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2008/07/05

メルマガで完全マスター! 宅建過去問一問一答

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○●○ メルマガで完全マスター! 宅建過去問一問一答 ○●○



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【2008年第19号】2008/07/05(通算第32号)  【創刊 2007/07/01】
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 □■□■□■□ 受験申込受付中 !! □■□■□■□


    7月1日から受験申込が開始されました !


 ◎インターネット申込受付(7月15日まで)

   http://www.retio.or.jp/tacta/application/siken_info.html


 ◎郵送申込受付(7月31日まで,消印有効)

  願書配布場所 → http://ss-up.net/gansho.html



 ◎詳細はコチラ →  http://www.retio.or.jp/

            (財)不動産適正取引推進機構



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 こんにちは,宅建キャリア協会メルマガ担当の井上成人です。



 いよいよ受験申込みが開始されました。

 暑い夏の始まりです。



 申込みは,万一の訂正があることも想定して,なるべく早く済ま
せるようにしましょう。

 希望の受験会場もとりやすくなります。




 それにしても,時間のたつのは早いものですね。


 メルマガを発行して1周年!!

 昨年10月の本試験後,2〜3ヵ月の休刊をはさんで,32本の
メルマガを発行してきました。


 無事1周年を迎えることができまして,これも長きにわたって支
えてくださった読者のみなさまのおかげと,深く感謝しています。


 今後は,内容はもちろんのこと,リンク関連を充実させていきた
いとひそかに計画していますので,どうぞご期待ください。




 さて今回は,《借地借家法》です。


 《借地借家法》は,借地(土地賃貸借)から1問,借家(建物賃
貸借)から1問,計2問の出題で,これは20年間変わりません。

 
 基本事項からの出題が中心ですから,「テキスト」と「過去問」
で十分対応できます。
 
 
 《借地借家法》をマスターするコツは,自分や家族,知人の問題
として考えてみることです。相談にのるつもりで。

 第三者から建物の明け渡しを迫られている,大家から家賃の値上
げを要求されている,更新が拒絶されそうだ,などなど……。



 《借地借家法》は,条文自体が長く,そのため問題文も長くなる
傾向があって,そのため,面倒くさい,難しいというイメージをも
つ受験者が少なくありません。

 しかし,大声で言いますが,この科目は,「覚えればいいだけ」
の科目です。ほとんど考える必要はありません。

 「知っているか知らないか」「覚えているかいないか」で,明暗
が分かれます。

 知っている人が勝ちです。浅くてもいいですから,広く見渡しま
しょう。

 「狭く深く」よりも,まずは「浅く広く」をこころがけることが
勉強のポイント。


 点の稼ぎどころですから,ぜひとも2問正解できるよう,力を入
れたい科目です。




 ┏━━━┓
 ┃\_/┃ 配信スケジュールのくわしい日程は
 ┗━━━┛
            「 2008/03/01号(通算第18号)」をご覧ください。

  ■ 配信済み/週1回土曜日 ■

 (第1回)3/22号(通算第19号) 権利能力・行為能力等
 (第2回)3/29号(通算第20号) 意思表示
 (第3回)4/05号(通算第21号) 代 理
 (第4回)4/12号(通算第22号) 時 効
 (第5回)4/19号(通算第23号) 物権変動・占有権 
 (第6回)4/26号(通算第24号) 所有権・地上権・地役権
 (第7回)5/03号(通算第25号) 担保物権・抵当権
 (第8回)5/17号(通算第26号) 債務不履行・連帯債務等
 (第9回)5/24号(通算第27号) 債権譲渡・弁済・相殺
 (第10回)5/31号(通算第28号) 危険負担・契約解除ほか
 (第11回)6/14号(通算第29号) 贈与・売買
 (第12回)6/21号(通算第30号) 賃貸借・請負・委任
 (第13回)6/28号(通算第31号) 不法行為・相続
 (今 回)7/05号(通算第32号) 借地借家法

 次回7/12号は,《区分所有法》《不動産登記法》の予定です。



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     http://takken.j-888.com/




◇◆ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 第14回 【権利関係編──借地借家法】


  1 借 地(1)/問題編   同/解答解説編

  2 借 地(2)/問題編   同/解答解説編

  3 借 家(1)/問題編   同/解答解説編

  4 借 家(2)/問題編   同/解答解説編



◇◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━




□■ 1 借 地(1)/問題編 ━━━━━━━━━━━━━━




 以下の問で,正しいものには○,誤っているものには×をつけな
さい。




【問 1】    

 自らが所有している甲土地を有効利用したいAと,同土地上で事
業を行いたいBとの間において,甲土地につき,Bが建物を所有し
て小売業を行う目的で公正証書によらずに存続期間を35年とする
土地の賃貸借契約を締結する場合,約定の期間,当該契約は存続す
る。
 しかし,Bが建物を建築せず駐車場用地として利用する目的で存
続期間を35年として土地の賃貸借契約を締結する場合には,期間
は定めなかったものとみなされる。
                         (18-13-1)




【問 2】

 Aが所有者として登記されている甲土地上に,Bが所有者として
登記されている乙建物があり,CがAから甲土地を購入した。
 この場合に,BがAとの間で期間を定めずに甲土地の借地契約を
締結しているときには,Cは,いつでも正当事由とともに解約を申
し入れて,Bに対して建物を収去して土地を明け渡すよう請求でき
る。
                         (19-13-4)
                    



【問 3】

 Aが所有者として登記されている甲土地上に,Bが所有者として
登記されている乙建物があり,CがAから甲土地を購入した。
 この場合に,BがAとの間で甲土地の借地契約を締結しており,
甲土地購入後に借地権の存続期間が満了した場合であっても,Cは,
Bに対して建物を収去して土地を明け渡すよう請求できない場合が
ある。
                         (19-13-3)




