2009/11/09
『ボランティア』Vol.18
――――――――――――――――――――――――――――――☆★☆ メルマガ『小さなホン屋の小さなストーリー』 第37号 2009/11/9発行 Vol.18 パモン堂HP:http://www.rivo.mediatti.net/~pamon/index.html ★☆★―――――――――――――――――――――――――――――― ■第6話 ドキッとした広夢は慌てて、 「そ、そう? 夢じゃない」 と誤摩化した。 カナコの青白い顔の、目だけが一瞬キラリと光った。 「本当? でもなんだかここにあなたの感触が残っているのよ。 とても生々しく―」 と唇に指で触れた。 「……」 「でも、やっぱり夢よね。私の妄想ね。あなたがそんなことする筈ないものね。 だって、私はあなたの好みのタイプじゃないし……」 と、カナコはしおらしく横を向いた。 「……」 「しかも気分が悪くて、倒れている私に、あなたがそんな―、 キスをしたり、首筋にまで唇を這わせたりなんてこと……する筈ないものね」 「―!」 広夢の完敗だった。 カナコは気付いていたのだ。 あの高熱の中、意識が朦朧としている中、 広夢をしっかりと感じていたのだ。 グウの音も出なかった。お手上げだった。 「分かった、分かったよ、俺の負けだよ」 広夢はそう言うと、 「確かに俺は夕べ君に悪さをしました。 倒れている君の寝姿についムラムラッときてしまいました。 これでどう? 許してくれる?」 と、カナコにグイと顔を近づけた。 それまで勝ち誇ったように口を曲げて、意地悪そうに笑っていたカナコは、 急に恥ずかしそうにプイッと横を向いた。 その顔はほんのり赤く、どうやら熱のせいだけではないようだった。 そうして、小さく、「許すもんか!」と吐き捨てるように言った。 広夢は面白がって、 「ごめん、悪かった。もう一度キスするから許して」 そう言って、ますます顔を近づけた。 「やめて」と抵抗するカナコ。 しかし身体が動かない。 必死に顔だけでいやいやをするが、やがてそれも力尽きて― カナコは諦めたように広夢を見上げた。 その肌は透明で、熱のせいか瞳は潤んでいた。 そして怒ったように「許さない」と言った。 それを見て広夢は、ニッコリ笑って、カナコにキスをした。 「許して」と言いながら。 二人の唇が深く重なり、お互いにお互いを 求め合った瞬間、仕切りのカーテンがガラリと開いて、 「かーちゃん、ジュース買って来たよ!」 という健太の元気な声が聞こえて来た。 慌てて離れた二人は笑顔を作り、 そして同時に「お帰り、早かったね」と、 健太に話しかけていた。 Vol.19へつづく ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・☆★☆ パモン堂の短編小説が、ケータイで読めるようになりました。 「セキララな欲望―あなたの隣のヤバイ奴」(全5話)が、 3キャリア対応の、Yomi:na と、 auの電子書籍サイト TIMEBOOK TOWN より、 好評配信中です。 毎週1話ずつ更新のセキララシリーズ、 どうぞお楽しみに。(^o^)/ ご利用はこちらから ⇒ http://www.rivo.mediatti.net/~pamon/kitai.html ■□ 編集後記 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ こんにちは。 おはなし屋パモンです。 今回は配信がバラバラになってしまい、 申し訳ありませんでした。 読みにくかったと思います。 次回の配信は、二週間お休みした後の、11/24(火)~となります。 ★次回予告★ カナコの入院中、広夢は健太のにわかパパになり、 そうして会社では大規模なリストラが始まって― それでは次回もお楽しみに。 ■□■□■□■□■□■□ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・☆★☆ ●メルマガ『小さなホン屋の小さなストーリー』 発行人:*pamon*(パモン) 発行周期:隔週刊 登録・解除:http://www.mag2.com/m/0000239021.html HPアドレス:『小さなホン屋パモン堂』 http://www.rivo.mediatti.net/~pamon/index.html ブログ:『おはなし屋パモンの日記』 http://blog.goo.ne.jp/pamon いつも読んでくださりありがとうございます。 皆様のお便りをお待ちしております。:pamon555@yahoo.co.jp ★☆★・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ●○●お友達へのご紹介大歓迎です!●○●
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