ばなな先生の お気楽作文教室 RSSを登録する

表現したものを通して、自分の視点や自分とは何者かに気づく『自分科』という科目を提唱する著者が、「書く」ことによって、人生が変わることを訴えます。

  • 周期 週刊
  • 最新号 2008/10/03
  • 発行部数 92
  • マガジンID 0000237027
  • 個別ページ
最新号をメルマガでお届けします    
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。
2008/07/02

第56回 学校の先生方へ(その4)

この記事を取り寄せる

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
  

 ばなな先生の
 
     おとなとこどものための
      
 おきらく 作文教室
                    
                    NO.56
                    2008.7.2


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



 こんにちは。


「作文教室ばなな」の講師
「ばなな」ともうします。
 
 
 一年の半分が終わり、
 いよいよ後半戦に突入します。



 わたしは、かつて教師だったとき、
 ちょうどこの時期に、
 病気休職に入ったことがありました。


 忘れもしません、
 9年前の6月29日です。
 半年間ほどお休みしました。

 

 トラブルも起こし、その上のお休みで、
 多くの人に多大なる迷惑をかけてしまいました。


 自分ではまだまだ
 続けられると思っていました。


 ところが、体や心が言うことを聞かないのです。



 いろいろなことも重なり、
 休むしかない状況ではありました。
 でも、休む、という決断をしたのは自分でした。


 ずっとずっと、休んだ自分を責めていました。
「偉そうなことを言って、教師ズラして、
 子どもの前で格好付けてきたくせに
 保護者や同僚を批判して、
 結局、こんなみっともない幕切れなのか」


 そうして責め続けました。


 復職して六年後にわたしは教師を辞めるのですが、
 おそらくこのときの挫折から立ち直れなかった
 というのが本当の理由だったかもしれません。



 なぜならば、つい最近、
 あのとき逃げ出した自分を
 激しく責めていたことに気づいたからです。



 今、こうしたメルマガを書いているのは、
 この挫折を乗り越えようとしている自分の
 試行錯誤の歩みです。


 
 そうした言葉にならない想いを受け止めてくださる
 パソコンの向こうにいらっしゃる方々に
 感謝しつつ、毎回発信させていただいてます。


 今回もどうぞよろしくお願いします。





-------☆☆☆--------☆☆☆--------☆☆☆--------☆☆☆--------☆☆☆

目次

1.学校の先生方へ(その4)

2.インフォメーション

3.編集後記


-------☆☆☆--------☆☆☆--------☆☆☆--------☆☆☆--------☆☆☆



 ☆☆★★☆☆ ☆☆★★☆☆ ☆☆★★☆☆ ☆☆★★☆☆ ☆☆★★ 



  学校の先生方へ(その4)



 ☆☆★★☆☆ ☆☆★★☆☆ ☆☆★★☆☆ ☆☆★★☆☆ ☆☆★★ 



 わたしの知っている『幸せ先生』の一人、
 K先生は、教師の傍らトライアスロンをしていました。


 ある日K先生に用事があり、
 休み時間に先生の教室を尋ねました。


 わたしが扉をノックすると、
 あわてて男の子たちが数人、血相を変えてやってきました。

「先生、今、疲れて寝ています」
 とものすごく小さな声で話すのです。
「ひょっとして、試合?」
 わたしが聞くと、児童の一人がまじめな顔でいいました。
「そうです。秋田だったそうです」
「さっきも半分、自習だったんです」
 もう一人の子が申し訳なさそうな顔をしました。
 
 先生は週末、大会になると、全国どこへでも試合しにでかけていきます。
 児童が言った、秋田というのは、そのことでした。

 仕事が終わると毎日トレーニングをしています。
 詳しいことは知りませんが、競技成績もなかなかのものだそうです。


 その方が素晴らしいのは、
 決して子どもに「やりなさい」と命じないところです。


 朝マラソンは常に一番前を走っています。
 冷たいプールにも一番先に入ります。
 そうじや片付けも率先してやっています。
 いつもにこにこしていて、声を荒げることもありません。

「意志が大切だと思います。自分からやろう、
 としないと続かないんです。
 人じゃないんですよ。
 自分をどうコントロールするかが大切なんです」
 わたしが聞くと、涼しげな顔で言いました。


