2007/06/25
サンスクリット原典で読み解く「ヨーガ・スートラ」!第8号
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
yastyaktvaa ruupamaadyaM prabhavati jagato'nekadhaa'nugrahaaya
prakSiiNaklezaraazirviSamaviSadharo'nekavaktraH subhogii |
sarvajJaanaprasuutirbhujagaparikaraH priitaye yasya nityaM
devo'hiizaH sa vo'vyaatsitavimalatanuryogado yogayuktaH ||
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
サンスクリット原典で読み解く「ヨーガ・スートラ」!
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 2007.6.25. ◆ 第8号
目次
◎ ヨーガ・スートラ 1:7 解説
◆ 本文
◆ 単語の切れ目、読み、意味
◆ サンスクリット ワンポイント解説
◇ 名詞の「格変化」について
◆ 句全体の意味・解説
◎ サンスクリットお役立ちコラム 「アーユルヴェーダ」編
〜アーユス+ヴェーダ=アーユルヴェーダ とはこれいかに〜
◎ 編集後記・次号の内容
◆ ベスト10入り御礼!
=◎ ヨーガ・スートラ 1:7 解説 ================
こんにちは。
「サンスクリット原典で読み解く「ヨーガ・スートラ」!」
の発行者、誠です。
今回は前回に引き続き、1:7(1章の7句目)の解説です。
1:6で「vRtti ヴリッティ((citta チッタの)働き)」には5種類ある
ことが明かされましたが、この1:7から、具体的にその内容が説明される
ことになります。
早速本文を見て行きましょう。
----------------------------------------------------------------------
◆ 本文
pratyakSaanumaanaagamaaH pramaaNaani (1:8)
◆ 便宜的な読み
プラティヤクシャーヌマーナーガマーハ プラマーナーニ
(このメルマガで用いるサンスクリットのローマ字表記について
http://sanskrit.rakurakuhp.net/i_173979,si_21176.htm)
(この句の音声をお聴きになりたい方は
http://samskrita.seesaa.net/article/45671971.html)
(原文の文字をご覧になりたい方は
http://sanskrit.rakurakuhp.net/i_164529,si_34386.htm )
----------------------------------------------------------------------
◆ 単語の切れ目
pratyakSa - anumaana - aagamaaH - pramaaNaani
◆ 変化前の形
同上
----------------------------------------------------------------------
◆ 単語の意味
pratyakSa (中性名詞)
読み プラティヤクシャ
意味 知覚、直接の知覚、感覚を通じた理解、証拠、認知、明示、監督
など
anumaana (中性名詞)
読み アヌマーナ
意味 推理、推論、論証、類推 など
aagamaaH (男性名詞 aagama アーガマ 主格 複数)
読み アーガマーハ
意味 到着、出現、出生、起源、知識、由来、教訓、伝統、教本、伝統的
な文書、聖なる文書、聖典、聖なる知識、科学、知識の体系 など
pramaaNaani (中性名詞 pranaaNa プラマーナ 主格 複数)
読み プラマーナーニ
意味 量、尺度、標準、広さ、大きさ、長さ、容量、重さ、正しい量、
基準、証言、証拠、証明、権威、主な、行動の法則、正しい認識の
手段、証拠、真実の概念、正しい概念 など
---------------------------------------------------------------------
◆ サンスクリット ワンポイント解説
◇ 名詞の「格変化」の形
前回は、名詞の「格 かく」の概要を見てみました。
今回は、個々の格の内容を見ていく前に、8つの格の名前と、実際に
ひとつの単語がどのように24通りに変化するのか、それを見渡しておきたい
と思います。
