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2008/03/13

境界性パーソナリティ障害について(2)【絵画によるメールカウンセリング】

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心理カウンセラー 高間しのぶ の【絵画によるメールカウンセリング】

 No.042 [2008年3月13日]
  毎週発行
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http://www.solea.main.jp/
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すっかり春めいてきています。
梅の花も満開です。
ここかしこに、白と桃色があざやかな風景が広がってきました。

さて、今回は境界性パーソナリティ障害の2回目、
DSM-IVの診断マニュアルでの境界性パーソナリティ障害の診断基準(9つあり
ます)を示しながら、
それがどのような意味なのかを詳しくご説明します。

今回と次回の2回に分けてご説明します。

最後にお知らせがありますので、
そちらもお読みください。


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■ 境界性パーソナリティ障害について(2)
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(1)現実に、または想像の中で見捨てられることを避けようとするなりふりか
まわない努力

他者との別れや他者からの拒絶にあうと、見捨てられたと思って自分の中に大
きな変化がおきます。学校を卒業したり転職したりしたことによって、生活習
慣が変わることでも同じような変化がおきます。この変化は、感情や考え方、
行動に現われるばかりでなく、「自分とはこういうものだ」と普段思っている
こと、つまり自己同一性にも混乱をきたします。感情が不安定になることで、
周囲の状況に非常に敏感になるわけです。

実際、何らかの時間的な制約があって別れなければならなかったり、何らかの
理由で計画を変えなければならなくなったことに対しても、見捨てられる恐怖
や不適切な怒りを覚えます。カウンセリングを受けていて、カウンセラーから
「今日はこのへんで」とカウンセリング時間の終了を告げられたり、「相談料
は○○になります」と言われたりしたとき、また大切に思っている人との待ち
合わせで相手が2,3分遅刻してきたときなどにも、パニック的に恐れや怒りが
起こったりします。

これは「見捨てられる」ことが「自分が悪いことを意味している」と信じてい
るからであり、この見捨てられ恐怖は、一人でいることに耐えられなかった
り、誰か他人に一緒にいてもらいたいという欲求から生じるものです。この世
界の終わりを告げられるような耐えることのできない見捨てられ恐怖をできる
だけ緩和させておくために、なりふりかまわない努力をしようとします。その
努力には、自傷行為や自殺行動なども含まれます。なぜ、このような人たちが
自傷や自殺を繰り返すのか、それはこの見捨てられ恐怖にあるのです。


(2)理想化とこき下ろしとの両極端を揺れ動くことによって特徴づけられる、
不安定で激しい対人関係様式

自分が気に入った人に対して、たった1、2回あっただけで自分の面倒を見て
くれる人とみなし、自分を愛してくれる人として理想化します。そして長い時
間一緒に過ごすように要求し、まだ会ったばかりなのに、自分の個人的なこと
を非常に詳しく分かち合おうとします。このような人たちは他人に共感したり
世話をしたりはできますが、それは相手が「そこにいて」お返しに自分の求め
る欲求を満たしてくれることを期待しているからです。

しかし、このような人は、理想化からこき下ろしへすばやく態度を豹変させ、
自分の面倒を見てくれない、十分にものを与えてくれない、自分と一緒にずっ
と「そこに」居てくれない、と感じてしまいます。他人に対する見方を突然
に、しかも極端に変化させ、他人に対しては、有益な援助をしてくれる人いう
見方と、残酷な罰を与える人という見方が、いれかわり立ち代り出てきて、そ
れによって混乱が自分の中に生じますが、自分ではその混乱は気づいていませ
ん。このような変化は、いったん理想化した相手はいずれ自分を拒絶して見捨
るだろうという幻滅を自分で作り上げてしまうために起きるものです。

(3)同一性障害:著明で持続的な不安定な自己像または自己感

自分の目標や価値観、志望する職業、仲良くしている友人のタイプなどが急に
変わることで自己像が劇的に急変します。目標を達成する寸前でそれを放棄し
たりもします。自己像とは自分の特徴を代表する雰囲気のようなものですが、
この自己像が急変するということは、自分自身でも感じますし、周囲の人にも
歴然とわかります。

こうした人たちは、助けを求める者だったのにその役割も突然に変えて、過去
に経験した虐待に対して「正義の報復」を始めることもあります。このような
急変する自己像は、自分がまったく存在しない、空虚な感じを持つこともあり
ます。このような自己像の急変は、意味ある対人関係や支持を得られなくなっ
たと感じる状況で起こってきます。

