メルマガで完全マスター! 宅建過去問一問一答
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○●○ メルマガで完全マスター! 宅建過去問一問一答 ○●○
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【2008年第17号】2008/06/21(通算第30号) 【創刊 2007/07/01】
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こんにちは,宅建キャリア協会メルマガ担当の井上成人です。
先週,メルマガの配信予約をした次の日に,岩手・宮城内陸地震
がありました。
昨年の今頃は,新潟中越沖地震もありましたし。
予想していない地域に起きていますね。
東京・埼玉では,その翌14日に,東京メトロ副都心線が開通し
て,埼玉の所沢から渋谷まで,乗り換えなしの直通です。
新宿に用事があって乗ってみたのですが,新宿伊勢丹まで45分
くらいでしたから,少し感動しました。
新宿3丁目駅で降りて,10分も歩かないうちに,伊勢丹のデパ
地下にいましたからね〜。やはり混雑してました。
さてと,今回は,《賃貸借》《請負》《委任》です。
平成1年から19年までの出題数は,
《賃貸借》 11問(借地借家法含む)
《請負》 4問
《委任》 4問 となっています。
《賃貸借》は,前回の《売買》と並んで,契約ではよく出題され
るところです。
今年も要注意でしょう。
┏━━━┓
┃\_/┃ 配信スケジュールのくわしい日程は
┗━━━┛
「 2008/03/01号(通算第18号)」をご覧ください。
■ 配信済み/週1回土曜日 ■
(第1回)3/22号(通算第19号) 権利能力・行為能力等
(第2回)3/29号(通算第20号) 意思表示
(第3回)4/05号(通算第21号) 代 理
(第4回)4/12号(通算第22号) 時 効
(第5回)4/19号(通算第23号) 物権変動・占有権
(第6回)4/26号(通算第24号) 所有権・地上権・地役権
(第7回)5/03号(通算第25号) 担保物権・抵当権
(第8回)5/17号(通算第26号) 債務不履行・連帯債務等
(第9回)5/24号(通算第27号) 債権譲渡・弁済・相殺
(第10回)5/31号(通算第28号) 危険負担・契約解除ほか
(第11回)6/14号(通算第29号) 贈与・売買
(今 回)6/21号(通算第30号) 賃貸借・請負・委任
第13回6/28号は,《不法行為》《相続》の予定です。
次の第13回で,長かった民法は終了で〜す ♪♪ ふう。
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◇◆ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第12回 【権利関係編──民法(賃貸借・請負・委任)】
1 賃貸借(1)/問題編 同/解答解説編
2 賃貸借(2)/問題編 同/解答解説編
3 請 負/問題編 同/解答解説編
4 委 任/問題編 同/解答解説編
◇◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□■ 1 賃貸借(1)/問題編 ━━━━━━━━━━━━━━
【問 1】
Aは自己所有の建物をBに賃貸したが,建物が老朽化してきたた
め,Aは建物の保存のために必要な修繕をしたいと考えている。
この場合,BはAの修繕行為を拒むことはできない。
(62-7-2)
【問 2】
Aは自己所有の建物をBに賃貸したが,建物が老朽化してきたた
め,BはAの負担すべき必要費を支出して建物の修繕をした。
この場合,Bは当該賃貸借契約の終了後でなければ,修繕に要し
た費用の償還を請求することはできない。
(62-7-1)
【問 3】
Aは自己所有の建物をBに賃貸したが,Bは建物の賃借権をAの
承諾を得て第三者Cに譲渡した。
この場合,Aは賃借権の譲渡後に発生した家賃については,Bに
対し請求することはできない。
(62-7-3)
【問 4】
Aは自己所有の建物をBに賃貸したが,AB間で約定された賃料
は,月8万円であった。Bは,当該建物を第三者Cに月10万円で転
貸し,転貸につきAの承諾も得た。
この場合,Aが直接Cに対し8万円を賃料として支払うよう請求
したときは,Cはこれを拒むことはできない。
(62-7-4)
【問 5】
AがB所有の建物について賃貸借契約を締結し,引渡しを受けた
場合で,AがEに対して賃借権の譲渡を行うときのBの承諾は,A
に対するものでも,Eに対するものでも有効である。
(18-10-3)
【問 6】
AがBの所有地を賃借して,建物を建てその登記をしている場合
で,Bがその土地をCに譲渡する場合には,賃貸人の義務の移転を
伴うから,Bは,その譲渡についてAの承諾を必要とする。
(7-7-1)
