2008/03/30
サンスクリット原典で読み解く「ヨーガ・スートラ」!第65号
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yastyaktvaa ruupamaadyaM prabhavati jagato'nekadhaa'nugrahaaya
prakSiiNaklezaraazirviSamaviSadharo'nekavaktraH subhogii |
sarvajJaanaprasuutirbhujagaparikaraH priitaye yasya nityaM
devo'hiizaH sa vo'vyaatsitavimalatanuryogado yogayuktaH ||
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サンスクリット原典で読み解く「ヨーガ・スートラ」!
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 2008.03.30. ◆ 第65号
目次
◎ ヨーガ・スートラ 2:10 解説
◆ 本文
◆ 単語の切れ目・読み・意味
◆ 句全体の意味・解説
◎ 「kriyaayoga クリヤーヨーガ、行為のヨーガ」の鼎立について
◎ 編集後記・次号の内容
=◎ ヨーガ・スートラ 2:10 解説 ================
こんにちは。
「サンスクリット原典で読み解く「ヨーガ・スートラ」!」
の発行者、誠です。
今号は2:10、前までの5つの「kleza クレーシャ」を絶つ方策が
述べられていきます。
早速本文を見て行きましょう。
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◆ 本文
te pratiprasavaheyaaH suukSmaaH (2:10)
◆ 便宜的な読み
テー プラティプラサヴァヘーヤーハ スークシュマーハ
(このメルマガで用いるサンスクリットのローマ字表記について
http://sanskrit.rakurakuhp.net/i_173979,si_21176.htm)
(この句の音声をお聴きになりたい方は
http://samskrita.seesaa.net/article/80863193.html)
(原文の文字をご覧になりたい方は
http://sanskrit.rakurakuhp.net/i_164529,si_77001.htm)
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◆ 単語の切れ目
te - pratiprasava - heyaaH - suukSmaaH
◆ 連声
なし
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◆ 単語の意味
te (指示代名詞 tad 主格・は格 複数)
読み テー
意味 彼らは、これらは など
pratiprasava (男性名詞)
読み プラティプラサヴァ
意味 反対の規則、元の状態への復帰 など
heyaaH (√haa 未来受動分詞 heya 主格・は格 複数)
読み ヘーヤーハ
意味 去られるべき、見捨てられるべき、断念されるべき、
避けられるべき など
suukSmaaH (形容詞 suukSma 主格・は格 複数)
読み スークシュマーハ
意味 微妙な、微細な、小さい、薄い、狭い、短い、ささいな、繊細な、
ほとんど聞こえない、鋭い、鋭敏な、結構な、正確な、原子の、
取るに足りないこと など
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◆ 句全体の便宜的な意味・解説
◇ 意味 これらは、些細な場合、元の状態に返すことで、
絶つことができる。
◇ 解説 さあ、これまた訳を読んだだけでは
よくわからない内容の句ですね。
もっともこれは訳のせいではなく、原文がこうなのです(笑)。
と言いますか、上の訳文でさえ意味が通りやすいように、単語の継ぎ目に
かなり補足をしており、本来「場合」「ことで」などは原文にないのです。
原文のままですと、「これらは、小さいと、元に返して絶てる」
ぐらいの感じなのです。全く、ヨーガスートラほどぶっきらぼうな聖典は
世界に他にないのではないでしょうか?(笑)
まずはじめの「これら」は、前号までに挙げられた「kleza クレーシャ」
の5つの要素ですね。前の2:9までに、要素が5つ挙げられたので、それを
受けて「これら」と複数形にしているわけです。
今までにも何度か「これ」とか「これら」などの指示代名詞が
出てきましたが、これはその前に述べられた単語を重複することを避ける
意味と、また前の流れを受けた内容ですよ、という全体が一連の流れに
なっていることを示す「標識」の意味とがあるように思います。
そして次ですが、原文の単語の順では
「pratiprasava プラティプラサヴァ」です。これは「反対に、返す」
などの意味の「prati プラティ」と、「誕生、起源、出産」などを意味する
「prasava プラサヴァ」とが合わさった単語です。
ですので、「生まれたところへ返す」「反対に戻す」というような意味合い
になるのですね。
さらに「heya ヘーヤ」は、文法的には「未来受動分詞」という名前で
呼ばれる形の単語で、まだ絶たれていないけれども、その
「生まれたところへ返す」ことによって、絶つことができる、という
意味合いになります。
そして、最後の「suukSma スークシュマ」は今まで既に2度ほど出てきた
単語ですが、「微細な、小さな、些細な」などの意味です。今までは
「微細な」という訳を充てて来ましたが、上の訳では「些細な」として
おきました。つまり、これらがまだ小さな段階では、というニュアンスに
なります。
これらを総合しますと、クレーシャの5つの要素は、小さな段階に
おいては、その生まれたところへ返すことによって、絶つことができる、
と言っていることになります。
これはこの句だけではわかりにくいですが、次の句と対になるような
内容になっていますので、次の句の内容との比較によって、さらに詳しく
読み解いてみることにしましょう。
この句では「小さな」段階を述べているのですから、次に
述べられるのは・・・? 予想がつきますよね?
