メールマガジン 平成の羅針盤 vol.23【2008.08.26】 正々堂々 〜スポーツマンたちの北京オリンピック
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メールマガジン 平成の羅針盤 vol.23【2008.08.26】
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正々堂々 〜スポーツマンたちの北京オリンピック
北京オリンピックが終わった。結果はまずまずといったところだが、感動的な場面にいくつか出会った。
特に男子水泳の北島康介選手の力強い泳ぎには、本当に惹きつけられた。
大舞台に出ても物怖じせず、冷静かつ強い意志を感じさせる言動は、見ていて頼もしいものがあった。
その北島選手が出場する男子メドレーは銅メダルだったが、
勝負が終わったあと、勝国の選手に握手を求め、抱擁し合うシーンがあった。
相手はおそらく、8冠を手にしたアメリカのフェルプスだったと思う。
たとえ負けたとしても、相手の健闘を認め、讃え合うまなざしは、自信に満ちていて、清々しかった。
「ママでも金」という目標を掲げて戦いに挑んだ谷亮子は、連覇は達成できなかったが、
三位決定戦で見せた一本勝ちの鮮やかさは、これまで連勝記録を築いてきた谷の実力と風格を感じさせた。
表彰台で、銅メダルを首にかけ、観客席に手を振る谷は、
日本代表として責任を果たすことができて、ほっとしているようにも見えた。
谷ほどキャリアがあると、勝った負けたでいちいち一憂一喜できないのかもしれない。
オリンピックまでいくと、個人の力だけでなく、周囲の支えも影響してくる。
個人の自尊心では戦い抜けない。周囲の期待を、プレッシャーでなく心の支えにしてこそ存分の力が出せる。
本物のスポーツマンは、普段から周囲の応援者に感謝の気持ちを持ってがんばれる潔さを持っている。
しかし、どんなに期待されていても、どんなに練習を重ねてきても、
本番でその力が100%生かせるとは限らない。
女子マラソンの野口や土佐のように、突然のアクシデントに見舞われることもあるし、
野球のダルビッシュのように不完全燃焼で終わってしまうこともある。勝負は本当に、時の運なのだ。
毎回連覇を達成する人、大舞台で力を発揮する、勝負強い人は、何が違うのだろうか。
私は、周囲の応援をどれだけ自分のサプリメントにできるかだと思う。
一言で言ってしまえば、おおらかな「お調子者」というところだろうか。
男子陸上100m,200m,4×100mリレーで世界記録を樹立した金メダリストのボルト選手などを見ていると、
つくづくそう思う。
世界中が何を言おうと、自分は走ることが好きで、一番になってみんなを楽しませたい、という
子供のような遊び心は、それだけ周囲が、おもしろおかしく彼を持ち上げているからだ。
しかし、オリンピックが盛り上がるというのは、世界がまだまだ平和だ、ということではないだろうか。
世界で闘う行事と言えば、約半世紀前は戦争だった(行事ではないが)。
多くの人が自らの生死と国家の存亡を賭けて戦い、傷つき、死んでいった。
歴史の中で引き起こされた戦争は、今も国家間に根強いしこりを与えている。
日本が中国や韓国になにかと敵対視されるのは、太平洋戦争で日本が残虐な行為をしたからだし、
日本がアメリカへコンプレックスを抱くのは、原子爆弾を広島と長崎に落とされただけでなく、
戦後の経済復興から現在に至るまで日本のアメリカに依存する面が未だ多くあるという負い目があるからだ。
たとえオリンピックで勝っても負けても、その民族が世界で優れているとか、劣っているということはない。
神の目から見れば、人間は皆平等だ。
だから、仮に負けたとしても、四年後のロンドン五輪はがんばろうという気になれる。
しかし戦争の場合、負けたら植民地にされるなど、国民の人権が剥奪される。
それによって偏見や差別意識が生まれ、憎しみが憎しみを呼んで、
次なる争いに駆り立てられ、悲劇が引き起こされる。
スポーツマンの共通意識は、「自己の精神、肉体的限界に挑戦する」ということだ。
ライバル国を設定することで、モチベーションを高めることはあるが、
基本的に勝者によって敗者の人権や国家の尊厳が貶められることはない。
だから正々堂々と闘えるのだ。
オリンピックという舞台だけでなく、経済やその他のシーンでも、こういった精神で高め合っていければ、
世界はもっと発展していけるのにと思う。
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