Best-buy〜中国調達の現場から〜第36号
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Best-buy 〜中国調達の現場から〜
第36号 中国サプライヤーのクレーム対応
発行者 Zhen
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<<<発行者プロフィール>>>
大学卒業後、重工メーカへ就職。本社管理部門に4年半在籍の後、
産業機械部門の工場バイヤーとなる。
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「クレーム」と言っても、様々なものがあると思います。
小売業では、「接客態度が悪い」と言った類のものも重大なクレームでしょう。
ここでは、「モノそのもの」に対する品質不良に限定してお話します。
また、小売業と異なり、売り手も買い手もプロである、と言うことも、
話の前提としましょう。
まず、クレームをバイヤー企業にとって有利に、簡単に解決する方法は、
支払をする前に、検品することです。
国内取引しか経験のないバイヤーなら
当たり前のことと思われると思います。
通常の国内取引は、納品後検品し、合格したものに対してのみ、
検収して、支払を建てます。
しかし海外取引(海外サプライヤーとの直接取引)の多くは、
船荷証券(B/L)の受領と引換えに支払いが実行されます。
(船荷証券:輸出者が船会社に現品の引渡により発行され、
輸入者は船荷証券を船会社に提示することによって現品を受領できる。)
つまり、日本で現品を受け取ってから検品しても、
その時にはすでに代金は決済済みなのです。
もし、支払前に検品をするのなら、現地の出荷直前に検品し、
梱包に立ち会う必要があります。
梱包後、船積みまでに劣化、破損する恐れのある商品であれば、
船積にも立ち会う必要があります。
実際、僕の経験からすると木箱やコンテナに入らない大型商品が、
船積み港までの内陸輸送で破損した経験があります。
特にスポット的な取引の場合は、これは必須だと思います。
スポット取引で一旦支払った売買代金の一部が
返金された話を聞いたことがありません。
スポット取引で、支払前の検品が実施できないのであれば、
サプライヤー企業と継続取引のある日本の商社を介在させて、
バイヤー企業は国内取引として、商社から購入すべきだと思います。
実際商社を介在させても、
商社はわずかの口銭ですべてのリスクを負うことをヘッジするため、
バイヤーの現地出荷前立会いを条件することも多々あります。
結局、現地検査は、避けて通れないことが多いのです。
スポット取引の場合、支払後にクレームによる返金が実行されない理由は、
大きく二つあります。
一つ目は、外為法(外国為替管理法)ならびに類似の法令による法規制で、
クレームによる返金のための送金が、非常に煩雑なためです。
一旦財布に入れた金を、出すのに煩雑な手続きが必要なら、
国を問わず、返金を渋るのは当然のことだと思います。
そして、二つ目です。
「返金することがサプライヤー企業にとってメリットがあるか?」
多くの読者の皆様は、「えっ?」と思われるでしょう。
すべてとは言いませんが、多くの中国企業の判断基準は、
「メリットがあるか、否か」です。
これは中国バイヤー企業の判断基準にも通じます。
納品された商品代金を支払うか、否かの判断基準も同じです。
「支払わないと、デメリットがあるか?」と言うことです。
中国の債権回収率が60%程度と言われる所以です。
行動の判断基準を法律や契約で縛りきれないのが、中国企業です。
取引を継続する(再び取引をする)メリットが無ければ、
発注条件が遵守されると思ってはなりません。
スポットでしかできない取引なら、それ相応の覚悟が必要です。
繰り返しになりますが、
現地検査の実施と
商社を介在させることで継続取引の一部に組み入れることです。
継続取引の場合、
返金相当分を次回納入代金から相殺することも比較的容易です。
何よりも、サプライヤー企業は、自社の非を認め、
相応の対価を支払うメリット(=取引の継続)がありますから、
クレームに誠意をもって応じてくれます。
もちろん、クレーム内容によっては、
悪意でなく中国サプライヤーには理解できないことも多々あります。
それは、それで、大変な労力と時間を掛けた説明が必要です。
そして、もう一つどうしても書いておかなくてはならないことがあります。
中国サプライヤーにとって海外輸出は、
先に記述したようなルール(B/Lの交付=入金)がありますので、
債権の回収が確実です。
中国内の多くの日系企業は、契約に基づき支払いを実行します。
この日本では当たり前のことが、
企業との取引の魅力と多くの中国サプライヤーは考えています。
日系企業は、品質にも価格にもシビアです。
中国国内販売のほうが、手っ取り早く売上を上げられます。
しかし、債権の回収まで考えると、リスキーな部分があることも事実です。
日系企業に対する信用、これは多くの先輩バイヤーの築き上げた財産です。
そのことを忘れて、
現在の取引が自分ひとりの力で築かれていると思ってはいけません。
★★★Zhenのひとりごと★★★
先日、骨付きの豚肉料理を食べていて、
奥歯のアマルガムが、ぽろりと落ちてしまいました。
僕は (ちょっとした事故で) 反対側の奥歯がありません。
こうなると、もう、まともに食事ができません。
すると、気力も段々落ちていきます。
やっぱり歯は大切です。
死ぬまで歩いて病院に行ったことがなかったほど、頑強だった父は、
(病院に行ったのは、救急車で担ぎこまれたときだけでした。)
死ぬまで飴を食べていました。
(要するに歯が丈夫で、気が短いのか、ガリガリ食べていました。)
帰国したら、一番に歯医者に行きます。
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