疲れた身体、疲れた心を癒す呼吸法!  RSSを登録する

今ある「健康法」に不満・「呼吸法」についての明確な方法論を知りたい・現代というストレス社会の中で「本当の自分」を取り戻したい。そんな悩みを抱えている方々に解決法を実践する場が「湧気塾」です。塾長のインタビューや稽古内容をお届けします。

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2009/11/06

身体哲学からの提言

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身体哲学からの提言
(旧 「疲れた身体、疲れた心を癒す呼吸法!」)


身体哲学研究所
http://body-mind-philosophy.org/

湧氣塾
http://www.you-ki-juku.co.jp/

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<身体哲学研究所通信第17号>

□■―目次―――――――――――――――――――――――――――――――

1.所長と研究員との対談 <研究員:大滝謙二>最終回
2.湧氣塾からのお知らせ
3.塾長の著書の紹介

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みなさんこんにちは。
身体研究所研究員兼湧氣塾塾生のKです。
本日もメルマガをお楽しみください。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――
1.所長と研究員との対談 <研究員:大滝謙二>最終回
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このコーナーでは、所長とともに
身体哲学に取組もうと研究所に参画した研究員と、
所長との対談をお送りします。
今回は大滝謙二研究員との対談です。

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大滝謙二研究員

2000年より呼吸身法 湧氣塾(現・身体哲学道場 湧氣塾)に通い始める。
2005年より身体哲学実践の柱である「呼吸身法」の指導員として、現在に至る。
ITコンサルタントであると同時に柔道整復師の資格を有しているが、                     
治療する側と患者が相互依存してしまう現状とそれにもとづく医療ビジネスのあり方に疑問を持つ。
一般にネガティブなものとしてしか受け取られない病気を治療や癒しの対象とするのではなく、    
自らの身体と正面から向き合うことでそうではない側面を展開させる一つのきっかけと考え、     
そのメソッドとしての呼吸身法を主な研究対象とする。
身体哲学研究所のサイト管理者。
<所長からの一言>
身体哲学研究所の主要メンバーでもある大滝君は、経済学部を卒業して一端企業に入ったが、   
組織の人間にはなりきれず自立の道を歩く。
パソコンやバイクなどのメカに強く、柔道整復師の資格をもち、                       
神秘的なものを感じ取る感受性も敏感で、広告やデザイン営業のセンスもあり、            
英語が出来、文章も書けるというともかく多才な男だ。
身体哲学研究所でよりいっそうの身体知を身につけて広い分野まで才能を発揮してほしい。

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K:「十一月に入りました。
いよいよ秋たけなわ。
今年は各地で紅葉がとても美しいようです。
そして、秋といえば食。
所長と大滝研究員の“食と身体”の対談も最終回ですね。
今回はどんな話になるのですか。」

所長:「“食と身体”の問題を情報と脳との関係を踏まえて
掘り下げてみたいと思います。
ところで一週間程前、八月にスポーツのテーマで
このメルマガ紙上で対談した錦織君と雑談をしていたら、
身体哲学研究所では食の問題はあまり扱わないのですかっていうんで、
何いってんの今月のメルマガ読んでないのって(笑)。
彼は今忙しいんでしょうがないところもあるのですが、
他の研究員のテーマも少しは注意しておきなさいと(笑)。」

K:「所長に聞いたところでは錦織研究員のお父さんは
年季の入った有機栽培のプロ中のプロだとか。」

大滝研究員:「そうなんですか。」

所長:「そうなんです。
錦織君にとって“食”は親ゆずりの地に足のついた
身体哲学的なテーマなんです。
しかも彼の出身地は千葉県の土氣(とけ)。」

K:「へぇー。
“とけ”って「土」の「氣」って書くんですか。」

所長:「五行の木火土金水でいっても“土”は中央(大元)にあって
すべてが成立する“場”(地場・磁場)であってもっとも根源的なものです。
それで錦織君に君は特に“土”を忘れてはダメなんだ。
その“土”からできる米や野菜は君の先祖の作る宝物なのだよ
という話をしたんです。」

大滝研究員:「足もとにある大切なものって人間意外に見落としがちですよね。」

所長:「そう、それでその時彼にこういったんです。
私は呼吸法を長く指導しているので当然食の問題の大切さについては
十分気がついている。
身体を作っているのは“食と呼吸”ですから。
しかし、これまで私が“食”について積極的に発言していないのは、
“食”の問題はなかなかデリケートなところがあって論じることが
むずかしいからなんです。」