ポイントは「生まれたところに返す」または「反対の方向に戻す」という
ところですね。「反対」とはどちらに対する「反対」なのか、
「生まれたところ」とはどこになるのか、などが、今までの流れからは
わからないわけです。
ちなみに、文法的には、この句は語尾のある単語が3つありますが、
内容がはじめの「これら」に関しての話ですので、あとの二つの
「heya ヘーヤ」「suukSma スークシュマ」を、共に「複数形」に
揃えてあるわけです。
反対に、読み解く場合には、これら二つが複数形になっていることで、
この二つが「これら」のことを述べている、同列であると判断するわけです。
=◎ 「kriyaayoga クリヤーヨーガ、行為のヨーガ」の鼎立について ===
さて、前号2:9まででクレーシャの5つの要素が全て挙げられたのですが、
一体何のために挙げられたのでしたっけ?(笑)
しばらく間が空きまして、以前の印象が薄くなっていらっしゃる方も
多いかと思いますので、復習も兼ねて、改めて2章の始まりからここまでの
流れを追ってみましょう。
2章の初めから前号2:9までの流れを追ってみますと、2章の初めは
「kriyaayoga クリヤーヨーガ、行為のヨーガ」の定義でした。
そして次の2:2で、その目的が二つ明らかにされ、その目的のうちの
一つが「「kleza クレーシャ、苦悩」を小さくすること」だったのですね。
それからクレーシャの5つが列挙され、それぞれが解説された、という流れ
でした。
つまり、今までの流れを逆に後ろから前に遡って読み取りますと、延々と
挙げられてきたクレーシャ、苦悩の要素の5つは結局、「行為のヨーガ」
によって小さくできる、ということを言っているわけです。
それでは、「kriyaayoga 行為のヨーガ」とは何だったのか、改めて
2:1の原文に登場してもらいます。
tapaHsvaadhyaayezvarapraNidhaanaani kriyaayogaH (2:1)
苦行、自身の学習、「イーシュヴァラ」への祈念が、
行為のヨーガである。
(2:1 解説バックナンバー
http://archive.mag2.com/0000235863/20080110090000000.html)
ということで、その要素に「tapas タパス」
「svaadhyaaya スヴァーディヤーヤ」
「iizvarapraNidhaana イーシュヴァラプラニダーナ」の三つが挙げられて
いたのでした。
ここで、改めてこの2:1に立ち返って、その説いているところ、
「行為のヨーガ」の3つの間の関係を読み解いてみます。
はじめの「tapas タパス」は便宜的に「苦行」と書きましたが、
元々は「熱」という意味を持っています。「苦行」と書きますと、
ネガティブなイメージを持たれる方も多いかと思いますので、本当は
「苦行」と言いたくないんですね。ですので「熱を伴った実践」と
しておきましょう。
二つ目は「自身の学習、聖典の学習」です。
そして三つ目は「イーシュヴァラへの祈念」です。これら二つは
このままで大丈夫でしょう。
今まで保留しておきましたが、私は、
「kriyaayoga クリヤーヨーガ、行為のヨーガ」にこの3つが挙げられている
ことに、やはりヨーガスートラの非常に奥深い智恵が隠されていると
思います。
これら三つを簡潔に要素を抽出しますと「実践」「学習」「祈念」という
ことになります。この「三つ」が挙げられていることが奥深いと思うのです。
少し長くなってきたようです。新マガジンをご覧になってこちらにご登録
いただいた方には、私の饒舌(笑)にまだ慣れていらっしゃらないと
思いますので、この続きを次回にさせていただこうと思います。
「え?もう終わり?この長さでは物足りない!」と思われた方は、
すっかりこの「長文マガジン」の虜と言ってもいいでしょう(笑)。
=◎ 編集後記・次号の内容 =====================
先週の発行から一週間、今後は「不定期」ながらも、最低でも二週に一度、
できれば週に一度は配信したいと考えています。
そして、新マガジンの方は、そちらにも書きましたが、内容が簡潔な
こともあり、また先に読んでみたい聖典が目白押し(?)ですので、
できる限り小まめに配信していく所存です。
新しいマガジンをまだご存知でいらっしゃらない方は、ぜひ新マガジンも
ご覧いただけましたら幸いです。
(新マガジン「サンスクリット原典で、読んで、学んで、深めるヨーガ!」
http://www.mag2.com/m/0000260936.html )
◇ 次号の内容
次号は2:11、今号の2:10と対になる内容が展開されます。
コラムは今号の続き、「行為のヨーガの鼎立について」の続きです。
次号もどうぞ、お楽しみに。
(第65号 完)
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サンスクリット原典で読み解く「ヨーガ・スートラ」!
発行者 誠 s-tadao@rio.odn.ne.jp
◎ 発行者ホームページ 「実用サンスクリット学習講座!」
http://sanskrit.rakurakuhp.net/
◎ ホームページ連携音声ブログ「実用サンスクリット学習講座!音声編」
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◎ 発行システム『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/
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