2009/06/02
Best-buy~中国調達の現場から~第97号
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ Best-buy 〜中国調達の現場から〜 第97号 バイヤーは平均に拘ることなかれ 発行者 Zhen ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ <<<発行者プロフィール>>> 大学卒業後、重工メーカへ就職。本社管理部門に4年半在籍の後、 産業機械部門の工場バイヤーとなる。 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『「買う」を楽しむバイヤーのブログ』 http://d.hatena.ne.jp/suttakata/ の筆者、牧野直哉さんの「今さらはじめる海外調達」 という講義を受けたときのことだ、あるバイヤーとこんな会話をした。 「中国のサプライヤーの平均的な品質って、どうなんですか?」 「そりゃ平均は、日本より低いよ。」 「やっぱり。」 「でも、そんなこと問題じゃないんだよね。」と、僕は答えた。 僕にとって問題なのは、僕と取引するサプライヤーの品質の良し悪しだ。 平均的なサプライヤーの品質の良し悪しなど問題ではない。 ちょっと解説が必要だろう。 文化論になってしまうかもしれないが、 日本という国、社会、そしてサプライヤーも、概して均一なのだ。 とんでもなく品質の悪いサプライヤーなど、まず存在しない。 なぜなら、仮にどんなに価格が安くとも、 そしてその品質が外観的なもので、機能・性能に影響しなくとも、 そんな製品は市場から受け容れられない。 ゆえに、そんなものを作るサプライヤーは存続できないのである。 平均的な品質レベルは概して非常に高いので、 そこから突出することは非常に困難だ。 コストを度外視した「こだわりの一品」なんてニーズは、 産業機械部品の世界ではまず存在しない。 つまり日本のサプライヤーは、その業界、その分野で、 平均点前後に密集して存在している。 だから平均を見れば、 概ねその分野のサプライヤー全体が見えるのであろう。 日本のバイヤーの「平均的な・・・・・」 という質問に繋がるのである。 ところが中国の場合、そうはいかない。 ピンとキリの差が、激しいのである。 ホノルルマラソンなどの巨大市民マラソンを思い出して欲しい。 スタートの号砲が鳴り、すでにトップ集団は1キロ地点を通過しても、 後方のランナーは、まだスタートラインさえ通過できていない。 こんな玉石混交のお祭り状態なのである。 ある部品の発注先は1社だ。 リスクヘッジの観点で、複数発注としても、せいぜい2、3社だろう。 中国の不特定多数のサプライヤーと取引しようというのとは違う。 (ただし中国に工場を作り、 そこで部品の調達活動をはじめようというなら話は別だ。 その地域一般の技術、品質水準は重要な検討項目になる。) バイヤーは自社の要求品質をはじめとする諸条件を 満たすサプライヤーを1社見つければよいのである。 その1社が平均的であるか、飛び抜けているかなど関係ないのである。 中国で平均的(どの程度が平均なのか、わからないが・・・・・)な サプライヤーと取引を開始したら、多分、品質問題で苦労すると思う。 苦労どころか、取引を中止して撤退となることになるかもしれない。 繰り返しになるが、「でも、そんなこと関係ない。」のだ。 バイヤーは自社が取引の対象としている サプライヤーを見て判断すればよいのである。 ★★★Zhenのひとりごと★★★ 『「頑張らない」ということ』 先日、10年以上も増収増益を続ける 家電量販店の経営者の話をきいた。 経営の秘訣は「頑張らないこと」だと言われた。 なるほど、なるほどと思った。 そりゃ、販売員がハチマキして気合を入れたら、 自然と目は三角になり、お客は寄り付かなくなる。 だいたい、「売ること」が先になり、 「お客様の視点」なんて、どこかに吹っ飛んでしまう。 これはバイヤーも設計者も・・・・・みんな同じだ。 必死になったら力が入り、脳だって硬くなってしまう。 そこから柔軟な発想など生れるわけがない。 ふと、学生時代のことを思い出した。 僕は長距離選手だったのだけれど、 先輩から、 「苦しくなっても、歯を食い縛っちゃダメだ。 歯を食い縛っていたら息ができない。と、教わった。 そこで僕は、舌を出して笑うことにした。 確かに素質のある選手は、苦しくなると力が抜ける。 力が抜け、リラックスして息を吹き返すのだ。 もちろん、僕は舌を出して、意識的にリラックスしないと 歯を食い縛ってしまう類の選手だった。 ★最後までお読みいただきありがとうございます。 ご意見、ご感想をお待ちしております。 (メルマガ配信のこのメールへの返信で) ★コラム連載はじめました!! 株式会社サーチナの運営する日本最大の中国情報ポータル「中国情報局」に コラム「誰も知らない中国調達の現実」の連載はじめました。 毎週火曜日更新です。ぜひ、ご覧になってください。 http://news.searchina.ne.jp/topic/408.html ★僕の読んでいるメルマガ、ブログです。みなさんも読んでみてください。 『世界の工場・中国の実状から学ぶ工場改善手法』 中国で工場改善・品質改善指導を行なっている 改善コンサルタント根本隆吉さんが、 中国の実状とそれへの対応の考え方、方法をレポートしています。 http://www.mag2.com/m/0000150862.htm 『街角で見た!プチ中華思想』 中国にとけ込もうと努力した結果、 中国人と結婚してとけ込みすぎたDunさんの中国生活を紹介! 日本ではあり得ない「中国の普通」を独自の視点で紹介しています。 http://www.mag2.com/m/0000147549.htm 『広州の路上から』(ブログ) 広州で生活する元ぶんやruruchanさんが日常を鋭く描くブログです。 http://d.hatena.ne.jp/ruruchan/ 『世界一のバイヤーになってみろ!!坂口孝則の本棚と雑文』(ブログ) ちょっと挑戦的で過激な 現役バイヤー兼調達・購買研究家の坂口孝則さんのブログです。 http://buyer.blogzine.jp/blog/ 『「買う」を楽しむバイヤーのブログ』 伝説の資材調達ブログ(ちょっと大袈裟か?) 「機械部品調達バイヤーの書くブログ」の筆者が、ブログを再開。 バイヤーの日常を描いた必見のブログです。 http://d.hatena.ne.jp/suttakata/



