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2008/05/17

メルマガで完全マスター! 宅建過去問1問1答 

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○●○ メルマガで完全マスター! 宅建過去問1問1答 ○●○



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     【2008年第13号】2008/05/17(通算第26号)
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                           〓〓〓 本試験まであと155日




 こんにちは,宅建キャリア協会メルマガ担当の井上成人です。


 このメルマガは,宅建をはじめて勉強する宅建初心者の人や,仕
事や家事で毎日忙しく時間のない人,コストや場所の関係で資格受
験専門校に行けない人,再チャレンジする人など,一人でコツコツ
頑張っているあなたを応援する合格マガジンです。




 本試験まであと5ヵ月。

 調子はどうですか ?

 いまはそうでもないんですが,9月中旬くらいになると,試験日
まで1ヵ月となって日数が迫るため,メチャメチャ焦ってきます。


 しかし,いまこの時点で落ち着いて勉強していれば,直前になっ
ても決してバタバタあわてることはありません。

 4月〜7月にシッカリ勉強しておくのが,すご〜く重要なんです。




 さて今回から,いよいよ債権編の《債務不履行》《連帯債務》
《保証債務》です。


 平成1年から19年までの出題数は──
 《債務不履行》 3問
 《連帯債務》  4問
 《保証債務》  7問
 《全 般》   1問 となっています。

 ほかに《金銭債権》が2問,《債権者代位権》が1問,出題され
ています。

 今年も,連帯債務,保証債務(連帯保証)は,要注意でしょう。

 ただし,この時期にヤマを賭けて勉強していては前途はありませ
んから,先入観をもたないで,基本は広く押さえておきましょう。





 ┏━━━┓
 ┃\_/┃ 配信スケジュールのくわしい日程は
 ┗━━━┛      コチラ
 
             ↓

       「 2008/03/01号(通算第18号)」


  ■ 配信済み/週1回土曜日 ■

 (第1回)3/22号(通算第19号) 権利能力・行為能力等
 (第2回)3/29号(通算第20号) 意思表示
 (第3回)4/05号(通算第21号) 代 理
 (第4回)4/12号(通算第22号) 時 効
 (第5回)4/19号(通算第23号) 物権変動・占有権 
 (第6回)4/26号(通算第24号) 所有権・地上権・地役権
 (第7回)5/03号(通算第25号) 担保物権・抵当権
 (今 回)5/17号(通算第26号) 債務不履行・連帯債務等

 第9回5/24号は,《債権譲渡》《弁済》《相殺》の予定です。



◇◆ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 第8回 【権利関係編──民法(債務不履行・連帯債務ほか)】


  1 債務不履行(1)/問題編  同/解答解説編

  2 債務不履行(2)/問題編  同/解答解説編

  3 連帯債務/問題編      同/解答解説編

  4 保証債務/問題編      同/解答解説編

  5 連帯保証(1)/問題編   同/解答解説編

  6 連帯保証(2)/問題編   同/解答解説編



◇◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━




□■ 1 債務不履行(1)/問題編 ━━━━━━━━━━━━



 以下の問で,正しいものには○,誤っているものには×をつけな
さい。




【問 1】 

 AはBに建物を売却する契約を締結し,平成19年10月1日に,B
はAに対し代金全額を支払った。この場合,当該建物の引渡し期日
が平成19年10月18日と定められているときは,Aはその期限の到来
した時から遅滞の責任を負う。
                         (62-6-2)




【問 2】 

 AはBに建物を売却する契約を締結した。この場合,Aの父の死
亡後3か月後に当該建物を引き渡す旨定めた場合は,AはAの父の
死亡した日から3か月を経過したことを知った時から遅滞の責任を
負う。
                         (62-6-3)




【問 3】 

 AはBに建物を売却する契約を締結した。この場合,当該建物の
引渡し期日につき特段の定めをしなかったときは,Aは,BがAに
対し引渡しの請求をした時から遅滞の責任を負う。
                         (62-6-4)
                             




【問 4】
 
 金銭債務の不履行については,債権者は,損害の証明をしなけれ
ば,損害賠償の請求をすることができない。
                          (2-2-1)




【問 5】 

 Aは,Bに対して金銭債権を有している。この場合,AがBの債
務不履行を理由として損害賠償を請求してきたとき,Bは,不可抗
力をもって抗弁することができる。
                         (60-2-3)




【問 6】 

 AのBに対する貸金に関し,AB間で返済時期について別段の定
めがないときは,Aは,相当の期間を定めて,返済を催告すること
ができる。
                          (3-9-2)





≡≡≡≡ 1 債務不履行(1)/解答解説編 ≡≡≡≡≡≡≡≡




【問 1】 ○  [確定期限があるときの履行遅滞]

 債務の履行について〈確定期限〉があるときは,債務者は,その
〈期限の到来した時〉から履行遅滞の責任を負います。

 つまり,建物の引渡期日について,「平成19年10月18日」という
〈確定期限〉が定められている場合は,売主Aは,この〈期限の到
来した時〉から履行遅滞の責任を負うことになるのです。

 基本中の基本ですね。





【問 2】 ○  [不確定期限があるときの履行遅滞]

 「父の死亡」というのが,何を意味するのかがわからないと,正
解するのはむつかしくなります。

 みなさんは,ご自分のテキストで「条件と期限」を勉強されたと
思いますが,「条件」というのは,実現するかどうかが〈不確実な
事実〉,「期限」は到来することが〈確実な事実〉でしたね。

 そして,期限には,「平成20年10月19日」というように〈到来す
る時期が確定〉している「確定期限」と,到来することは確実だが
その〈時期が不確定〉な「不確定期限」の2種類があるのも,学習
済みですよね。