格の名前や、変化の形を挙げますが、まだこれを覚えていただく必要は
ありません。(覚えていただけたら一番良いのですが(笑))
細かいことは、今後少しずつ解説していきます。
「格」の8つには「主格 しゅかく」「対格 たいかく」「具格 ぐかく」
「為格 いかく」「従格 じゅうかく」「属格 ぞくかく ぞっかく」
「処格 しょかく」「呼格 こかく」があります。
書籍によって、特に古い文法書には違った呼び名を書いているものも
ありますが、現在はだいたいこの呼び名で呼ばれるようです。
ひとつひとつの名前は小難しいようですが、それぞれの格の役割を、
漢字一字で表そうとした、苦肉の策(?)なのです。
では、男性名詞のaで終わる単語「deva デーヴァ 神」で、変化の24通り
を見てみましょう。(この「deva 神」は、サンスクリットの変化を説明
するのに、たいてい例として筆頭に用いられる単語で、代表例として「神」
という単語を用いる辺りにも、インドの文化風土が感じられます。)
縦は「格」別に並んでおり、横には「数 すう」別に並んでいます。
左から「単数形」「両数形」「複数形」です。
主格 devaH devau devaaH デーヴァハ、デーヴァウ、デーヴァーハ
対格 devam devau devaan デーヴァム、デーヴァウ、デーヴァーン
具格 devena devaabhyaam devaiH
デーヴェーナ、デーヴァービャーム、デーヴァイヒ
為格 devaaya devaabhyaam devebhyaH
デーヴァーヤ、デーヴァービャーム、デーヴェービャハ
従格 devaat devaabhyaam devebhyaH
デーヴァート、デーヴァービャーム、デーヴェービャハ
属格 devasya devayoH devaanaam
デーヴァスヤ、デーヴァヨーホ、デーヴァーナーム
処格 deve devayoH deveSu
デーヴェー、デーヴァヨーホ、デーヴェーシュ
呼格 deva devau devaaH デーヴァ、デーヴァウ、デーヴァーハ
いかがでしょうか? 「あ〜!もうサンスクリットなんてやめやめ!」
という声が聞こえてきそうです(笑)。
でも、よく見ると、いくつか同じものがあったり、共通点がありますので、
見慣れてくると、そんなに複雑なものではないのですが・・・。
前回、英語の「I my me アイ、マイ、ミー・・・」を例にとり、このよう
な格変化を持つ言語には、伝統的にその変化を覚える方法がある、と
書きましたが、サンスクリットでは、伝統的にこれを上のように横に読んで
「デーヴァハ、デーヴァウ、デーヴァーハ。デーヴァム、デーヴァウ、
デーヴァーン・・・」と唱えて覚えていきます。
学習の初めの段階からこの暗唱を実行し、この格変化を覚えてしまうのが
理想ですが、このメルマガのように、実際の文章に触れながら、少しずつ
その概念と実際の変化を覚えていく、というのも無駄が無くてよい方法と
思います。
(上記「deva デーヴァ 神」(a で終わる男性名詞)の格変化の覚え方の
音声はhttp://samskrita.seesaa.net/article/45704748.html参照)
格変化の全体を見たところで、次回からは、具体的に個々の格について
解説していきます。
毎回の解説が断片的ですので、一遍には理解しにくいかと思いますが、
個々の解説はかなり噛み砕いて、従来にない分かりやすい解説になっている
かと思います。
ある程度先に進んで、量がまとまったら以前のことも理解できる場合も
あると思いますので、お気軽に目を通していただき、少しずつご理解
いただけましたら幸いです。
---------------------------------------------------------------------
◆ 句全体の便宜的な意味・解説
◇ 意味 直接の知覚、類推、聖典、が「プラマーナ」である。
◇ 解説 この句では、前の句で、5種類の「vRtti ヴリッティ
((citta チッタの)働き)」の筆頭に挙げられた、
「pramaaNa プラマーナ」について述べられています。
この「プラマーナ」は、上に多くの訳語を載せましたように、「量」
「尺度」から「正しい概念」「正しい認識」「真実の概念」などを意味し、
ヨーガスートラの日本語の翻訳では「正知 しょうち」と訳されることが
多い語です。
自分が直接知覚したこと、また事実に基づいた推理や類推、それと古代、
神々より伝わる、聖賢、聖者方の残した聖典、の3つが「プラマーナ」
すなわち「正しい認識」「真実の概念」というわけです。「正しい概念」の
中に「聖典」が含まれているのがいかにもインド的、と言えます。
さて、「正しい認識」は、私たちの観念では、悪いことではないですよね?