【問 4】  
 
 Aは,平成4年8月,その所有地について,Bに対し,建物の所
有を目的とし存続期間30年の約定で賃借権(その他の特約はない
ものとする。)を設定した。
 この場合,当初の存続期間満了時に建物が存在しており,Bが契
約の更新を請求した場合で,Aがこれに対し遅滞なく異議を述べた
が,その異議に正当の事由がないとき,契約は更新したものとみな
され,更新後の存続期間は30年となる。
                         (10-11-2)




【問 5】 
 
 Aは,平成4年8月,その所有地について,Bに対し,建物の所
有を目的とし存続期間30年の約定で賃借権(その他の特約はない
ものとする。)を設定した。
 この場合,Bが,契約の更新後に,現存する建物を取り壊し,残
存期間を超えて存続すべき建物を新たに築造した場合で,Aの承諾
もそれに代わる裁判所の許可もないとき,Aは,土地の賃貸借の解
約の申入れをすることができる。
                         (10-11-3)




【問 6】

 Aが,Bに,A所有の甲地を建物の所有を目的として賃貸し,B
がその土地上に乙建物を新築し,所有している場合に,Bが,乙建
物につき自己名義の所有権の保存登記をしている場合は,甲地につ
き賃借権の登記をしていないときでも,甲地をAから譲渡され所有
権移転登記を受けたCに対し,甲地の賃借権を対抗できる。
 
                         (15-13-1)




【問 7】      

 Aは,建物所有の目的でBから1筆の土地を賃借し(借地権の登
記はしていない),その土地の上にA単独所有の建物を建築してい
たが,Bは,その土地をCに売却し,所有権移転登記をした。
 この場合,Aがその土地の上に甲及び乙の2棟の建物を所有する
ときは,甲建物にのみA名義の所有権保存登記があれば,乙建物が
未登記であっても,Aは,Cに対して借地権を対抗することができ
る。
                          (11-13-3)




【問 8】

 Aは,建物所有の目的でBから1筆の土地を賃借し(借地権の登
記はしていない),その土地の上にA単独所有の建物を建築してい
たが,Bは,その土地をCに売却し,所有権移転登記をした。
 この場合,Aの建物の登記上の所在の地番が,その土地の地番の
表示と多少相違していても,建物の同一性が種類,構造,床面積等
によって認識できる程度の軽微な相違であれば,Aは,Cに対して
借地権を対抗することができる。
                         (11-13-4) 
 



【問 9】

 Aが,Bに,A所有の甲地を建物の所有を目的として賃貸し,B
がその土地上に乙建物を新築し,所有している場合に,乙建物が滅
失した場合でも,Bが借地借家法に規定する事項を甲地の上の見や
すい場所に掲示したときは,Bは,甲地に賃借権の登記をしていな
くても,滅失のあった日から2年間は,甲地をAから譲渡され所有
権移転登記を受けたDに対し,甲地の賃借権を対抗できる。

                         (15-13-2)




【問 10】 

 Aは,建物の所有を目的としてBから土地を賃借し,建物を建築
して所有しているが,その土地の借地権については登記をしていな
い。
 その土地の所有権がBからCに移転され,所有権移転登記がなさ
れた後に,本件建物が火事により滅失した場合,建物を新たに築造
する旨を本件土地の上の見やすい場所に掲示していれば,Aは,本
件建物について登記していなかったときでも,借地権をCに対抗す
ることができる。
                         (8-13-3)





≡≡≡≡ 1 借 地(1)/解答解説編 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡




【問 1】 ×  [借地権の存続期間]

 建物所有を目的とする土地の賃貸借契約には,借地借家法が適用
され,借地権の存続期間は〈30年〉とされます。


 まず,この〈30年〉をしっかり覚えましょう。

 このくらいの期間なら,安定して土地利用ができますし,建物の
経済的な耐用年数からいっても相当といえるでしょう。

 ただし,〈契約〉でこれより長い期間を定めたときは,契約が優
先し,契約で決めた期間となります。

 つまり「存続期間を35年」と定めたときは,借地権は35年間
存続することになるのです。

 この期間を定めるのに,特に「公正証書」による必要はありませ
ん。


 しかし,「駐車場用地」のように〈建物所有を目的としない〉場
合には,借地借家法は適用されないで,〈民法〉が適用されます。

 民法上の賃貸借期間は最長20年で,契約でこれより長い「35
年」の期間を定めても,〈20年に短縮〉されるのです。

 「期間は定めなかったものとみなされる」のではありません。



☆★ 借地権の内容


               ┏ 地上権=物権
               ┃
 〈建物所有〉を目的とする──┨
               ┃
               ┗ 土地賃借権=債権






【問 2】 ×  [存続期間の定めのない借地権]

 地主Aが,その借地をCに売った場合ですね。

 借地人Bの立場はどうなるのでしょう。

 Bは,その借地上に〈自分の登記建物〉を所有していますから,
第三者に対して,借地権の対抗要件を備えていますが,存続期間を
定めていません。


 借地権の存続期間を定めなかったときは,その存続期間は〈30
年〉に法定されています。

 したがって,地主Aの地位を引き継いだ新地主Cは,たとえ「正
当事由」があっても,〈存続期間内〉は解約申入れによる土地明渡
しを請求することはできません。

 存続期間というのは,借地権のいわば保証期間のようなイメージ
ですね。





【問 3】 ○  [借地権の更新請求]

 借地権者Bは,借地上に〈登記された建物〉を所有していますか
ら,〈借地権〉について第三者に対する対抗要件を備えています。

 これは,必須の基本事項です。

 したがって,Bは,地主Aの法律上の権利義務を承継したCに対
して,〈借地権の存続期間満了後に,借地契約の更新請求ができる〉
ことになるのです。

 Bからの更新請求があれば,Cは正当事由がない限り,これを拒
むことはできず,Bに対し建物収去・土地明渡請求が「できない場
合がある」ということになります。





【問 4】 ×  [借地権の最初の更新期間]