 さて,「人の死亡」は,到来することが確実ですが,その時期は
不確定ですから,「不確定期限」になります。


 債務の履行について〈不確定期限〉があるときは,債務者は,そ
の期限の到来したことを〈知った時〉から履行遅滞の責任を負いま
す。

 建物の引渡しについて,「父の死亡後3か月後」という〈不確定
期限〉を定めたときは,売主Aは,父の死亡後3か月を経過したこ
とを〈知った時〉から遅滞の責任を負うことになるのです。





【問 3】 ○  [期限の定めがないときの履行遅滞]

 「建物の引渡し期日につき特段の定めをしなかったとき」という
のは,債務の履行について〈期限を定めなかったとき〉ということ
ですね。

 この場合には,債務者は,債権者から〈履行の請求を受けた時〉
から遅滞の責任を負うことになります。

 売主Aは,買主Bが引渡しの請求をした時から履行遅滞となるの
です。





【問 4】 ×  [金銭債務不履行における損害の証明]

 〈金銭債務〉の不履行があった場合,債権者は,現実に発生した
損害の証明をしなくても,損害賠償を請求することができます。

 〈債務不履行があったという事実〉を立証するだけでいいのです。

 これは,金銭債権の特質によるものです。

 金銭債権というのは,「代金 100万円を支払う」というように,
一定額の金銭を支払うことを目的とする債権のことで,現代の取引
関係では,すべての債権が,最終的には金銭債権によって解決され
ます。「最も債権らしい債権」といわれます。





【問 5】 ×  [金銭債務不履行における抗弁]

 〈金銭債務〉の不履行については,債務者Bは,〈不可抗力〉を
もって抗弁することはできません。

 つまり,債務不履行が不可抗力によるものであることを証明して
も,賠償責任を免れることはできないのです。

 大地震が発生したから代金の支払いが遅れた,とはいえません。

 これも金銭債権の特質によるものです。





【問 6】 ○  [金銭債務の返済時期]

 〈金銭消費貸借〉で返済時期を定めなかったときは,貸主Aは,
〈相当の期間〉を定めて返済の催告をすることができます。


* 普通の債務の場合,債務の履行について〈期限を定めなかった
とき〉は,債務者は,〈履行の請求を受けた時〉つまり,〈催告を
受けた時〉から遅滞となります。

 しかし,金銭の貸し借りのような〈金銭消費貸借〉の場合には,
貸主は〈相当の期間〉を定めて催告することとなっていますから,
催告の時からではなく,〈相当期間経過後〉から遅滞になります。

 「5月末日までに返還せよ」と5月10日に催告されたら,5月末
日経過後に遅滞となるのです。





□■ 2 債務不履行(2)/問題編 ━━━━━━━━━━━━




【問 7】 

 AB間の土地売買契約中の履行遅滞の賠償額の予定の条項によっ
て,Aが,Bに対して損害賠償請求をする場合に,Aは,Bの履行
遅滞があったことを主張・立証すれば足り,損害の発生や損害額の
主張・立証をする必要はない。
                         (14-7-4)




【問 8】 

 債務不履行による損害賠償額の予定をした場合でも,債権者は,
実際の損害額が予定額より大きいことを証明すれば,予定額を超え
て請求することができる。
                          (2-2-4)




【問 9】 

 AB間の土地売買契約中の履行遅滞の賠償額の予定の条項によっ
て,Aが,Bに対して損害賠償請求をする場合,賠償請求を受けた
Bは,自己の履行遅滞について,帰責事由のないことを主張・立証
しても,免責されない。
                         (14-7-1)




【問 10】 

 AB間の土地売買契約中の履行遅滞の賠償額の予定の条項によっ
て,Aが,Bに対して損害賠償請求をする場合に,Bが,Aの過失
を立証して,過失相殺の主張をしたときは,裁判所は損害額の算定
にその過失を斟酌(しんしゃく)することができる。
                         (14-7-2)




【問 11】

 AB間でA所有の土地について,売買代金 3,000万円(うち,手
付金 200万円)とする売買契約を締結した。この場合において,B
の債務不履行によりAが契約を解除するときは,手付金相当額を損
害賠償の予定とする旨を定めていた場合,特約がない限り,Aの損
害が 200万円を超えていても,Aは手付金相当額以上に損害賠償請
求はできない。
                         (16-4-3)




【問 12】 
 
 土地がAからB,BからCへと譲渡された場合において,登記が
なおAにあるときは,Cは,BのAに対する登記請求権を代位行使
することができる。
                          (7-5-3)




【問 13】

 Aの所有地をBが賃借している場合において,Cが不法占拠した
ときは,Bは,Aの所有権に基づく妨害排除請求権を代位行使する
ことはできない。
                          (7-5-4)





≡≡≡≡ 2 債務不履行(2)/解答解説編 ≡≡≡≡≡≡≡≡




【問 7】 ○  [賠償額の予定] 

 記述のとおり。賠償額の予定というのは,まさに本問記述の趣旨
で行われのです。

 債権者は,〈債務不履行〉という客観的な事実があったことを証
明すれば足りるのであって,それが債務者の責めに帰すべき事由に
よるものだとか,また実際に損害が発生したとか,実際の損害額と
かを証明しなくても,予定賠償額を請求できるのです。





【問 8】 ×  [賠償額の予定]

