずに書くなら、
従業員がのんびり仕事しても、
あくせく働いていたときと同じ成果が得られるようになる。
それでも、いいじゃないか。
従業員を酷使することが、良いことなのか?
余裕の中から生れることだってあるさ。


★★★Zhenのひとりごと★★★
 「我々のお客様は誰だ?」
本文の続きになってしまうが、
もうひとつTPSの功罪について書く。
繰り返すが、TPSを否定しているのでもなければ、
トヨタに何かの恨みがあるわけでもない。
TPSを日本の誇りだと思う。

TPSには「次工程はお客様」といった思想がある。
この発想の誤った解釈が、とんでもないことを引き起こしている。
メーカは本当のお客様であるユーザーの視点で考えるのではなく、
商品を売ってくれる販売店の視点で考える。
つまり、「売りやすい」、
悪く言えば「売りつけやすい」製品を開発する。
ユーザーの真に求めていた機能性能品質を満たしているから
売りやすいのであれば、まったく問題ない。
しかし製品の良さや特徴を説明する本来なら販売店の仕事を省略して、
販売店が楽をして、
手っ取り早く稼げるような製品開発であってはならない。


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