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東京財団政治外交検証プロジェクト(北岡伸一主任研究員)が発行する書評マガジン。日本外交史、国際政治史の最新の研究成果をご紹介します。外交実務に携わる方、研究者の方、外交に興味のある方へ、気鋭の研究者による書評を中心に毎月一回お届けします。

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2007/11/12

[東京財団] 外交史ブックレビュー(第5号)

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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.005━2007.11.12━
          ◆◆ 東京財団 外交史ブックレビュー  ◆◆

          編集・発行:東京財団政治外交検証プロジェクト
              http://www.tkfd.or.jp/research/project.php?id=19
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はじめに――日本外交に関心を持つ方々へ
                      /北岡伸一(東京財団主任研究員、東京大学教授)

清沢洌は『外交史』(1940年)の序文に、「外交史に関する知識が、今日ほど
必要とされてゐる時はない。この知識を基礎とせずして造りあげられたる外交
政策と、外交輿論は、根のない花である」と書いています。

これは、時代を超えた真理だと思います。現代の日本は、当時ほど切迫した
状況にあるわけではありませんし、当時とは比較にならないほどの言論の自由
があり、情報収集も容易です。にもかかわらず、現代の外交政策や外交世論が、
正確な外交史の知識の上に築かれているとは、決して言えないのではないでしょ
うか。

その一方で、戦後外交に関する研究は着実に発展しつつあります。外交文書の
公開や情報公開制度の利用等によって、新しい史料が利用可能となり、アメリ
カ等外国の文書に主として依拠した研究から、より総合的複眼的な視点が提示
されつつあります。それらの研究は、しかし、まだ専門研究者の間で共有され
るだけで、広い外交論議の基礎として十分利用されてはいないというのが現状
です。

このニューズレターは、そうしたギャップを埋めることを目指しています。
すなわち、戦後日本外交史およびこれに密接に関連する分野(日米関係史、
日中関係史、その他の国際政治史、日本政治史、地域研究など)おいて最近
登場した優れた研究を、対外政策に関心を持つ幅広い層、いわゆるforeign 
policy constituency に紹介しようとするものです。日本外交を「根のある花」
にするために、ささやかな貢献ができれば幸いです。

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                      【第5号 目次】

1.政治外交ブックレビュー

『近代日本の国際秩序論』酒井哲哉著
                       /評者 宮城大蔵(政策研究大学院大学)

『東アジア国際政治史』川島真・服部龍二編
                     /評者 井上寿一(学習院大学法学部長)


2.読書案内(短評)

『日中戦争下の日本』井上寿一著
                       /評者 黒澤良(学習院大学法学部兼任講師)


『日米同盟というリアリズム』信田智人著
                       /評者 黒崎輝(立教大学兼任講師)


3.新刊・書評紹介


  編集後記


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1.政治外交ブックレビュー

※このコーナーでは、日本政治外交に関連する最近の優れた書籍・論文等を、
  気鋭の研究者が紹介します。特に外交の実務に携わる方々は必須のもの
  ばかりです。是非お読みいただければと思います。


『近代日本の国際秩序論』酒井哲哉著
                       /評者 宮城大蔵(政策研究大学院大学)

1920年代から40年代にかけての日本の「国際秩序論」の系譜を辿り、その文脈
を再発見しようとする本著作は、その一見したところいささかクラシカルな趣
とは裏腹に、冷戦後の新秩序と日本の進路というきわめて今日的な問いを根底
に秘めたものなのである…

↓続きはこちらをクリック(東京財団HPへ)
http://www.tkfd.or.jp/research/news.php?id=138



『東アジア国際政治史』川島真・服部龍二編
                     /評者 井上寿一(学習院大学法学部長)