 賠償額の予定をした場合,債権者は,実際の損害額が予定額より
大きいことを証明しても,増額請求をすることはできません。

 同じように,債務者が実際の損害額が少ないことを証明しても,
減額請求はできないのです。

 賠償額の予定は,実際に損害があったかどうか(損害の有無)と
か,実際の損害額についての立証を問題としないで,一律に解決す
る趣旨で行われるからです。


* したがってまた,裁判所もその額を増額も減額もすることがで
きません。

 過失の有無,損害の有無・額について一切の紛争を避けるという
のが当事者の意思ですから,これを強く尊重したのです。

 ただし判例によれば,賠償額が高すぎるなど,暴利行為となると
きは,公序良俗違反(90条)を理由に,全部または一部が無効と
され,過大な賠償額を減額することができるとされています。





【問 9】 ×  [賠償額の予定]

 あらかじめ損害賠償額を約定した場合は,Aは,Bの〈債務不履
行の事実〉さえ証明すればよく,損害の発生や損害額の立証は不要
です。

 では,Bが,履行遅滞について自分に責任はない(帰責事由がな
い)ことを立証すれば,免責されるのでしょうか。

 賠償額の予定は,あくまで〈債務不履行が成立〉する場合に機能
しますから,自己の履行遅滞について帰責事由のないことを立証す
れば,債務不履行そのものが成立せず,したがって,免責されるこ
とになるのです。





【問 10】 ○  [賠償額の予定と過失相殺]

 Bが,Aの過失を立証して,過失相殺の主張をすれば,裁判所は
損害額の算定について,その過失を斟酌することができます。

 賠償額の予定というのは,損害の発生や損害額の立証を不要とす
る合意であって,相手方の過失相殺までも排除する趣旨ではないの
です。

 相手方に過失があれば,当然にこれを考慮しなければ不公平です。





【問 11】 ○  [賠償額の予定]

 賠償額の予定を定めていた場合は,たとえ実際の損害額が予定額
を超えていても,予定額以上に損害賠償請求はできません。

 「手付金相当額を損害賠償の予定とする」旨定めていれば,特約
がない限り,Aの損害が 200万円を超えていても,それ以上に損害
賠償請求はできないのです。





【問 12】 ○  [登記請求権の代位行使]

 土地の引渡債権者(買主C)は,引渡債務者(売主B)の資産状
態に関係なく,BのAに対する登記請求権を代位行使することがで
きます。

 これは,債務者(売主B)の〈財産減少を防止する〉という債権
者代位権の本来の趣旨を拡張した転用例です。





【問 13】 ×  [妨害排除請求権の代位行使]

 賃借人Bは,自己の〈賃借権保全〉のため,不法占拠者Cに対し
て有する賃貸人Aの所有権に基づく妨害排除請求権を代位行使する
ことができます。

 債務者(賃貸人A)の〈無資力〉を要件としない点で,これも,
〈債務者の責任財産を保全する〉という債権者代位権本来の機能を
拡張した転用例といえます。





□■ 3 連帯債務/問題編 ━━━━━━━━━━━━━━━━




【問 14】
 
 AとBとが共同で,Cから,C所有の土地を 2,000万円で購入し,
代金を連帯して負担する(連帯債務)と定め,CはA・Bに登記,
引渡しをしたのに,A・Bが支払をしない。
 この場合,AとBとが,代金の負担部分を 1,000万円ずつと定め
ていたときは,AはCから 2,000万円請求されても,1,000万円を支
払えばよい。
                         (13-4-2)




【問 15】 

 A及びBは,Cと売買契約を締結し,連帯してその代金を支払う
債務を負担している。この場合,売買契約を締結する際,Aに錯誤
があって,AC間の売買契約が無効であったとしても,BC間の売
買契約は,無効とはならない。
                         (1-10-2)




【問 16】 

 A及びBは,Cと売買契約を締結し,連帯してその代金を支払う
債務を負担している。この場合,AがCに対して債務を承認すると,
Cの代金債権の消滅時効は,Bについても中断される。

                         (1-10-3)




【問 17】 

 A及びBは,Cの所有地を買い受ける契約をCと締結し,連帯し
て代金を支払う債務を負担している。この場合,CがAに対して期
限の猶予をしたときは,Bの債務についても,期限が猶予される。

                          (3-6-2)




【問 18】 

 A及びBは,Cと売買契約を締結し,連帯してその代金を支払う
債務を負担している。この場合,CがAに対して代金支払いの請求
をしても,Cの代金債権の消滅時効は,Bについては中断されない。

                         (1-10-1)




【問 19】 

 AとBが,Cから土地を購入し,Cに対する代金債務については
連帯して負担する契約を締結した場合で,AとBの共有持分及び代
金債務の負担部分はそれぞれ1/2とする旨の約定があるときに,
Cが,Aに対して代金債務の全額の免除をした場合でも,Bに対し
て代金の1/2の支払いを請求することができる。

                          (8-4-3)




【問 20】 

 A及びBは,Cと売買契約を締結し,連帯してその代金を支払う
債務を負担している。この場合,Cが死亡し,Aがその相続人とし
てその代金債権を承継しても,Bの代金支払債務は,消滅しない。
 
                         (1-10-4)




【問 21】 

 A及びBは,Cの所有地を買い受ける契約をCと締結し,連帯し
て代金を支払う債務を負担している。この場合,Aの債務が時効に
より消滅したときは,Bは,Aの負担部分について支払いを免れる。

                          (3-6-1)




【問 22】 

 AとBが,Cから土地を購入し,Cに対する代金債務については
連帯して負担する契約を締結した場合で,AとBの共有持分及び代
金債務の負担部分はそれぞれ1/2とする旨の約定があるときに,
Cが,本件売買契約を解除する意思表示をAに対してした場合,そ
の効力はBにも及ぶ。
                          (8-4-4)