実際、ヨーガスートラでも、悪いこととは述べていません。1:5で
「vRtti」には「苦しみをもたらすもの、もたらさないものがある」と
述べられましたが、この「プラマーナ」は「苦しみをもたらさないもの」に
分類してよいかと思います。
(「5種類の vRtti」については、前号、第7号参照
http://blog.mag2.com/m/log/0000235863/108678062.html?c=lif
「苦しみをもたらすもの、もたらさないもの」については、第6号参照
http://blog.mag2.com/m/log/0000235863/108667448.html?c=lif)
興味深いことには、ヨーガスートラ自身は「vRtti」の5種類を挙げ、
「苦しみをもたらすものと、もたらさないものがある」と述べておきながら、
5種類のどれが「苦しみをもたらすもの」で、どれが「苦しみをもたらさ
ないもの」なのかを分類していないのです。
ですので、この「プラマーナ」が「苦しみをもたらさないもの」に分類
される、という考えは、あくまで私の意見なのですが、
「正しい概念」「正しい認識」「真実の概念」は、普通に考えても悪い概念
ではないと思えますし、実際にインドでも伝統的に、上の「知覚」「類推」
「聖典」の3種から来る知識を重視しています。
(例) pratyakSaM caanumaanaM ca zaastraM ca vividhaagamam |
trayaM suviditaM kaaryaM dharmazuddhimabhiipsataa ||
知覚、また、類推、また、様々な聖典の教え、の3種は、
徳の清らかさを願う者に、充分に理解されるべきものである。
「 manu smRti マヌスムリティ(マヌ法典)12章105節 」
この一見、全く悪いことではない、むしろ世間的な価値観からは良いと
考えられる事柄、インドの伝統的にも非常に重んじられて来ている聖典さえ
も含んだ「pramaaNa プラマーナ」でさえ「vRtti」のひとつに過ぎず、
それすらも滅してしまった状態が「yoga」であり、そこに最大の
価値を置くという思想と、またその境地に到達する実際の実践体系とを
持っているのが、ヨーガスートラの大きな特徴だと思います。
いかがでしょうか? 今まで1:7までを見てきましたが、翻訳などで
さらりと読んでしまえばそれっきりの短い文章たちですが、原典の
ひとつひとつの単語と、それぞれの句の関わりとを深く掘り下げながら
読み込めば、いくらでも深く読みようがあるという、ヨーガスートラの深み
の一端をご理解いただけますでしょうか?
ヨーガスートラは、原典に取り組んでしっかりと読めば、噛めば噛むほど
味が出るスルメのようなもの(笑)で、かつ、単に哲学的に構築された
記述ではなく、さらにその先の実践に結びついているという、その深さが
底知れないような、空恐ろしい(笑)聖典なのです。
次回は、5種類の「vRtti」のうちの2番目に挙げられた、
「vipalyaya ヴィパリャヤ」の解説です。次回もどうぞ、お楽しみに。
=◎ サンスクリットお役立ちコラム 「アーユルヴェーダ」編
〜アーユス+ヴェーダ=アーユルヴェーダ とはこれいかに〜 ====
前回の末尾に、今号の予告で、ヨーガのアーサナの名前などについて、
正しい発音と表記を記し、また巷の情報を正していく、というようなことを
書きました。
サンスクリットの概要を学ぶことで、巷のヨーガの用語を初めとする
サンスクリット関連の情報に一定の尺度を持つことができ、ひいては、
その情報の内容の正確さを判定できる眼を養うことができます。
また、ヨーガのアーサナの正しい発音とともに、アーサナの名前の意味を
正しく知ることによって、先達がそのアーサナにこめた智恵を引き出すこと
ができ、正しいアーサナ理解への第一歩にもなると思います。
と言いつつ、今回は、アーサナの名前ではありませんで(笑)、もっと
一般的なところで、最近よく目にします「アーユルヴェーダ」について
書きたいと思います。
「インド式マッサージ」や「インドエステ」などの浸透で、テレビや雑誌
などでも取り上げられ、市民権を得つつある「アーユルヴェーダ」という
言葉、これもサンスクリットの単語のひとつです。
この「アーユルヴェーダ」は二つの単語からできていて、
「アーユル」が「生命」「寿命」「長寿」などを意味する中性名詞、
「ヴェーダ」が「知識」「神聖な知識」などを意味する男性名詞です。
インドには古来よりの伝統医学の体系がいくつか残されており、そのうち
のひとつを、この「アーユルヴェーダ」と呼びます。
ローマ字で表記しますと「aayurveda」で、一番近いカタカナ表記は
「アーユルヴェーダ」です。
このメルマガでは、サンスクリットには長い母音と短い母音の別があり、
その別によって意味が違ってしまう、と何度も書いてきましたが、
「アーユルヴェーダ」でも、これ以外の表記ですと、上に書きました、元の
単語の意味を全く表さない情報となってしまいます。
巷で「アユルヴェーダ」「アーユルベーダ」「アーユルヴェーダー」
「アユールヴェーダ」などと書いている情報は、残念ながら全て失格(?)
