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2008/04/17

■アダルトチャイルドという状態【絵画によるメールカウンセリング】

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心理カウンセラー 高間しのぶ の【絵画によるメールカウンセリング】

 No.047 [2008年4月17日]
  毎週発行
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http://www.solea.main.jp/
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最近、関東地方は天気が安定しないですね。
みなさんのところはどうでしょうか。
天気の変動で気分の浮き沈みもおありになるかたもいらっしゃるでしょう。
ただでさえ、ソワソワする春です。

5月になって初夏の風が感じられる新緑がやってくると
また気分も違ってくるんですけどね。

今回はアダルトチャイルドのお話です。

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■ アダルトチャイルドという状態
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私たち大人のこころの中には二人の子どもがいます。二人の子どもとは、自由
な子どもとコントロールする子ども、この二人です。そして、それら二人の子
どもをインナーチャイルドといいます。誰しも、この二人の子どもを持ってい
ます。



子どもは自由にのびのびと自分の感情を発散させて遊ぶことが仕事です。そう
いう子ども時代を生きてこれないと、自由に生き生きしたい自分を押し殺し、
自由にしたい子どもをコントロールすることを覚えます。つまり、コントロー
ルする子どもの誕生です。このコントロールする子どもも、ほんとはコント
ロールなどしたくないのですが、生きていくためには仕方がないので、周囲の
大人の顔色をうかがいながら、そのたびに傷つきながら、生きるための方便を
身につけていくわけです。



そのコントロール感が生き方をサポートするするように働いているうちはいい
のですが、次第に自由な子どもを圧倒するようになってくることがあります。
そして「自然な」子どもは、このコントロールする「傷ついた」子どもの影に
隠れてだんだんと姿が見えなくなっていきます。傷ついた子どもはさらにコン
トロールすることを学び、自分をこれ以上傷つけないようにするために必死で
自分で自分をコントロールするという悪循環に入っていきます。「自然な」子
どもは、こころの片隅においやられ窮屈をしていますが、「傷ついた」子ども
も自分を守るために必死なのです。どちらも良い、悪いはないのです。



人は成長する中で、このような二人の子どもを発達させながら大人になりま
す。それが普通です。社会へ適応するには何でも自由に主張するばかりでは、
はた迷惑になってしまいます。ですから、心の中に二人の子どもを持っている
のが普通の大人なのです。



しかし、このコントロールする「傷ついた」子どものほうが大きくなりすぎる
と様々な障害が現れてきます。



私たちは、大人になっても、自分のこころの中に「自然な」子どもが居ます。
いつまでも健やかなのびのびした自然児のような子どもを持っています。それ
は私たちの命が尽きるまで持ち続けます。そのようなスリルと、野生の直観力
と、生命力を持つ子どもがいるからこそ人生の荒波の中を前進していけるわけ
です。直観力とは創造力につながるものです。日常のほんのささいな出来事の
中にも創造は息づいています。その創造をつかさどるのが「自然な」子どもの
直観力なのです。「自然な」子どもの力が弱り直観力が曇ると、日常に創造の
張りがなくなり、生きる意欲が落ちてきます。



つまり「自然な」子どもの存在が小さくなって、「傷ついた」子どもの存在の
ほうが大きくなりすぎると、生きづらさがだんだんと頭をもたげてくるわけで
す。そして慢性的な喪失感に悩まされます。自分が何を失ったのかはっきりは
わからないけれど、漠然としたむなしさ、何かが足りないという感覚が常につ
きまとい、今の自分ではダメなんだという不安感を抱きながら生きていくこと
になります。そして、この漠然とした喪失感・空虚感は、一時的なものではな
く、ずっと続いていきます。



この漠然とした喪失感を何か別のものや人で埋め合わせしようとしたり、必死
で自分は大丈夫なんだと思い込ませることでやりすごそうとしますが、そんな
ことではこのむなしさはなかなか消えてくれません。それだけ深い喪失感なの
です。



そのため当然のように、抑うつ状態を引き起こしたり、なぜかわけがわからな
い怒りが爆発しそうになったりします。そしてこの喪失感の痛みがもっと深刻
になると、自殺願望が出てきたりします。アルコールやセックスへの依存、完
璧に行動することへの固執、計画するだけでなかなか実行に移さなかったり、
実行していてもそれを終わらせたためしがなかったり、などの行動へ走ったり
します。



では、この失ったものの正体は何でしょうか。



それは、素直さ、正直さ、情緒的なつながり、信頼感、柔軟な発想、自己の存
在価値などの喪失です。このようなものを子ども時代に失って大人になった人
たちを、AC(アダルトチルドレンあるいはアダルトチャイルド)といいます。



ACという概念は、アメリカの社会心理学者クラウディア・ブラックによって作
られたものですが、これは精神分析の対象関係論のウィニコットの「偽りの自
己」の概念の焼き直しのように思われます。ウィニコットによると、真の自己
を隠し偽りの自己を育てながら人は成長していくが、偽りの自己が肥大すると
病気になるといいます。



