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産業機械部品バイヤーになってはや15年強、中国調達を始めて7年。バイヤーとして中国で経験したこと、感じたことを皆様伝えるとともに、それに意見していただくきかっかけに…。批判、感想、苦情、友情、愛情…待ってます!

  • 周期 週刊
  • 最新号 2008/09/02
  • 発行部数 411
  • マガジンID 0000241825
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2008/02/19

Best-buy〜中国調達の現場から〜第30号

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Best-buy 〜中国調達の現場から〜

第30号 中国の材料費は高い?

発行者 Zhen

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<<<発行者プロフィール>>>
大学卒業後、非鉄金属製錬メーカへ就職。本社管理部門に約4年半在籍の後、
産業機械部門の工場バイヤーとなり、はや16年。

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「中国製品は安いはずだ。」
多くの人がこのように言います。
前号でお話したように、そんなことないのですが、
根強く、まるで宗教のように信じられています。

機械部品の主要材料の1つである鋼材についても、
「安くなくとも、高いことはないだろう。」
そのように言われます。

中国の鋼材が高い1つ目の理由です。
鋼材の価格を左右するのは、
原材料である鉄鉱石とコークス(石炭)の価格です。
これらは、いずれも国際商品で、その価格は、ほぼ世界同一です。
中国は自国内に鉄鉱石鉱山や炭鉱を有していますが、
多くを輸入に依存しています。一部の製鉄所を除くと内陸立地です。
要するに原材料の調達価格は、日本の高炉メーカより高いのです。
鋼材価格を決定的に高くしているのは、その歩留まりです。
日本でも、知名度のある上海宝鋼(宝山製鉄所)や首都鋼鉄(北京鋼鉄)、
鞍山鋼鉄といった大規模優良メーカを除いた、
中小規模の製鉄所の生産性は悪く、
酷いところでは日本の半分以下と言われています。
これでは、いくら高炉建設費など設備費が安くとも、
安価な鋼材は供給されません。
(中国はスクラップの発生が少なく、電気料が相対的に高いため、
電炉メーカは皆無です。)

2つ目の理由です。
日本で一般的に供給される鋼材品質と中国のそれとでは、
大きな乖離があります。
日本では商品価値のない品質レベルの商品が、
なんら問題のない商品として流通しています。
例えば鋼材の表面肌が汚いため、日本向けの外観重視の部品は、
ワンランク厚いものの表面を削って作ることもあります。
日本では材料肌のままです。
また鋼材問屋は鋼材を野積みして保管します。
そのため新しく購入しても、表面が真っ赤に錆びていることもあります。
そのためショツトブラストで錆落しをしなくてはなりません。

3つ目の理由です。
中国でも大量生産する場合は、メーカに直接発注することができますが、
それほどでもない場合は、市中に在庫しているものを買います。
その場合市中在庫のバリエーションが日本ほど豊富でありません。
例えば日本ではパイプ状の部品は、パイプ状の材料から作りますが、
中国ではパイプのバリエーションが少ないため、
無垢の棒状の鋼材をくり抜くところから加工を始めなくてはなりません。
つまり5キロの製品を作るのに、日本では6キロの材料を使う場合でも、
中国では10キロの材料を使うということです。

4つ目の理由です。
中国の鋼材でも規格は当然あります。
そして基本的には規格に合格したものが流通しているのも日本と同じです。
日本製の鋼材は、規格値に対し余裕をもってクリアしているのに対し、
中国製の鋼材は、規格値をギリギリでパスしていることが多いのです。
また規格で定められていない成分や性質が、
とんでもない値であることも少なからずあります。
日本では標準的な規格の鋼材で作られる部品も
中国ではプレミアムの付いた規格の鋼材でしか作れないこともあります。

このように例を挙げていくと、限りなく出てきます。
このような現実は、インターネットで上海市場の鋼材価格の推移を
見ているだけでは、見えてきません。
「モノ」現物を見ることなしに、
「モノ」の価格を論ずることには限界があるのです。

中国でも外資系の自動車工場には、
限りなく日本製に近い優良な鋼材が安価で供給されている一面もあります。
これも紛れもなく「中国のものづくりの現場」です。
しかし僕の携わる地方の町工場も「中国のものづくりの現場」なのです。


★★★Zhenのひとりごと★★★
「『本物の敗北』のその後」
第25号Zhenのひとりごとで「本物の敗北」
と言う題の思い出話を書きました。
ある方から、その後が知りたいと言われました。
「Zhenのひとりごと」の文末は、
あえて尻切れトンボにすることが多いのですが、
それは、読んでいただいた方なりに想像して頂いて
構わないと思っているからです。
でも、今回、あえて「その後」を書きます。

僕はこの挫折を乗り越えるのに4年近く掛かりました。
「敗北」であっても「本物」を感じ、
それをプラスに転化するほど当時の僕は成熟していませんでした。
それ以降の僕は常に「負けたくない」
その気持ちだけで、安全パイの勝負しかしませんでした。
それは勝負していないにも等しかったのかもしれません。
そして負けるはずのない勝負で、負け続けました。
それはまさに「負のスパイラル」でした。
そしてどん底まで落ちた時に、やっと気がついたのです。
「負けたくない」と「勝ちたい」は全く違うといことを。

今の僕は、過去によって作られています。
常に挑戦的に前向きに生きる今の僕は、
「本物の敗北」と「負のスパイラル」を経て作られています。
そして明日の僕は、今日の夢によって作られると僕は信じています。


★    最後までお読みいただきありがとうございます。
ご意見、ご感想をお待ちしております。
E-mail : dandyzhen@yahoo.co.jp


★ 僕の読んでいるメルマガ、ブログです。みなさんも読んでみてください。

中国で工場改善・品質改善指導を行なっている
改善コンサルタント根本隆吉さんが、
中国の実状とそれへの対応の考え方、方法をレポートしています。
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バイヤーというキャリア。
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