疲れた身体、疲れた心を癒す呼吸法!  RSSを登録する

今ある「健康法」に不満・「呼吸法」についての明確な方法論を知りたい・現代というストレス社会の中で「本当の自分」を取り戻したい。そんな悩みを抱えている方々に解決法を実践する場が「湧気塾」です。塾長のインタビューや稽古内容をお届けします。

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2009/08/21

身体哲学からの提言(旧 「疲れた身体、疲れた心を癒す呼吸法!」)

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身体哲学からの提言
(旧 「疲れた身体、疲れた心を癒す呼吸法!」)


身体哲学研究所
http://body-mind-philosophy.org/

湧氣塾
http://www.you-ki-juku.co.jp/

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<身体哲学研究所通信第8号>

□■―目次―――――――――――――――――――――――――――――――

1.所長と研究員との対談 <研究員:錦織法晴>3
2.湧氣塾からのお知らせ
3.塾長の著書の紹介

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みなさんこんにちは。
身体研究所研究員兼湧氣塾塾生のKです。
本日もメルマガをお楽しみください。


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1.所長と研究員との対談 <研究員:錦織法晴>3
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このコーナーでは、所長とともに
身体哲学に取組もうと研究所に参画した研究員と、
所長との対談をお送りします。
今月はスポーツトレーナーの錦織研究員との対談です。

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錦織研究員
幼少より、肉体と精神の関係性に非常なる興味と関心を持ち、自身の武道や競技スポーツの実践と共に今に至る。
また、そういった趣向性から、日本的軍隊教育を体感すべく中学卒業後に陸上自衛隊生徒に入学した経緯を持ち、
その裏付けを取るべく、筑波大学および大学院にて専門教育を受けた。
現在は、その集大成である身体哲学をコーチングの機軸に据え、一般の方々から学生、アマチュア・プロにいたる
様々な競技者の心身サポートをする。

<所長からの一言>
錦織君は高校生の時から、自衛隊、筑波大学大学院、アメフトプロ選手、
プロトレーナー(アメリカで筋トレ修行、東ドイツでメンタルトレーニング)と身体一筋に生きてきた熱血漢である。
ここ数年、彼は古武道や東洋的身体技法を検証すべくいくつかの道場をいくつか廻り、
最後に私の『「阿修羅」の呼吸と身体~身体論の彼方へ』に出会ったという。
私には最初、筋肉を落としに来たといっていた。
実は筋トレには早くから疑問を抱いていたというから頭も身体のセンスもなかなかいい。
いや、はっきりいえばスポーツの世界でやや難解な私の身体哲学に高いレヴェルで理解を示した最初の人である。
子供たちや学生の身心を健全に育てる体育の世界の再建、ケガが少なく長い寿命で能力を発揮する
アスリートの養成など、彼には多くのことを期待したい。

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K:「本日はスポーツ界における
メンタルトレーニングについてお聞きしたいと思います。」

所長:「それではまず、話のきっかけとして、
私が知っている、かなり優秀なスポーツの専門家、
ある大学の教授でドイツ語が得意で、それでドイツに何度か行っていて
メンタルトレーニングの世界ではかなり名前の知れた人なんです。
選手団を率いてオリンピックにも何度か行っている。
最近、その人の本を読んだので、
ちょっとその人のことについてお話しましょう。
その人がある講演を行った後、
それを聞いていた聴衆が、
その人を“心理学者と思った”という
感想を述べたそうです。
そうしたら、その人は、
“いえ、私の専門は運動学です”と答えたというのです。
私から見れば、運動学からメンタルトレーニングへというのは、
ちょっと飛躍しているなと思うんです。」

錦織研究員:「でも、メンタルトレーニングは心理学だから、
学問的にはちょっと運動学より高尚な感じがするんですよね。」

K:「心の研究は身体の研究より高級な感じがするというわけですか。」

錦織研究員:「はい(笑)。」


所長:「ようするにそういうことなんでしょう。
それともうひとつ、
さっきもいった運動学というフィジカルな分野の研究から
メンタルトレーニングというメタフィジカルな心の領域の研究に、
そんなに簡単に飛び移っていいものなのかというのが、
その人の本を読みながら最初に思ったことなんです。
もちろん、練習とはかなり違った環境である本場で
十分に力を出すための準備というのはそれなりに大切だ
という考え方はあるんですが、本当はあやしい。
少なくともある総合的な段階まで
フィジカルなレヴェルでいきついていない選手は
力が安定して発揮できないのですから。」