【問 23】

 AとBとが共同で,Cから,C所有の土地を 2,000万円で購入し,
代金を連帯して負担する(連帯債務)と定め,CはA・Bに登記,
引渡しをしたのに,A・Bが支払をしない。
 この場合に,Cから請求を受けたBは,Aが,Cに対して有する
 1,000万円の債権をもって相殺しない以上,Aの負担部分について
も,Bからこれをもって相殺することはできない。
                         (13-4-4)





≡≡≡≡ 3 連帯債務/解答解説編 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡




【問 14】 ×  [連帯債務の性質]

 負担部分を 1,000万円ずつと定めていても,連帯債務者A・Bは
それぞれ,債権者Cに対しては 2,000万円〈全額〉を支払わなけれ
ばなりません。

 負担部分が 1,000万円だから,1,000万円しか払わないよ,とは
いえないのです。


* 連帯債務では,債権者は,同時にまたは順番に,連帯債務者の
1人または数人,あるいは全員に対して,全部または一部の履行を
請求することができます。

 つまり,1人1人の連帯債務者が〈全額〉を支払わなければなら
ない債務なのです。

 〈負担部分〉というのは,あくまでも債務者同士の〈内部的な取
り決め〉にすぎず,債権者に対する〈本来の債務〉ではありません。

 要するに,債権者は,お金のありそうな人から全額を請求するこ
とができるのです。

 連帯債務とすることで,債権の効力はすごく強くなるわけなんで
すね。

 (Aが代金全額を支払えば,Bはもはや支払う必要がないのは,
いうまでもありません)。





【問 15】 ○  [1人についての法律行為の無効等]

 連帯債務者の1人に法律行為の〈無効・取消し〉の原因があって
も,他の連帯債務者の債務には影響がありません。

 もともと連帯債務は,連帯債務者の1人1人が,債権者に対して
〈独立に債務を負担する〉ものなのです。

 したがって,連帯債務者Aの〈錯誤〉により,AC間の契約が無
効でも,Cと連帯債務者Bとの間では完全に有効な契約が成立する
のです。

 詐欺・強迫を理由とする取消しも同じです。





【問 16】 ×  [相対的効力の原則──債務の承認]

 Aが債務を承認して,Cの代金債権の消滅時効が中断しても,B
については中断しません。

 もともと連帯債務は,債務者1人1人が〈独立に債務を負担する〉
性質のものですから,1人に生じた事由は,原則として他の債務者
には効力を生じないのです(相対的効力の原則)。

 債務の承認など,請求以外の事由による時効中断には,相対的効
力しかありません。





【問 17】 ×  [相対的効力の原則──期限の猶予]

 債権者Cが,Aに対して期限の猶予をしても,Bの債務について
は,期限は猶予されません。

 連帯債務者の1人に生じた事由は,他の債務者に対しては効力を
生じないのが原則なのです(相対的効力の原則)。

 たとえば,5月17日の支払期日をAについてだけ6月末日として
も,Bの支払期限は5月17日のままです。





【問 18】 ×  [1人に対する請求──絶対効]

 連帯債務者の1人に対する〈履行の請求〉は,他の連帯債務者に
対してもその効力を生じます(請求の絶対的効力)。

 相対的効力の原則の重要な例外です。

 履行の請求は時効を中断しますから,Cが,連帯債務者Aに請求
すれば,Cの代金債権の消滅時効は,連帯債務者Bについても中断
します。

* 請求と時効中断の関係は大変重要です。





【問 19】 ○  [1人に対する免除──絶対効]

 Cが,Aに対して全額免除をすれば,Aの負担部分1/2につい
てだけ,Bも債務を免れます。

 その結果,Cは,Bに対しては「代金の1/2の支払いを請求」
することができます。

 連帯債務者の1人に対して債務の免除をすれば,〈その連帯債務
者の負担部分〉についてだけ,他の連帯債務者の利益のためにも,
その効力を生じるのです(免除の絶対的効力)。

 負担部分だけ債務が少なくなる,という点に注意してください。





【問 20】 ×  [1人についての混同──絶対効]

 債権者Cが死亡し,連帯債務者AがCの代金債権を相続した場合
には,〈混同〉が生じます。

 混同というのは,両方を存在させておく必要のない2つの権利が
〈同一人に帰属する〉状態をいいます。

 混同は,物権や債権の消滅原因ですが,連帯債務者の1人Aと債
権者Cとの間に混同があったときは,Aは,〈弁済した〉ものとみ
なされます。

 連帯債務者の1人が弁済したわけですから,連帯債務者Bの代金
支払債務が消滅するのは,当然なのです(混同の絶対的効力)。





【問 21】 ○  [1人についての時効完成──絶対効]

 Aの債務が時効消滅すれば,Aの負担部分について,Bも支払い
を免れます。

 連帯債務者の1人のために時効が完成したときは,〈その連帯債
務者の負担部分〉については,他の債務者もその義務を免れるので
す(時効の絶対的効力)。





【問 22】 ×  [解除権の不可分性]

 Cが,Aに対してのみ解除の意思表示をしても,その効力はBに
は及びません。

 これは,解除権の特質によるもので,連帯債務のように,当事者
の一方が数人ある場合,契約の解除は,その全員から,またはその
全員に対してのみ,することができます(解除権の不可分性)。

 一部の者とだけ解除の効果を認めると,法律関係が複雑になるか
らです。





【問 23】 ×  [他の連帯債務者による相殺の援用]

 Bは,Aの負担部分について,Aの有する反対債権でCの債権と
相殺することができます。

 連帯債務者の1人が債権者に対して債権を有する場合,その連帯
債務者が相殺を援用しないときは,〈その連帯債務者の負担部分〉
についてだけ,他の連帯債務者が相殺を援用することができます。




