2009/08/13
■こころの発達7【質問へのご回答】【絵画によるメールカウンセリング】
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心理カウンセラー 高間しのぶ の【絵画によるメールカウンセリング】
No.114 [2009年8月13日]
毎週発行
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http://www.solea.main.jp/
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こころの発達については、一般的な話ですので、各個人では時期も内容も異な
ってきてあたり前です。両親から得られなかったものを周囲から吸収しながら、
発達の危機を乗り越えてこられた方も多いかと思います。また、大人になって
から幼児に得られなかった未完の感情を処理できた方もおられるでしょう。
現在、精神的な症状でお悩みの方は、ご自分の危機がどの時期にどのように存
在しているのかを理解するために、カウンセラーの方は、クライエントさんの
悩みがどの時期に固着しているのかを理解するために、この記事を利用してく
ださい。
今回は、読者からの質問です。
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■こころの発達7【質問へのご回答】
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今回は、メルマガ読者からいただいた質問を取り上げてさせていただきました。
数通いただいておりますが、共通した部分を一つの質問に構成しなおしました。
【結婚する前から仲が良くなかった。二人とも生まれてくる赤ちゃんを喜んで
いたわけではなかった。いまはもう子どもも手を離れているが、そのような夫
婦にできた子どもは幸せなんだろうか。】
人との関係というのは、常に「いま、どうなのか」というところに成り立ちま
す。昔こうだったからとか、将来こうなっては困るとか思い悩み始めると、そ
の思考パターンから抜け出せなくなり、ずっと昔のことを思っていたり、ずっ
と未来のことを考えてしまって、不安になったりします。
グルグルと同じようなところを巡る思考パターンにはまるということは、自分
の選択の余地をせばめているということです。これが高じるとパニックになっ
たりもします。
大切なのは、「今どうか」ということです。
いつもそこから考えます。
いま妊娠中の方は、パートナーとの関係や胎児との交流について考えます。
すでに子育てが終わっている方は、いまのパートナーとの関係や、いまの子ど
もとの関係について考えます。
「いま」というのは、昔からなじみであるやり方をひきずっています。ですか
ら「いま」を見ていくことで、昔も当然見えてきます。しかし、そこで昔へ没
入するのではなく、いまの地点から昔を眺めることをするわけです。
また、子どもの幸せは親が決めるわけではありません。子どもは幸せか、とい
う視点はあくまでも親の気持ちであり子どもの気持ちではないのです。親が、
子どもにはこうあってほしい、という理想のようなものを押し付けていること
が、往々にして多いです。
例えば子どもが引きこもっているとします。親としてはハラハラするのは当然
です。たぶん、親としては、普通に起床して、普通に学校に行き、普通に帰っ
てくる生活を望むのでしょう。しかしこれは親の願望であり、子どもの願望で
はないのです。子どもは、いまちょっと引きこもりたい、社会の枠からはみ出
していたいのであり、それが願望なのです。
今という視点からこの親子のやり取りを見ると、親としては社会的に普通に生
活してほしいと望み、子どもとしてはいまちょっと赤ちゃんのように守ってほ
しいと望んでいるわけです。
ここには2つの違うコミュニケーションパターンが存在しています。親のパタ
ーンは対称的パターン、子どものパターンは相互補助的パターンです。文化人
類学者のベイトソンという人が、ニューギニアの原住民を観察することでこれ
らのパターンを発見しました。
人間どうしの関係にはこの2つの相互作用パターンがあり、このどちらか一方
に関係が集約されていくと緊張状態が高まり、その関係が破綻してしまうので
す。対称的パターンと相互補助的パターンはほどよくブレンドされているのが
好ましいのです。
対称的パターンとは大人の関係です。同等の関係でありクールなところもあり
ます。社会的な生活を望むというのは、ある意味突き放しているわけなので対
称的です。それに比べ相互補助的パターンは親子の関係です。保護し保護され
る関係です。子どもが引きこもりという子宮の中へ退行していって赤ちゃんの
ように振舞う、それを親があやす、この関係です。
これらが子どもの状況に応じて適度に使われていると、その親子関係は破綻せ
ずにすむわけです。対称的パターンが多すぎるなら相互補助的パターンを入れ
て、親密な親子関係を作ってみる、相互補助的パターンが多すぎるなら、ちょ
っと対称的パターンを入れて、ほっておいてみる。
「いま」の関係を、対称的に、相互補助的に見ていくこと。
こうすることで、家族の中でにっちもさっちもいかなくなって煮詰まっている
状態に風を吹かすことができるのです。
また、質問の中に書かれている、親がその子どもを望んだものではなかった、
ということは、非常に重いテーマであることには違いありません。一口ではい
えない親の苦悩と子の苦悩が、そこにはあります。人間とは何だろう、いのち
とは何だろう、ということも考えさせられます。
NHKスペシャルでアマゾンの石器人を取材した「ヤノマミ 奥アマゾン 原初
の森に生きる」という番組がありました。ヤノマミ族の妊婦は、産み落とした
自分の胎児を人間として迎え入れるか、精霊のまま天に返すのかを、母親が自
分だけで決めるといいます。
日本でも「間引き」ということが行われてきましたが、ヤノマミで行われてい
ることは、育てられないから返すのではないので、それとは違うように見えま
すが、実はその問題も含んでいるのかもしれません。
儀式ともいえるこの時間を体験しなければならないヤノマミの女性は、迎える
か返すかを決める瞬間、いったいどれほどの自分の深みと向き合っているのか、
と思います。迎えるのも決心がいりますが、産み落としてから返すことは、こ
れはとてつもないことです。出産ということは、そういう光も影も混在一体と
なったすさまじい体験なのかと改めて思い知らされました。
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週末はお盆ですね。
みなさんは故郷に帰られてお墓参りとかされますか。
そういう習慣もだんだんなくなりつつあるようですが、
お盆の帰省というのは、
格別に郷愁を誘います。
私には帰る田舎がないだけ、余計にそう感じるのかもしれません。
絵画を使った相談もお待ちしております。
高間しのぶ(心理カウンセラー)
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