 更新された借地契約は,その後何年続くか,ですね。

 〈当初の存続期間満了時〉に建物が存在し,Bが契約の〈更新請
求〉をした場合で,Aの異議に正当事由がないときは,契約は更新
したものとみなされます。

 この場合の更新期間(最初の更新期間)は,更新日から〈20年
間〉とされます。

 借地人の地位がガッチリ保護されているのが,おわかりですね。





【問 5】 ○  [更新後の建物滅失による解約] 

 〈更新後の期間〉というのは,借地権者にとって,いわばオマケ
で与えてもらった期間といえます。

 〈当初の存続期間内〉での再築とは異なり,この場合にまで建物
の再築を自由に認める必要はないということで,地主の承諾(また
は裁判所の許可)がない限り,残存期間を超えて存続する建物を再
築することはできず,もし再築したら,地主は解約申入れができま
す。

 さすがにそこまで優遇すると,今度は地主に気の毒だということ
で,双方のバランスをとっているのです。


 〈当初〉と〈更新後〉を区別するのがポイントです。





【問 6】 ○  [借地権の対抗要件]

 「借地人は,借地権の登記がなくても,第三者に対抗できるか」
という問題で,何度も出題された基本事項です。


 〈甲地賃借権の登記がない〉ときでも,借地人Bが,〈建物〉に
ついて〈自己名義の所有権保存登記〉をしていれば,甲地の譲受人
Cに対し,甲地賃借権を対抗できます。


 借地人Bが,甲地の譲受人Cに借地権を対抗するためには──

 a 借地権自体を登記しているか,または,

 b 借地人B名義の建物登記,が必要です。

 このどちらかがあれば,借地権を対抗できます。

 借地権の登記がなくても,建物の登記があればいい,というbが
認められている理由はおわかりですね。

 自分の建物であれば,地主の協力がなくても,借地人1人で登記
できるからです。

 〈建物登記〉に借地権の第三者対抗力を与えて,借地人を保護し
たんですね。


 ただし,対抗力が認められるためには,建物登記は,〈借地人自
身の名義〉であることが必要です。

 「配偶者名義」「子供名義」「他人名義」の場合は,対抗力は認
められません。

 建物登記があればいいのであって,実際に居住することは要件で
はありません。





【問 7】 ○  [複数建物と登記]

 借地上に登記した建物1棟が存在すれば,他の建物が未登記であ
っても,土地全部についての借地権を第三者に対抗できます。

 甲建物の隣りに,両親用の乙建物を建てて,親孝行するような場
合などですね。

 まっ,そこまで厳しく登記を要求しなくてもいいんじゃないか,
というのが判例です。




                                                 
【問 8】 ○  [建物の登記と同一性]

 よくあることです。

 借地上の建物登記の地番表示が,錯誤または遺漏により,実際と
「多少相違」していても,建物の「種類,構造,床面積等」の記載
と相まって,その登記の表示全体において〈建物の同一性〉を認識
できるような〈軽微〉な場合には,借地権を第三者に対抗できます。

 実際の物件とは多少とも食い違っているのが,登記の現実なんで
す。





【問 9】 ○  [建物滅失の場合の借地権の対抗要件] 

 「規定する事項を甲地の上の見やすい場所に掲示」というのが,
キーワードです。

 借地権自体の登記ではなく,借地上の〈建物登記〉によって対抗
力を得ている場合は,建物が滅失すれば建物登記は効力を失い,対
抗力も失ってしまいます。

 ただ,この場合には〈特例〉として,借地権者Bが──
 
 a 建物を特定するために必要な事項
 b 滅失のあった日
 c 建物を新たに築造する旨

 の3つの法定事項を〈借地上の見やすい場所に掲示〉しておけば,
滅失の日から〈2年間〉は,第三者Dに対して甲地賃借権を対抗で
きます。

 この〈特例〉は,借地上の〈建物登記〉により,第三者対抗力を
得ている場合にだけ適用されることに注意してください。


* 本試験問題の記述では,Bが,乙建物の登記をしているかどう
か不明ですが,一応,建物登記を得ているものとして「正しい」と
しました。問題文の不備ですね。





【問 10】 ×  [借地権の対抗力──建物滅失の場合]

 「本件建物について登記していなかった」という記述に,「?」
マークが浮かんだ人は,問題文をよく読んでいます。

 長いと,つい読み過ごしてしまうのが本試験の怖さ。


 前問と同じですね。

 借地上の〈建物登記〉により借地権の対抗力を得ていた場合に,
その建物が火災等で〈滅失〉すれば,建物登記は効力を失い,同時
に借地権も対抗力を失うことになりますが──

 この場合でも,借地権者が建物を〈特定するために必要な法定事
項〉を掲示することで,対抗力を保持することができます。

 ただし,この〈特例〉を利用できるのは,あくまで借地上の〈建
物登記〉によって借地権の対抗力を保持していた場合だけなのです。

 火事で滅失した「建物について登記していなかったとき」は,こ
の特例は利用できません。






□■ 2 借 地(2)/問題編 ━━━━━━━━━━━━━━




【問 11】

 自らが所有している甲土地を有効利用したいAと,同土地上で事
業を行いたいBとの間において,甲土地につき,Bが建物を所有し
て小売業を行う目的で存続期間を30年とする土地の賃貸借契約を
締結した。
 この期間の途中で,Aが甲土地をCに売却してCが所有権移転登
記を備えた場合,当該契約が公正証書でなされていても,BはCに
対して賃借権を対抗することができない場合がある。
                    
                         (18-13-4)




【問 12】

 Aが,平成10年8月,Bに土地を賃貸し,Bがその土地上に建物
を所有している場合に,Bが適法にAに建物買取請求権を行使する
と,その所有権は直ちにBからAに移転するが,BはAが代金を支
払うまで,建物の引渡しを拒むことができる。
                         (14-13-4)
 



【問 13】

 Aが,平成10年8月,Bに土地を賃貸し,Bがその土地上に建物
を所有している場合に,BがAの承諾を得て土地をCに転貸し,建
物を譲渡したときは,AB間,BC間の契約が,ともに期間満了し
更新がなければ,CはAに対し直接建物買取請求権を有する。
                 