★☆☆ まとめておこう ☆☆★

 本試験では,連帯債務の〈絶対的効力事由〉と〈相対的効力事由〉
をちゃんと区別して理解しておかないと得点できません。


 〈絶対的効力事由〉というのは,1人について生じた事由が,他
の連帯債務者にも効力を及ぼす事由

 〈相対的効力事由〉は,他の連帯債務者には効力を及ぼさない,
影響を与えない事由のことですね。


 絶対的効力事由は,「請求」「更改」「相殺」「免除」「混同」
「時効」の6つだけです。

 「債務の承認」とか,「無効・取消し」とかは,相対的効力しか
なく,他の連帯債務者には効力が及びません。



[相対的効力の原則]

 連帯債務者の1人について生じた事由は,他の連帯債務者に対し
てその効力を生じない。

 ただし,(1) 請求 (2) 更改 (3) 相殺 (4) 免除 (5) 混同 
(6) 時効 の6つは,他の債務者にも効力を及ぼす。


[請 求]

 連帯債務者の1人に対する「履行の請求」は,他の連帯債務者に
対しても,その効力を生じる。

 他の債務者も,履行遅滞,消滅時効の中断が生じます。


[更 改]

 連帯債務者の1人と債権者との間に「更改」があったときは,債
権は,すべての連帯債務者の利益のために〈消滅〉する。

 更改というのは,新しい債務を成立させて,旧債務を消滅させる
契約です。


[相 殺]

 連帯債務者の1人が債権者に対して債権を有する場合,その連帯
債務者が「相殺」を援用したときは,債権は,すべての連帯債務者
の利益のために〈消滅〉する。


[免 除]

 連帯債務者の1人に対してした「債務の免除」は,〈その連帯債
務者の負担部分〉についてのみ,他の連帯債務者の利益のためにも,
その効力を生じる。


[混 同]

 連帯債務者の1人と債権者との間に「混同」があったときは,そ
の連帯債務者は,〈弁済をした〉ものとみなされる。


[時 効]

 連帯債務者の1人のために「時効」が完成したときは,〈その連
帯債務者の負担部分〉については,他の連帯債務者も,その義務を
免れる。





□■ 4 保証債務/問題編 ━━━━━━━━━━━━━━━━




【問 24】 

 Aは,BのCに対する 1,000万円の債務について,保証人となる
契約を,Cと締結した。この場合,BのCに対する債務が条件不成
就のため成立しなかった場合,Aは,Cに対して保証債務を負わな
い。
                          (6-9-2)




【問 25】

 債務者が保証人を立てる義務を負うときは,その保証人は,行為
能力者である必要はないが,弁済の資力のある者でなければならな
い。
                         (63-9-3)




【問 26】 

 Aは,Aの所有する土地をBに売却し,Bの売買代金の支払債務
についてCがAとの間で保証契約を締結した。このとき,Cの保証
債務にBと連帯して債務を負担する特約がない場合,Bに対する履
行の請求その他時効の中断は,Cに対してもその効力を生ずる。

                         (15-7-4)




【問 27】

 保証人(ただし,連帯保証人ではない)は,債権者から債務の履
行の請求を受けたときは,原則として,まず主たる債務者に催告を
するよう請求することができる。
                         (63-9-4)




【問 28】 

 Aは,Aの所有する土地をBに売却し,Bの売買代金の支払債務
についてCがAとの間で保証契約を締結した。このとき,Cの保証
債務にBと連帯して債務を負担する特約がない場合,AがCに対し
て保証債務の履行を請求してきても,Cは,Bに弁済の資力があり,
かつ,執行が容易であることを証明することによって,Aの請求を
拒むことができる。
                         (15-7-2)




【問 29】 

 Aは,BのCに対する 1,000万円の債務について,保証人となる
契約をCと締結した。この場合,CがAに対して直接 1,000万円の
支払いを求めて来ても,BがCに 600万円の債権を有しているとき
は,Aは,Bの債権による相殺を主張して,400万円を支払えばよ
い。
                          (6-9-4)




【問 30】 

 Aは,宅地建物取引業者Bからマンションを購入し,Bの保証を
受けてC銀行から金銭を借り入れ,その支払いに充てた。この場合,
Bの保証債務の対象には,AがC銀行に支払うべき違約金及び損害
賠償も含まれるが,Bは,自己の保証債務についてのみ違約金又は
損害賠償の額を約定することはできない。
                         (60-11-1)




【問 31】 

 Aは,宅地建物取引業者Bからマンションを購入し,Bの保証を
受けてC銀行から金銭を借り入れ,その支払いに充てた。この場合,
Bは,Aの委託を受けなくても保証をなすことができるが,Aの意
思に反して保証をなすことはできない。
                         (60-11-4)
                            





≡≡≡≡ 4 保証債務/解答解説編 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡




【問 24】 ○  [保証債務の付従性]

 Bの主たる債務が,条件不成就のため成立しなかった場合,Aの
保証債務も成立しません。

 保証債務は,〈主たる債務の履行を担保する〉ことが目的ですか
ら,〈必ず主たる債務の存在を前提〉としており,主たる債務なし
には成立しません。

 これを保証債務の〈付従性〉といいます。

 前にも出てきましたね。そうです,この付従性は,担保物権の付
従性とまったく同じものです。
 
 主たる債務がなければ保証債務は成立できず,主たる債務が消滅
すれば保証債務も消滅する,この〈主従の関係〉をシッカリ押さえ
てください。

 BC間の契約が,錯誤を理由に無効だったり,詐欺を理由に取り
消された場合にも,Aの保証債務は成立しません。 

 付従性って,運命共同体なんです。





【問 25】 ×  [保証人の要件]