「西洋の衝撃」に始まり、米ソ冷戦終結後の混迷をもって終わる従来の欧米
中心の国際政治史において、東アジアは「客体」であり、従属変数だった。こ
れに対して本書は、東アジアのアクターを「主体」として描き、東アジア国際
政治の自立的な展開の歴史を追跡している。このような著作が日本語で刊行さ
れたということは、私たちがようやく東アジアにおける日本の歴史を考えるも
っとも有益なテキストに接することができるようになったことを示している…

↓続きはこちらをクリック(東京財団HPへ)
http://www.tkfd.or.jp/research/news.php?id=137


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2.読書案内(短評)


『日中戦争下の日本』井上寿一著
                       /評者 黒澤良(学習院大学法学部兼任講師)

本書は〈日中戦争とは何だったのか?〉との問いに、「日中戦争が日本社会
の変容に及ぼした影響」を解き明かすことによって答える試みである。この
問いに答えるために、筆者は、過酷な戦場に送られた出征兵士の「前線」と、
戦争景気に沸き立つ「銃後」との対照を描写することから始めている。「前
線」と「銃後」との隔絶は、銃後から届く慰問袋に、デパートで購入された
「真心」が感じられない既製品が一番目立ったとのエピソードに象徴される…

↓続きはこちらをクリック(東京財団HPへ)
http://www.tkfd.or.jp/research/news.php?id=135


『日米同盟というリアリズム』信田智人
                       /評者 黒崎輝(立教大学兼任講師)

これまでも戦後日米関係の通史を描く試みはあった。しかし、複数の執筆者
の手による共同作業であることが多く、単著は珍しい。この事実は、その知
的作業がいかに困難かを暗示している。この難題に果敢に挑んだ著者は、ア
メリカ国際政治学の主要な理論――リアリズム、リベラリズム、コンストラ
クティヴィズム――の視点から戦後日米関係を大胆に読み解いていく…

↓続きはこちらをクリック(東京財団HPへ)
http://www.tkfd.or.jp/research/news.php?id=136



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3.新刊・書評紹介

2007年9月に刊行された政治外交関連の新刊図書・雑誌記事・書評のリストです。
外交に関する情報収集や研究のデータベースとしてお役立てください。
                ↓
http://www.tkfd.or.jp/research/news.php?id=133

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◆編集後記

このメルマガも、早くも第5号となりました。回を重ねて、少しずつ多くの方々
に読んでいただければ嬉しい限りでございます。毎回、日本政治外交史あるいは
国際政治史に関する優れた書籍を、新進気鋭の若手研究者によりブック・レビュ
ーとして紹介させていただいております。毎月の研究会にて緊張感溢れる議論を
経た上でのレビューですので、広い視野からその書籍の意義をお伝えできるもの
と思います。是非ともご覧頂きました上で、ご関心を持ちになった良書を手に取
っていただければ嬉しく思います。

暑さの厳しかった夏ももう過ぎ去り、間もなく紅葉が見られる季節となりました。
読書の秋であると同時に、年末の忙しい季節も近づいてきます。なかなかゆっく
りと落ち着いて読書をする時間をつくるのも容易ではないかもしれませんが、コ
ーヒーを片手に疲れた体を休めて読書と思索の世界へと埋没するのもまた楽しい
ことですね。実り多き読書の秋となりますよう、願っております。

(細谷)

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政治外交検証プロジェクトニュース 第5号(2007年11月12日発行)
発行元:東京財団政治外交検証プロジェクト(北岡伸一主任研究員)
    〒107-0052 港区赤坂1−2−2 日本財団ビル3階 東京財団
        http://www.tkfd.or.jp/research/project.php?id=19

編集責任者:
細谷雄一(慶應義塾大学法学部准教授)
五百旗頭薫(東京大学社会科学研究所准教授)

編集担当:
林大輔(慶應義塾大学大学院法学研究科)
相原清(東京財団研究部プログラム・オフィサー)
★ご意見・ご感想はaihara@tkfd.or.jpまでお寄せください。

★★外交史ブックレビューの全バックナンバー閲覧は、東京財団の下記のURLからが
便利です。↓
 http://www.tkfd.or.jp/ml/

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