                         (14-13-3)




【問 14】 

 Aが,Bの所有地を賃借して木造の家屋を所有し,これに居住し
ている場合で,「土地の使用は木造3階建の家屋に限る」旨の借地
条件があるとき,借地借家法に定める要件に該当すれば,Aは裁判
所に対して借地条件の変更の申立てができるが,Bは申立てができ
ない。
                         (9-11-1)




【問 15】 

 Aが,Bの所有地を賃借して木造の家屋を所有し,これに居住し
ている場合で,増改築禁止の借地条件がある場合に,土地の通常の
利用上相当とすべき改築についてBの承諾に代わる許可の裁判をす
るときでも,裁判所は,借地権の存続期間の延長まですることはで
きない。
                         (9-11-2)




【問  16】

 借地人Aが,平成15年9月1日に甲地所有者Bと締結した甲地賃
貸借契約に基づいてAが甲地上に所有している建物と甲地の借地権
とを第三者Cに譲渡した。
 このとき,AB間の借地契約が専ら事業の用に供する建物(居住
の用に供するものを除く)の所有を目的とし,かつ,存続期間を2
0年とする場合には,AはBの承諾の有無にかかわらず,借地権を
Cに対して譲渡することができ,CはBに対して甲地の借地権を主
張できる。
                         (17-13-4)
 



【問 17】

 借地人Aが,平成15年9月1日に甲地所有者Bと締結した甲地賃
貸借契約に基づいてAが甲地上に所有している建物と甲地の借地権
とを第三者Cに譲渡した。
 このとき,Aが借地権をCに対して譲渡するに当たり,Bに不利
になるおそれがないにもかかわらず,Bが借地権の譲渡を承諾しな
い場合には,AはBの承諾に代わる許可を与えるように裁判所に申
し立てることができる。
                         (17-13-2)




【問 18】  

 Aが,平成10年8月,Bに土地を賃貸し,Bがその土地上に建物
を所有している場合に,AB間の借地契約が,公正証書により10
年の事業専用の目的で締結された場合には,Bは建物買取請求権を
有しない。
                         (14-13-1)




【問 19】  

 Aを賃借人,Bを賃貸人としてB所有の土地に建物譲渡特約付借
地権を設定する契約(その設定後30年を経過した日に借地上の建
物の所有権がAからBに移転する旨の特約が付いているものとする)
を締結する場合に,本件契約における建物譲渡の特約は,必ずしも
公正証書によって締結する必要はない。
                          (12-11-1)




【問 20】

 Aを賃借人,Bを賃貸人としてB所有の土地に建物譲渡特約付借
地権を設定する契約(その設定後30年を経過した日に借地上の建
物の所有権がAからBに移転する旨の特約が付いているものとする)
を締結した場合で,建物譲渡によりAの借地権が消滅した場合,A
がその建物に居住しているときは,Aは,直ちに,Bに対して建物
を明け渡さなければならず,賃借の継続を請求することはできない。
 
                          (12-11-3)





≡≡≡≡ 2 借 地(2)/解答解説編 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡




【問 11】 ○  [借地権の対抗要件]

 「小売業を行う目的で存続期間を30年とする」とうのは,専ら
事業用建物(居住用に供するものを除く)を所有目的とし,かつ,
存続期間を30年以上として設定する事業用定期借地権ですね。

 事業用定期借地権を目的とする借地契約は,〈公正証書〉でしな
ければなりませんが,このことと,借地権の第三者対抗要件の有無
とは無関係です。

 借地権を対抗するためには,〈借地権〉自体を登記しているか,
または,借地人名義の建物登記が必要です。

 このどちらもない場合,Bは借地権をCに対抗できません。

 借地権の対抗要件を押さえておけば,公正証書という用語に惑わ
されることはないはずです。




                                                  
【問 12】 ○  [建物買取請求権の性質]

 建物買取請求権は,「請求権」とあっても,実質は形成権です。

 つまり,請求の意思表示をするだけで,相手方の意思とは無関係
に法律効果が発生するのです。

 借地権者Bにより建物買取請求権が行使されると,それだけで建
物の所有権は地主Aに移転することになります。

 ただし,この場合でも,Bの建物引渡義務と,Aの代金支払義務
とは〈同時履行の関係〉にあり,Bは,代金支払いがあるまで建物
の引渡しを拒むことができます。


* 判例は,借地契約の終了原因が,借地人Bの〈債務不履行〉,
たとえば,地代の滞納などに基づく契約解除である場合には,Bは
建物買取請求権を有しないとしています。

 チェックしておきましょう。





【問 13】 ○  [転借地権者の建物買取請求権]

 建物買取請求権は,借地権の存続期間が満了した場合で〈契約更
新がないとき〉に,借地権者が,建物および土地付属物を時価で買
い取るよう,借地権設定者に請求できるものです。

 この建物買取請求権は,転借地権者Cも有しています。

 そもそも,どうして建物買取請求権が認められているか,おわか
りですね。





【問 14】 ×  [借地条件変更の申立当事者]

 借地契約を締結しても,その後,地価の下落・上昇など借地をめ
ぐる経済事情は変化していきます。

 それに備えての規定ですね。


 建物の種類・構造・用途制限などの借地条件がある場合に,事情
の変更により,現在の借地条件と異なる建物の所有を目的とするこ
とが相当であるのに,借地条件の変更につき当事者間に協議が調わ
ないときは,裁判所は,〈当事者〉の申立てにより,その借地条件
を変更することができます。

 申立ができるのは当事者,つまり借地権者Aと借地権設定者Bで
す。

 双方が利害関係の当事者ですから,これは当然でしょう。





【問 15】 ×  [裁判所による他の借地条件の変更]