K:「よく“これが健康食だ”とかいうメニューが本に載っていたりしますが。
だいたいそういうのは怪しいですね。」

所長:「怪しいというより、“あなたの健康食はこれだ”という風に
“食”は一般化しにくいのです。
もっとはっきりいえば、身体にいい“食”の一般化、普遍化は
ほとんど不可能なのです。
例えば、その人の育ちや年令や性別、季節や今いる場所(土地)、
その人の仕事やその日の疲れ具合から精神状態、それらすべてが
身体の生理状態や欲求と絡んで、その時々にその状況の中で
もっともその身体にいい“食”決定されなければならないからです。」

大滝研究員:「私も所長がおっしゃるとおり何が身体にいいのか、
あるいはどれくらいの量が適切なのかは一義的に決められないと思います。
ですからとにかく自分の身体の声を聴いてみることだと思います。
住む土地、年齢、それと職業によって身体が必要とする食べ物は違うでしょう。
マクロビオティックが良いからといっても、北国の厳しい冬を過ごす人は
もっと動物性のタンパクや脂肪を必要とするかも知れません。」

K:「“食”について一般論で語りにくいというのは
身体の内部のこと(内部身体)が本当のところは言語化できない
ということにもつながっていますよね。」

所長:「はいそうです。
身体の個別性やその時々の状況の変化、
内部環境(身体の内部の状態)や外部環境を
常に考慮しなければならないからです。」

大滝研究員:「それから、“食”のことはひとまず
商業主義的なものから距離を置く必要があると思います。」

所長:「その通り。
“食”について一つだけはっきりいえることは、
信頼できる人が作ったものはいいということです。
錦織君のお父さんの作った大根やさといもは
本当においしかった(笑)。」

K:「僕も食べたくなりました。」

所長:「今度話しておきます。」

大滝研究員:「私にもぜひ(笑)。」

所長:「さっきの“食”のことは、ひとまず商業主義的なものから距離を置く
というそのあたりの意見を、もう少し大滝君に生活クラブでの
経験もあるでしょうから展開してもらいましょう。」

大滝研究員:「そもそも生活クラブは、“食”という命にかかわる領域が
商業主義に蹂躙されることに抵抗する社会運動として始まったのです。
消費者が欲しい安全な食材の生産を生産者に依頼し、
出来上がったものを共同購入という形で適正価格で買い取る、
という仕組みを作りました。
ですから取り扱う食材(せっけんなどの日用品も)を
「商品」ではなく「消費材」という一般には通じない用語を使います。
生産者から搾取しない、いまでこそ「フェアトレード」という言葉がありますが、
生活クラブははじめからフェアトレードなのです。
こんな値段で売られている食べ物は、生産者の生活を脅かさないか。
消費者がそこまで考えを巡らせるのは難しいかも知れません。
なぜなら現代は製造過程、流通過程も含めて
ブラックボックス化されている部分が大きく、
消費者→生産者との距離が離れすぎているのです。」

所長:「現代人の場合、“食”が本来の生物として
生き続けていくための“命の糧”というものから、
市場経済における商業レヴェルの消費材に
転化してしまっているということですね。」

大滝研究員:「はい。
そこに前回も指摘した、ひたすら安いものを求める
消費者の問題も出てくるのでしょう。
不況とはどういう状態かの定義に
“お金の価値が不当に高まった状態”と表現する人がいましたが、
現代はまさしくその状態、お金の価値が不当に高いのです。
店に行けば食料があふれるように陳列されているこの時代には、
食べ物に不当に安い値段を求める。
安いものにはコストを下げることと引き換えに、
身体にとっては好ましくないものが多分に含まれています。
ひたすら安さを求める消費者が、生産者を再生産できないほどに
あるいは添加物で、偽装表示でしのがなければならなくなるほど
追い込むようになったのはいつ頃からでしょうか。
おそらくダイエーをはじめとする流通業者が台頭してきた頃からだと思います。
(政府の食糧政策ももちろん関係するでしょうが)」

所長:「私は、その“食と市場第一主義”を
“身体と脳”の問題に置き換えて考えたいと思うのですが、
その観点から鋭く洞察した伏木亨氏(京都大学農学部教授)の
『人間は脳で食べている』によると、ダイエーというより
マクドナルドの登場が大きいらしいです。」

