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2008/08/26

特許実務家が語る! 弁理士試験から考える知財実務!

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     特許実務家が語る! 弁理士試験から考える知財実務!

              2008年8月26日 第59号

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◆【 論文試験 平成15年 特許法・実用新案法 問題1 】

 菓子aとその製造装置Aの発明をした甲は、それらを明細書に記載した上
 で、菓子aの発明についての特許出願Xをし、それと同時に出願審査の請求
 をした。その後、甲は、製造装置Aを改良した菓子aの製造装置Bの発明を
 し、特許出願Xの出願の日から10月後に、製造装置A及びBの発明につい
 ても特許を取得したいと考えた。
 この場合において、甲が特許法上とりうる手続について説明せよ。

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 今回は論文のストーリーを考えてみましょう。

 まずは、国内優先は後に回し、別個の出願から始めるというストーリーで
 す。

 1:国内優先権主張を伴う特許出願を行わない場合

 (1)製造装置Bについての別出願(特36条)を行う

 製造装置Bについては特許出願Xには記載されていないため、特17条の2
 第3項の規定により特許出願Xにおいて製造装置Bを権利化することはでき
 ない。そこで、製造装置Bについては別出願を行う必要がある。

 (2)製造装置Aを特許請求の範囲に追加する補正(特17条の2)を行う

 製造装置Aは特許出願Xの明細書に記載されているため、これを特許請求の
 範囲に追加する補正を行うことにより、製造装置Aについて権利化すること
 ができる。

 (3)製造装置Aについて分割出願(特44条)を行う

 (2)で述べたように特許出願Xにおいて製造装置Aについて権利化するこ
 とも可能であるが、特許権の管理上の問題から別の特許権としての保護を求
 める場合は、製造装置Aについて分割出願を行うことにより、製造装置Aに
 ついて権利化することも可能である。

 2:国内優先権主張を伴う特許出願(特41条)を行う場合

 1で述べたように、国内優先権主張を伴う特許出願を行わなくても、菓子
 a、製造装置A、Bについて特許を取得することは可能である。

 しかしながら、製造装置Bは製造装置Aの改良発明であり、製造装置Bに関
 する別出願は特許出願Xの製造装置Aと実質同一として特39条に該当する
 可能性がある。

 そこで、包括的でかつ漏れのない形で菓子a、製造装置A及びBについて特
 許権を取得するために、国内優先権主張を伴う特許出願(特41条)を行う
 ことが出来る。

 この場合、特許出願Xはその出願日から1年3月経過後に取下擬制される
 (特42条1項)。特許出願Xについては出願と同時に出願審査の請求がな
 されているため、一定の条件の下、出願審査請求手数料が返還される(特1
 95条9項)。


 だいたいの流れはこんな感じになるのではないでしょうか?

 上記は論文のだいたいの流れに過ぎませんので、受験生の場合は、その他、
 基本レジュメに書いてあるようなお決まりの内容ももちろん書いて下さい
 ね。

 このストーリーの優れた点としては、同一出願で権利化しようとすると特1
 7条の2第3項が問題となり、別出願にしようとすると特39条の問題も生
 じるという場合に、包括的でかつ漏れのない形で権利取得するために国内優
 先権制度(特41条)を利用するという、国内優先権制度の趣旨がそのまま
 論文のストーリーになるという点です。

 一方で、出願と同時に審査請求をしていることとの関係が審査請求手数料の
 返還制度(特195条)との関係でしか触れられないというデメリットがあ
 ります。

 次回は、国内優先権制度から先に書き始めるとどのようなストーリーになる
 のかを検討してみます。

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◆【本の紹介】

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 三浦 哲
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 タイトルは「洋書を読んで」となっていますが、内容としては洋書に限ら
 ず、一般的な勉強方法にも当てはまる内容です。
 勉強しなければならないことは漠然と理解しているのに、どうもやる気が出
 ないという方は、是非一読してみて下さい。
 弁理士試験の勉強に行き詰まりを感じている人にもお勧めかも知れません。

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◆【編集後記】

 弁理士試験の受験生の方で、論文の点数に伸び悩んでいる方がいましたら、
 是非、今回と次回の本メルマガの内容をじっくり検討してみて下さい。

 同じ事例問題に対する複数の回答例を見比べることが合格への近道になると
 思います。

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◆【発行者情報】

 メルマガ名 :特許実務家が語る! 弁理士試験から考える知財実務!
 発 行 者 :特許十郎
 発行者サイト:http://patentoro.web.fc2.com/
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