 裁判所は,増改築の問題を越えて,借地権の存続期間まで踏み込
んでもいいのでしょうか。


 これについては,裁判所は,借地条件変更の裁判をする場合に,
当事者間の〈利益の衡平を図る〉ため必要があるときは,〈申立と
は異なる他の借地条件を変更〉したり,財産上の給付(立退き料等)
を命じるなど,相当の処分ができるとされています。

 つまり,借地権の「存続期間の延長」も〈他の借地条件の変更〉
に含まれるのです。





【問 16】 ×  [事業用借地権の譲渡・転貸]

 「AはBの承諾の有無にかかわらず」が「?」ですね。


 〈事業用建物〉を所有目的とする「存続期間20年」(10年以
上30年未満)の借地契約は,定期借地権の一種である事業用定期
借地権です。

 事業用定期借地権でも,その譲渡には,普通借地権と同じように,
地主Bの承諾が必要です。

 承諾がなければ,借地権の譲受人Cは,Bに対して甲地の借地権
を主張できません。





【問 17】 ○  [承諾に代わる許可の裁判]

 記述のとおりです。

 借地権者Aが,借地権の目的である土地上の建物を第三者Cに譲
渡する場合に,Cが賃借権を取得または転借しても,借地権設定者
Bに〈不利となるおそれがない〉にもかかわらず,Bが承諾しない
ときは,裁判所は,Aの申立てにより,Bの〈承諾に代わる許可〉
を与えることができます。





【問 18】 ○  [事業用定期借地権と建物買取請求権]

 事業用定期借地権は,事業という限定された目的で土地を借りる
のですから,一般の借地権や一般の定期借地権とは,当然に異なる
扱いがされます。

 したがって,事業用定期借地権には,借地権の更新や存続期間,
あるいは建物買取請求権など,借地借家法の一部の規定は適用され
ないのです。

 つまり,借地権者Bには,建物買取請求権はありません。



☆☆★ 法改正 ☆☆★


 平成19年12月21日に,事業用借地権の〈存続期間〉に関す
る法改正が行われ,平成20年「1月1日」から施行されています。

 今年の宅建試験概要によれば,出題の根拠となる法令は,平成2
0年「4月1日」現在で施行されているものとされていますから,
当然この改正は,試験範囲に入っています。


 さて,改正法は,従来の「10年以上20年以下」を「10年以
上50年未満」としました。

 *23条の規定では,「30年以上50年未満」(1項)と,「10年以
上30年未満」(2項)となっています。

 これにより,事業専用の建物所有を目的とする定期借地権の期間
は,10年以上であれば,上限は実質無制限となります。

 50年以上の期間を定めたいときは,存続期間を50年以上とす
る一般定期借地権を利用することができるからです。


 また,「事業用借地権」という用語も,「事業用定期借地権」に
変更されています。





【問 19】 ○  [建物譲渡特約付借地権]

 「公正証書」だったか,「公正証書等書面」だったか,あるいは,
そもそも書面が必要だっけ? という迷いは,かならず解決してお
きましょう。

 結構これで1点を損したりしますから。


 建物譲渡の特約は,公正証書によって締結する必要はありません。

 それどころか書面によることすら要求されていないのです。


 建物譲渡特約を締結した場合には,将来の所有権移転請求権保全
のための〈仮登記〉がなされるため,その必要性がないからです。





【問 20】 ×  [建物譲渡特約付借地権の更新] 

 建物譲渡特約により「借地権が消滅」した場合でも,借地権者A
は,〈建物〉賃借の継続を請求できます。

 借地権が消滅した後は,新しく建物賃貸借を認めるのが,双方に
とり便宜だからです。

 つまり,借地権消滅後も建物の使用(居住)を継続している借地
権者Aが請求したときは,請求の時に,Aと地主Bとの間で,その
〈建物〉につき,〈期間の定めのない賃貸借〉がされたものとみな
されるのです。


 なお,これは建物賃借人についても認められており,借地権消滅
後も居住している建物賃借人が,地主に賃借の継続を請求したとき
は,原則として〈期間の定めのない建物賃貸借〉がされたものとみ
なされます。

 もちろん,建物賃借人を保護するためです。






□■ 3 借 家(1)/問題編 ━━━━━━━━━━━━━━




【問 21】 

 Aが,B所有の建物を賃借している場合において,Aが建物を第
三者に転貸しようとする場合に,その転貸によりBに不利となるお
それがないにもかかわらず,Bが承諾を与えないときは,裁判所は,
Aの申立てにより,Bの承諾に代わる許可を与えることができる。

                         (12-12-2)




【問 22】 

 期間の定めのある建物賃貸借契約において,賃貸人が,期間満了
の10月前に更新しない旨の通知を出したときで,その通知に借地
借家法第28条に定める正当事由がある場合は,期間満了後,賃借
人が使用を継続していることについて,賃貸人が異議を述べなくて
も,契約は期間満了により終了する。
                         (14-14-2)




【問 23】 

 Aが,Bに対し期間2年と定めて賃貸した建物を,BはCに対し
期間を定めずに転貸し,Aはこれを承諾した。
 この場合,AがBに対する更新拒絶の通知をしたときでも,期間
満了後Cが建物の使用を継続し,Aがこれに対して遅滞なく異議を
述べないと,AB間の契約は更新される。
                         (10-12-1)




【問 24】 

 賃貸人Aと賃借人Bとの間の居住用建物の賃貸借契約において,
「Aは,Bが建物に造作を付加することに同意するが,Bは,賃貸
借の終了時に,Aに対してその造作の買取りを請求しない」旨の特
約は有効である。
                         (11-14-1)




【問 25】 

 Aが,Bに対し期間2年と定めて賃貸した建物を,BはCに対し
期間を定めずに転貸し,Aはこれを承諾した。
 この場合,AB間の賃貸借が期間の満了によって終了するときも,
AがCに対してその旨の通知をした日から6月を経過しないと,建
物の転貸借は終了しない。
                         (10-12-4)
                                                       