 保証人となる資格に制限はありません。当事者間の契約で自由に
決めることができます。

 しかし,債務者が,担保の方法として〈保証人を立てる義務〉を
負う場合には,保証人は──

 (1) 行為能力者であること
 (2) 弁済する資力を有すること の2つの要件を備えなければな
 りません。

 (1) は,制限行為能力を理由に保証契約が取り消されることを防
   ぐためで,
 (2) は,保証債務が確実に弁済されるようにするためです。 





【問 26】 ○  [主たる債務者について生じた事由]  

 「Cの保証債務にBと連帯して債務を負担する特約がない場合」
とありますから,これは連帯保証ではなく,普通の保証債務である
ことを示しています。

 保証債務の場合,主たる債務者Bに対する〈履行の請求〉その他
の事由による〈時効の中断〉は,保証人Cに対しても,その効力を
生じます。

 保証債務の場合,主たる債務者について生じた事由は,原則とし
て,すべて保証人についても効力を及ぼすのです(付従性)。





【問 27】 ○  [催告の抗弁権]

 保証人は,債権者から履行の請求を受けたときは,原則として,
まず主たる債務者に催告をするよう請求することができます。

 これを〈催告の抗弁権〉といいます。

 保証債務は,〈主たる債務が履行されないとき〉に履行するもの
だからです。

 この性質を保証債務の〈補充性〉といいます。





【問 28】 ○  [検索の抗弁権]

 連帯保証ではない普通の保証債務の場合,保証人Cは,主たる債
務者Bに,(1) 弁済の資力があり,かつ,(2) 執行が容易であるこ
とを証明することによって,債権者Aの請求を拒むことができます。

 これを〈検索の抗弁権〉といい,やはり保証債務の〈補充性〉に
よるものです。

 保証債務は,〈主たる債務が履行されないとき〉に履行するもの
だからです。


* なお,主たる債務者が,債権者から履行の請求を受けたとき,
まず保証人に催告せよと請求することはできません。

 主たる債務者は〈履行するのが当然〉ですから,催告の抗弁権が
ないのはいうまでもありません。もちろん,検索の抗弁権もありま
せん。





【問 29】 ○  [保証人の相殺権]

 保証人は,主たる債務者の債権による〈相殺〉をもって,債権者
に対抗することができますから,保証人Aは,Bの債権 600万円に
よる相殺を主張して,400万円だけ支払えばいいのです。





【問 30】 ×  [保証債務の範囲]

 保証人Bは,自己の保証債務についてのみ,その不履行の場合に
おける違約金または損害賠償の額を約定することができます。

 保証債務の履行を確実にするためです。





【問 31】 ×  [委託による保証]

 保証人Bは,主たる債務者Aの〈委託〉を受けなくても,また,
主たる債務者Aの〈意思〉に反しても,することができます。

 保証契約は,債権者と保証人との契約ですから,主たる債務者の
委託・意思を問題としないのです。





□■ 5 連帯保証(1)/問題編 ━━━━━━━━━━━━━




【問 32】 

 AがBに 1,000万円を貸し付け,Cが連帯保証人となった場合,
Aは,自己の選択により,B及びCに対して,各別に又は同時に,
1,000万円の請求をすることができる。
                         (10-4-1)




【問 33】 

 AがBに 1,000万円を貸し付け,Cが連帯保証人となった場合,
Cは,Aからの請求に対して,自分は保証人だから,まず主たる債
務者であるBに対して請求するよう主張することができる。
            
                         (10-4-2)




【問 34】 

 AのBに対する債権(連帯保証人C)について,AがBに対して
訴訟により弁済を求めた場合,Cの債務についても,時効中断の効
力を生じる。
                          (7-3-3)




【問 35】 

 AのBに対する債権(連帯保証人C)について,BがAに対して
債務の承認をした場合,Bが被保佐人であって,保佐人の同意を得
ていない場合には,時効中断の効力を生じない。 
                          (7-3-4)




【問 36】 

 Aは,Aの所有する土地をBに売却し,Bの売買代金の支払債務
についてCがAとの間で保証契約を締結した。このとき,Cの保証
債務がBとの連帯保証債務である場合,Cに対する履行の請求によ
る時効の中断は,Bに対してもその効力を生ずる。
                         (15-7-3)





≡≡≡≡ 5 連帯保証(1)/解答解説編 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡




【問 32】 ○  [連帯保証の性質]

 連帯保証の場合,債権者Aは,主たる債務者Bおよび連帯保証人
Cに対して,別々にまたは同時に,1,000万円全額の請求をするこ
とができます。

 連帯保証というのは,保証人が主たる債務者と〈連帯して債務を
負担〉する保証債務です。

 つまり,主たる債務者と保証人が〈連帯債務〉の関係にあるとい
うことなのです。

 もともと保証人には,催告と検索の抗弁権がありますから,債権
者にとって債権の効力がそれほど強いわけではありません。

 ところが,連帯債務の関係になれば,債権は大変強力になります。
 保証とはいいながら,ほとんど連帯債務のようになるのです。





【問 33】 ×  [催告の抗弁権]

 連帯保証人Cは,Aからの請求に対して,まず主たる債務者Bに
対して請求するよう主張する〈催告の抗弁権〉はありません。

 連帯保証人は,連帯債務者と同じ立場にありますから,〈催告の
抗弁権〉はないのです。〈検索の抗弁権〉もありません。

 連帯債務者に,催告の抗弁権・検索の抗弁権がないのと同じなん
です。





【問 34】 ○  [主たる債務者について生じた事由]