【問 7】
AがBの所有地を賃借して,建物を建てその登記をしている場合
で,EがBからその土地の譲渡を受けた場合には,Eは,登記を移
転していなくても賃貸人たる地位の取得をAに対抗することができ
る。
(7-7-3)
【問 8】
AがBの所有地を賃借して,建物を建てその登記をしている場合
で,Aがその建物をDに譲渡する場合には,特別の事情のない限り,
Aは,Dに対する敷地の賃借権譲渡についてBの承諾を得る必要が
ある。
(7-7-2)
【問 9】
AがBの所有地を賃借して,建物を建てその登記をしている場合
で,FがAからその建物を賃借する場合には,特別の事情のない限
り,Fは,その賃借についてBの承諾を得なければならない。
(7-7-4)
【問 10】
AはBから建物を賃借し,Bの承諾を得て,当該建物をCに転貸
している。Aの支払うべき賃料の額は,Cの支払うべき転借料の額
より小さいものとする。
この場合,Cは,Bから請求があれば,CがAに支払うべき転借
料全額を直接Bに支払うべき義務を負う。
(10-6-2)
≡≡≡≡ 1 賃貸借(1)/解答解説編 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡
【問 1】 ○ [賃貸人の保存行為]
常識的に考えてみましょう。
老朽化対策として,どうしても必要な修繕をしなければならない
状態なのに,借家人はそれを嫌だといえるのでしょうか。
さすがに,これは言えないでしょう。
家主は,借家人が安心して借家に住めるようにしようとしている
のですからね。それに,借家は家主の財産でもあるわけです。
以上を,民法上の表現でいうと,こうなります。
「賃貸人Aが,建物の保存のために必要な修繕をしようとする場
合,賃借人Bは,これを拒むことはできない。
もともと賃貸人は,賃貸物の使用・収益に必要な修繕をする契約
上の義務を負っているからだ」というふに難しい表現になるのです。
* 法律は「論理性」がいのちですから,どうしても厳密な,し
たがって,難しい表現になるのです。これはいわば宿命なんですね。
【問 2】 × [賃借人の費用償還請求権]
これも常識を働かせて考えてみたいものですね。
建物の保存に必要な修繕は,本来,家主Aがしなければいけない
のに,借家人Bが,わざわざ費用を出して修繕したわけですから,
その費用は,Aが〈すぐにも〉支払わなければならないと思いませ
んか。
契約の終了まで,たとえば数年後まで,待たなければいけないの
でしょうか。
それはありませんよね。
Aは,さっさと,つまり〈直ちに〉その費用をBに償還すべきで
しょう。
「賃借人Bが,賃貸人Aの負担すべき必要費を支出して建物の修
繕をした場合は,Bは〈直ちに〉修繕費用の償還を請求することが
できる」のです。
【問 3】 ○ [賃借権の譲渡]
これも,常識的に考えればやさしいでしょう。
借家人Bは,家主の了解を得て,自分の賃借権をCに売り渡した
のですから,Aとの契約から「さよなら」したのです。
で,新しくCが借家人となったのですから,家賃はCが払うのは
当然でしょう。
もう借家人ではないBに,家賃を請求するなんて考えられません
でしょ。
「賃借権が適法に譲渡されると,賃借人Bの地位は譲受人Cに移
転し,Bは賃貸借関係から離脱し,その後,新しい賃貸借関係が,
AC間で存続することになります。
したがって,Aは,その譲渡後に発生した家賃については,旧賃
借人Bに請求することはできない」のです。
【問 4】 ○ [転貸借の効果]
賃借物が〈適法に転貸〉されたときは,転借人Cは,賃貸人Aに
対して〈直接〉に義務を負います。
したがって,Aが,直接Cに対し賃料8万円を請求したときは,
Cはこれを拒むことはできません。
本来,AとCとの間には,直接の法律関係はないのですが,〈賃
貸人Aの利益を保護〉するために,特別の措置が定められたのです。
【問 5】 ○ [承諾の相手方]
賃借権が譲渡されたり,借家が転貸される場合,賃貸人Bが承諾
の意思表示をする相手方は,賃借人Aでもいいし,譲受人E,ある
いは転借人でもかまいません。
【問 6】 × [賃貸人たる地位の譲渡]
土地の賃貸人Bが,賃貸土地をCに譲渡する場合に,土地賃借人
Aの承諾は不要です。
賃貸土地の所有権とともに賃貸人たる地位を譲渡する場合には,
たしかに賃貸人の義務の移転を伴いますが,この場合,賃貸人が誰
であるかによって義務の履行方法がとくに異なるものではありませ
んからね。
したがって,Cが,Bの賃貸人としての権利義務を承継するには,
賃借人Aの承諾を必要としないのです。
【問 7】 × [賃貸人たる地位の対抗要件]
賃借地上に登記ある建物を所有するAは,賃借地所有権の取得・
移転について利害関係を有する〈第三者〉にあたります。
したがって,賃貸土地を譲り受けたEは,土地所有権の取得につ
いては,その〈登記〉がなければ,これをAに対抗することができ