【問 26】 

 賃貸人Aと賃借人Bとの間の居住用建物の賃貸借契約において,
Bが死亡した場合で,その当時Bの相続人でない事実上の配偶者C
がこの建物で同居していたとき,Cは,当該建物の賃借権に限って
は,相続人に優先してBの賃借人としての地位を承継する。
  
                         (11-14-2)




【問 27】 

 期間の定めのある建物賃貸借契約において,賃貸人が,期間満了
の1年前から6月前までの間に,更新しない旨の通知を出すのを失
念したときは,賃貸人に借地借家法第28条に定める正当事由があ
る場合でも,賃貸借契約は期間満了により終了しない。
                         (14-14-1)




【問 28】 

 期間の定めのある建物賃貸借契約が法定更新された場合,その後
の契約は従前と同一条件となり,従前と同一の期間の定めのある賃
貸借契約となる。
                         (14-14-3)




【問 29】 

 動産の賃貸借契約と建物の賃貸借契約(借地借家法第38条に規定
する定期建物賃貸借,同法第39条に規定する取壊し予定の建物の賃
貸借及び同法第40条に規定する一時使用目的の建物の賃貸借を除く)
において,動産の賃貸借契約は,賃貸人と賃借人が合意して契約期
間を6月と定めればそのとおりの効力を有するが,建物の賃貸借契
約は,賃貸人と賃借人が合意して契約期間を6月と定めても期間を
定めていない契約とみなされる。
                         (17-15-3)




【問 30】 

 AはBとの間で,平成16年4月に,BがCから借りている土地上
のB所有の建物について賃貸借契約(期間2年)を締結し引渡しを
受け,債務不履行をすることなく占有使用を継続している。
 この場合に,借地権の期間満了に伴い,Bが建物買取請求権を適
法に行使した場合,Aは,建物の賃貸借契約を建物の新たな所有者
Cに対抗できる。
                         (18-14-2)





≡≡≡≡ 3 借 家(1)/解答解説編 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡




【問 21】 ×  [承諾に代わる許可]

 初心者の人がよく誤解するのですが,〈借地〉の転貸については,
記述のような賃貸人の〈承諾に代わる許可〉の制度があるのですが,
〈借家〉についてはこのような制度はありません。


 〈借地〉の場合には,賃貸人の承諾を得られないと,賃借人は自
分の〈建物の利用が制限される〉ことになってしまい,投下資金の
回収に困ります。

 しかし,〈借家〉の場合には,賃借人が自己使用する必要がなく
なれば,転貸するまでもなく,家主に返還すればよいだけの話なの
です。





【問 22】 ×  [賃貸借の更新──賃借人の継続使用]

 たとえ賃貸人が,〈更新拒絶の通知〉をしたときでも,また〈正
当事由〉があっても,期間満了後,賃借人が使用継続していること
について,遅滞なく異議を述べないときは,契約を更新したものと
みなされます。

 そのまま使用しているのに,〈遅滞なく異議〉を述べないのは,
暗黙の更新があるとみられてもやむを得ないということでしょう。

 使用継続には強い更新力があるのです。


 なお,使用継続の更新力は,〈借地〉の場合も認められていまし
たね。





【問 23】 ○  [賃貸借の更新──転借人の使用継続]

 建物の〈転貸借〉がされている場合,転借人の建物使用継続は,
賃借人の使用継続とみなされます。

 たとえ,賃貸人Aが賃借人Bに〈更新拒絶の通知〉をしたときで
も,〈期間満了後〉転借人Cが建物を使用継続しているときは,C
に対して遅滞なく異議を述べないと,AB間の賃貸借は更新される
ことになるのです。

 前問と同じく,そのまま使用しているのに,直ちに異議を述べな
いのは,暗黙の更新があるとみられるのです。





【問 24】 ○  [造作買取請求権]

 建物賃借人の〈造作買取請求権〉に関する規定は任意規定ですか
ら,当事者間の特約で,この規定と異なる定めをしても問題はあり
ません。

 つまり,造作買取請求権を認めない特約は有効なのです。

 畳や建具などの造作は,一般的にそれほど高価なものではありま
せんから,建物賃借人を保護するための強行規定とはしなかったの
です。


 借地権者・転借地権者の〈建物買取請求権〉が強行規定とされて
いるのと対照的ですね。



☆☆★ 区別しておこう

・土地賃貸借(借地権)の終了時 ⇒ 建物買取請求権(強行規定)

・建物賃貸借(借家権)の終了時 ⇒ 造作買取請求権(任意規定)





【問 25】 ○  [転貸借の終了時期]

 賃貸人Aが,転借人Cに対して,賃貸借の期間満了または解約申
入れによって終了する旨の通知をした場合には,その通知の日から
6ヵ月を経過することによって転貸借は終了します。





【問 26】 ×  [居住用建物の賃貸借の承継]

 これについては,借地借家法は特別の規定をおいています。

 居住用建物では,内縁の配偶者等による借家権の承継は,〈相続
人がいない場合〉にだけ認められます。

 相続人がある場合には,借家権も財産権の一つとして,相続法に
従い相続人が相続しますから,そもそも事実上の配偶者Cが「相続
人に優先して」借家権を承継することはありえないのです。





【問 27】 ○  [建物賃貸借の更新──通知]

 期間の定めのある建物賃貸借では,賃貸人が,期間満了の1年前
から6ヵ月前までの間に,更新しない旨の通知をしないときは,契
約を更新したものとみなされます(従前の契約と同一条件で)。

 更新しない旨の通知がない以上,たとえ正当事由があっても,契
約は終了しません。





【問 28】 ×  [法定更新の期間]

 期間の定めのある契約が法定更新された場合,その後の契約は,
「従前と同一条件」となりますが,期間については,〈定めがない
ものとする〉とされています。

 〈期間〉についてだけは,従前と同一ではないという点に注意し
てください。





【問 29】 ○  [契約期間]

 「動産」賃貸借の場合には,期間は当事者の合意で自由に定める
ことができます。

 しかし「建物」賃貸借の場合には,借地借家法が特別な規定をお
き,「契約期間を6月」というように〈1年未満〉の期間を定めた
ときは,〈期間の定めがない〉賃貸借とみなしています。