では、なぜこのようなものを喪失したのでしょうか。それは子どもの頃の見捨
てられ体験から来るとブラックは言います。見捨てら体験とは、ありのままの
自分を受け入れて大切にされ無条件に愛されて育てられる、安全で安心感のあ
る生活を送ることができる、そのような体験を得ることができなかったことで
す。また親子の境界のあいまいさも原因の一つと考えられています。境界のあ
いまいさとは、親が子どもを友達のように扱ったり、親が子に責任を押し付け
たりする関係で、養育態度に一貫性がない、親が親の責任範囲を生きていな
い、子どもが子どもを生きられないことをいいます。このような親子の境界の
希薄さによって、見捨てられ体験は決定的な痛みを生むと言います。



この痛みからの回復は、これらの受け入れがたい過去を受け入れて手放すこと
です。そうすることで、「傷ついた」子どもの背後に隠れて見えなくなってい
た「自然な」子どもを日の光の下へ連れ出すことができるようになります。あ
とはその「自然な」子どもに任せておけば、あなたは何もする必要はありませ
ん。「自然な」子どもは、自分の直感や創造を働かせ、スリルに満ちた楽しい
日々を送るようになるからです。そしてそれはあなた自身に活気を与えるみな
もとなのです。



受け入れて手放すとひと口でいいますが、それは一筋縄ではいきません。考え
方を変えようとしたり、催眠などで過去を再体験したりして過去に直面化する
ことでどうにかなるものでもありません。確かに一時的には楽になるかもしれ
ません。しかし長続きはしないでしょう。傷ついた子どもを抱かえた人の空虚
感は底が深いからです。



でも底なし沼ではありません。なんでも底を打つのです。底をうつとそこから
浮上してこれるのです。底をうつまで、一緒に長い時間、地底深くもぐってく
れる、そんなセラピストが必要とされるのです。小手先だけで物事を変えよう
とせず、クライエントさんの実存に触れていくようなセラピーが必要なので
す。(これはACの方だけではなく、さまざまな疾患をもったすべてのクライエ
ントさんへ対するセラピストの基本的な態度ですね。)



実はACという言葉は、精神疾患の手引きであるDSM-IV-TRにもICD-10にも出て
きません。ACとは、症状や病気というよりも、ある状態を説明したものです。
精神疾患にはパーソナリティ障害を含めいろんな症状がありますが、ほぼ、ど
の疾患にも、この見捨てられ体験から起因するACという状態は存在します。で
すから、現在なんらかの症状でお悩みの方は、ACを治療するというよりも、治
療のプロセスの中で、ACという状態が解消されると考えていただいたほうがい
いと思います。



そのような表面的な精神疾患が見られない人でACと思われる人は、インナーチ
ャイルドの催眠セッションも有効かもしれませんが、催眠セッションでは見捨
てられた子どもへ直接アクセスする場合が多く、開けなくてもよかったこころ
の蓋を開けてしまう恐れもあり、そうなった場合、セラピーによる外傷を負う
ことになり、手放しでお奨めできるものではありません。TPOが肝心なところ
で、催眠療法家のセラピースタイルが問われるところでもあります。催眠によ
るインナーチャイルドのセッションも捨てがたいですが、私としては、クライ
エントさんの状態を注意深く観察しながら、安全にゆっくりとこころの底の揺
れを観ていくセラピーのほうが、クライエント、セラピスト双方にとって安心
できると思っています。



見捨てられ体験から起因するACという状態は、生きづらさの根っこです。その
ため、このACの状態が解消すれば、いろんな面で事態が好転する可能性は大き
いと言えるでしょう。



参考図書:
子どもを生きればおとなになれる(クラウディア・ブラック)
インナーチャイルド(ジョン・ブラッドショー)
毒になる親(スーザン・フォワード)

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絵画療法についての問い合わせもありますので、
次回から数回に分けて、私の専門フィールドである表現アートセラピーについ
てお話する予定です。


絵画を使った相談もお待ちしております。


高間しのぶ(心理カウンセラー)


お知らせ:

マインドフルネス/エモーション・トレーニング・グループのモニターを募集
していますが、今週いっぱいで終了させていただきます。
次回のトレーニングは4/27です。モニターを希望されるかたはお早めにご連絡
ください。

マインドフルネス/エモーション・トレーニング・グループもしだいに知られ
るようになってきて問い合わせもぽつぽつとあります。
もうすぐ2クール目(2008年7月〜10月)の募集を始めます。

詳細はHPをご覧ください。

http://www.solea.main.jp/?cid=30853

(モニター希望の方は、solea@jz.main.jp までメールでご連絡ください。)

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メールカウンセリングの方法などについては、
http://www.solea.main.jp/?cid=28376 こちらをご覧ください。

ご質問、ご感想は、お気軽にお寄せください。

 solea@jz.main.jp

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