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2009/02/26

■逃げられない理由(DV)~トラウマの向こうに(その4)【絵画によるメールカウンセリング】

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 心理カウンセラー 高間しのぶ の【絵画によるメールカウンセリング】
 
                                             No.092 [2009年2月26日]
                                                          毎週発行
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http://www.solea.main.jp/
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トラウマとは、自分の世界観や安全感に亀裂の入る感覚のことです。
ちょっと想像するだけでも恐ろしい感覚です。
この恐怖によって様々な症状が出てきます。

今回の連載では、
境界性パーソナリティ障害、アダルトチルドレン、複雑性(複合型)PTSD、DV、
虐待、いじめ、引きこもり、家族の問題などのトラウマを扱います。


連載順は前後します。まとまったものから順次ホームページの記事として掲載
していきますので、まとまった形で読みたい方はホームページをご覧ください。

内容は次になります。現在話題にしている部分には★印がついています。済ん
だ話題は□になっています。「心の傷の癒しと成長」(斎藤学)ヘルスワーク
協会を参考に話を進めておりますので、興味のある方は購入され一緒に読み進
めていきましょう。

トラウマについて	
	■C-PTSDとACとBPD
	■AC症候群
	■トラウマと愛着障害(虐待)
	★DV
	■消された記憶
	■依存症と共依存症

トラウマワーク1〜始まり	
	■ジェノグラム

トラウマワーク2〜本番	
	■グリーフワーク
	■リプロセス・リトリート
	■愛の逆流

トラウマワーク3〜仕上げ	
	■人間関係の再構築
	■回復のプロセス
	■エンパワメントの要素
	■変化への挑戦
	■自らの力に目覚める

トラウマワーク4〜新しい自分へ	
	■サバイバーからスライバーへ
	■スピリチュアリティ


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 ■逃げられない理由(DV)〜トラウマの向こうに(その4)
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DVから逃げられない理由の残りの7つを見て行くことにします。

1.学習性無力感(Learned helplessness)
心理学者セリグマンによって見出された絶望感です。なんどもなんども逃げら
れないという恐怖の状況にさらされていると感覚が麻痺してきて、逃げられる
状況になっても逃げようとしないことを言います。無気力になってしまい動き
が取れなくなってしまいます。感情が鈍磨して、痛みも苦しみもわからなくな
った状態です。

2.依存症(嗜癖)(Addiction)
依存症とは、相手にすっかりよりかかる未熟な自己中心性のことですが、もう
一つ見落としがちなのが、非常に強い独立の欲求、上昇志向、成功への欲求、
いわゆる「独立性と力の誇示」を強くもっており、それに向けて頑張るという
特性です。この「他者へのもたれかかり」と「強い独立性と力の誇示」が心の
中で葛藤しており、あるときは他人へべったり、あるときは1人でどんどん進
むという、まるで二重人格のように見た目が変わる人がいます。それが依存症
の特徴です。相手に寄りかかることだけですと、依存ではなく甘えであり、そ
れは病気ではありません。そこに、成功への欲求が葛藤状態で出現すると病に
なります。依存症については、共依存、強迫的反復とともに、別の記事で詳細
に説明します。

依存症は中毒であり、暴力によりいったん離れても、そのうち配偶者が恋しく
なります。なんとかやり直せるのではないか(これが成長への希求ですが)、
なんとか立ち直ってくれるのではないか、と思ってひっかかるわけです。これ
を何度も何度も繰り返します。自分の意思でやめられないのです。行動が習慣
化しているのです。

3.共依存(Co-dependency)
共依存とは「世話焼き」のことです。なんとか頑張って、相手を立ち直らせよ
うとします。私が居ないとこの人はダメになってしまう、という幻想を食べて
生きている人です。つまり、誰かに自分を「必要とさせる」必要のある人のこ
とを言います。そうやって相手をコントロールしていくわけです。これは自尊
心が低いために、自分の周りの人たちを自分の良い様にコントロールしておか
ないと自分にとって安全ではない、という危機感があるから、コントロールす
るわけです。

依存症も共依存も進行性の病気です。何が進行するのか、それは人格の崩壊で
す。そのような怖い病気だという認識が必要です。しかし、夫婦で依存と共依
存をやっている場合、共依存の人がそれをやめた場合、依存症が好転していく
場合が多いのも事実です。