サンスクリットの音、表記と意味を無視した書き方です。
従って、その情報の内容もあまり正確でない、と目星をつけていただく
ほうがよいかと思います。
その根拠は、サンスクリットは長い母音と短い母音の区別があり、その
違いで単語の意味が違ったり、意味をなさなかったり、反対の意味になって
しまう場合さえありますので、その点に配慮せず、音や表記、すなわち情報
の見た目、外側の正確さにさえ気を配っていず、信頼の置けない情報は、
肝腎の中身、内容の正確さにも同様に、いえそれ以上に信頼が置けない、
と判断できると思うからです。
さて、アーユルヴェーダについて書いてある本や情報などを見ますと、
「アーユルヴェーダ」という語の説明で、「「アーユス」が「生命」
「長寿」、「ヴェーダ」が「科学」で、「アーユルヴェーダ」は
「生命の科学」を意味します。」と書いてあります。
でも、どうして「アーユス」と「ヴェーダ」を足したら
「アーユルヴェーダ」なの?? 普通に考えたら「アーユスヴェーダ」
でしょ??「アーユス」は本の誤植??
と疑問に思ったことはありませんか?
私は初めてこの説明を読んだとき、この点について疑問を持ちました。
まだサンスクリットを学ぶ以前のことです。でも、類書を何冊か読んでも、
なぜ「アーユス」+「ヴェーダ」が「アーユルヴェーダ」になるのか、説明
をしてくれる本はありませんでした。
疑問があると答えを知らずにはいられない性分の私は、それを考えると
夜も眠れませんでした(ウソです(笑))。
今考えますと、「アーユス」+「ヴェーダ」が「アーユルヴェーダ」と
説明をしている本の著者さんも、この理由をご存知でなくて書いて
いらっしゃる方が多いのだと思います。どこかに書いてあった文をそのまま
引き合いに出してお書きなんでしょう。ご存じなければ説明が書けるはずも
ありません。
もちろん、説明をお書きでなくても、きっちりとご存知の著者さんも多く
いらっしゃるとは思います。
この答えを得られるまでに、ずいぶんの時間と、お金を必要としましたが
(笑 文法書などの書籍代のことです)、サンスクリットを学ぶ中で、
その疑問を解決することができました。
そこで、同じ疑問を持たれる方に、無料で(笑)この秘密を解き明かし
ましょう。
このメルマガで、単語と単語をつないで発音と表記を変える法則について
説明してきて、それを「連声 れんじょう」と呼ぶ、というところまで解説
しました。
この「アーユス」+「ヴェーダ」が「アーユルヴェーダ」になるのも、
実にこの連声のためだったのです。詳しくは「aayus」の最後の「s」は、
文章中では「気音」の「H」に変化し、その「H」と「veda」の「v」とが
結びつく場合に、前の「H」が「r」になる、という規則です。
つまり「アーユス」+「ヴェーダ」が「アーユフ」+「ヴェーダ」となり、
さらにこれをつなげて「アーユルヴェーダ」と発音、また表記される、
というわけです。
(「気音 きおん」の「H」の音の違いについては、第4号
「サンスクリット ワンポイント解説」参照
http://blog.mag2.com/m/log/0000235863/108643151.html?c=lif)
一般向けのアーユルヴェーダの書籍では、このような細かい説明まで書く
スペースも、また必要もないのかもしれませんが、著者さんがご存知で、
かつ書かないのか、それとも、ご存じなくて書けないのか、この違いは非常
に大きいと思います。
自分がその仕組みを知った上で巷の情報を見ますと、だいたいその方の
書きぶりから、ご存知かご存知でないかはわかっちゃうものです(笑)。
この文をお読みの方は、すでに答えをご存知なのですから、
今後、もしアーユルヴェーダ関連の本や情報をお読みになったら、
「アーユス」+「ヴェーダ」の説明をご覧になってみてください。
著者さんがご存知で書いていらっしゃるか、ご存じなくて書いて
いらっしゃるか、よく見抜くことができますよ。
そして、その判断はそのまま、その情報の内容の良否への判定にも
つなげることができるのです。
=◎ 編集後記・次号の内容 =====================
◆ ベスト10入り御礼!