ません。(これ,物権変動でやりましたよね。)
したがってまた,賃貸人たる地位を対抗することもできないので
す。
【問 8】 ○ [建物譲渡と土地賃借権]
今度は,土地賃借人Aが,その所有建物を譲渡する場合です。
建物の譲渡は,〈土地賃借権の譲渡〉を伴いますから,特別の事
情のない限り,Aは,賃借権譲渡について,土地賃貸人Bの承諾を
得る必要があります。
原則どおりですね。
【問 9】 × [建物賃貸と土地賃借権]
土地賃借人Aが,その所有建物を第三者に賃貸することは,Aの
建物の使用収益にほかならず,賃借地の転貸にはあたりません。
したがって,建物の賃借については,原則として,土地賃貸人B
の承諾は必要ないのです。
もともと建物所有を目的とする土地の賃貸借では,賃貸人のほう
では,賃借人が賃借地上に建物を建てて自ら居住するだけでなく,
これを他人に賃貸し,建物賃借人にその賃借地を占有使用させるこ
とも当然に予想・容認しているはずです。
したがって,建物の使用に必要な範囲で,建物賃借人は,土地使
用権を有するのです。
** 以上の4問は,賃貸借の基本的な権利移動・関係の出題です
から,2つの場合を区別して注意深く確認しておいてください。
1 土地賃貸人がその土地を譲渡する場合
2 土地賃借人がその建物を譲渡・賃貸する場合
【問 10】 × [転貸借の効果]
転借人Cは,賃貸人Bから請求があっても,転借料「全額」を支
払う義務はありません。
承諾を得た適法な転貸借がある場合には,転借人Cは,Bに対し
て〈直接に義務を負う〉のですが,この義務の範囲は,
(1) 転借人Cが賃借人Aに対して負う義務の範囲に限定され,
また,
(2) 賃借人Aが賃貸人Bに対して負う義務の範囲によっても限定
されるのです。
つまり,賃貸人Bは,転借人Cに対して直接に借賃を請求できま
すが,その額は,転借料全額ではなく,賃借人AがBに支払うべき
賃借料の範囲内なのです。
Bに,賃借料以上の利益を与える理由はないでしょう。
* 賃借料を5万円,転借料を8万円として考えてみると,わかり
やすくなります。
□■ 2 賃貸借(2)/問題編 ━━━━━━━━━━━━━━
【問 11】
AはBから建物を賃借し,Bの承諾を得て,当該建物をCに転貸
している。この場合,AとBとが賃貸借契約を合意解除したときに
は,AC間の転貸借契約は,その前提を失うため,特別の事情のあ
る場合を除き,当然に終了する。
(10-6-1)
【問 12】
AがB所有の建物について賃貸借契約を締結し,引渡しを受けた
場合において,AがBの承諾を受けてDに対して当該建物を転貸し
ている場合には,AB間の賃貸借契約がAの債務不履行を理由に解
除され,BがDに対して目的物の返還を請求しても,AD間の転貸
借契約は原則として終了しない。
(18-10-2)
【問 13】
AはBから建物を賃借し,Bの承諾を得て,当該建物をCに転貸
している。Aの支払うべき賃料の額は,Cの支払うべき転借料の額
より小さいものとする。
この場合,Bは,Aの債務不履行によりAB間の賃貸借契約を解
除しようとする場合,Cに対して,3ヵ月以前に通知し,Aに代わ
って賃料を支払う機会を与えなければならない。
(10-6-3)
【問 14】
AがB所有の建物について賃貸借契約を締結し,引渡しを受けた
場合において,AがBの承諾なく当該建物をCに転貸しても,この
転貸がBに対する背信的行為と認めるに足りない特段の事情がある
ときは,BはAの無断転貸を理由に賃貸借契約を解除することはで
きない。
(18-10-1)
【問 15】
Aは,Bからの借入金で建物を建築し,その借入金の担保として
当該建物に第一順位の抵当権を設定し,その登記を行った。
この登記の後,Aが,Cとの間で本件建物の賃貸借契約を締結し
た場合,AC間の賃貸借契約の契約期間が4年であったときでも,
契約締結時から3年間は,Cは,Bに対して賃借権を対抗すること
ができる。
(11-4-3)
【問 16】
Aは,BからB所有の建物を賃借し,特段の定めをすることなく,
敷金として50万円をBに交付した。この場合,Bは,Aの,賃貸借
契約終了時までの未払賃料については,敷金から控除できるが,契
約終了後明渡しまでの期間の賃料相当損害額についても,敷金から
控除できる。
(13-9-4)
【問 17】
Aは,BからB所有の建物を賃借し,特段の定めをすることなく,
敷金として50万円をBに交付した。この場合,賃貸借契約が終了し
たときは,建物明渡債務と敷金返還債務とは常に同時履行の関係に
あり,Aは,敷金の支払と引換えにのみ建物を明け渡すと主張でき
る。
(13-9-3)
【問 18】
Aは,BからB所有の建物を賃借し,特段の定めをすることなく,
敷金として50万円をBに交付した。この場合,賃貸借契約期間中で
も,Bの返済能力に客観的な不安が生じたときは,Aは,賃料支払
債務と敷金返還請求権とを対当額にて相殺することができる。
(13-9-1)