K:「それはどういうことですか。」

所長:「伏木氏は動物行動学ローレンツの作り出した
“刷り込み”(inprint)という言葉(概念)と哺乳動物独特の“離乳食”
という概念を活用して自説を展開します。
“離乳食”は以後の人生におけるその人の“おいしさの元”を
作るのだというのです。」

K:「“おいしさの元”って、つまりその人の“味覚の元”、
“味の素”ってわけですか(笑)。」

所長:「そうです。
また“離乳”の時期は身体が自立へ向って歩み出す出発点で
非常に敏感で傷つきやすい(vulnerableな)時期なんです。」

大滝研究員:「福岡さんのいう“脆弱の壁”ですね。」

所長:「そう。
この時期に免疫系ができる。
それで話を戻すと、なぜマクドナルドが日本でビジネスとして大成功を遂げたか、
いい換えれば、日本人の身体の中にあった日本人としての
食の感覚(味覚)をアメリカ的なマックを好むように転換させたか。
日本マクドナルドの初代社長藤田田(でん)さんは、
1971年(マクドナルド1号店出店)よりターゲットを明確に
女子中学生、女子高生に当て、15年計画で脳と舌に向けて
“おいしさ”の“刷り込み”活動(宣伝)を続けたというのです。
15年計画というのは、その女の子が母親になり、
必ず子供を連れて戻ってくるというわけ。
今では店舗数4000軒を越すといいます。
これは見事な経営戦略でしょう。」

大滝研究員:「農学部の教授が“見事な経営戦略”だ
いうところが大変おもしろいですね。」

K:「マーケティングは僕の仕事にも直接関係する領域ですから
大変勉強になりました。」

所長:「伏木氏は現代人は食べ物のおいしさを五感で感じずに
頭で情報処理しているといいます。
それで、何が“おいしさ”を決めているのかを科学的に説明する
“おいしさ学”は既成の学問分野ではとらえきれない複合的な領域だが、
とらえどころの無さそうな“おいしさ”もいくつかの要素によって分析可能だろうとして
“おいしさ”を次の四つに分類しています。

一、	生理学的な欲求に合致するものはおいしい
二、	生まれ育った国や地域あるいは民族などの食文化に合致するものはおいしい
三、	脳の報酬系を強く刺激してやみつきになる
四、	情報がおいしさをリードする」

大滝研究員:「なるほど。
生理的なものに、脳的な情報、それに所長のいうエートス的なもの、
アディクティブ(中毒的)なものも入っていますね。」

所長:「でもこのあたりの分析まではまあ、ちょっとよく考える人なら行うでしょうが、
この先が非常に鋭いんです。
念のために四つある章の見出しを紹介しておきます。
第一章は“『情報』は最高の調味料”、第二章は先程示した“四つの『おいしさ』”、
第三章は“おいしさの生理メカニズム”、そして最後の第四章が”現代人の食べ方“。」

K:「“おいしさ”自体が科学的に解明不能なのに
“おいしさの生理メカニズム”というのがそんなに簡明に
科学的に説明できるのですが。」

所長:「いつもながらK君らしい鋭い質問なのですが、
“おいしさ”そのものは置いておいて“おいしさ”の
主要エレメントについての生理メカニズムは
現代の科学である程度解明できると思います。」

大滝研究員:「その“おいしさ”の主要エレメントは具体的に何ですか。」

所長:「糖質(砂糖)と脂質とうま味です。」

大滝研究員:「うま味って、福岡伸一さんのいうグルタミン酸のことですか。」

所長:「もう少し広く、油脂、甘味、アミノ酸などのうま味と書いてあります。
要するに、日本人にとってのうま味の代表はカツオだしでしょうが、
西欧にはガーリック風味もチーズ風味もあるだろうしということでしょう。」

K:「なるほど。
でもここいら辺も別に所長が特に感心するほどのことじゃあないですよね。」

所長:「しかし、第四章の“現代人の食べ方”はともかく見事ですよ。
特に最後はすばらしく文章にも力があります。
もっと話題になっていい名著だと思います。
ちなみに結論の部分は私の身体哲学とほとんど一致しています。
少し長くなりますが最後の部分を引用しておきましょう。
この部分は食品・栄養学者の文章ではなく一級の哲学者、
文化人類学者の文章だといえましょう。」


