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2009/03/26

■DVの連鎖を切るには(DV)~トラウマの向こうに(その6)【絵画によるメールカウンセリング】

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 心理カウンセラー 高間しのぶ の【絵画によるメールカウンセリング】
 
                                             No.096 [2009年3月26日]
                                                          毎週発行
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http://www.solea.main.jp/
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トラウマとは、自分の世界観や安全感に亀裂の入る感覚のことです。
ちょっと想像するだけでも恐ろしい感覚です。
この恐怖によって様々な症状が出てきます。

今回の連載では、境界性パーソナリティ障害、アダルトチルドレン、
複雑性(複合型)PTSD、DV、虐待、いじめ、引きこもり、家族の問題などの問
題に共通である、「トラウマ」について考えていきます。


連載順は前後します。まとまったものから順次ホームページの記事として掲載
していきますので、まとまった形で読みたい方はホームページをご覧ください。

内容は次になります。現在話題にしている部分には★印がついています。済ん
だ話題は□になっています。「心の傷の癒しと成長」(斎藤学)ヘルスワーク
協会を参考に話を進めておりますので、興味のある方は購入され一緒に読み進
めていきましょう。

トラウマについて	
	■C-PTSDとACとBPD
	■AC症候群
	■トラウマと愛着障害(虐待)
	★DV(ドメスティック・バイオレンス)
	■消された記憶
	■依存症と共依存症

トラウマワーク1〜始まり	
	■ジェノグラム

トラウマワーク2〜本番	
	■グリーフワーク
	■リプロセス・リトリート
	■愛の逆流

トラウマワーク3〜仕上げ	
	■人間関係の再構築
	■回復のプロセス
	■エンパワメントの要素
	■変化への挑戦
	■自らの力に目覚める

トラウマワーク4〜新しい自分へ	
	■サバイバーからスライバーへ
	■スピリチュアリティ



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 ■DVの連鎖を切るには(DV)〜トラウマの向こうに(その6)
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DVは世代間で連鎖していきます。親に叩かれて育った子どもは必ず自分の子ど
もを叩きます。親に叩かれておどおどしている自分の子どもを見ていると自分
の過去が思い起こされ、自分もこんなふうにおどおどしていたという記憶が無
意識のうちに呼びさまされます。それで何だか知らないけれど不安になって自
分の子どもを叩いてしまうのです。

このようにDVはトラウマとなって脳の奥底の記憶の彼方にしまわれているので
す。それゆえDVを受けて発症する症状への治療は、トラウマ治療と同じになり
ます。トラウマは、頭の中で言語として捉えられているわけではありません。
それよりも、視覚的・感覚的なものとして、後頭葉や脳幹部の扁桃帯に蓄えら
れています。(言語としての記憶は側頭葉に蓄えられます。)このため、まず
始めに取り扱うのは、言語ではなく、感覚です。こういう怒りがある、という
のではなく、はらわたが煮えくりかえる、その「はらわた」感覚です。こうし
た視覚的、体験的感覚から始めます。言語で話しを聞いていくのはそのあとで
す。

DVの癒しの過程をみてみます。

I.安全性の確保
	1.DVがあったことを認識する
	2.DVの治療を行う場の安全性を確保する
II.グリーフワーク
	1.心の傷を表現する
	2.過去をやり直す
	3.肯定的な意味づけをする
III.人間関係の再構築
	1.健全な人間関係とは何か
	2.自分の行動を健全なものにする
	3.いままでの自己を超える

まず認識ですが、「いま息苦しい」「DVを受けている」「殴られたり力ずくで
セックスさせられるのはおかしい」「人間として扱われていない」「自分が生
きていることは間違っていると思い恥しかったが、それは変だ。間違っている
のは自分じゃなくて相手だ」などに気がつくことです。逃げられない理由に気
がつくことです。