【問 19】
Aは,A所有の建物を,Bから敷金を受領して,Bに賃貸したが,
Bは賃料の支払いを遅滞している。この場合,AがDに建物を譲渡
し,Dが賃貸人となったときは,Aに差し入れていた敷金は,Bの
未払賃料を控除した残額について,権利義務関係がDに承継される。
なお,Bの未払賃料の額は,敷金の額の範囲内である。
(6-10-3)
【問 20】
借主Aは,B所有の建物について貸主Bとの間で賃貸借契約を締
結し,敷金として賃料2ヵ月分に相当する金額をBに対して支払っ
たが,当該敷金についてBによる賃料債権への充当はされていない。
この場合,賃貸借契約期間中にAがDに対して賃借権を譲渡し,
Bがこの賃借権譲渡を承諾したときは,敷金に関する権利義務は当
然にDに承継される。
(15-11-3)
≡≡≡≡ 2 賃貸借(2)/解答解説編 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡
【問 11】 × [適法な転貸借と合意解除]
賃貸人の承諾を得て〈適法な転貸借〉がなされた場合には,賃貸
人Bと賃借人Aが賃貸借契約を合意解除しても,転借人Cに不信な
行為があるなど特別の事情がある場合を除いて,転貸借は当然には
終了しません。
【問 12】 × [債務不履行と転貸借の終了]
適法な転貸借がある場合,賃借人Aの債務不履行により賃貸借が
解除されれば,その結果,Aは,転貸人としての債務が履行不能と
なり,したがって,転貸借は,賃貸借の終了と同時に終了します。
転借人Cは,転借権を賃貸人Bに対抗できないのです。
【問 13】 × [債務不履行による解除]
適法な転貸借が成立している状態で,賃貸人Bが,賃借人Aの債
務不履行を理由に賃貸借を解除する場合には,直接の債務者である
Aに対して催告すればいいのであって,転借人Cに対してその「賃
料を支払う機会を与えなければならない」という義務はありません。
Cが続けて住みたいのであれば,自分で家賃を立て替えるか,B
への支払いをAに催促するしかないでしょう。
【問 14】 ○ [無断転貸と背信的行為]
無断転貸の典型的なパターンですね。
賃借人は,そもそも賃貸人の承諾を得なければ,賃借権を譲渡し
たり,賃借物を転貸することができず,これに反したときは,賃貸
人は,契約を解除することができます。
これが大原則です。
しかしながら,判例は,〈無断転貸〉であっても,賃貸人Bに対
する〈背信的行為と認めるに足りない特段の事情〉があるときは,
Bは無断転貸を理由に契約を解除することはできない,としていま
す。
この一文は重要なポイントです。
賃貸借関係は,貸主・借主の信頼関係が継続する関係ともいえま
すから,その信頼関係を破壊するような悪質な無断転貸の場合にだ
け解除できるとしたのですね。
少々の無断転貸には目をつむったのです。
【問 15】 × [抵当権設定後の賃貸借]
建物に抵当権が設定され,その登記がされた後に,その建物を借
りた借家人Cは,その賃借権の期間,更新に関係なく,原則として
抵当権者に対抗できません。
もし抵当権が実行されれば,賃貸借は終了し,契約締結時から一
定期間存続するということもありません。
短期賃貸借が保護されたのは,もう過去の話なのです。
☆☆★ 短期賃貸借保護制度の廃止
・かつての短期賃貸借保護制度というのは,抵当権が〈登記された
後〉に賃借権が設定された場合でも,その賃借権が〈短期の賃借権〉
であるときは,その賃借権は抵当権に対抗できるという制度でした。
・この制度は,抵当権を設定した後でも,抵当不動産を貸せるよう
にしてその利用を一定限度で保障する役割をもっていたのですが,
なにしろ占有屋等による競売執行妨害にこの制度が悪用されるとい
う弊害があとを絶ちませんでした。
・そこで,平成15年8月1日に公布された「担保物権及び民事執行
制度の改善のための民法等の一部を改正する法律」により,平成16
年3月31日以降,短期賃貸借保護制度は廃止され,その代わりに,
〈建物明渡猶予制度〉が創設されたのです。
【問 16】 ○ [敷金の性質]
敷金というのは,一種の保証金のようなもので,借家人が家賃を
払えないようになったときや借家を壊したときなどに備えて,あら
かじめ家主に支払っておいて,契約が終わって借家人が家を出て行
くときにこれらを清算するというものです。
したがって,敷金は,契約期間中の家賃だけでなく,契約終了後
借家の明渡しまでに生じる損害金,そのほか賃貸人が取得する一切
の債権を担保する性質をもっているのです。
つまり,賃貸人Bは,(1) 契約終了時までの賃借人Aの未払賃料,
および,(2) 契約終了後明渡しまでの賃料相当の損害額について,
ともに敷金から控除できるのです。
【問 17】 × [先履行の関係]
建物明渡債務と敷金返還債務とは,同時履行の関係にはありませ
ん。
敷金返還請求権は,契約が終了して,〈建物の明渡し〉があって