本能の快感は生命維持とは関係のない楽しみのために忙しい。
人間の食生活は動物としてのシンプルな原理を逸脱し、
栄養素の出入りさえも伴わないバーチャルな世界に踏み込むだろう。
それも時代の要求である。
食べることの意味が次第に曖昧になる時代が来る。
生きることに無関係な食の時代である。
生命を維持するだけならサプリメントがある。
生殖行動がずいぶん先を走っている。
生殖のための生殖行動はまれにしか行われなくなる時代が来ている。
そして、本来の意味を離れた生殖行動の様式は急速に変形してゆく。
食も生殖もどちらも結果として快感や安らぎや満足感だけが残る。
止めようとしてもどうしようもない流れというのも世の中にはある。
だんだん多くの国の人間が快感探求に合流し、
貪りながらゆっくりとした破滅の時を過ごす。
じたばたしても流れの方向は変わりそうもない。
大きく発達した脳を持ってしまった人間という動物の運命である。
個人には終焉があるし、動物種は至る所で絶滅している。
人間に終焉があっても不思議ではない。
もしも人間に終焉があるならば、肥大した脳が快感欲求に陥り、
動物としての人間に興味を持たなくなることが関わっていると思えてならない。
肥大した脳にすべてを任せず、推測や先回りばかりせずに、
自分の感覚を磨くことがまっとうな道だと私は思う。


K:「本当に所長がいつも僕たちにいっていることと
同じことをいっていますね。」

所長:「脳のバランスを取り戻すにはやはり脳を使うしかない
と伏木氏はいいます。
私はその上位の脳は日々行じている身体と無意識のレヴェルで通じた
いわゆる悟った脳でなければ不可能だと思っています。」

K:「大滝さん、最後に何かありますか。」

大滝研究員:「私たちは、食という私たちの一番足元から
もう一度一人一人の生き方を見直す必要があると思います。
それには最初に戻りますが気づくしかない。
“気(氣)づく”という言葉をホームページ上の私のプロフィールにも使っていますが、
身体の変革の第一歩はsensitivityによってもたらされる気づきだと思います。
“自覚症状のない患者は困ったものだ”ということと本質的に同じですが、
気づきのない身体は困ったものです。
気づいてもどうにもならない、どうにもならないから気づかなかったことにする、
というのはあるでしょう。
私がそうであったように、その状態は長く続くかも知れません。
しかし、それを乗り越えるのに特殊能力は必要としません。
必要なのは時間です。
根気よく自分の身体とつきあうことです。
機械論的身体観に欠落しているのは時間という概念ですが、このことの裏を返すと
時間さえかければ、あるべき身体を取り戻せるということではないでしょうか。
(しかし残念なことに、湧氣塾がはじまった年から参加してきた私は、
これまで自分の身体につきあうことを放棄してしまった方を多く見てきました。)」

K:「最後まで自分の身体を捨てないで欲しいですね。
また、自分の身体(身心)を見失っている人、
自分の身体(身心)に自信が持てない人は、
ぜひ身体哲学道場を訪ねて欲しいと思います。」



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2.湧氣塾からのお知らせ
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1.湧氣塾からは、2本のDVDを発売しています。
ご興味のある方は是非お求めになって、
日常の中でご自身の身体を調整してみてください。

・DVD
『坐禅身法』
『女性身法』

詳しくはこちら
http://www.you-ki-juku.co.jp/dvd_info.html

2.女性身法チケット制導入ついて
購入後、二ヶ月間有効のチケット(4枚綴り)ができました。
忙しくて行きたいけど、なかなか時間が取れないという方、
この機会にぜひご利用下さい。
詳しくはこちら
http://you-ki-juku.co.jp/femail.html


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3.塾長の著書の紹介
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『脳ひとり歩き時代 ヴァーチャル脳を身体が救う』(河出書房新社)
『「阿修羅」の呼吸と身体-身体論の彼方へ』(現代書林)
詳しくはこちら
http://www.you-ki-juku.co.jp/chosho_info.html


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●発行者
身体哲学研究所
http://body-mind-philosophy.org/

身体哲学道場 湧氣塾
http://www.you-ki-juku.co.jp/index.html

●バックナンバー 
http://blog.mag2.com/m/log/0000239398/

●お問合せ:info@you-ki-juku.co.jp
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