中国調達とものづくりの現場から  RSSを登録する

キャリア15年の産業機械部品現役バイヤーが、中国調達とものづくりの現場でで経験したこと、感じたことを綴ります。

  • 発行周期 週刊
  • 最新号 2009/11/10
  • 部数 793部
  • メルマガID 0000241825
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2009/06/02

Best-buy~中国調達の現場から~第97号

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Best-buy 〜中国調達の現場から〜

第97号 バイヤーは平均に拘ることなかれ

発行者 Zhen

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<<<発行者プロフィール>>>
大学卒業後、重工メーカへ就職。本社管理部門に4年半在籍の後、
産業機械部門の工場バイヤーとなる。

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『「買う」を楽しむバイヤーのブログ』
http://d.hatena.ne.jp/suttakata/
の筆者、牧野直哉さんの「今さらはじめる海外調達」
という講義を受けたときのことだ、あるバイヤーとこんな会話をした。
「中国のサプライヤーの平均的な品質って、どうなんですか?」
「そりゃ平均は、日本より低いよ。」
「やっぱり。」
「でも、そんなこと問題じゃないんだよね。」と、僕は答えた。
僕にとって問題なのは、僕と取引するサプライヤーの品質の良し悪しだ。
平均的なサプライヤーの品質の良し悪しなど問題ではない。

ちょっと解説が必要だろう。
文化論になってしまうかもしれないが、
日本という国、社会、そしてサプライヤーも、概して均一なのだ。
とんでもなく品質の悪いサプライヤーなど、まず存在しない。
なぜなら、仮にどんなに価格が安くとも、
そしてその品質が外観的なもので、機能・性能に影響しなくとも、
そんな製品は市場から受け容れられない。
ゆえに、そんなものを作るサプライヤーは存続できないのである。
平均的な品質レベルは概して非常に高いので、
そこから突出することは非常に困難だ。
コストを度外視した「こだわりの一品」なんてニーズは、
産業機械部品の世界ではまず存在しない。
つまり日本のサプライヤーは、その業界、その分野で、
平均点前後に密集して存在している。
だから平均を見れば、
概ねその分野のサプライヤー全体が見えるのであろう。
日本のバイヤーの「平均的な・・・・・」
という質問に繋がるのである。

ところが中国の場合、そうはいかない。
ピンとキリの差が、激しいのである。
ホノルルマラソンなどの巨大市民マラソンを思い出して欲しい。
スタートの号砲が鳴り、すでにトップ集団は1キロ地点を通過しても、
後方のランナーは、まだスタートラインさえ通過できていない。
こんな玉石混交のお祭り状態なのである。

ある部品の発注先は1社だ。
リスクヘッジの観点で、複数発注としても、せいぜい2、3社だろう。
中国の不特定多数のサプライヤーと取引しようというのとは違う。
(ただし中国に工場を作り、
そこで部品の調達活動をはじめようというなら話は別だ。
その地域一般の技術、品質水準は重要な検討項目になる。)
バイヤーは自社の要求品質をはじめとする諸条件を
満たすサプライヤーを1社見つければよいのである。
その1社が平均的であるか、飛び抜けているかなど関係ないのである。

中国で平均的(どの程度が平均なのか、わからないが・・・・・)な
サプライヤーと取引を開始したら、多分、品質問題で苦労すると思う。
苦労どころか、取引を中止して撤退となることになるかもしれない。
繰り返しになるが、「でも、そんなこと関係ない。」のだ。
バイヤーは自社が取引の対象としている
サプライヤーを見て判断すればよいのである。


★★★Zhenのひとりごと★★★
『「頑張らない」ということ』
先日、10年以上も増収増益を続ける
家電量販店の経営者の話をきいた。
経営の秘訣は「頑張らないこと」だと言われた。
なるほど、なるほどと思った。
そりゃ、販売員がハチマキして気合を入れたら、
自然と目は三角になり、お客は寄り付かなくなる。
だいたい、「売ること」が先になり、
「お客様の視点」なんて、どこかに吹っ飛んでしまう。

これはバイヤーも設計者も・・・・・みんな同じだ。
必死になったら力が入り、脳だって硬くなってしまう。
そこから柔軟な発想など生れるわけがない。

ふと、学生時代のことを思い出した。
僕は長距離選手だったのだけれど、
先輩から、
「苦しくなっても、歯を食い縛っちゃダメだ。
歯を食い縛っていたら息ができない。と、教わった。
そこで僕は、舌を出して笑うことにした。

確かに素質のある選手は、苦しくなると力が抜ける。
力が抜け、リラックスして息を吹き返すのだ。
もちろん、僕は舌を出して、意識的にリラックスしないと
歯を食い縛ってしまう類の選手だった。


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