◇ 先週木曜の「まぐまぐ!」公式メールで、同時期に発行された
ライフスタイル分野の新着マガジンで、発行部数ベスト10が発表され、
このメルマガが、なんと第7位に入りました!
普通は50部あるとたいていベスト10に入るようですが、今回は10位の
マガジンで62部と、かなりレベルの高い戦い(?)だったようです。
また、発行直後は登録数が一桁、というマガジンもまれではないようです。
そんな中で、このような地味なマガジンが(笑)ベスト7に入ることが
できましたのは、ひとえに、長く小難しい文章にも耐えて(笑)、お読み
いただける読者さまのおかげと、心より感謝しています。
私がこのメルマガを発行しようと思い立ったきっかけは、現在ヨーガが
ブームですが、多くの方がヨーガに接する中で、ブームの表面的な部分を
離れ、ヨーガにはもっと高み、深みがあるのではないか、とお気づきになり、
その辺りを知ってみたいという方が増えていて、このような、たとえ地味
でも、内容のかっちりとした本格的なものが受け入れられる下地があるので
はないか、と思ったところから来ています。
そのもくろみがまんまと当たった(笑)とも言えますが、ヨーガ歴の長短
に関わらず、真摯にヨーガを学ばれ、さらに深い部分や、理論的な
バックグラウンドの理解を求めていらっしゃる方が多いのだと、改めて実感
させていただいています。
ヨーガスートラは見た目は決して取り付きやすい書ではなく、また読んで
もなかなか日々のハタ・ヨーガのご実践に直接結びつけることは容易では
ないかと思いますが、こうした時代の要請、また読者の皆様のご期待に
お応えできますよう、できるだけわかりやすく、また興味深くお読み
いただけるような構成にしていきたいと考えています。
毎回の文がかなり長いですが、サンスクリットを真摯に学ばれる方、
ヨーガを真摯に学ばれる方、どちらにも深くご満足いただけるレベルを、と
願うとこの長さになってしまいますので、読者さまそれぞれの方にご必要な
部分を取捨選択いただきながらお読みいただけましたら幸いです。
今後とも、このメルマガをどうぞよろしくお願いいたします。
◇ 前回の、今号の予告で、「他を誹謗する気はない」と書いておきながら、
後半、かなり手厳しい内容になってしまいました。しかし、誹謗する気が
ないのに変わりはありません。
私としましては、サンスクリットの普及を願う者として、ただ、
サンスクリットの名前がないがしろにされるのが悲しいだけなのです。
例えば、芸能人のお名前を、テレビのアナウンサーさんが間違えて言った
としたら、それだけで何百件、何千件、という苦情が殺到するでしょう。
それほど人の「名前」に対する思い入れというのは強いものです。
それに、サンスクリットの場合は、表記が違うと意味が変わってしまい、
また、日本にも「言霊 ことだま」という、言葉に一定の力が込められて
いると見る思想があるように、サンスクリットにもそれ以上に、言葉に
秘められたエネルギーを重視する思想があります。
ヨーガのアーサナも、もしかしましたら、動物などの名前から採った、
などということ以外にも、アーサナの名前の発音、音の響きにも、ある一定
の意味を持たせてあるかもしれないのです。もしそうだとしたら、発音を
変えてしまっては、先人が名前に秘めてくれた力を享受することが
できません。
以上のような理由から、ヨーガに真摯に取り組まれていらっしゃる方には、
サンスクリットの音や表記にも敏感になっていただきたいと願い、また巷の
ヨーガ情報をご覧になる際に、その情報の精度の判定ができるようになって
いただきたく、反対に、ヨーガの情報を発信なさる方には、できるだけ正確
な表記をしていただきたい、という願いから、言わばショック療法とでも
いうような、辛口の書き方をしていますことを、どうぞご了承いただけまし
たら幸いです。
(第8号 完)
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
サンスクリット原典で読み解く「ヨーガ・スートラ」!
発行者 誠 s-tadao@rio.odn.ne.jp
◎ 発行者ホームページ 「実用サンスクリット学習講座!」
http://sanskrit.rakurakuhp.net/
◎ ホームページ連携音声ブログ「実用サンスクリット学習講座!音声編」
http://samskrita.seesaa.net/
◎ 発行システム『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