 連帯保証の場合,主たる債務者Bに対して訴訟により弁済を求め
るなど,〈履行の請求その他すべて時効の中断事由〉は,連帯保証
人Cの債務についても効力を生じます。

 これは,保証債務の付従性によります。連帯保証も,保証債務な
のです。


* 連帯保証は,保証債務であると同時に,連帯債務の性質をもっ
ていますから,少しややこしくなります。

 ただし,あくまでも保証債務ですから,主たる債務者に生じた事
由は,すべて連帯保証人に及ぶという〈付従性〉を失うことはあり
ません。





【問 35】 ×  [被保佐人の債務の承認]

 被保佐人 ? 確か,遠い昔にやったような……。

 被保佐人というのは,十分な判断能力がないため,単独では完全
な〈意思表示〉ができず,保佐人の同意を必要とする者をいいまし
たよね。

 これは,あくまでも〈意思表示〉に関することなんです。

 ところが,債務の承認というのは,〈自分で判断して意思決定を
するという意思表示〉ではなく,単に債権という権利があることを
認識しながら〈その旨を表示する行為〉にすぎませんから,保佐人
の同意は必要ないのです。

 被保佐人Bが,保佐人の同意なしに単独で債務を承認しても,時
効中断の効力を生じるのです。





【問 36】 ○  [連帯保証人について生じた事由]

 連帯保証人Cに〈履行の請求〉をすれば,主たる債務者Bに対し
て請求したのと同じ効果を生じます。

 履行の請求は,消滅時効を中断しますから,Bの債務についても
消滅時効を中断することになります。





★☆☆ まとめておこう ☆☆★

[連帯保証]

 混同しやすいので,ちゃんとまとめておきましょう。


 連帯保証には,普通の保証債務と違う点が3つあります。

 (1) 催告・検索の抗弁権がない。
 
 (2) 主たる債務者,連帯保証人の一方について生じた事由の効力
  について,連帯債務の規定が準用される。

 (3) 分別の利益がない。

 
 (2) については,次の点に注意してください。

 ・保証は,あくまでも〈担保〉であって〈付従性〉がありますか
  ら,主たる債務者に生じた事由はすべて連帯保証人にも及びま
  すが,反面,連帯保証人に生じた事由は主たる債務者に影響し
  ません。

  まず,ここ(付従性)をシッカリ押さえてください。次に,

 ・連帯保証人には,普通の保証人と同じように〈負担部分〉があ
  りませんから,連帯債務の規定が準用されるといっても,

  (1) 請求 (2) 更改 (3) 混同
  (4) 相殺 (5) 免除 (6) 時効 のうち,

  負担部分を前提とする,(4)(5)(6)は,準用されません。

  ・連帯保証人の有する反対債権をもって,債務者が〈相殺〉す
   ることはできません。

   なお,
   *連帯保証人が相殺すれば,債務者にも効力を及ぼし,
   *連帯保証人は,債務者の有する反対債権をもって相殺する
    ことができる,ということと混同しないように。

  ・連帯保証人を〈免除〉しても,債務者には影響がありません。

  ・連帯保証人について〈消滅時効〉が完成しても,債務者には
   影響がありません。


   以上をまとめると──

  ・主たる債務者について生じた事由 

    → すべて連帯保証人に及ぶ(付従性)

  ・連帯保証人について生じた事由 (連帯債務の準用)  

    → (1)請求 (2)更改 (3)混同 が主たる債務者に及ぶ

      「今度,請求したら後悔するよ」ってね ♪
      (混同)(請求)(更改)

       この中では,〈請求〉が最も重要です。

   連帯保証人に〈請求〉すれば,主たる債務者に請求したのと
  同じ効果を生じ,主たる債務の消滅時効を中断します。

   なお,主たる債務者が自分の反対債権で〈相殺〉すれば,弁
  済したのと同じですから,対当額で債権は消滅し,この効果は
  当然に連帯保証人にも及びます(付従性)。





□■ 6 連帯保証(2)/問題編 ━━━━━━━━━━━━━




【問 37】 

 AとBが 1,000万円の連帯債務をCに対して負っている(負担部
分は1/2ずつ)場合と,Dが主債務者として,Eに 1,000万円の
債務を負い,FはDから委託を受けてその債務の連帯保証人となっ
ている。
 この場合 1,000万円の返済期限が到来したとき,CはA又はBに
それぞれ 500万円までしか請求できないが,EはDにもFにも 1,0
00万円を請求することができる。
                         (16-6-1)




【問 38】 

 AとBが 1,000万円の連帯債務をCに対して負っている(負担部
分は1/2ずつ)場合と,Dが主債務者として,Eに 1,000万円の
債務を負い,FはDから委託を受けてその債務の連帯保証人となっ
ている。
 この場合,Aが債務を承認して時効が中断してもBの連帯債務の
時効の進行には影響しないが,Dが債務を承認して時効が中断した
ときには,Fの連帯保証債務に対しても時効中断の効力を生ずる。

                         (16-6-4)




【問 39】 

 AとBが 1,000万円の連帯債務をCに対して負っている(負担部
分は1/2ずつ)場合と,Dが主債務者として,Eに 1,000万円の
債務を負い,FはDから委託を受けてその債務の連帯保証人となっ
ている。
 この場合,CがBに対して債務の全額を免除しても,AはCに対
してなお 500万円の債務を負担しているが,EがFに対して連帯保
証債務の全額を免除すれば,Dも債務の全額を免れる。

                          (16-6-2)




【問 40】

 AとBが 1,000万円の連帯債務をCに対して負っている(負担部
分は1/2ずつ)場合と,Dが主債務者として,Eに 1,000万円の
債務を負い,FはDから委託を受けてその債務の連帯保証人となっ
ている。
 このとき,Aが 1,000万円を弁済した場合には,Aは 500万円に
ついてのみBに対して求償することができ,Fが 1,000万円を弁済
した場合にも,Fは 500万円についてのみDに対して求償すること
ができる。
                         (16-6-3)