 建物の賃貸借で,期間が1年未満というのは,通常はありません
から(更新は2年ごとが普通でしょう),ここは賃借人の利益を考
えて,期間の定めがないものとみなしたのです。





【問 30】 ○  [建物賃貸借の対抗要件──建物引渡し]

 建物賃貸借は,その登記がなくても,〈建物の引渡し〉があれば,
その後,建物の物権を取得した者に対して対抗することができます。

 建物賃借人Aは,すでに建物の引渡しを受けていますから対抗要
件を備えており,建物の新所有者Cに対抗できるのです。

 なお,建物の引渡しがあれば,賃借人が自ら居住(自己占有)せ
ずに,第三者に転貸し居住(間接占有)させているときでも,建物
賃借権は対抗力を有します。






□■ 4 借 家(2)/問題編 ━━━━━━━━━━━━━━




【問 31】 

 賃貸人A(個人)と賃借人B(個人)との間の居住用建物の賃貸
借契約において,AB間で,3年間は家賃を減額しない旨特に書面
で合意した場合,その特約は効力を有しない。
                         (13-13-4) 




【問 32】 

 家屋の賃貸人Aと賃借人Bの間の家賃について,一定期間家賃を
増額しない旨の特約がある場合でも,その期間内に,建物の価格の
上昇その他の経済事情の変動により家賃が不相当に低額となったと
きは,Aは,Bに対し将来に向かって家賃の増額を請求することが
できる。
                         (9-12-2)




【問 33】 

 貸主A及び借主B間の建物賃貸借契約において,Aが賃料増額請
求権を行使してAB間に協議が調わない場合,BはAの請求額を支
払わなければならないが,賃料増額の裁判で正当とされた賃料額を
既払額が超えるときは,Aは超過額に年1割の利息を付してBに返
還しなければならない。
                         (16-14-4)
 



【問 34】 

 AはBとの間で,平成16年4月に,BがCから借りている土地上
のB所有の建物について賃貸借契約(期間2年)を締結し引渡しを
受け,債務不履行をすることなく占有使用を継続している。
 この場合に,Bが,Cの承諾を得ることなくAに対して借地上の
建物を賃貸し,それに伴い敷地であるその借地の利用を許容してい
る場合でも,Cとの関係において,借地の無断転貸借とはならない。

                         (18-14-1)




【問 35】 

 Aが,Bに対し期間2年と定めて賃貸した建物を,BはCに対し
期間を定めずに転貸し,Aはこれを承諾した。
 この場合,CがAの同意を得て建物に付加した造作は,期間の満
了によって建物の賃貸借が終了するとき,CからAに対し買取りを
請求することができる。
                         (10-12-3)




【問 36】 

 Aが,B所有の建物を賃借し,その建物の転貸借がされている場
合(転借人C)において,AB間の賃貸借が正当の事由があり期間
の満了によって終了するときは,Bは,Cにその旨通知しないと,
Aに対しても,契約の終了を主張することができない。

                         (12-12-3)




【問 37】 

 Aが,B所有の建物を賃借している場合に,Bの建物がDからの
借地上にあり,Bの借地権の存続期間の満了によりAが土地を明け
渡すべきときは,Aが期間満了をその1年前までに知らなかった場
合に限り,Aは,裁判所に対し土地の明渡しの猶予を請求すること
ができる。
                         (12-12-4)                    



【問 38】 

 平成15年10月に新規に締結しようとしている,契約期間が2年で,
更新がないこととする旨を定める定期借家契約は,公正証書によっ
てしなければ,効力を生じない。
                         (15-14-2)




【問 39】 

 契約期間が2年で更新がないこととする旨を定める定期借家契約
を適法に締結した場合,賃貸人は,期間満了日1ヵ月前までに期間
満了により契約が終了する旨通知すれば,その終了を賃借人に対抗
できる。
                         (15-14-4)
                                                   



【問 40】 

 AはBに対し甲建物を月20万円で賃貸し,Bは,Aの承諾を得た
うえで,甲建物の一部をCに対し月10万円で転貸している。
 この場合,AB間で賃貸借契約を合意解除しても,転借人Cに不
信な行為があるなどの特段の事情がない限り,賃貸人Aは,転借人
Cに対し明渡しを請求することはできない。
                         (16-13-3)




【問 41】 

 借地借家法第38条の定期建物賃貸借(以下この問において「定
期建物賃貸借」という)と同法第40条の一時使用目的の建物の賃
貸借(以下この問において「一時使用賃貸借」という)の場合,定
期建物賃貸借契約は契約期間中は賃借人から中途解約を申し入れる
ことはできないが,一時使用賃貸借契約は契約期間中はいつでも賃
借人から中途解約を申し入れることができる。
                         (19-14-3)




【問 42】 

 賃貸人Aと賃借人Bとの間の居住用建物の賃貸借契約において,
この建物が,その敷地の売却に伴い2年後に取り壊されることが明
らかな場合に,「建物を取り壊すこととなる時に賃貸借が終了する」
旨の特約をAB間の賃貸借契約に定めるときは,公正証書によって
しなければならない。
                         (11-14-3)





≡≡≡≡ 4 借 家(2)/解答解説編 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡




【問 31】 ○  [増減請求の自由とその制限]

 その後の経済事情の変化から,家賃が高いと判断されるようにな
ったとき,賃借人は「家賃を減額しない」旨の特約に拘束されるの
でしょうか。

 借地人・借家人を強く保護してきた借地借家法の趣旨を思い出し
ましょう。


 「減額しない旨の特約」(契約条件)を「書面で」定めても,賃
借人Bは,減額請求をすることができます。

 つまり,「その特約は効力を有しない」のです。





【問 32】 ×  [借賃増額請求権──賃貸人の場合]