はじめて発生しますから,借家人のほうが,先に借家を明け渡さな
ければならないのです。
明け渡さない限り,敷金の返還を求めることはできないのです。
みなさんもこうした経験はありませんか。
敷金は,賃貸借が終了して,建物の明渡しが終わるまで,いわば
完全に賃貸借以前の状態に戻るまでに生じた未払い家賃などの一切
の債務を担保する役割をもっています。
そして,〈建物の明渡し〉があったときに,賃貸人は,これらの
債務を清算して,残った敷金を借家人に返還することになるのです。
敷金は,何よりも賃貸人を保護する役割をもっていますから,建
物の明渡しがあって,契約以前の状態に戻るまでは,借家人の敷金
返還請求権は発生しないのです。
【問 18】 × [賃料債務との相殺]
家主「Bの返済能力に客観的な不安が生じたとき」,たとえば,
Bが事業の失敗か何かで倒産しそうになって,どうも敷金を返して
もらえそうにないとき,すでに支払っている敷金とこれから払う家
賃とを相殺できるか,という問題ですね。
借家人Aとしては,敷金で家賃の代わりにしたいところでしょう。
残念ながら,できないのです。
「Aは,賃料支払債務と敷金返還請求権とを対当額にて相殺する」
ことはできません。
すでに述べたように,敷金返還請求権は,契約が終了して,さら
に〈建物の明渡し〉が完了した時に,借家人の未払い家賃や借家を
きずつけたことによる損害賠償債務などのすべての債務を差し引い
て,なお残額があったときに,その残額について具体的に発生しま
す。
要するに契約期間中は,敷金返還請求権が発生することも,その
具体的な金額も不確定な状態なのです。
まだ発生していないこのような権利と,具体的な対当額について
相殺することはできません。
【問 19】 ○ [賃貸建物の所有権移転と敷金の承継]
賃貸されている建物が売却された場合,賃貸人に支払われた敷金
は,どのような運命をたどるのでしょうか。
冷静に考えれば,大変常識的に解決されているんですね。
原則として,敷金関係は,建物の新所有者に引き継がれます。
まず,Aに対してBの家賃未払いがあれば,敷金で清算します。
これは当然でしょう。そのための敷金ですよね。
次に,差し引いた残額があれば,残額について,建物の新所有者
Dに引き継がれます。
賃貸人がA→Dに変わっても,Bの支払った敷金の役割は終わら
ないのです。
「Dが賃貸人となったときは,Aに差し入れていた敷金は,Bの
未払賃料を控除した残額について,権利義務関係がDに承継される」
というわけです。
【問 20】 × [賃借権譲渡と敷金の承継]
前問と違って,今度は,借家人Aが,その賃借権を第三者Dに売
却した場合です。
借家人Aが,賃貸借契約から離脱したんですね。
この場合,Aが支払った敷金はどうなっちゃうんでしょうか。
私なら,清算して返してもらいますね。
「賃料2ヵ月分」とありますから,20万円くらいあるんでしょ
うかね。いずれにしても,黙って見のがすことはできませんね。
結論を先にいえば,Aの敷金は,新借家人Dには引き継がれませ
ん。
なんで,自分が差し入れた敷金が,他人のために使われなければ
ならないのでしょうか。考えられませんよね。
「敷金に関する権利義務は当然にDに承継される」ということは
ないのです。
賃借権譲渡により,旧賃借人Aが賃貸借関係から離脱した以上,
Aの敷金で,Dの将来の債務を担保させることは,Aに不当に不利
益を与えることになります。
ただし,敷金返還請求権をDに譲渡するなどの事情があれば,も
ちろん別ですよ。
□■ 3 請 負/問題編 ━━━━━━━━━━━━━━━━━
【問 21】
請負契約において,完成した目的物に瑕疵があり,請負人が修補
義務を負うときには,その修補が可能なものであっても,注文者は,
瑕疵の修補に代えて,直ちに損害賠償の請求をすることができる。
(1-8-1)
【問 22】
請負契約において,完成した目的物に契約をした目的を達するこ
とができない重大な瑕疵があるときは,注文者は,瑕疵の修補又は
損害賠償の請求をすることはできないが,契約を解除することがで
きる。
(1-8-2)
【問 23】
Aが建設業者Bに請け負わせて木造住宅を建築した場合に,Bは,
引き渡した住宅に瑕疵があるときは,原則として引渡し後5年間瑕
疵担保責任を負うが,この期間は,AB間の特約で10年にまで伸
ばすことができる。
(6-8-3)
【問 24】
請負契約により注文者Aが請負人Bに建物(木造一戸建て)を建
築させた場合に,Bが建物の材料の主要部分を自ら提供した場合は,
Aが請負代金の全額を建物の完成前に支払ったときでも,特別の事
情のない限り,Bは,自己の名義で所有権の保存登記をすることが
できる。
(7-10-2)
【問 25】
請負契約により注文者Aが請負人Bに建物(木造一戸建て)を建
築させた場合に,Aは,Bが建物の建築を完了していない間にBに
代えてDに請け負わせ当該建物を完成させることとするときには,