人格とは、その人が他人とどういう対人関係を作っているか、ということです。
例えば筆箱に消しゴムがぎっしり詰まっている様子を想像してみてください。
筆箱はその人の人格、一つ一つの消しゴムはその人にとって重要な人物です。
重要とは、良い意味も悪い意味もあります。人格が崩壊していくとは、その消
しゴムがどんどんと悪い意味で重要な人物に置き換わっていく、ということで
す。もし、人格を変えようとするならば、消しゴムのどれかを捨てなければな
りません。どれかを捨てて、新しい消しゴムと取り替えねばなりません。つま
り、変わるということは、何かを捨てるということなのです。運命的・決定的
に人間が変化するときは、その人にとって最も重要なものが捨てられたときな
のです。人は大切なものを捨てたときしか変わることができないのです。


4.社会的・経済的考え方(Feminist view)
女性は殴られるのが当然だ、女性は経済的な力が弱い、だから、夫のもとを離
れようとしても離れられない、という、男女不平等の社会システムのことを言
います。母子家庭に対する資源は、だんだんと整備され整いつつありますが、
日本の社会はまだまだ弱者救済ができているとは言えないでしょう。DV法がも
っと被害者救済へ向けて強化されていく中で、不平等な社会システムも改善さ
れていかねばなりません。

5.マインドコントロール(Mind control)
オウム真理教で有名になりました。集団を強制的に密閉された空間に閉じ込め
て外部との接触を遮断し、信者に同じメッセージを何度もインプットして、支
配者・被支配者の関係を作っていくことです。これと同じことが、家庭内DVで
も行われています。密閉されている家の中で、「お前がこういったから殴るん
だ」とお前を悪者にして責任を負わせていくやり方です。こうすることで、強
者・弱者の関係が知らずに出来上がっていきます。そしてお互いがその役割を
取るようになり、それが固定化してしまいます。

これはいわゆる催眠状態ですので、弱者の人の顔は、能面のようであり表情が
乏しく感情の起伏もありません。

6.学習されたモデル(Learned model)
親がDVに合っているとき、それを見ている子どもたちにも、それがしっかりと
学習されていきます。殴ってもいいのだ、と学習されます。それによって子ど
もの対人関係のモデルが出来上がってしまいます。本来、対人関係は千差万別、
色々な人間と多彩な対人関係があります。多彩な関係を結べるほど、人は多く
の選択肢を得ることができ、困ったときにも対応が効きます。これは、その人
の世界観が広い状態です。さきほどの人格の話で言うと、良い意味で重要な消
しゴムで満たされている状態です。しかし、DVの親を持つ子どもは、殴るとい
うつながりでしか対人関係を見ることができなくなり、ずいぶんと窮屈な世界
ができあがります。これが怖いのは、世代間連鎖をすることです。幾代も、孫
子の代までたたりのように同じことが繰り返されます。ですから、これは今の
代で断ち切らなければなりません。

子どもにはそれを乗り越えていく力もあります。しかし、何度もそのような状
態に晒されていくことで、それを乗り越える力が奪われていくのです。心理学
者のリネハンはこのことを「継続的に不当化された役割を取らされる状態」と
呼んでおり、境界性パーソナリティ障害の中核因としています。


7.強迫的反復(Repetitive compulsion)
子どものときに親のDVがあったり、自分も虐待を受けていたというトラウマが
あると、強迫的反復でそれを繰り返してしまいます。強迫的に同じことを繰り
返すことで、自分が受けた辛い経験を乗り越えようとする心性が働いています。

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今週は関東地方は雨の一週間になりそうです。
雨といってもそれほど冷たい雨ではなく、
一雨ごとに春が近づいてきているような気がします。

それもそのはず、来週はもう3月ですね。
若い人にとっては卒業シーズン。
この年になるとあの卒業の甘酸っぱい感傷を味わうことはありませんが、
当時のかすかな記憶をたぐり寄せながら、
春浅い夜半、
酒を友達にしながら1人で酔っ払うのもいいものです。

次回はDVのまとめをします。



絵画を使った相談もお待ちしております。




高間しのぶ(心理カウンセラー)



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メールカウンセリングの方法などについては、
http://www.solea.main.jp/?cid=28376 こちらをご覧ください。

ご質問、ご感想は、お気軽にお寄せください。

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