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産業機械部品バイヤーになってはや15年強、中国調達を始めて7年。バイヤーとして中国で経験したこと、感じたことを皆様伝えるとともに、それに意見していただくきかっかけに…。批判、感想、苦情、友情、愛情…待ってます!

  • 周期 週刊
  • 最新号 2008/09/02
  • 発行部数 411
  • マガジンID 0000241825
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2008/05/13

Best-buy〜中国調達の現場から〜第42号

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Best-buy 〜中国調達の現場から〜

第42号 値上げは理屈じゃないんですよ

発行者 Zhen

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<<<発行者プロフィール>>>
大学卒業後、重工メーカへ就職。本社管理部門に4年半在籍の後、
産業機械部門の工場バイヤーとなる。

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第40号でお話したように、昨今の原材料価格の高騰、諸物価高騰を理由に
国内外のサプライヤーから値上げの申し入れが来ています。
これを機会に新たなサプライヤーを発掘し、コストアップを最小限に抑える、
或いはVA・VEにより逆にコストダウンのきっかけとするような
前向きなアクションを起こしているバイヤーもいますが、
残念ながら多くは、既存のサプライヤーと値上げ幅を最小限にする交渉に
明け暮れているのではないでしょうか。

汎用品であれば比較的サプライヤーの変更は簡単です。
しかし、この時期サプライヤーを換えるだけで
コストアップが抑えられることなど、まずありません。
もしそのような例があるとしたら、よほどのレアケースです。
(失礼ながら今までの購入ルートに問題があったと考えるのが自然です。)

カスタマイズ品のサプライヤー変更は、
リスク(従来と同じ品質のものが安定的に供給されるか?)や
再投資(技術指導や専用金型、冶具の製作費)、
時間(量産品の立ち上げまでの期間)の問題もあり、
簡単に踏み切れることではありません。
もちろん値上げ攻勢がなくとも、
常に新しいサプライヤー開拓を続けることは、大切なことです。
既存サプライヤーとの関係を大切にすることも重要ですが、
既存サプライヤーに刺激を与え続けることも同様に大切です。

しかし、この現在は、新しいサプライヤーを探すことそのものが困難です。
今般の経済発展、好景気から取り残されたような地域に目を向けない限り、
(このような地域は、技術水準や輸送その他の条件マッチングが非常に困難)
多くのサプライヤーは、すでに過負荷の状態です。
サプライヤーにとっても、新しい仕事はリスクがあります。
あえて、新しい仕事を取り込む必要がありません。
まして低価格で取り込むことは、余程の何かがないとあり得ません。

この余程の何かは、日本国内では中々ありませんが、
中国では日本よりあります。
つまり、受注環境好調のため、生産設備の大規模増設です。
日本のサプライヤーは、かなり慎重に設備投資を進めますが、
中国は「勢い」で設備投資します。
ですから稀に優良サプライヤーに生産余力があることがあります。
但し、落とし穴もあります。設備投資は比較的容易ですが、
それを使う作業者や管理スタッフの水準を維持しての増員は、
簡単なことではありません。
かつての優良サプライヤーが、設備増設、人員増員を機に、
問題の多いサプライヤーに転落することは珍しいことでありません。

最初に書いたように多くのバイヤーは、
既存バイヤーと辛抱強く値上げ幅圧縮交渉をしています。
僕も原価分析をし、
材料費比率から材料費アップが製品価格に及ぼす影響を割り出し、
妥当となる値上げ額を割り出しました。
もちろん加工費に対しても、
労働契約法改正や消費者物価上昇に伴う人件費アップを加味しました。
手間ひま掛けて計算した妥当な値上げ幅をサプライヤーに提示したとき、
サプライヤーからの返答は、
「Zhenさん、値上げは理屈じゃないんです。
わが社にもサブベンダー(孫請企業)にも、
もっと割りの良い引合いがあるんですよ。
今までの協力関係を忘れたわけではありません。
しかし、相場と言うものを考えてください。」
僕は深くため息をつき、何年か前のことを思い出しました。
サプライヤー同士を競合させ、或いは販売価格の低下から逆算して、
原価積算と無関係に価格を引き下げたこと。
そのつけが、今になって、
まるでブーメランのように返って来たということでしょうか。


★★★Zhenのひとりごと★★★
「中国の山村で」
先日、休日を利用して中国の山村にぶらりと行ってきました。
まさに「ぶらり」で、知人はおろか、一度も行ったことのないところです。
道で会う人に「ニーハオ」と挨拶すると、
誰もが少しはにかんで微笑み返してくれます。
田舎町で同じことをしても、微笑みの前に警戒感が先に表れます。
都市ならなお更のことです。心のゆとりの差なのでしょうか。
やはり、物質的な豊かさと心の豊かさは、比例しないと言うことでしょうか。
僕が子供のころの母の故郷では、
道で会う人すべてに挨拶を交わしていたことを、
ふと、思い出しました。
心が洗われた休日でした。


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E-mail : dandyzhen@yahoo.co.jp


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