損害を賠償してBとの請負契約を解除することができる。
(7-10-4)
【問 26】
AがBに対して建物の建築工事を代金 3,000万円で注文し,Bが
これを完成させた。この場合,請負契約の目的物たる建物に瑕疵が
あり,瑕疵の修補に要する費用が契約代金を超える場合には,Aは
原則として請負契約を解除することができる。
(18-6-3)
【問 27】
AがBに対して建物の建築工事を代金 3,000万円で注文し,Bが
これを完成させた。この場合,請負契約の目的物たる建物の瑕疵に
ついて,Bが瑕疵担保責任を負わない旨の特約をした場合には,A
は当該建物の瑕疵についてBの責任を一切追及することができなく
なる。
(18-6-4)
≡≡≡≡ 3 請 負/解答解説編 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡
【問 21】 ○ [請負人の担保責任]
完成した目的物に欠陥・瑕疵がある場合には,注文者は,請負人
に対し,瑕疵の修補を請求することができます。
これは当然でしょう。いわば,請負人の不完全履行ですからね。
チャンと修補して欲しいものです。
しかし,修補が可能なものであっても修補を請求しないで,直ち
に修補に代わる損害賠償の請求をすることもできるのです。
どちらを行使するかは,注文者の自由です。
瑕疵があるような請負人に修補を頼むより,別の請負人に頼んだ
ほうがいい場合もありますからね。
【問 22】 × [注文者の解除権]
契約した目的を達成することができないほど重大な欠陥があるの
に,瑕疵の修補または損害賠償の請求ができないというのは,どう
考えても納得できないでしょう。
注文者は,契約を解除できるのはもちろんですが,それとともに
損害賠償を請求できるのです。
【問 23】 ○ [担保責任期間──木造住宅の場合]
引き渡した〈木造住宅〉に瑕疵があるときは,請負人Bは,原則
として引渡し後〈5年間〉瑕疵担保責任を負います。
この期間は,特約で債権の消滅時効期間の限度である10年まで
伸長することができます。
請負人の担保責任の存続期間は,原則として,目的物を引き渡し
た時から〈1年以内〉です。
しかしながら,建造物は,瑕疵の発見が難しいため,その分,期
間が長くなっているのです。
なお,石造・れんが造・コンクリート造等については,〈10年
間〉とされています。
【問 24】 × [所有権移転時期]
請負で建物を建築した場合,最初の所有権の保存登記は,どちら
ができるのかという問題です。
民法は,次のように解決しました。
まず,請負人が〈材料の主要部分〉を提供した場合は,特約のな
い限り,完成物の所有権は請負人がいったん取得し,引渡しによっ
て注文者に移転します。
しかし,本問のように,注文者Aが,建物完成前に〈代金全額を
支払った〉ときには,特別の事情のない限り,建物所有権は,工事
完成と同時に最初からAに帰属します。
したがって,この場合には,請負人Bは,自己名義で所有権保存
登記をすることはできません。
注文者Aは,すでに代金全額を支払っているのですから,所有権
も建物完成と同時にAに帰属するというのが,納得のいく結論とい
えるでしょう。
【問 25】 ○ [注文者の解除権]
請負人Bが〈仕事を完成しない間〉は,注文者Aは,いつでも損
害を賠償してBとの契約を解除し,Bに代えてDに請け負わせるこ
とができます。
請負契約も契約である以上,一方が気ままに解除することは許さ
れませんよね。
それでも,請負というのは,そもそも注文者の求めに応じてその
利益のために,請負人が一定の仕事を完成させるのが目的ですから,
その後,何かの事情で,注文者がこの請負人には仕事を任せたくな
いと考えるようになったときには,継続させても意味がないのです
ね。
むしろ,損害を賠償させて,注文者が自由に解除できるようにし
たほうが,双方にとって有益といえるでしょう。
【問 26】 × [注文者の解除権──建物の場合]
建物の場合は注意してください。
請負契約の目的物が,建物などの工作物である場合は,瑕疵の程
度に関係なく,瑕疵を理由として契約を解除することはできないの
です。
修補に要する費用が,契約代金を超えてもです。 3,000万円以上
の費用がかかってもですよ。
住宅建築の請負の場合には,住宅に瑕疵があり,そのために契約
目的を達成することができない場合,つまり住むことができないよ
うな欠陥住宅であっても,注文者は,契約を〈解除〉できないので
す。
なぜこんな不可解と思えるような規定があるのでしょうか。
それは,住宅・建物などの工作物の場合には,解除による原状回
復,つまり,住宅・建物の解体・収去に莫大な費用がかかるからな
んですね。
う〜む,しっくりきませんねえ。これが法律というものなんです
ね。
【問 27】 × [担保責任を負わない旨の特約]
担保責任を負わない旨の特約も〈有効〉ですが,請負人Bは〈知
