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2009/11/12

■したくないことはしない【絵画によるメールカウンセリング】

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 心理カウンセラー 高間しのぶ の【絵画によるメールカウンセリング】
 
                                             No.125 [2009年11月12日]
                                                          毎週発行
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http://www.solea.main.jp/
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今回は、自由とか幸せについての話です。
それらは、自分の身体の感覚とつながっていることでもあります。


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 ■したくないことはしない
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9月に亡くなられた演出家・竹内敏晴の本の中に、ルソーの最後の著作「孤独
な散歩者の夢想」の一文が紹介されています。

「わたしは、人間の自由というものはその欲するところを行なうことにあるな
どと考えたことは決してない。」

これは、したいことをすることが自由なのではない、ということをルソーが言
っているわけです。では自由とは何か、竹内は考えます。したいことをするの
が自由であれば、人間でもっとも自由だったのは、自分の気分にまかせて大量
虐殺を行なったヒトラーは、もっとも自由な人になる。だから、そうではない、
とルソーは言っている。

あるとき竹内は気がつきます。自由とは奴隷の言葉だと。奴隷が、これだけは
人間として、したくないと言い切ったとしたら、奴隷に待つものは死ぬことで
す。いいつけに反しているわけなので殺されます。しかし、死を覚悟してまで
も、「したくない」と言い切ったらとしたら、そこには本当の自由がある。自
由とは、その場、その瞬間の人間の尊厳なのだ。

つまり、したいことをするのが自由なのではない、「したくないことをしない」
ことこそ自由なのだということです。

この自由という言葉を「幸せ」という言葉に変えても同じことになるでしょう。
同じようなことをフランクルも言っています。彼はナチのホロコーストから帰
還して「夜と霧」を書いた精神科医です。

「夢を実現しても、自分のしたいことをしても幸せにはなれない。」

私たちは、戦後民主主義の流れの中で、学校教育の中で、高度成長期の中で、
「したいことをするのだ」という言葉で躾られてきました。したいことをす
るのは良いことなのだという呪いをかけられてきました。

このアメリカ伝来のスローガンが、いかに人間の精神をむしばんでいったか。
カウンセリングに来る多くのクライエントさんは、したいことが見つからない
のです。だから、したいことをしてよいと言われても途方にくれるだけで、し
たいことが見つからない自分を責め出します。

だいたい、したいことがわかるとか、やりたいことがわかる状態というのは、
もう半分くらい病が治っている状態です。相談に来る人が、自分の気分が分か
らない、判断がつかないというのは、いたって病人としては普通のことであり、
それが分からないからどうなんだ、病態水準が悪いのではないか、などグダグ
ダという医者もいますが、そういう人はそういう躾を子どもの頃から受けてき
たということでしょう。

ルソーやフランクルが言うように、したいことをするのが重要ではなく、自分
がしたくないことをしない、ということのほうが、もっと重要で、もっと自由
や幸せに近づける姿勢なのです。

自分がその人生において、何かしら行き詰ったとき、

「したくないことはしない」

と腹にグッと力を入れて、この言葉を腹の底に沈めてみてください。

この視点でいろんなものを眺めてみることは、自分を大切にすることにつなが
ります。
自分が自分で居ることができます。
自分としてその場所に立ち止まることができます。
自分が自分から立ち去ることなく、その場所で自分の足で立つことができます。
これはマインドフルネスということでもあり、本来の自分へ立ち戻り、自分の
感覚に忠実になるための重要なポイントでもあります。

したくないことはしなくていいんです。


参考図書:「からだ」と「ことば」のレッスン(竹内敏晴 講談社現代新書)

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竹内さんは、竹内レッスンという独特の手法を編み出した方です。
演劇や音楽の分野では有名な方ですが、その身体性、存在性は、心理療法その
ものです。

私は、ものごころついた頃からのどもりなので、
声や身体性には並々ならぬ興味があります(笑)。
瞑想もマインドフルネスもその延長線です。

私の声は「催眠的である」とは、皆さんから言われることですが、
それはどうなんだろうと、と思うときもあります。
どもりからそこへようやく到着したとの思いもありますが、
そこで安住するのはどうなんだろうと思っているときに
竹内レッスンに出会いました。

私はまだまだ声を自分のものにできていません。
二本足で立って声を出せるまでは、まだまだ遠い道のりです。

ひょっとすると、それが私の今世の目標かも?とさえ思います。
もしそうだとすると、
どもりは治る障害ではありませんが、
どもりで生まれたってのはスゴイよね、とも思うわけです。




絵画を使った相談もお待ちしております。




高間しのぶ(心理カウンセラー)



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