この次にあるのが安全性の確保。殴る相手のいるところでは癒しはできません
。すぐに出るのが一番いいですが、逃げられない理由のためにその場から出る
のも、現実的には難しいものです。そのために、まず安全な場所を自分の中に
イメージとして作ります。現実的にその場から逃げられなかったら、イメージ
の中で安全な場所を作ります。

方法は実際のトラウマワークの話のところでお話しますが、目を閉じて呼吸を
整えてリラックスし、自分が一番安全だというシーンを心の中に作るのです。
これまで行ったことのない場所がいいでしょう。全くの空想の場所です。どこ
までも安全な場所、そういう場所を心に作るのです。

ただ、性被害や虐待が繰り返されている場所に身を置かれている場合は実際に
とても危険ですので、外の機関に連絡を取ってください。シェルターを探すの
が先決問題です。女性のためのDV相談室<http://nwsnet.or.jp/>などを参考に
、女性センター<http://www.gender.go.jp/e-vaw/advice/advice06list.html>
などの公共機関にまず相談してください。


次が心の傷を表現するグリーフワークへ移ります。ここでは劇やアートセラピ
ー、音楽、身体の動きなど、芸術療法と呼ばれるセラピーを使ってワークを行
います。「私はこんなふうに殴られた」「こんなことをされた」この事実を外
に出していく作業です。内に秘めていてはトラウマが解消することはありませ
ん。外へ出す作業が必要です。安全な場所でトラウマを外へ解消させていくの
です。

表現した後、過去のやり直しをします。DVや虐待のある場所で育つと人間関係
が歪んできます。健全な人間関係とはどういうものかがわからなくなっていま
す。それを知るために、擬似的でいいので健全な家族を作り直して「無条件の
愛」を受け取り直すことをやります。親から子へ伝わる愛情は無条件でなくて
はなりません。いい子でいないと愛情をあげないという条件付きの愛情は、親
子の愛情ではありません。この無条件の愛情を疑似体験することで、愛とか信
頼などを回復させていくのです。実感していくのです。この実感があって初め
て、自分の子どもにもそれを与えることができるし、自分も大切にできるよう
になります。

肯定的な意味づけとは、これまでネガティブな自己イメージだったものを崩す
ことです。「自分はダメだ」「自分が生きているのは間違っている」そういう
イメージを崩していきます。自分の体験した中に、必ず「いいもの」があるは
ずです。そうでないと、これまで生きてくることはできません。あなたが今生
きているということは、地獄のような日常かもしれないけれど、それでもあな
たを支えている「何か」があるはずです。その「何か」を探して肯定的な意味
づけをしていくのです。

そして、健全な人間関係とはどういうものかコミュニケーションの取り方を始
めから学び直し、自分の行動を健全なものにしていきます。これによって、生
活するうえでのいろいろな選択肢が増えて自分の世界観が広がっていきます。
これが自分を超えることです。この人間関係の再構築は終わりがありません。
死ぬまで続きます。トラウマワークはここまでやって癒し作業が完了します。


DVを受け続ける人は、自分を犠牲にして他人の世話をする傾向があります。こ
こには相手に感謝されたい、相手から必要だと思われたいという隠れた動機が
あります。自己価値の低さをなんとか薄めたいという気持ちがあります。それ
によって、ダメな人から離れられない。ダメな人なら自分を必要としてくれる
からです。これを共依存といいますが、この自己犠牲をやめて自分を大切にす
ることがまず必要です。他人の世話をする前に自分の世話ができているかを確
かめることです。自分の権利というものを確認してみることです。


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次回は、自分の権利とは何かをお話します。
ドメスティックバイオレンスー被害者と加害者の癒し(西尾和美)を参考に
話を進めています。





絵画を使った相談もお待ちしております。




高間しのぶ(心理カウンセラー)



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メールカウンセリングの方法などについては、
http://www.solea.main.jp/?cid=28376 こちらをご覧ください。

ご質問、ご感想は、お気軽にお寄せください。

 solea@jz.main.jp

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