りながら告げなかった事実〉については,その責任を免れることが
できません。
「Bの責任を一切追及することができなくなる」わけではないの
です。
告知義務に違反した請負人は不誠実といえますから,許されるも
のではないでしょう。
悪質業者を考えれば,わかりますよね。
□■ 4 委 任/問題編 ━━━━━━━━━━━━━━━━━
【問 28】
Aが,A所有の不動産の売買をBに対して委任する場合に,不動
産のような高価な財産の売買を委任するには,AはBに対して委任
状を交付しないと,委任契約は成立しない。
(14-10-1)
【問 29】
Aは,Bにマンションの一室を賃貸するに当たり,管理を業とし
ないCとの間で管理委託契約を締結して,Cに賃料取立て等の代理
権を与えた。
この場合,Cは,Aとの間で特約がなくても,Aに対して報酬の
請求をすることができる。
(7-9-1)
【問 30】
Aが,A所有の不動産の売買をBに対して委任する場合に,Bが
当該物件の価格の調査など善良な管理者の注意義務を怠ったため,
不動産売買についてAに損害が生じたとしても,報酬の合意をして
いない以上,AはBに対して賠償の請求をすることができない。
(14-10-3)
【問 31】
Aは,Bにマンションの一室を賃貸するに当たり,管理を業とし
ないCとの間で管理委託契約を締結して,Cに賃料取立て等の代理
権を与えた。
この場合,Aは,CがBから取り立てた賃料を自己の生活費に消
費したときは,Cに対して,その賃料額に,消費した日以後の利息
を付した金額を支払うよう請求することができる。
(7-9-2)
【問 32】
Aは,その所有する土地について,第三者の立入り防止等の土地
の管理を,当該管理を業としていないBに対して委託した。
この場合,Bが有償で本件管理を受託している場合で,Bの責め
に帰することができない事由により本件管理委託契約が履行の半途
で終了したときは,Bは,既にした履行の割合に応じて報酬を請求
することができる。
(9-9-3)
【問 33】
Aが,A所有の不動産の売買をBに対して委任する場合に,Bは,
委任契約をする際,有償の合意をしない限り,報酬の請求をするこ
とができないが,委任事務のために使った費用とその利息は,Aに
請求することができる。
(14-10-2)
【問 34】
委任契約が委任者の死亡により終了した場合,受任者は,委任者
の相続人から終了についての承諾を得るときまで,委任事務を処理
する義務を負う。
(18-9-3)
【問 35】
Aは,その所有する土地について,第三者の立入り防止等の土地
の管理を,当該管理を業としていないBに対して委託した。
この場合,Bが有償で本件管理を受託しているときに,Bが死亡
すれば,本件管理委託契約は終了し,Bの相続人は,当該契約の受
託者たる地位を承継しない。
(9-9-4)
【問 36】
Aは,その所有する土地について,第三者の立入り防止等の土地
の管理を,当該管理を業としていないBに対して委託した。
この場合,Bが無償で本件管理を受託している場合は,Bだけで
なく,Aも,いつでも本件管理委託契約を解除することができる。
(9-9-2)
【問 37】
Aが,A所有の不動産の売買をBに対して委任する場合に,委任
はいつでも解除することができるから,有償の合意があり,売買契
約成立寸前にAが理由なく解除してBに不利益を与えたときでも,
BはAに対して損害賠償を請求することはできない。
(14-10-4)
【問 38】
委任者が破産手続開始決定を受けた場合,委任契約は終了する。
(18-9-2)
≡≡≡≡ 4 委 任/解答解説編 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡
【問 28】 × [委任契約の成立]
委任契約も,売買や贈与などと同じように,書面は必要ではなく,
口約束で成立します。
委任に限らず,契約のたびに書面・書式を要求するのは,大変面
倒くさいですからね。記入ミスがあったり,書面を紛失したら,そ
れはそれでまた,ややこしくなりますからね。
委任は,当事者の合意によって成立する,いわゆる諾成契約です
から,「高価な財産の売買」かどうかに全然関係なく,委任状を交
付しなくても委任契約は成立します。
委任の際には,普通は,委任状が交付されるのですが,委任状は
第三者に対して受任者の権限を証明する手段であって,決して契約
成立の要件ではないのです。
【問 29】 × [受託者の報酬請求権]
委託契約は,本来,委任者・受任者の人間的な信頼関係で成立す
るものですから,無報酬が原則なのです。
したがって,特約がなければ,報酬を請求することはできません。
ただ昨今では,無報酬で委任することのほうが,むしろ珍しいか
もしれませんね。
さすがに,タダでものを頼むのは気が引けるでしょう。
なお,問題文に「管理を業としない」とあるのは,管理を業とす
る場合には,商法の適用があるからです。