【問 41】 

 AがBに対して負う 1,000万円の債務について,C及びDが連帯
保証人となった場合(CD間に特約はないものとする)に,Bは,
1,000万円の請求を,A・C・Dの3人のうちのいずれに対しても,
その全額について行うことができる。
                          (5-4-1)




【問 42】 

 AがBに対して負う 1,000万円の債務について,C及びDが連帯
保証人となった場合(CD間に特約はないものとする)に,CがB
から 1,000万円の請求を受けたときは,Cは,Bに対し,Dに 500
万円を請求するよう求めることができる。
                          (5-4-2)




【問 43】 

 A銀行のB社に対する貸付債権につき,Cは,B社の委託を受け
その全額につき連帯保証するとともに,物上保証人として自己の所
有する土地に担保設定している。DもB社の委託を受け全額につき
連帯保証している。保証人各自の負担部分は平等である。A銀行と
B,C及びDとの間にその他特段の約定はない。
 この場合,Cが,A銀行に対して債権全額につき保証債務を履行
したときは,その半額につきDに対する求償権を取得する。

                         (18-7-2)





≡≡≡≡ 6 連帯保証(2)/解答解説編 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡




【問 37】 ×  [連帯債務,連帯保証の性質]

 連帯債務と保証債務・連帯保証の比較みたいな問題は,出題者が
点差をつけようとするには,もってこいのテーマといえます。

 (1) 連帯債務の場合,債権者Cは,連帯債務者A・Bに対し,そ
 れぞれ 1,000万円全額を請求することができます。

 A・Bの〈本来の債務額〉はそれぞれ 1,000万円であって, 500
万円は内部的な分担にすぎないからです。

  (2) 連帯保証の場合も,債権者Eは,主たる債務者Dと連帯保証
人Fに対し,それぞれ 1,000万円全額を請求することができます。




                              
【問 38】 ○  [債務の承認]

 (1) 連帯債務者Aが,〈債務を承認〉して時効が中断しても,B
の連帯債務は中断しません。

 連帯債務では,債務の承認など〈請求以外〉の中断事由は,相対
的効力を生じるだけです。

 (2) 主たる債務者Dが,〈債務を承認〉して時効が中断すれば,
Fの連帯保証債務も時効が中断します。

 主たる債務者について時効が中断すると,保証債務の〈付従性〉
により,連帯保証債務についても時効中断の効力を生じるのです。





【問 39】 ×  [免除の効力]

 (1) 連帯債務者Bが債務全額を〈免除〉されれば,連帯債務者A
は,Bの負担部分 500万円については債務を免れ,結局,残額 500
万円の債務を負担することになります。

 しかし,(2) 連帯保証人Fが債務全額を〈免除〉されても,その
効力は,主たる債務者Dの債務には及ぶことはなく,Dはなお全額
の債務を負担します。

 連帯保証には〈負担部分〉がありませんから,連帯債務の規定の
うち,負担部分の存在を前提とする〈免除〉は準用されないのです。





【問 40】 ×  [求償権] 
  
 (1) 連帯債務者Aが 1,000万円全額を〈弁済〉すれば,連帯債務
者Bに対して,Bの負担部分 500万円について求償することができ
ます。

 Bの負担部分は,Aにとっては〈他人の債務の弁済〉となるから
です。

 (2) 委託を受けた連帯保証人Fが 1,000万円を弁済すれば,主た
る債務者Dに対して,1,000万円全額を求償することができます。

 主たる債務者には負担部分がありませんから,連帯保証人が弁済
した場合の求償関係は,保証債務の場合と同じなのです。





【問 41】 ○  [連帯保証と分別の利益]

 債権者Bは,主たる債務者A,連帯保証人C,Dのだれに対して
も,1,000万円全額を請求することができます。

 もともと主たる債務について,数人が保証債務を負担する〈共同
保証〉の場合には,共同保証人の1人1人は,〈均等割合で分割し
た額〉についてだけ,債務を負担します。

 これを〈分別の利益〉といいます。

 しかし,「C及びDが連帯保証人となった」というように,C,
Dが,主たる債務者Bと〈連帯保証〉した場合には,C,Dは〈全
額を負担〉しなければならず,分別の利益はありません。





【問 42】 ×  [共同保証の性質]

  1,000万円の請求を受けた連帯保証人Cは,債権者Bに対し,も
う1人の連帯保証人Dに 500万円を請求するよう求めることはでき
ません。

 共同保証人が連帯保証である場合,各保証人は全額弁済の義務が
あり,分別の利益はありません。





【問 43】 ○  [共同保証人間の求償権]

 問題文は長文ですが,よく読むと,内容は簡単な問題です。長文
だから難しいという先入観は,宅建試験の場合,禁物です。

 テーマは,共同保証人の1人が弁済した後の清算関係です。


 連帯保証人のように分別の利益のない保証人間で求償が行われる
場合,連帯保証人は,他の連帯保証人に対し,〈各自の負担部分〉
について求償権が認められています。

 民法がこの求償権を認めたのは,主たる債務者の資力が十分でな
い場合を考慮して,〈共同保証人間の公平を図る〉ためなのです。

 共同保証人の1人Cが弁済をしたときは,他の共同保証人Dに対
して,Dの負担部分について〈求償権〉を取得します。

 「保証人各自の負担部分は平等である」とありますから,Cは,
弁済した債権全額の「半額につき」,Dに対して求償権を取得する
ことになるのです。






 お疲れさまでした。今回はここまでです。






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