労働社会保険レポート!【第1号】賃金に関する基礎知識
■労働社会保険レポート!■第1号〜賃金に関する基礎知識■
みなさんはじめまして!!
尼崎を中心に大阪〜神戸にかけて活動している社会保険労務士の中薗(ナカゾノ)
と申します。よろしくお願いしますm( _ _ )m
【このメルマガについて・・・】
さて、この度は、新たにメルマガを発行させて頂こうと思いますが、
まずはこのメルマガについて簡単にご紹介させて頂きます。
このメルマガは、現在、筆者が主宰する社会保険労務士事務所のホーページ内
で行っている情報サービス(ブログ)をメール配信化したものです。
ですので、基本的な内容はそのブログ(レポート)がベースとなっています。
(タイトルも同じ)
ブログは、自分から情報を探さなければならないという欠点がありますが、
メルマガであれば、一度読者登録しておけば、向こうから情報を配信してくれる
という利点があります。
今回は、その利点に着目し、普段お忙しい方でも「読者登録」さえしておけば、
労働社会保険について最低限知っておきたい情報が常に得られるというサービス
を行いたいと思っています。
昨今は「年金記録問題」が連日マスコミ等で大きく取り上げられており、
また、この秋には「労働国会」と言われる労働関連法規の大きな見直し
が予定されています。
それ以外にも人事労務の分野においては、多種多様な問題が日々至るところで
起きているような状況です。
筆者は、このような状況の中で、少しでも不安や疑問をお持ちの方の
お役に立てればと考えていますので、ぜひ読者登録して頂ければ幸いです。
では、第1回目は「賃金に関する基礎知識」です。
労働基準法について詳しい方にとっては、基本的な内容ばかりですが、
この機会にあらためてご確認下さい。
【本文】
今回は、労働基準法の中でも重要な「賃金」についてレポートします。
賃金については、押さえておくべきポイントがたくさんありますが、
特に必要と思われる7項目について以下の流れで説明します。
(不要な箇所はとばしてお読み下さい)
1.賃金の定義
2.賃金支払5原則
3.最低賃金
4.割増賃金
5.休業手当
6.出来高払制の保障給
7.減給
▽▽▽
1.賃金の定義(賃金となるもの・ならないもの)
まず、そもそも賃金とは何なのか?
どこまでが賃金と判断されるのか?について解説します。
(1)賃金の定義
労働基準法では賃金について、
『賃金、給料、手当、賞与等の名称を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのもの』
と定義しています。
(2)具体的な判断事例
しかし、現実には賃金に当たるのかどうか迷うもの(手当等)が多々あります。
法的には概ね以下のように判断されています。
[賃金となるもの]
・通勤定期券
・休業手当(労基法第26条に基づき支給されるもの)
・育児休業中の賃金
・労働者が負担すべき税金や社会保険料について事業主が肩代わりした分
・福利厚生費(就業規則等で支給条件が明確になっている場合)
[賃金とならないもの]
・恩恵的給付(退職手当、結婚祝金、災害見舞金など)
※ただし、就業規則等であらかじめ支給条件が明確であれば賃金となります。
・作業服、制服
・出張旅費
・交際費
・休業補償(業務上の災害に基づくものなど)
・生命保険料(事業主負担分)
・福利厚生施設
・解雇予告手当
・ストックオプションによる利益
注)税法・社会保険では、それぞれ異なった解釈がなされていますのでご注意下さい。
▽▽▽
2.賃金支払の5原則
賃金の支払については、以下のような原則と例外が定められています。
(1)原則
『通貨払・直接払・全額払・毎月1回以上払・一定期日払』
(2)例外
[通貨払の例外]
・法令、労働協約に別の定めがある場合(通勤定期券など)
・労働者の同意を得た場合(書面不要)
・労働者の指定する金融機関口座へ振込みする場合
・退職手当の支払(銀行振出小切手、支払保証小切手などでも可)
[直接払の例外]
・使者への支払(代理人は不可)
[全額払の例外]
・別に法令で定められているもの(税金、社会保険料など)
・労使協定で定められているもの(組合費、社内預金など)
[毎月1回以上払・一定期日払の例外]
・臨時給与、賞与
・精勤手当、勤続手当など1ヶ月超の期間に対して支払われるもの
▽▽▽
3.最低賃金
賃金の最低基準は「最低賃金法」により地域別、産業別に定められています。
<参考>
・兵庫県の最新データ
→ http://www.hyougo-roudoukyoku.go.jp/seido/tingin/saitei_tingin/itiran.htm
・大阪府の最新データ
→ http://osaka-rodo.go.jp/lib/tingin/saitei/top.php
▽▽▽
4.割増賃金
(1)割増率
時間外労働(残業)に対する割増率は以下のように定められています。
・時間外労働・休日労働 → 25%〜50%以上
・深夜労働(午後10時〜午前5時) → 25%以上
(2)割増賃金の計算から除外されるもの
割増賃金の計算では以下のものは除外されます。
・家族手当
・通勤手当
・別居手当
・子女教育手当
・住宅手当
・臨時の賃金
・1ヶ月超の期間ごとに支払われる賃金
▽▽▽
5.休業手当
使用者の都合により労働者を休ませた場合は、使用者に休業手当の支払義務
が発生します。主な注意点は以下の通りです。
(1)支払額[原則] → 平均賃金の60%以上
(2)平均賃金 = 3ヶ月間の賃金総額÷3ヶ月間の総暦日数
※賃金総額や総暦日数から除外されるものがありますのでご注意下さい。
(3)全額保障の可能性
休業手当の支払義務は、個別案件ごとに判断され、過去には60%ではなく
全額保障が求められた判例もありますので注意が必要です。
▽▽▽
6.出来高払制の保障給
出来高払制、請負制で使用する労働者に対しては、労働時間に応じた一定額の賃金
を保障しなければなりません。
極端な例では「出来高0=賃金0」は、法律上認められていませんのでご注意下さい。
▽▽▽
7.減給
罰則等で減給処分にする際は、無制限にできるわけではなく、
次の基準を超えてはならいとされています。
(1)1回当りの限度額 → 平均賃金の50%以内
(2)総額 → 一賃金支払期(例:1ヶ月)における賃金総額の10%以内
〜あとがき〜
あなたの理解度は、いかがでしたでしょうか・・・?
賃金については、「会社側と社員の合意があれば何でもできるのではないか?」
と思われる方もいらっしゃるかもわかりませんが、労働基準法は基本的に、
労働者側を経済的弱者と捉えて保護する立場をとっています。
したがって、会社側が社員を雇用しているという強者としての立場を利用して
何でも自由に決めてしまうことに一定の制限がかかっていますので、その点を
理解することが肝要です。
ただし、一方では「ノーワーク・ノーペイの原則」というものがあり、
社員が現実に働いた部分については、当然それに見合った賃金を支払う義務が
発生するのですが、現実に働いていない部分まで必要以上に保護することはない
とされていますので、その点最後に補足しておきます。
【発信元】
中薗総合労務事務所
代表 社会保険労務士 中薗 博章
〒660-0052
尼崎市七松町1-2-1-803
Tel/Fax(06)6430-6318
URL http://homepage2.nifty.com/nakazono/
※このレポートは、発信日現在の法令・情報等にもとづき作成しています。
発信日には十分ご注意下さい。
※また、レポートに関していかなる補償も致しかねますので、ご了承下さい。


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