 賃貸人の場合はどうでしょうか。「家賃を増額しない」旨の特約
に拘束されるのでしょうか。

 家賃を請求する側が「増額しない」といっているのですから,賃
貸人は,この特約に拘束されるのです。

 家賃が不相当に低額となったときでも,Aは家賃の増額を請求す
ることはできません。

 つまり,〈借家人に有利〉な減額請求は,増減しない旨の特約の
有無にかかわらずできますが,〈借家人に不利〉な増額請求は,こ
の特約があればできなくなるのです。

 借家人保護が徹底されているのですね。




                                                   
【問 33】 ×  [増額請求があった場合]

 賃貸人Aからの増額請求があり,当事者の協議が調わないときは,
賃借人Bは,自分が〈相当と認める額〉を支払えばいいのです。

 「請求額を支払わなければならない」わけではありません。


 なお,賃料の額について協議が調わないときは,裁判が確定する
までの間は,賃貸人は自分が〈相当と認める額〉を請求でき,また,
賃借人は自分が〈相当と認める額〉を支払えばよいことになってい
ます。





【問 34】 ○  [借地上の建物賃貸借]

 これも,初心者の多くの人が誤解するところですが,借地上の建
物を第三者に〈賃貸〉しても,借地権の譲渡・転貸とはなりません。

 借地上の建物は借地権者Bの所有物であり,Bが自分で使おうと
他人に貸そうと自由なのです。

 別に,Cの承諾がなくても無断転貸となることはありません。

 建物を〈譲渡〉するときに,〈借地権譲渡〉に関するCの承諾の
有無が問題となるのです。

 くれぐれも,建物譲渡と建物貸借を混同しないように。





【問 35】 ○  [転借人の造作買取請求権]

 建物の適法な転貸借がある場合,賃貸人に対する造作買取請求権
は,転借人にも認められています。





【問 36】 ×  [建物賃貸借終了時の転借人の保護]

 建物の転貸借がされている場合に,転貸借の前提となっている賃
貸借契約が期間満了や解約申入れによって終了するときは,賃貸人
Bは,〈転借人〉Cにその通知をしなければ,賃貸借終了をCに対
抗することができません。

 しかし,賃借人Aに対しては,Cへの通知がなくても期間満了に
よる賃貸借の終了を対抗できます。




                            
【問 37】 ○  [借地上の建物賃借人の保護]

 借地権の存続期間の満了によって借地契約が終了する場合には,
建物賃借人Aが,期間満了を〈その1年前までに知らなかった場合
に限り〉,Aの請求により,裁判所が,土地明渡しについて1年未
満の範囲で〈相当の期限を許与〉する制度があります。

 もちろん,善意の建物賃借人に立退きの時間を与えるためです。


 ただし,借地人Bの〈債務不履行〉による契約解除の場合には,
このような猶予措置はありません。





【問 38】 ×  [定期建物賃貸借の書面性]

 定期借家契約は,〈公正証書等の書面〉によって契約するときに
限り,〈契約の更新がない〉こととする旨の効力が認められます。

 「公正証書」だけに限定されるわけではなく,書面であればいい
のです。


 なお,定期建物賃貸借をする場合には,賃貸人に〈書面交付によ
る説明義務〉が課せられています。
 
 これは,一般の人は,定期建物賃貸借契約だといっても何のこと
だかわかりませんから,契約で定めた期間が満了すれば賃貸借契約
は終了し〈更新できない〉ということを前もって知らせておく必要
があるからです。





【問 39】 ×  [終了通知の期間]

 期間〈1年以上〉の定期借家契約の場合,賃貸人は,期間満了の
〈1年前から6ヵ月前〉までの通知期間に,賃借人に対し期間満了
により賃貸借が終了する旨の〈通知〉をしなければ,その終了を賃
借人に対抗できません。

 「1ヵ月前」に通知されても,賃借人は新しい住居を探す十分な
時間はありません。これでは遅いのです。

 6ヵ月は必要でしょう。





【問 40】 ○  [賃貸借の合意解除と転借人の保護] 

 この記述は,判例の見解です。

 〈適法な転貸借〉がある場合に,その前提となっている賃貸借契
約を合意解除しても,〈転借人に不信な行為があるなどの特段の事
情がない限り〉,賃貸人は,転借人に対し明渡しを請求できません。

 Cは,承諾のある適法な転貸借をしているのに,AとBの合意だ
けで,転貸借を終了させられることになると,いつ追い出されるか
わからないという不利な立場に立たされるからです。

 A・Bよりも,Cの立場を保護すべきではないでしょうか。





【問 41】 ×  [定期建物賃貸借の中途解約]

 定期建物賃貸借であっても,居住用建物で〈一定事由〉がある場
合には,〈賃借人〉のほうから中途解約を申し入れることができま
す。

 一定事由というのは,

 (1) 床面積200平方メートル未満の場合で,

 (2) 転勤,療養,親族の介護その他やむを得ない事情により,賃
  借人が建物を自己の生活の本拠として使用することが困難とな
  った ときです。
 
 これに対して,一時使用賃貸借の場合は,一時使用という契約の
性質上,特約がない限り,期間中は賃借人から中途解約の申入れは
できません。





【問 42】 ×  [取壊し予定建物の賃貸借]

 「公正証書」ではなく[書面」が正しいのです。

 まぎらわしいので要注意。

 取り壊し予定建物の賃貸借をするときは,建物を取り壊すべき事
由を記載した〈書面〉ですればよく,公正証書による必要はありま
せん。


 公正証書は,法律の専門家である公証人が公証人法・民法などの
法律に従って作成する公文書ですが,取り壊し予定が客観的に明確
にわかればいいのですから,公正証書まで要求する必要はないでし
ょう。







 お疲れさまでした。今回はここまでです。






□ ご意見・ご要望について ■  ━━━━━━━━━━━━━━━


 解説は,できるだけ初心者の人にわかりやすく書いたつもりです
が,読む人によってはよくわからない記述があるかもしれません。

 そんなときは,遠慮しないで質問してください。

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