K:「なるほど。
ともかく身体哲学の立場から言えば、
一番大切なのはフィジカル(身体)であるというのは、
基本中の基本ですからね。」

所長:「そうです。
つまり私が危惧するのは、
その一番大切なフィジカルをとことん突き詰めないで、
そこからの一種の逃げとして、メンタルの領域に
飛躍しているのではないかということです。」

錦織研究員:「確かにそうした面はあるでしょう。」

所長:「安易に心の世界に逃げ込んではいけないのです。
最先端の科学・哲学の世界(第2世代認知科学)では、
もうはっきりと、心や理性(頭脳)の世界を身体と切り離して
聖域としてはいけない、といっています。
このまさに21世紀の知ともいうべき第2世代認知科学というのは、
ニューロサイエンス(脳神経科学)・言語学・コンピューターサイエンス・
数学・哲学などを結集した科学・哲学なのですが、
発展途上のニューロサイエンスを過大評価したり、
人工知能に思い入れをした第1世代認知科学と違うところは
哲学(総合的知的営為)において身体を
一番大切なベースにすえたことです。」

K:「私たちの身体哲学と同じではないですか。」

所長:「ほとんど重なるというか、かなりの部分が同じだというか…。」

K:「違いもあるんですか。」

所長:「あります。
知にとって身体がベースだというのは同じです。
大きな違いは行法にからむことです。
それをここで展開すると大変なことになるので
いずれということで(笑)。」

K:「とても楽しみにしています。」


錦織研究員:「いずれにしてもその第2世代認知科学の
やろうとしている試みは、20世紀の常識からすると、
大変なパラダイムシフトといえますね。」

所長:「そうです。
ここではひとまずその代表的な著書として、
ジョージ・レイコフとマーク・ジョンソンの
『肉中の哲学』(『PHILOSOPHY IN THE FLESH』)
というのがあることをお知らせしておきます。
この本です。
是非錦織君もK君も読んでみてください。」


錦織研究員・K:「はい。
でも、『肉中の哲学』ってちょっと凄い題名ですね。」

所長:「訳者は訳しようがなくて困ったんだと思いますよ(笑)。」


K:「あれ、この本の帯にある推薦者の所に
脳科学者の茂木健一郎さんや養老孟司さんの名前がありますね。」

所長:「さすがにK君ですね。
ちょっと変でしょ。
この本を茂木さんが推薦したらおかしいのです。
この本には茂木さんのような脳還元主義者が
厳しく批判されているんですから。」

K:「では、何で。
あっ、そうか…人気があって忙しい有名人は学者でもタレントでも、
内容は知らずに推薦文を書くといいますから…。」

所長:「まあそれ以上はいわないことにして、
でも、養老さんは矛盾が平気な人ですからおそらく読んでいるでしょう。
それにしても、スポーツ界において
総合的な身体の開発の現場にいる錦織君としては、
メンタルトレーニング以外に
もっと取り組むべきことがあるのではないですか。」

錦織研究員:「そうなんですが、実際のところ
私のように現場にいる人は、いわゆる研究者とは、
一切話はしていません。」

K:「ほおう。
それは現場と研究の世界とは、分裂しているということですか。」

錦織研究員:「そうです。」

所長:「その理由はなんですか。
研究の成果が、いわゆる机上の空論なんですか。」

錦織研究員:「う~ん、どう言ったらいいのか難しいのですが、
とにかく現場と研究とでは、やっていることの質がちがうんです。
ある有名な大学では、新しい身体領域の開発のための学部を新設し、
優秀な研究者を募ったのですが、研究者に対して、
“研究者は決して現場に出てはいけない。
論文をひたすら書け”と学長が直接指示していると
聞いたことがあります。」

所長:「その現場と研究の乖離(かいり)は、
問題がありますね。」


錦織研究員:「まったくその通りです。
たとえば私が研究に行ったドイツでは、
研究のテーマはあくまで現場から出てきたものです。
その現場からの発想として、
メンタルトレーニングもあるんです。」