このような急変する自己像を持つために、自由にやれる仕事や学校などの環境
に接すると作業能率が落ちる傾向にあります。ある程度、枠がしっかりした現
場での仕事を得意とします。

(4) 自己を傷つける可能性のある衝動性で、少なくとも2つの領域にわたるも
の(例:消費、性行為、物質乱用、無謀な運転、むちゃ食い

賭博(とばく)、無責任な金銭消費、むちゃ食い、物質乱用、危険な性行為、
無謀運転などをしがちです。

PattisonとKahan(1983)によると自傷行為は、その致死性によって、高、中、
低と3段階に分けることができ、それぞれに直接的あるいは間接的な行為がカ
テゴライズされています。致死性が高いとは自殺のことをいい、中程度とは繰
り返される自殺企図あるいは重大な自傷、低程度は軽い自傷のことをいいま
す。直接的というのは、自分を傷つける行為が即座に身体に損傷を与える行為
の場合で、間接的というのは、身体損傷が即時的なものではなく、その害が蓄
積することで生じる行為をいいます。

高い致死性をもつ直接的なものは自殺あるいは繰り返しの自殺のことで、間接
的なものは状況的危険行動、高度に危険なスタント、程度の重い拒食症などで
す。車が往来する道路へ飛び出したり、高いビルの屋上の縁を歩いたりするこ
とも高い致死性をもつ行為と判断されるわけです。そして注意してほしいのは
拒食症もここに入るということです。拒食症は、それほど危機感をもたれるこ
とは少ないかもしれません。しかし、その実態は、死と裏表にあるということ
は認識しておいてください。

一方、危険なスタントについては、別の見方もできます。これはスリルを求め
る心性でもあり、それは個人の進歩を導く原動力にもなるかもしれないエネル
ギーを秘めています。ですからいちがいに自傷の分類に入れることはできませ
ん。カウンセリングではその見極めも必要になってきます。

中程度の致死性をもつ直接的なものは重大な自傷であり、間接的なものは急性
アルコール中毒や性的危険行動などです。よく知らない人と性行為をしたりす
ることもここに入ります。

低い致死性をもつ直接的なものは一般的な軽い自傷であり、間接的なものは慢
性的な物質乱用(覚せい剤や薬の乱用)、過食症、治療のために服薬している
行為を自分の意志で中断することなどが入ります。

この分類をみると摂食障害(拒食、過食)は自殺・自傷の一種と考えられ、適
切な対応が必要な障害なのです。一歩間違えば、大切な命を落としかねない障
害なのです。


(5)自殺の行動、そぶり、脅し、または自傷行為の繰り返し

境界性パーソナリティ障害をもつ人の8%〜10%は実際に自殺をしてしまいま
す。またその数倍の人が自殺企図や自傷行為(創傷や熱傷)をします。繰り返
えされる自殺企図は、その人が助けを求めているということの裏返しです。こ
れらの自己破壊行動は、別離の脅威、拒絶、または自分の責任が増えるかもし
れないと予感する事態に遭遇することで起きてきます。

また自傷は、自分の意識が自分という身体から遠ざかって感じられる解離性の
体験の間に起きます。自分が自分でないような離人感覚のときに自傷が起きま
す。そして自傷して流れ落ちる血をみたり痛みを感じることで、「自分で感じ
ている」という能力を再確認したり、自分が悪いという持続的な感覚から抜け
出すことができると、自傷行為は治まっていきます。自傷をすることで、自分
のコントロール感を取り戻すのです。



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次回はこの診断基準の続きをお話します。
症状を詳しくお話することで、
この障害をもつ人がどのように苦しんでいるかを
正しく理解いただくためでもありますのでお付き合いください。


絵画を使った相談もお待ちしております。


高間しのぶ(心理カウンセラー)


お知らせ:

ソレア心理カウンセリングセンターでは、3/30より計4回で、
マインドフルネス/エモーション・トレーニング・グループを開きます。
このメルマガをお読みいただいている読者の方に優先的に
2名だけモニターを募集いたします。
モニターの方には無料でこのトレーニングに参加いただけますが、
アンケートと心理テストにご協力ください。
詳細はHPをご覧ください。

http://www.solea.main.jp/?cid=30853

モニター希望の方は、solea@jz.main.jp までメールでご連絡ください。

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メールカウンセリングの方法などについては、
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ご質問、ご感想は、お気軽にお寄せください。

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