 過酷な競技をやりぬいた人らしい重みのある言葉でした。
「だいいち、やれ、と言うと、こっちも苦しいしね」
 とにこにこしているのです。


 先生のクラスの子は、面倒見のよい子ばかりでした。
 先生の温かい人柄によって場が作られ、
 その子たちの本来の優しさが自由に表現されているのです。


 それから十年以上経ち、久しぶりに先生とお会いしました。
 ある研修会の会場でした。
 
 わたしは司会をしていました。
 重苦しい雰囲気の中、一番最初に発言して助けてくれたのは、
 K先生でした。

 手を挙げる前、目配せをしてくれました。
 以前とちっとも変わらない優しさでした。

「大会には出てないけれど、トレーニングは続けてるよ」
 わたしがお礼に行くと、
 予想したとおりの答えがかえってきました。


 幸せ先生の共通点は、ワクワクしているところです。


 子どもがその後ろをついて歩きたくなるような、
 なんだか楽しそうな雰囲気をいつもかもしだしているのです。
 いつも何かたくらんでいて、次々に場を楽しませます。
 
 そして、音楽なり絵画なり、スポーツなり、教科なり、
 と自分の好きなことを介して子どもたちを見ているのです。


 教育って何でしょうか?
 その問いをわたしは、わたしなりにずっと考えてきました。
 最近、こんなふうに考えています。


「自分が何者なのか、自分自身で気がつくための手立て」
「自分らしく表現できるよう、その手がかりを知る営み」


 そして、「幸せ先生」と勝手に名づけた心豊かな人たちが、
 こうした子どもたちの疑問や悩みによりそえるような気がしています。


 今、教育の場においてもっとも必要なものは、制度でも、
 カリキュラムでも、お金でも、設備でもなく、
「幸せ先生」だとわたしは思っています。


 そして幸せ先生がいるだけで、子どもたちが自然に伸びようとする
 場をつくることができる気がするのです。


 テクニックを駆使して教えこんだり、執拗に訓練させなくても、
 彼らの学びたい、伸びたいという生命体としての
 自己増殖力を信頼し見守ってあげられる気がするのです。


 残念ながら、
 わたしは幸せ先生ではありませんでした。

 教師をしていたわたしに
 そんな発想は思いつけませんでした。


 今もし、教育に恩返しができるのならば、
「幸せ先生」について何か発信することだと
 考えています。


 伝えたいことは、たった一つです。
 それは、
 幸せ先生だけが、子どもを幸せにできる、
 ということです。


 そしてわたし自身が
 幸せになり、幸せ発信者として
 この場を活用することだと思っています。
 




-------☆☆☆--------☆☆☆--------☆☆☆--------☆☆☆--------☆☆☆


 2.インフォメーション


 -------☆☆☆--------☆☆☆--------☆☆☆--------☆☆☆--------☆☆☆





「幸せのばなな教師塾」
 第1回目、
 無事に終了しました。


 参加していただいた方に御礼申しあげます。
 

 第2回目の予定は調整中です。


 よろしければ、遊びに来てください。


 ちなみに先生は参加者でお一人でしたので、
 どなたでもいらしてください。



 場を通じてご縁ができることを心待ちにしております。




■□■□■□■□■□■□■□■□■■□■□■□■□■□■□■□■□■□




 
  編集後記




 休職したとき、
 わたしは六年生を担任していました。


 卒業式には参加していません。
 参加する資格もない、と思っていました。
 
 二度とみんなの前には現れまい、と思っていました。
 しかし、同時にそのことで、クラスの保護者や
 子どもから謝罪をもとめられたら、
 いつでもどこでも行き、頭を下げようとも
 思っていました。



 一年位前のことです。
 当時のクラスにいた子どもの一人が
 ミクシーでたまたまわたしを見つけてくれました。
「ずっと探していました」
 と書かれていて、涙しました。


 恥ずかしながら、マイミクにしてもらいました。


 そのご縁で先日、
 初ソロライブをするという、
 彼のステージを見に行く幸運を得ました。


 幕が上がると、21の立派な青年がギターを弾いていました。
 素敵な演奏でした。
 
 おっさんですが、花を買っていきました。

 ステージに駆け寄り、花を渡し、握手しました。
 気づくと「ごめんね」と何度も謝っていました。
 
 
 やっと終わったのかな、と思いました。
 そして、やっとこれから始まるのかな、と思っています。


 今後ともよろしくお願いいたします。


 ご意見、ご感想はこちらまで
  
   A.kobakichi-w@nifty.com  
   
 
 ご縁に感謝いたします。

  発行人 <「ばなな作文教室」講師「ばなな」=小塙 雅多加 >

この記事を取り寄せる
最新号をメルマガでお届け
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。

最近の記事

上へ戻る