2009/03/17
Best-by~中国調達の現場から~第86号
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ Best-buy 〜中国調達の現場から〜 第86号 数字の先にあるもの 発行者 Zhen ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ <<<発行者プロフィール>>> 大学卒業後、重工メーカへ就職。本社管理部門に4年半在籍の後、 産業機械部門の工場バイヤーとなる。 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 近年、日本の上場企業では「株主重視」が声高に叫ばれている。 「株主重視」とは言っているが、実際は株価重視、配当重視だろう。 要するに目先の数字だけに目を奪われている。 ものづくりを、ひとつの投資対象としてとらえる 中国企業の経営者を批判できる立場ではなくなっている。 僕は結果主義を否定しないどころか結果主義者だ。 会社は学校ではない。 プロセスがどんなに素晴らしくとも結果を出せなければ賞賛は与えられない。 原価分析をして、理論的なコストダウン交渉をしても、 結果としてコストを下げられなれければ、 机を叩き、恫喝の果てに5%の原価低減を実現したバイヤーの前で、 下を向いていなければならない。 では、僕は「恫喝のすすめ」を展開しようとしているのか? もちろん、「否」である。 現実的な話をしよう。 バイヤー企業もサプライヤーも急激に仕事が減っている。 そのような経済環境では 「サプライヤーの集約」と言う施策が頭をもたげてくる。 手っ取り早く数字を出す集約はこうだ。 集約することで、そのサプライヤーへの影響力を強める。 それも中途半端な影響力ではダメだ。 サプライヤーの経営を左右するほどに集約する。 全体的な受注量が低下している今ならば、比較的容易なはずだ。 そうしてサプライヤーへの絶対的な支配関係を作る。 価格は恫喝で面白いように下がるはずだ。 では、その先に何があるのだろうか。 バイヤー企業からのコストダウン圧力に屈したサプライヤーは、 開発や設備への投資が疎かになるだろう。 もちろん営業力など、とっくに失っているはずだ。 いずれ人材が流出し企業は疲弊していく。 強いバイヤー企業には、強いサプライヤーが集まる。 逆も真なりだ。 弱いサプライヤーにたかるバイヤー企業も衰弱していく。 これは極端な例かもしれない。 「サプライヤーの集約」そのものを否定するつもりはない。 しかし、そのプロセスは十二分に吟味しなくてはならない。 プロセスそのものが重要なのではない、 その結果の先にあるものが重要なのだ。 品質保証についても、まったく同じだ。 出荷前検査で作られた不良率と工程で作りこまれた不良率。 表面に出る数字は同じだ。 出荷前検査で作られた不良率の先には、 永遠に逃れられない検査の呪縛、 想定以上の不良発生による欠品、納期遅延、 不良ロスによる収益の圧迫・・・・。 数字の先にあるものをバイヤーは経営者に見せなくてはならない。 そして経営者はそれを見てもらわなくては困る。 数字だけの比較なら統計学者に任せておけばよい。 いや、気の利いた中学生でも十分かもしれない。 経営のプロであれば、その先が見えるはずだ。 それができない経営者の下で働くことは、 ある意味、危険かもしれない。 『世界は繋がっている!』 僕は最寄りの (と、言っても100キロ以上離れている) 空港から、 バスを乗り継ぎ拠点にしている街へと向っていた。 その日乗った長距離バスは、高速代をケチってか、 ずっと一般国道を走っていた。 カラカラに乾いた大地は、ひどく荒涼に見えた。 ふと、僕はとんでもないところまで来てしまっているような気がした。 しかし、通り過ぎる名も無い寒村の「网吧」の看板が目に入った。 (注:网吧はインターネットカフェの中国語) ああ、ここに入って「ChiChi Genki」と、キーをたたけば 日本にいる息子にメールが打てるんだな。 「世界は繋がっているんだ!」と、感慨に耽った瞬間、 携帯電話が鳴った、 いや、いや、そんな回りくどいことしなくても・・・・・。 ★最後までお読みいただきありがとうございます。 ご意見、ご感想をお待ちしております。 (メルマガ配信のこのメールへの返信で) ★コラム連載はじめました!! 株式会社サーチナの運営する日本最大の中国情報ポータル「中国情報局」に コラム「誰も知らない中国調達の現実」の連載はじめました。 毎週火曜日更新です。ぜひ、ご覧になってください。 http://news.searchina.ne.jp/topic/408.html ★僕の読んでいるメルマガ、ブログです。みなさんも読んでみてください。 『世界の工場・中国の実状から学ぶ工場改善手法』 中国で工場改善・品質改善指導を行なっている 改善コンサルタント根本隆吉さんが、 中国の実状とそれへの対応の考え方、方法をレポートしています。 http://www.mag2.com/m/0000150862.htm 『街角で見た!プチ中華思想』 中国にとけ込もうと努力した結果、 中国人と結婚してとけ込みすぎたDunさんの中国生活を紹介! 日本ではあり得ない「中国の普通」を独自の視点で紹介しています。 http://www.mag2.com/m/0000147549.htm 『広州の路上から』(ブログ) 広州で生活する元ぶんやruruchanさんが日常を鋭く描くブログです。 http://d.hatena.ne.jp/ruruchan/ 『世界一のバイヤーになってみろ!!坂口孝則の本棚と雑文』(ブログ) ちょっと挑戦的で過激な 現役バイヤー兼調達・購買研究家の坂口孝則さんのブログです。 http://buyer.blogzine.jp/blog/ 『「買う」を楽しむバイヤーのブログ』 伝説の資材調達ブログ(ちょっと大袈裟か?) 「機械部品調達バイヤーの書くブログ」の筆者が、ブログを再開。 バイヤーの日常を描いた必見のブログです。 http://d.hatena.ne.jp/suttakata/