K:「日本とはだいぶ様子がちがうようですね。」

所長:「錦織君の認識では、
やはり日本のメンタルトレーニングへの
取組みの現状は、問題が多いということですか。」

錦織研究員:「業界では一応老舗団体として通っている、
日本スポーツ心理学会というところがあるんですが、
そこが言っていることは、結局普通の心理学を
モノマネしていることばかりです。
しかも本流の心理学の世界では、亜流扱いです。」

所長:「だからといってスポーツ界においても、
メンタルトレーニングは決してメジャーとはいえない。」

錦織研究員:「その通りです。」

K:「メンタルトレーニングについて少し具体的に説明してくれると
ありがたいんですが。」

錦織研究員:「よく行うのが、自分が最高のプレーが出来た時を
思い浮かべるイメージトレーニングや試合前に行う一種の自己催眠です。」

K:「そうした方法は効果があるんですか。」

錦織研究員:「それなりにありますが、
試合前の自己催眠は1度きいても、2度、3度とはききません。
だから、スポーツ界においてはあくまでメジャーは、
フィジカルです。フィジカルですが・・・」

K:「筋トレだ(笑)。」

錦織研究員:「そういうことです。」

K:「なぜそうなるんでしょうか。」

錦織研究員:「やはり日本のスポーツ界には、
哲学がないことが大きいです。
哲学というのが大げさなら現場で選手たち、コーチたちが
一人一人で考えようとしない。
その点ドイツにはスポーツ界の底辺に流れる
哲学性が確かにありました。」

所長:「つまりドイツには、現場に根付いた哲学があると。
哲学や思考というと理屈や概念でむずかしいととらえるかもしれないが、
私の呼吸身法でも、さっきの第2世代認知科学でも、
感じ取ること(perceiving)が考えること(conceiving)、
つまり、考えることも行動なんです。
それを少しいいコーチのもとで、いい“場”で繰り返していると
誰でも身体の反応がよくなり、勘がよくなり、頭がよくなる。」

錦織研究員:「はい。
実は私が留学していたドイツ、
と言っているのは、旧東ドイツの時代です。
ご承知の通り、一時の東ドイツは、
オリンピックでもメダルを取りまくっていました。
ではそのために、どういうことをしていたかというと、
“人間づくり”といえる全人格的教育なんです。
候補選手たちは全寮制で、競技だけではなく、
引退後までの人生プランを含めた、
知恵と哲学を授けられていました。
なかには競技だけにしか力を注がない選手もいたようですが、
得てしてそういう人は結果も出なかったそうです。」

所長:「とても興味深い話です。
結局哲学は自分を大きく生かすアクションのためにあるのであり、
逆にいえばすべての行動が広い意味での哲学なんです。
脳内というオフラインの世界ではなく、
現実というオンラインの中でこそ、
哲学(考える)は力を発揮します。」

錦織研究員:「臨場感のある哲学でないとだめですね。」

所長:「そしてもうひとつ、指導者は教えすぎてはいけない。
自分の身体で感じ、その自分の身体に根ざして考える、
ということが一番大事なのです。」

錦織研究員:「しかも日本の指導者は常に上から目線です(笑)」

K:「それでは自分でやる気がなくなりますね(笑)
では次回は、具体的な選手の事例を通じて、
話を進めていただきたいと思います。」

<次回につづく>



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2.湧氣塾からのお知らせ
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ご興味のある方は是非お求めになって、
日常の中でご自身の身体を調整してみてください。

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『坐禅身法』
『女性身法』

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3.塾長の著書の紹介
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『脳ひとり歩き時代 ヴァーチャル脳を身体が救う』(河出書房新社)
『「阿修羅」の呼吸と身体-身体論の彼方へ』(現代書林)
詳しくはこちら
http://www.you-ki-juku.co.jp/chosho_info.html


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●発行者
身体哲学研究所
http://body-mind-philosophy.org/

身体哲学道場 湧氣塾
http://www.you-ki-juku.co.jp/index.html

●バックナンバー 
http://blog.mag2.com/m/log/0000239398/

●お問合せ:info@you-ki-juku.co.jp
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