☆☆★ 委任と準委任
委任契約の内容は,受任者が「売買契約や賃貸借契約を締結する」
というように,〈契約・法律行為〉をすることです。
しかしながら,「不動産の管理」「学校の経営」など,法律行為
ではない〈事実的行為〉にも委任の規定が全部準用されます。
これを準委任といいます。宅建業法で出てくる〈媒介契約〉がこ
れですね。
現在では,この2つを区別する実益はまったくないと考えられて
いて,結局,委任は,準委任を含めて,〈事務処理の委託〉を内容
としているのです。
【問 30】 × [受任者の注意義務]
委任は(準委任も)対価の関係ではなく,当事者双方の人間的な
信頼関係を基礎としていますから,報酬のあるなしにかかわらず,
受任者Bは,委任の本旨に従い〈善良な管理者の注意〉をもって,
事務を処理する義務があります。
したがって,Bがこの注意義務を欠けば,過失ありとして債務不
履行責任を負うことになるのです。
【問 31】 ○ [受託者の金銭消費の責任]
受託者Cが,取り立てた家賃を生活費にあてちゃったんですね。
本来でしたら,Cは,賃料をすみやかに委託者Aに引き渡すか,
あるいは銀行に預金して,安全と利殖を図るべきでしょう。
それが,善良なる管理者の注意というものですよね。
それを自分のために消費したとすれば,これは背信行為です。
債務不履行責任または不法行為責任の問題となります。
しかし,こうした手間のかかる手続をとらなくてもいいように,
受託者の故意・過失の有無,損害の証明を問題とせずに,当然に法
定利息を請求できるようにしたのです。
「Cに対して,その賃料額に,消費した日以後の利息を付した金
額を支払うよう請求することができる」のです。
【問 32】 ○ [割合的報酬請求権]
事務処理の半途で,受託B者の責任によらずに,事務が終わって
しまった場合でも,Bはすでに処理した事務の割合に応じて,報酬
を請求できます。
委託の報酬は,仕事の完成に対してではなく,事務処理の労務そ
のものに対して支払われるものなのです。
請負とどこが違っているか,わかりますね。
【問 33】 ○ [報酬請求権と立替費用償還請求権]
受任者Bは,特約がなければ,報酬の請求をすることはできませ
ん。
また,委任事務のために必要費を支出したときは,(1) その費用
全額と,(2) 支出日以後の利息を,委任者Aに請求することができ
ます。
必要経費など必然的に発生する費用は,委任者が負担するのは当
然でしょう。
【問 34】 × [委託終了後の緊急処分]
委任者が死亡すれば,委任契約は終了します。
したがって,本来ならば,委任事務を中止しても問題はないので
す。
しかしながら,〈急迫の事情〉があるときは,引き続き委任事務
を行うようにして,委任者の相続人が事務処理できる状態になるま
で必要な処分をさせたほうが,委任の信頼関係からいって,適切と
いえるでしょう(緊急処分義務)。
「委任者の相続人から終了についての承諾を得るときまで」その義
務があるわけではないのです。
【問 35】 ○ [委託の一身専属性]
今度は,受託者Bが死んでしまったんですね。
このときも,有償・無償に関係なく,委託契約は終了します。
Bの相続人が,Bの受託者としての地位を引き継ぐことはありま
せん。
委託は,何度も書いているように,委託者・受託者双方の個人的
な信頼関係で成立・継続しているのですから,相続に適さないとい
えるでしょう。
【問 36】 ○ [当事者双方の解除権]
委託は,報酬があろうとなかろうと関係なく,当事者双方からい
つでも解除することができます。
委託は,双方の信頼関係を基礎としていますから,相手方を信頼
できなくなったときは,いつでも解消できるようにしたのですね。
【問 37】 × [相手方に不利な時期の解除]
委任は,有償・無償に関係なく,当事者双方からいつでも解除す
ることができます。
ただし,〈相手方にとって不利な時期〉に解除したときは,原則
として,相手方の損害を賠償しなければなりません。
「売買契約成立寸前」の時期に,委任者Aが理由なく解除すれば,
「有償の合意」がある受任者Bは,報酬を受領できなくなり不利益
を受けますから,Aに損害賠償を請求することができます。
【問 38】 ○ [委任の終了事由]
委任者または受任者が〈破産手続開始の決定〉を受ければ,委任
契約は終了します。
委任は,(1) 当事者の死亡,(2) 当事者が破産手続開始の決定を
受けたこと,(3) 受任者が後見開始の審判を受けたこと,によって
終了します。
*任意代理権の消滅事由と同じですね。
お疲れさまでした。今回はここまでです。
□ ご意見・ご要望について ■ ━━━━━━━━━━━━━━━
問題解説は,できるだけ初心者の人にわかりやすく書いたつもり
ですが,読む人によってはよくわからない記述があるかもしれませ
ん。
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